for answerの時代から十数年後。人類は何も変わっていなかった。

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ちょっとした妄想の書き出し。

ORCAルートのアフターみたいなの。

主人子を二人の兄妹にしてみました。例によって主人公兄妹は喋りません。容姿も不明。年齢も不明。




AFTER

「作戦の概要を説明します。今作戦は、GA社の旧AF開発工場に投入されたトーラス製の自律兵器の破壊です。同工場には、開発が中止された今もAFが眠っています。GA社はこの工場の再利用を検討しており、自立兵器による工場の破壊をGA社は望んでいません。速やかな作戦の完了を期待されています」

 

 もう十何年も前の話だ。

 

 全ての人類を地上に還す事と地球を覆う機業の罪過「アサルトセル」の一掃を画策したORC旅団。旅団長"マクシミリアン・テルミドール"を筆頭に、十数名の"リンクス"からなる集団。

 結論から言えば、ORC旅団の革命は成功に終わった。旅団の革命を最終的な成功にまで導いたのは"一人のリンクス"だった。

 しかし、その代償として、同旅団の壊滅並びに人類の過半数が死滅。

 大空の揺りかご。地上を捨て、空に逃亡した"クレイドル"に住む人類は薄汚れた地上で生きていくには綺麗すぎた。結局、大半の者は地上の環境に適応出来なかった。

 残った人類は地上の再生を始めると同時に、更なる資源を求めて空よりも遥かに高いところを目指すことになった。

 既に地上の資源は底を尽き始めている。企業は新たな資源の確保ではなく、残っている資源の可能な限りの保有を図る。というのが建前。

 今あるものも何時かは底を尽きる。保守に走ったところで時間の問題。奪い合いに走るのは必然的だった。遥か高くまで昇る為にも。

 

「健闘を祈りますリンクス」

 

 旧レイレナード社のアーマードコア・ネクスト。03-AALIYAHを一回り大きくしたモノに"俺"と"妹"は乗り込む。外装に大きな変化はない。AALIYAHをそのまま大きくししたモノ。

 強いて言うならば、動力となる"コジマ粒子"生成機構の増設による各部ブースターの増加。"クイックブースト"、"オーバードブースト"が更に強化されている。その結果パイロットへの負荷も大きいが。

 

 だが、それを克服するために、この機体には此までにない新たな試みが取り組まれている。

 

 アレゴリー・マニュピレイト・システム略してAMSの増設。複座式にされたコックピットに、二人のリンクスが搭乗することにより、機体の管制による負荷を二人のリンクスに分散させ一人のリンクスに掛かる負荷を軽減させる。

 アーマードコア・ネクストが誕生して既に何十年も経っている。

 特殊な素質がなければ動かせないアーマードコア・ネクスト。搭乗者リンクスの数には限りがある。

 今の時代、リンクスの数は全盛期の半分以下しかいない。そんな少なくなったリンクスを長持ちさせる一環として企画されたのがネクストの二人乗りである。

 

 既に"妹"は後部コックピットに乗り込んでいる。黒いパイロットスーツに黒いヘルメット。全身が黒ずくめ。

 操縦席の上方から伸びているAMSコネクトは首の左側に繋がれている。"妹"の表情は見えない。

 

 メットを被りAMSコネクトを首の右側に接続する。接続した瞬間に幾つもの文字と数字の羅刹が頭の中に光と共に流れ込んでくる。文字と数字の中を、更に奥深くまで進んでいく。

 これらは、機体の機動に必要なセットアップのプログラム。頭が重くなり頭痛がするが、少ししたら収まる。

 コックピットからは外の景色が見えない。真っ暗な空間に幾つもの機器が点滅している光しか見えない。

 数字と文字を越えた先。ネクストのカメラを通して脳内に網膜に直接情報として外の景色が反映される。

 乗り始めはこの景色に慣れなかった。自分の体がネクストと一体化した感覚に。

 

 地下格納庫に固定されている機体のロックが外されていく。

 

 ネクストと繋がったことにより、ロックが解かれた感覚が鮮明に伝わってくる。まるで、鎖で繋がれていた手足が自由になるかのように。

 

 足場が徐々に上に押し出されていく。遥か上のシャッターが開き、光が入り込んでくる。

 地下の暗かった景色から一気に外の明るい景色になったことで目が眩む。直接触れているわけでも見ているわけでもないのに太陽が眩しい。

 

 機体を前方に屈ませる。機体の背部ににVOBがつけられたのが分かる。背中に重い物を背負うような感覚だ。

 

