ネギマギ!?【更新停止】   作:しましょー

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魔力操作の村編
第7話


ブン、ブン、ブン。細い棒が風を切るような音がリズミカルに聞こえる。

 

チーシャンから東方に遙か数千キロ。煌帝国の領地にほど近い山中。

 

その山の中腹ほどで一人の少女が長さ60センチほどの木の棒で素振りをしていた。

 

「987、988…。」

 

聞こえる音は彼女の声、そして棒が風を切る音。人の気配など全くしない森の中で彼女は淡々と棒を振る。感覚を研ぎ澄ませてみても近くに、いやこの山中に人の気配は全くしない。

 

それもそのはず。この山は屈強な獣が数多く住み着いている上に、”魔物”が出るという伝説まで伝わっており地元の者たちはこの山に滅多に近寄らないからだ。

 

「997、998…。」

 

ではなぜこの少女がたった一人でこの山にいるのかというと。

 

「999、1000!よし、朝食作ったら頂上までランニングだ!」

 

修行のためである。

 

 

朝食として持参した米と採集した山菜。昨晩狩ったイノシシの鍋を食した後、宣言通り頂上までのマラソンをする。彼女がこの山にこもって二ヶ月欠かしたことのない日課だ。

 

「そろそろこの修行メニューもマンネリ化してきたなぁ…。そろそろ実戦がしたい…。」

 

急な斜面を軽い身のこなしで障害物を避けて走りながら考える。修行の最初の方こそ頂上まで行くのにつまずいたり、怪我したりしていたが、もう慣れたもの。成人男性が平坦な地面を全力疾走するくらいのスピードで山を登る。

 

「今日はちょっと回り道してみよう。」

 

どうやら今日は、彼女が二ヶ月の修行の間に作った獣道から少し逸れて新たなルートを開拓するようだ。時間は多少かかるが、もしかしたら新たな発見があるかも知れない。なにより時間はたっぷりある。

 

「この一歩は記念すべき第一歩…。」

 

ふにっ

 

「ふにっ?」

 

一歩横道に踏み入った瞬間、今までの地面とは違う触感が足の裏に伝わる。ふと下を見て。ありえないものを踏んでしまったことに気づく。

 

「ひ、人ぉ~~~~~~~~~~~~!?」

 

そこに倒れていたのはつい先日チーシャンにて迷宮を攻略したはずの()()()()()だった。

 

 

 

 

 

パチパチッ

 

何かがはじける音でネギは目を覚ました。日が沈んでいるのか辺りは暗い。明るいのは目の前には音を立てながら燃えるたき火。

 

(えぇと…。僕は何をしていたんだっけ…。確かアリババさん達と一緒に迷宮(ダンジョン)を攻略して。それでどうなったんだ?)

 

「あら、やっと起きたんだ?」

 

ネギの思考を中断してかけられたのは優しい少女の声。見ればこの世界に来る前に担任していた生徒達と同じくらいの歳の少女がこちらを見ていた。黒い髪に黒い目、整った顔立ちにどこか元気そうな雰囲気を漂わせている。

 

(なんとなく桜咲さんに似てるなぁ。でもあの人こんな輝いた目はしないもんなぁ…。)

 

もう一つの桜咲と目の前の少女の共通点と言えば髪型か。とはいっても全く同じ髪型をしているわけではなく特徴的な髪型をしているということだ。

 

半デコと名高い桜咲は前髪を半分だけ前に垂らしおでこを半分見せるという今で言うアシメみたいな(?)髪だったが、目の前の少女は弥生時代っぽい髪だ。この説明でピンと来た人はすごいと思う。

 

一番の特徴はは何房かに分けた髪の一つを顔の横で8の字に結んでいることか。ほかの髪は適当にばらけさせているが。これ以上髪型に関する詳しい説明はできない。もし具体的にイメージしたいんなら終わり頃に回答を示すから最後まで読んでねっ☆

 

「大丈夫?君は山の中で倒れてたんだけど。記憶ははっきりしてる?名前とか思い出せる?」

 

「………はい。僕の名前はネギ・スプリングフィールドと言います。記憶が曖昧でなんで倒れていたのかは思い出せませんが。」

 

