提督と桜の木   作:ラシュル

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前半はシリアスですが、後半から急ハンドルで曲がっていきます。

出てくるキャラの性格が違いますが、了承下さい。

読みにくいかも知れないですが、よろしくお願いします。


艦娘のいる世界に来た提督

 

「何もなくなったな…」

そう一人呟いた。

 

家族は数年前に事故で他界

一ヵ月前に会社をクビになり

数日前に彼女を親友だと思っていたヤツに奪われた。

 

何もかもに絶望した。

 

家族の居たあの街に行こう

そう思い立ちバイクに跨がり、走り出した。

 

 

 

 

山をいくつか越え、海沿いを約2時間

そこからバイクを降り少し歩く

 

大きな桜の木の下に両親の眠るお墓がある。

 

墓の回りを綺麗にし

 

「オレ、もう疲れたよ。

しばらくしたらそっちに行くよ

ごめんな…」

 

と言いながら手を合わる。

 

立ち上がり、来た道を帰りながらもう一度だけ

ごめんな、と呟いた。

 

 

再びバイクを走らせ小さな工場の前を過ぎ、少し先のコンビニで飲み物を買い

 

ふと懐かしくなり引き返して工場に行くことにした。

 

 

門は空いていたので、そのまま入り適当な所にバイクを止めて工場に入る

 

かなり前に閉鎖されたこの工場で、

私の子供頃よく小さな妖精と話をを思いだし声をかけた。

 

「まだ君たちはいるのかい?」

 

声だけが響いた

 

いるわけ無いか。

と思い直し、壁に手を当てて

「少しだけ休ませて貰うね」

とだけ言い

 

適当な所に、座ることにした。

 

《いるですよ》

 

ハッとして立ち上がろうとしたタイミングで

横にあったレバーを動かしてしまった。

 

《きみはいつもとつぜんくるね》

 

そう言って物陰から妖精が出てきた。

 

「通り掛かったから君に合いに来たんだ」

と言って窓に寄りかかった。

 

《きみはおおきなまちにいったんじゃなかったかい?》

 

トコトコと歩いてきて、机に乗った。

 

「もう疲れたんだ」

 

ふーんといった感じで私の肩に飛び乗った。

 

《なにがあったんだい?》

 

ぽつりぽつりと今までの事を話していった。

 

 

 

《そうだったのかい》

 

ポンと肩から飛び降りた。

 

《きょうはここにいるといいよ》

 

と言って、また奥に行ってしまった。

 

窓の外をみると月が高いところまで上っていた。

 

「このままどこかに行ってしまいたいな」

と一人呟いて海岸に向かった。

 

 

月が沈みそうな頃

妖精がトコトコとやって来た。

 

《きみはかわらないね》

クククと笑って肩に登ってきた。

 

《きみはしぬのかい?》

と聞いてきた。

 

「そのつもりだよ」

と答えて、砂浜に寝転んだ

 

砂にまみれている妖精が

《だったらさ》

と砂を払いながら

 

《ぼくたちをたすけてくれないかい?》

 

と真剣な顔で言ってきた。

 

「君の頼みなら仕方ない」

 

《このせかいではないんだよ…》

とも付け加えてきた。

 

「ちょうど良いな」

 

正直こんな世界どうでも良かったんだと思う。

 

だから、数ヵ月ぶりに笑ってこう答えた。

 

「私でよければ」

 

 

 

 

 

目が覚めると見知らぬ工場にいた。

 

《おはようよくねむれたかい?》

 

そう言いながら妖精達がせわしなく動いていた。

 

「おはよう」

 

キョロキョロしていると昨日の妖精がやって来て

 

《ありがとう、きみがきてくれてうれしいよ》

 

昨日の事を思い出して

「ところで、私は何をしたら良いんだい?」

 

《ぼくたちのていとくになってほしいんだ》

 

話が飛び過ぎて、よくわからなかった。

「ていとくってあの提督かい?」

 

さすがに提督が海軍を率いる役職なのは知っていた。

 

そして妖精は首を縦に降った。

 

「こんな平和な時代にかい?」

 

と言って動こうとした時、

レバーを動かしてしまった。

 

《へいわじゃないよ》

 

と指差した外の景色は

昨日の景色とだいぶ変わっていた。

 

《うみにでると、あいつらがおそってくるんだ》

 

沖にクジラのようなのが6体うろうろしていたが

今のところ襲って来る気配はなかった。

 

だからさといった感じで

《かんむすといっしょにたすけてくれないかい》

 

「かんむすって誰だい?」

 

んーと唸ってから

 

《かんむすだよ。まだいないけど》

と言って着いて来るように促した。

 

そして何かの台の前にやって来て

《そこにすうじをうってくれないかい》

と言いながら、下に降りていった

 

「数字はいくつ打つんだい?」

 

《すきなすうじでいいよ》

 

と言ったので適当に打ち込んだ。

 

「打ち込んだよー」

 

《けんぞうかいしのぼたんおしてー》

 

「わかったー」

 

私は建造開始ボタンを押した。

 

《ばーなーのぼたんおしてー》

 

「はーい」

 

しばらくすると下で

 

《だれー》

《ぼくじゃないよ》

《たいへんだー》

 

と騒ぎが起きた、どうしたんだろう?

 

暫くすると静かになって、誰かが階段を上ってきた。

 

『大和型一番艦、大和です。よろしくお願い致します。提督。』

 

ニコッと笑って、美女が頭を下げた。

 

とっさに

「此方こそ、よろしくお願い致します。」

と言って頭を下げてしまった

 

何が起きているのか分からない。

ただ、何故か提督になった。

 

そこにさっきの妖精がやって来たので小声で聞いてみた。

 

「大和さんってこの工場の方?」

 

《かんむすだよ》

そんな事よりといった感じで。

《ればーさわったかい?》

 

「ごめん、さっき触ったかも」

と少し笑った。

 

クククと笑って

《やっぱりきみはかわらないね》

《それでこそきみだよ》

と笑ってまた下に行ってしまった。

 

下では

《ていとくだったー》

《ていとくがおおがたにしたー》

《ていとくならしかたない》

とか言ってた。

 

そこに

「色々回って来ても良いかなー?」

と聞いてみたら。

 

《きみがここのとっぷだよ》

と笑って答えてくれた。

 

じゃあ行くね❗

と言って出ようとした時、大和さんと初めて目があった

 

「すみません大和さん、私は先に失礼しますね」

ごゆっくりと言おうとした時だった。

 

少し寂しそうな目で

『提督、私もご一緒させて頂いてよろしいですか?』

 

私は少し困ってしまった。




読んで頂きありがとうございます。

不定期になると思いますが、ちょこちょこ書いていこうと思います。

感想とか書いていただけたら嬉しいです。

私、頑張るから、見捨てないでぇ~(笑)
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