 "妹"もそれを体感しているだろう。

 

 複座式になったことで、AMSが二つになったことで

俺と妹が体感するものは同じモノである。どう感じるかは"妹"の感性によってくるが。

 この複座式のコックピットだが、今では俺達以外扱うものはいない。

 負荷を軽減する目的の為に企画されたのだが、その過程である致命的な問題が生じた。

 元々一人のリンクス手によって操縦されるネクスト。パイロットの思考が操縦系統に直接反映されるものに、パイロットが二人いては認識の統一が図られないのだ。

 パイロット同士の思考が一致しなければまともに動かすことは叶わない。一人が右に行きたくてももう一人が左に行こうとしては満足に動かすことはできない。

 そんな問題点の解決策を見出だすことが出来なかった。時間も金もこれ以上掛けられないとして、この企画は凍結されることになった。

 では、何故俺達はその凍結された企画のモノを扱えるのか。それは一重に俺達自身が解決策の見つからなかった問題に当てはまらないからだ。

 どういったは訳か、俺と妹の意思は統一することが出来る。お互いに何をしたいのかをリアルタイムで共有出来るのだ。それが一卵性双生児による双子だからなのか、生まれ持った俺達の才能なのかは分からない。

 それにより、俺達は他のリンクス達よりも大きなアドバンテージを得ることになった。多少無茶な動きをしても、その負荷は俺と妹に二分割される。

 

 俺も妹も無口だ。決して言葉など語らない。どれだけ精神負荷や肉体的に厳しさを感じても口には出さないし、表情にも出さない。

 

 出撃の合図として機体のロックが解除される。

 

 VOBのロケットブースターが点火。爆音と共に荒野をネクストが飛び去っていく。音速を越えるネクスト。音は遅れてやってくる。風圧で荒野の砂や石が空に巻き上がる。

 

 高速航行中の機体のメインカメラから外の景色が脳内に流れ込む。

 

 初めは慣れなかった。何もかもが一瞬で過ぎ去っていく。機体が受ける風圧を、まるで生身で受けていることかのように体感する。

 他のリンクス達はどうか知らないが、俺はAMSの適性が高いからなのか、敏感に機体の影響を感じとる。

 例えば、水上航行中の水飛沫で、体が濡れるように。地面に着地するときの足の痺れ。PAが剥げた時に受ける実弾又はEN兵器のダメージ。

 強すぎる感性で身を滅ぼす。そんな間抜けなことはない。だからより強化した。痛みを痛みと感じずに、只の情報の一つとして捉えるように。

 

「間もなく作戦領域に突入します」

 

 VOBパージ。OB起動。

 

 妹と思考をリンクさせ、機体と思考を戦闘モードに切り替える。

 

 VOB程ではないが、OBも音速の域に達することが出来る。特にAALIYHは高い機動性とPAを重視した機体。

 

 作戦領域である旧AF工場内に突入。渓谷に囲まれた工場。AFの開発を行っていただけに、中は広い。

 ネクストでの視界が、普通に人間が工場の中に立っているかのに感じる広さの工場。中央の建設途中と思わしきAFがある。骨組みだけで、外反は付けられていない。早期に廃棄されたようだ。

 そんな工場には幾つもの別区画へ続く道があった。ネクストが一機通れるか通れないかの道。

 

「自立兵器は工場全体に侵入しています。全ての自立兵器を破壊してください」

 

 工場の天井と各機器の裏から自立兵器が姿を表す。空中に浮遊する小蠅のように煩わしく飛び回る自立兵器。足はなく、上半身だけである。両腕は武器腕となっている。

 地上を移動する自立兵器は、タンク型を連想させる兵器。しかし、何れも"ノーマル"ではない。アレには人が乗っていない。完全なるコンピューター制御。

 

 ......私がやる。

 

 ......わかった。

 

 妹の思考が脳に流れ込む。俺は妹の動きに合わせるべく、意識を集中させる。

 

 こう見えて妹はせっかちだ。

 

 右手に搭載されているレーザーバズーカーが、空中に集る自立兵器の一機を撃墜させる。

 実弾とEN兵器の融合という、一部の人間の遊び心の塊。既に試作段階から正式に確立された技術であり、今では市場に多く出回っている。

 AALIYAHはエネルギーの消耗が激しい。出来ることなら使わないのが望ましいが、妹が頑なにEN兵器に拘る。

 

