魔法科高校の劣等生 エスペランザ・アルエット 作:イェーレミー
遅れた理由としては、この作品がすごく難産だったこと、私生活での勉強が忙しかったこと、必死でファンキルやロストゼロやスクストレジスタで周回していたこと、自分の表現力を上げようと他の作品を見ていたこと、が挙げられます。
この作品を見てくださっている方々には、大変ご迷惑をお掛け致しました。今後は少しずつ投稿ペースを早めていく予定ですので、ご安心ください。
あ、
キャラクター紹介に関しましてはオリキャラが出尽くした所で出しますので、もうしばらくお待ちください。
それでは、どうぞ!
前回のあらすじ!
雫は魔法科高校に入学!
式までの時間を潰すために寝て、起きてみると隣で美少女が寝ていた!
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「ん・・・・・」
雫のとなりに座る彼女が起きたのだろう。身動ぎした後、同じように伸びをした。そしてジーっと見ていた雫に気がついた。彼女の肩に八枚花弁はない。
「いつの間にか寝ちゃってたみたいね・・・・・。あ、勝手に相席させてもらってごめんね」
「別にいいよ?私もよくやるし。・・・・・もしかしなくても新入生?」
「そうよ。あなたも?」
その言葉に雫は頷いた。すると少女はおもむろに右手を差し出してきた。
「クルーエル・ソフィネットよ。よろしくね」
クルーエルと名乗った少女は「次はあなたの番」と言わんばかりに目をしっかり見つめてきた。雫は一つ小さくため息をつくと、その視線を真っ向から受け止めた。
「私は北山雫。よろしく」
そう言ってクルーエルの右手と握手し、何となくぼんやりと背後を眺めてみた。すると、自分達に向かって歩いてくるクルーエルと同じ姿形をした少女がやって来るのが見えた。違いと言えば髪が長いぐらいだろうか。なので幽霊かと思ってクルーエルと背後の少女を繰り返し見てしまった。
「北山さん、どうしたの?」
「雫でいい、けど・・・・・」
「けど?」
「う、後ろ・・・・・」
「後ろ?」
怖がっているのとクルーエルを繰り返し見ている事で彼女にも気付かれたようだ。雫の言った通りに後ろを振り返ってみて、破顔した。
「もしかして幽霊かと思っちゃった?」
「う、うん・・・・・」
「姉さん、もう時間が・・・・・」
「姉さん!?」
「彼女は私の妹なのよ。一卵性双生児で姿がほとんど一緒になっちゃったの。好みとかも大体同じになっちゃったから、彼女には髪を伸ばしてもらってるけどね」
「そうなんだ。てっきり幽霊かと思っちゃって・・・・・ごめんなさい」
「いいわよ、謝らなくても。よく言われるから慣れちゃったし」
クルーエルもそうだがクルーエルの妹も意外と気さくなようだ。
「彼女はアマリリス。見分け方はさっき言った通り髪の長さね。アマリリス、この人はさっき会って仲良くなった北山雫さん」
「アマリリスでいいわよ、北山さん」
「私も雫でいい」
「わかったわ。・・・・・それよりも姉さん、雫と仲良くなったのはいいけどもうすぐ入学式が始まるわよ?初日からサボる気なのかしら?」
「雫と一緒に今から行くつもりだったわよ・・・・・」
ため息を吐きながらクルーエルは立ち上がった。そんな二人のやり取りに少し笑いを堪えながら、一卵性双生児なら顔は似ているだろうし、でも性格までほとんど一緒なのだろうかと少しの間考えていたけれど、そのもやもやした気持ちは遠くに投げ捨てて、雫はベンチから立ち上がって二人と共に講堂に向かうことにした。
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クルーエル達が講堂の中に入ると、半数ぐらいの新入生と思われる生徒が座っていた。しかし、よく見てみると前半分が一科生、後ろ半分が二科生というように、誰かが決めたわけではないのにキッチリと分かれていた。しかし、自分も妹も雫も二科生。前に座って悪目立ちするのはあまりよろしくないと判断し、後ろの方の空いている席を探した。
「あそこの二列、左半分空いているわね。どうする?」
「雫はどうする?」
さすがアマリリス。私の妹だけあって、私の思っていることを瞬時に察知して聞いてくれる。まぁ他力本願と言われればぐぅの音も出ないけれど。
「何処でもいい。座席の位置によって成績やクラスが変わる訳じゃないし」
「それもそうね」
雫も大体私たちの考えてる事と同じだった。思考も似ているのかな?と思いつつ、目立たないように端っこの席に、座ろうとした。しかし、そこには先客がいた。
「ん?」