そこまで言って自分の体に掛けられた毛布と倒れてたという自分を発見してくれたのが目の前の少女だということに気がつく。

 

急いで座り直し頭を下げる。

 

「助けて頂いたんですねっ。ありがとうございました!」

 

「いやいやいや大丈夫だよっ。目の前で人が倒れていたら助けるのが当たり前でしょ!だから頭を上げて。」

 

座り直して頭を下げたらそれはいわゆる土下座である。

 

その後、ネギ達は少女の作ったスープを飲みながら互いのことを話していた。

 

「私の名前はチッタ。チッタ・ラマ-。ちょっといろいろあってこの山で修行している美少女さ。」

 

「修行?…そういえばチッタさんは一人でこんな山の中にいるんですか?」

 

「まず先に”美少女”にツッコンでもらいたかった…ホントに美少女ではあるんだけど……。うん。うちの一族では15になると何らかの形で試練が与えられて、それをこなせば一人前として認められるんだ。」

 

「その試練が山籠もりだったと?」

 

「いや、試練は別だよ。村にいる”神官”って人が神様のお告げを聞いて子供達に試練を与えるんだ。私の場合はある()()を倒せってやつ。まだ力不足で今のまんまだととても無理だから修行してるってわけさ。」

 

「魔物…ですか。」

 

「うん。あ、もちろんお伽噺とかに出てくる魔物じゃないよ?ある猛獣がちょっと凶暴すぎて()()って呼ばれるようになっただけ。そいつは私の剣じゃ全く通用しなくてね。ちょっと奥の手を習得したいんだ。」

 

「いやでもチッタさんはまだ15歳なんですよね?こんな美少女に猛獣を一人で倒せだなんて……。」

 

「別に全部が全部を一人でやれっていうわけではないんだよ。例えば私は今でこそ一人で修行してるけど慣れるまでは師匠に付いてもらってたし、今でも週に一回くらいは修行に付き合ってもらってる。魔物を倒すのは最終的には自分一人でやらなきゃいけないんだけどね。あと普通に美少女ぶっこんできたね。」

 

「そうなんですか……。じゃあ僕も修行のお手伝いをしますよ!」

 

「え……今回は美少女スルーなんだ…。修行って割とがちなヤツだよ?漫画とかであるようなかっこいいのとか『え?そんな意外な方法で?』みたいなやつじゃないよ?」

 

「大丈夫ですよ。僕体力には自信あるんで。」

 

「いや…そんな問題では…。」

 

チッタは少し悩んでいたが、やがて顔を上げると

 

「分かった。じゃあさっき言った奥の手の修行に付き合ってもらおうかな。」

 

「助けて頂いたお礼です。何でもしますよ~!」

 

結局そこまで危険ではない修行に付き合ってもらうことにした。ネギの実力を知らないチッタには年相応の子供としか見えていない。(修行とかに憧れるお年頃なんだな~)とか思ってしまってもしょうがないことだ。実はチッタの修行より遙かにきついエヴァンジェリンの『修行』という名のしごきを乗り越えてはいるのだが。

 

「奥の手ってどんなことをするんですか?」

 

「う~ん。実際にするのは明日からになるんだけど、うちの一族に代々伝わる魔力(マゴイ)操作を身につけようと思ってるんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

この少女。チッタ・ラマ-とネギとの出会いは両者に多大な影響を与える。少女の生まれた()()とは魔力(マゴイ)操作を得意とし、あの七海の覇王が修行に赴いたと言われる東方の少数民族。

 

一族の名を『ヤンバラ』という。








『魔力操作の村』編、開幕です。

ヤンバラっていうのは原作でアリババが魔力操作について教えを受けた一族です。

なんでチッタの髪型ってのはトトやシャンバルさんと同じってことですね。ちなみに作者はショートカットが好きです。

あと、初めてオリキャラを出しましたね。チッタさん。彼女がヒロインになるかどうか、並びにこの後の話に絡んでくるかどうかは決めてません。ってかぶっちゃけこの後の話全く考えてません。エタらせはしないんで安心してください。
チッタさんについて詳しく知りたいって人がいたら言ってください。言える範囲のプロフィールを(作って)お教えします。

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