 地上を滑りながら、遮蔽となる建設機を利用しながら自立兵器を相手にする。

 不規則に動き回る空中の自立兵器だが、妹は的確にそれを撃ち抜く。

 当然自立兵器側の反撃もある。

 ネクストが表世界に姿を見せた時は、PAを貫通するような減少させるような有効な兵器は多くはなかった。PAの前に殆どの兵器が無力と化した。

 しかし、時代が進むにつれて、対ネクスト戦を想定した兵器が次々に開発され、ノーマルと呼ばれるACにもそれらが搭載されるようになった。

 絶対的な、圧倒的だったネクストも時代の進歩と流れにより、通常の兵器の一つとして見られるようになった。

 その癖、使いどころを考える必要と、運用には莫大なコストと、人件費が掛かるという面から、通常の兵器であるにも関わらず、慎重に扱われた。

 それもその筈。先の理由よりも重大な欠点とも言えるリスクがネクストにはあるからだ。操縦者もそうだが、ネクストに使用されているコジマ粒子は環境を汚染させる性質があった。

 発見者に因んでコジマ粒子となずけられたそれは、ネクストには欠かせないもの。だが、悪性の因子による環境の汚染を無視することは出来ない。

 増えすぎた人工による地球の荒廃。地球環境を省みずに繁栄を続けた人類の咎。

 かつて緑が残っていた地域も今では砂漠に飲み込まれている。ネクストの力に魅了された人々が地球の環境よりも、限られた資源の確保とそれらを取り合う争いを望んだ。

 結果、一部の人間は薄汚れた地上を捨て空に逃げた。地上に残ったのは空に逃げ遅れたか、空に上がることの出来ない貧民層だった。

 ネクストの操縦者達は、ネクストにより体がコジマ粒子に汚染されている。空に上がることを操縦者達は認められなかった。体に染み付いた汚れを潔癖者達が嫌ったからだ。

 企業の犬として飼い慣らされ、貢献してきた操縦者達が受ける待遇ではない。だが、操縦者達も生きる為に逆らうことは出来ない。やむをなしに、地上に残り企業の尖兵であり続けた。

 そしてそれに終止符を打ったORCA旅団。だが、結局はいたちごっこ。人類は次なるフロンティアと称して宇宙への進出を狙った。

 表向きは資源の確保だが、汚れきった地上からの脱却に過ぎない。

 

 自立兵器の猛攻が始まる。

 

 地上を移動する自立兵器の散弾と機関銃。空中からはパルス攻撃。

 これら自立兵器は、ノーマルよりも小さく、ノーマルよりも攻撃力がある。それこそネクストのPAを容易に減少させるほどに。

 対ネクスト兵器として完成された兵器。小型でありながらネクストに通用する程の火力。個を集団で迎え撃つ数の暴力。

 個に依存することから離れだした企業の一種の答えであった。大量生産が可能で、ネクストよりも使い勝手が良い。噂ではノーマルを更に洗練させた兵器もあると聞く。リンクス達の立つ瀬がなくない。

 

 勿論只で殺られるほど俺達もやわではない。

 

 上手く遮蔽を利用しつつ攻撃をかわす。一度動きを止めてしまえば瞬く間に蜂の巣となる。

 QBを駆使し、銃口を向けられるよりも先に射線から離脱。背後や側面を取るようにして同士撃ちを誘発させたりして弾薬を節約する。

 何機か破壊したところで、奥にいたと思われる自立兵器が終結しだした。

 此方から探しにいく手間が省けた。

 

 OBによる高速移動をしながら、レーザーバズーカーとライフルを連射。自立兵器の輪の中を潜り抜けていく。

 ライフルの弾倉が空になり、自動で次の弾倉が装填される。一度OBを停止させ、エネルギーを補充する。その間QBも使えないため、小ジャンプやブーストでの通常移動で攻撃を回避し続ける。

 

 ......"アレ"で一掃しよう。

 

 ......"アレ"を使うのか?

 

 妹からアレの使用を求められた。

 

 アレは非常に強力だが、同時にこの場全体の汚染を進行させてしまうリスクもある。その代わり威力は絶大だ。自立兵器程度なら殲滅も可能である。

 しかし、依頼者から何と言われるか分からない。ここの再利用を狙っている依頼者の意に反することになる。

 

 ......私は面倒なのが嫌いだから。

 

 ......分かった。

 

 妹に甘い兄かもしれない。けど、たった一人の肉親だ。実の親は俺達を企業に売った。その後の動向は不明。居場所を知る手段もない。以来、俺は家族を妹だけとしている。

 