蒼髪ミディアムと、金髪ツインテ、それから白髪ロングの少女三人が、空いていたと思っていた二列の内前列の左端に座っていたのだ。だからと言って後列が空いてないかと言えばそうではなかったので、後列左端からアマリリス、クルーエル、雫の順番で座った。すると、人懐っこい笑みを浮かべながら前に座っている金髪ツインテの子が話しかけてきた。
「チャオっす!」
「ち、ちゃお?」
意味がわからない。日本語で会話するために「こんにちは」と言おうとしたら、イタリア語が返ってきた。しかも微妙に日本語になっている。まぁ挨拶の仕方なんて人それぞれだから、なにも問題はないけれど。
「ちょうど入ってきたときに空いてたから座らせてもらいました!ダメでしたか?」
「いや指定が無いんだから、空いてる席に座るのは至極当然のことでしょ」
「そうですね。あ、すみません。自己紹介がまだでした。私はティエラ・フィシリアです。こっちの金髪が有村雛絵、蒼い髪が香月華です」
「よろしくっす!」
「ん」
会釈された。ティエラと名乗った少女と雛絵と紹介されたさっきの子は礼儀正しく、思わず会釈を返してしまった。だが、華と紹介された少女は「ん」とだけしか言わなかった。その考えに気付いたのか、ティエラが慌てて弁解し始めた。
「えっとね、華は喋れない訳じゃないけど、話すのもめんどくさがるほどなの。悪意があってこうしてる訳じゃないのはわかってもらえると助かるの」
「んー」
華に姿勢を正して頭を下げられた。こう言われてしまえば、こちらとしても何も言えなくなる。そしてじっとこちらを見てきた。どうやら彼女達だけ自己紹介したのが気にくわなかったらしい。彼女と話すときはこういうことをしていけばいいのかなと思うクルーエルであった。
「私はクルーエル。クルーエル・ソフィネットよ。こっちが私の妹のアマリリス」
「姉さん共々、よろしくね」
「私は北山雫。よろしく」
自己紹介に対して目をキラキラ光らせた人一名、ピクリと肩を震わせた人一名居たが気にしなかった。
そんなこんなで人が増えていき、雫の隣に中肉中背でどこにでも居そうな男性が座った。人に関わりたくないのかすぐさま寝ようとしたが左から来た四人グループの少女達によって中断され、なし崩し的に自己紹介をしていた。
「ここ、いい?」
「ん」
そして華の隣にも薄水色の髪の少女が、その隣に黒髪の少女が座った。座ったあと、その少女二人に声をかけようかどうか迷っていた雫は、意を決して話しかけた。
「私は北山雫。あなたは?」
その言葉に薄水色の髪の少女が振り向き、会釈した。つられて会釈を返し、雫は少女の言葉を待った。
「私は紗夜。紗夜・シーリス。紗夜で良い」
本当に初めましての人だった。懐かしい気配がしたのに、これはどういうことかと思案してみるも自分では分からずじまいだった。そう、自分では
「まったく・・・・・懐かしの再会だっていうのに、私には声をかけてくれないのね。・・・・・そりゃまぁ、引っ越してから連絡もなにもしなかった私も悪いけど」
紗夜の隣の黒髪の少女から出る言葉は懐かしの音色だった。それは中学校に入るまでにはよく聞き、中学校が始まってすぐぐらいからは全く聞けなくなってしまった声。その声が続ける。
「それにしても、久しぶりの再会だけどあんまり変わってなくてよかったよ。あまりにも変わりすぎてたら、どう声をかけていいのか迷うところだったし」
紅い瞳が微笑みながら雫を見据えているが、当の本人は涙をこらえるので精一杯だった。何せ、
「まぁ、そんなわけで。ミキ・クロニクルは雫のいる場所に戻ってきたよ」
「ミキ~!」
そこに居たのは昔馴染みで今の今まで音信不通だったミキだったのだから。
まぁ、二人にとっては感動の再会なのだが、蚊帳の外に置かれた人達もいるわけで。
「ねぇ雫。その人とはどんな関係なの?」
蚊帳の外に置かれた人達代表としてクルーエルが訊いた。すると雫は目尻に浮かべた涙を拭い、満面の笑みで語り始めた。
「ミキは私の幼馴染みなんだけど、中学校の頃にU.S.N.A.に親の都合で行ったっきり音信不通になってたの」
「メールとか電話とか手紙とかを送れなかったのは親の用事が忙しかったんだよね。一週間したら引っ越しするっていう生活だったから、自分のことで手一杯だったんだよね。その合間を縫ってすればよかったなって、今は後悔してるんだけどね」
苦笑しながら申し訳なさそうに雫を見るミキ。その様子から、親友と呼べるほどには仲が良かった事が易々と想像できた。そしてその瞬間、入学式開始の合図のブザーが鳴った。急いで身なりを整える雫に誰かがクスリと笑った。
プロットとか無しで見切り発車してしまったのは今でも少しは後悔しています。
あ、あと、批判ではない誤字指摘や感想はどしどし応募しております。