 エネルギーが補充されたのを、機体からAMSを通じて読み取る。再度自立兵器の中心へとOBを開始。丁度中心に差し掛かる手前で"アレ"の使用の準備をする。

 直後、展開されていたPAが減少していき、やがて消滅。PAの為に放出されていたコジマ粒子が機体のコア中心に濃縮されていく。コジマ動力が過負荷で振動している。最大限界までコジマ粒子を濃縮したところでそれを一気に機体外に向けて拡散。一定値を越えるほど濃縮させると、コジマ粒子は爆発する。それを実機以外の全方向に向けて拡散させることで、広範囲がコジマ爆発を引き起こす。

 緑色のコジマ粒子の爆発に飲み込まれる工場と自立兵器。

 通称"アサルトアーマー"。このコジマ爆発の技術はネクストの兵器のライフルやキャノンにも利用されている。AAはその比ではない。

 

 自機以外の全てがAAで破壊された。床も、工場の機器も、自立兵器も。AAに飲み込まれたもの全て。

 

 ......終わった。

 

 ..................。

 

 何はともあれ、作戦事態は完了した。依頼主の意向に反する形だが。

 

「自立兵器の破壊を確認しました。お疲れ様です。作戦成功です。迎えの輸送機を向かわせています」

 

 帰りはのんびりと帰りたいのはお互いに同意見。決まって作戦が終了したらAMSに頼る操縦は極力せず、通常のペダルやレバーによる操縦に切り替える。

 その際、妹は寝る。通常操縦を全て俺に任せて。

 怒鳴る気力も作戦が終わった直後はなく、いつも許してしまっている。

 

 AALIYAHが工場の外に出る。遠方から迎えの輸送機らしきプロペラ機が此方に向かってくるのが見える。

 

 ほっと、一息をつこうとした時に"そいつ"はやってきた。

 

 迎えの輸送機が空中で爆発。激しく炎上しながら墜落していく輸送機。輸送機の爆発に妹も目を覚ました。

 

 何が起きたのか。わからない。見えたのは輸送機を貫通するENの光だけだった。

 

「高速で接近する機影あり。これは......この反応はネクストです!」

 

 オペレーターの通信により何が起きたのか簡単に把握した。何者かのネクストが輸送機を破壊したのだ。

 

「速い......作戦領域に突入......来ます」

 

 段々と近づいてくる謎のネクスト。作戦中に不明ネクストが乱入してくるのは珍しいことではない。ただ、俺達二人の直感が、接近する謎のネクストがヤバいと告げている。

 頭部カメラの索敵範囲に入ったネクストの姿を捉える。それは俺達と同じAALIYAH型のネクストだった。

 

「..................」

 

 無言で目の前に降り立った不明ネクスト。しかし、その姿は奇妙だった。至る装甲が傷で痛んでいる。泥等の汚れも目立つ。とても整備を受けているネクストには思えない。企業所属ではない独立傭兵でも、企業に金を払って整備補給を受けるのだが、このネクストにはそれをしているようには見えない。

 

 何者なんだ?

 

「そんな......敵ネクスト"ストレイド"を確認。相手が悪すぎます。逃げてください」

 

 "ストレイド"?

 

 何処かで聞いたことのある名だ。

 

 ......こいつ、生意気そうだから潰そう。

 

 ......ここで叩いておいた方が良さそうだ。

 

 逃げろというオペレーターの忠告を無視して、俺達は臨戦体制をとる。

 

 相手のネクスト、ストレイドもそれに合わせて臨戦体制に入った。

 

 両者のAALIYAHの独特の複眼が黄色く発光する。

 

 正面からぶつかり合う二機のネクスト。戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 




機体はAALIYAHですが、二人用に専用改造されています。色々と説明が変かもしれませんが、それはこの機体の仕様です。

二人乗りアーマードコアって無かった気がしたので出してみました。イメージはアリオスやスターゲイザーのような複座コックピット。スタークジェガンでも良かったのですが、何となく前者にしました。

一応、兄妹間で思考を共有させることのできる特殊な能力があるから操縦できるという設定です。これは某F兄弟を参考にしています。男兄弟にしなかったのも参考元が既に男兄弟だったので......

操縦に関しては某13号機でも二人操縦出来ていたので、出来るんじゃね?という妄想です。はい。

最後に出てきた人ですが、機体名からあの人です。最凶オペレーターは天寿を全うしたので故人となっている設定です。

4解答での初めての依頼で白栗が来て撃退とか考えていたので。こんな話になりました。MHのティガやリオはビビった。

続きは今のところ無い......です。

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