提督と桜の木   作:ラシュル

14 / 18
前回の続きから話しを進めています

◆からいつもの視点に戻ります。

今回も凄く主観が入ります。
もうタグ付けしようと思います。

ではどうぞ。


鈴の音…

私は目を覚ました。

あの光に包まれた後、どうなったんだろう?

 

ただここは見たことがある。

あの場所に帰ってきたのだろう。

 

私の嫌いな提督のいる鎮守府に…

 

とりあえず工厰の中だから

妖精さんにちゃんとお礼言わないとな。

周りを見渡し歩き出して、ふと気が付いた

 

鈴の音が聞こえない。

 

胸にしまっておいた筈の鈴がなくなっている

あの人から貰った大事な物なのに❗

 

泣きたくなった。

 

あの鈴が無いと繋がっていない気がして

私の大好きなあの人と……

 

『もう会えないのに…』

 

沈んだ海域に落としたのだろうか?

それが一番可能性が高いだろう

 

そうだとすれば、もう手には戻らないだろう。

私は潜水する事が出来ないのだから。

 

一縷の望みをかけて私が気が付いた場所を探してみたが、やはり見当たらなかった。

 

『そうだよね…』

 

これは神様が私に与えた罰なのかも知れない。

あの時ちゃんと彼に自分の事を言わなかった事の。

 

もしそうだとしたら、お願いです

もう一度だけ

たった一度で良いのです。

彼に会わせて貰えないですか?

 

彼を好きになってしまったのです。

 

会えないのであれば、どうか伝えてください。

『千代は貴方の事が大好きだった』

 

お願いです。

その気持ちが彼に届くのであれば、私は何時死んでも構いません。

どんな状況でも、笑って逝けるでしょう。

 

祈りを捧げるように、床に膝を付いていると

 

階段から人が降りてくる音がした。

 

私はまた笑顔を作り、降りて来るであろうアイツを待った。

 

 

 

 

港湾さんに腕を引かれ階段を降りていると人影が見えた

 

「あの娘みたいだね?」

 

と伝えると大和が後ろから

 

『千代田さん?だと思いますけど…』

 

と聞いて、昔を思い出していた

降りきる前に港湾さんが千代田と思われる艦娘に飛び付いていた

 

【お姉ちゃんって呼んでも良いのよ】

 

予想外の人、言葉、行動でパニクって

 

『え?うわっ、姫級?えっ❗お姉ちゃん?』

 

港湾さんが抱き締めて頬擦りしている。

直ぐに扶桑が割って入り

 

『港湾さん、いけませんよ?

離れて下さい?』

 

と言われ港湾さんが渋々離れた後、その顔を見て驚いた。

昔見たあの娘だった。

 

「千代……なのか?」

 

確証は無かった、ただ何と無く口から出ていた。

 

『進兄…なの?』

 

ああ、やっぱりそうだったのか

 

「あぁ、元気そうでよかった…」

 

ゆっくり歩み寄り

頭を撫でながら、顔を見下ろした

擽ったそうに頬を赤らめながら

昔のようにこう言った。

 

『もう、髪の毛グシャグシャになるじゃない❗』

 

目の前には

昔、会ったことのある不思議な少女がいた。

 

「ごめん、ごめん」

 

と手を離し、改めて少し間を開けた。

 

「千代も艦娘だったんだね?」

 

少し下を向いて、恥ずかしそうに

 

『うん…そうだよ…』

 

と答えた所で大和が突っ込んだ

 

『千代田さん、ですよね?』

 

まっすぐ大和を向いて今度ははっきり答えた

 

『はい、そうです』

 

大和は言いにくそうに、だがまっすぐ見据えて続けた

 

『進一さんとは…どう言う間柄なのですか?』

 

あまりの迫力に千代田が苦笑いでこっちをチラッと見てきた。

助けて欲しいみたいだ。

 

微笑み返し答えることにした

 

「前に会ったことがあるんだよ。

10年位前かな?」

 

と千代田の頭をポンポンした。

 

『えっ❗2年ぐらい前だよ?』

 

と見上げてきた

確かに千代田はそんなに変わった感じがしていない。

 

それ所かあの時代から飛んで来たみたいに若く、可愛いままだった

 

詳しくは妖精さんに聞くことにしよう

 

「そっか、此方だとそれ位だったんだね。

ごめんごめん」

 

と、軽く答えると

 

『もう適当なんだからっ❗

やっぱり私が居ないとダメなんじゃない?』

 

いつものようで、少し期待した様な声だった。

 

「ごめんごめん。千代がいると安心するよ」

 

『もぅ…いつもそうなんだから…』

嬉しいけど 

 

一応、怒った様に見せているが

照れている

そして他の娘達からは、好きな気持ちが漏れ出て見えた

 

『負けません❗』

 

「うん?大和も仲良くしてやってね?

ああ、もちろん皆もね?」

 

こう見えて、千代は寂しがり屋だからね

 

本人の居る所で言うと、烈火のごとく怒るから言えないけど…

 

『進一さん、先程こちらに帰ってくる最中に妖精さんからこれを渡すように言われたのですが…』

 

と扶桑が小さな箱を渡してくれた。

 

「ありがとう」

 

中を確認すると小さな鈴と手紙が入っていた

 

千代にあげた鈴に似ていて

手紙には

 

{これは君から返してあげて欲しい

あの時提督の暴走を止められなかった

僕のせめてもの罪滅ぼしなんだ。

君には何時も迷惑をかけてすまない}

 

僕の方こそ何時も迷惑をかけているのにな…

と思いながら

 

「千代、ちょっとこっちに来て」

 

港湾さんと話していた千代田が

 

『なになに~?』

 

「もう無くすなよ?」

 

と言って、鈴を優しく手渡した

 

鈴を見たとたん、ハッとした表情になって

 

『無くさない❗絶対無くさないっ❗』

 

受け取った鈴を大事そうに胸に抱き

しゃがみこんで泣き出してしまった。

 

【進一、千代を泣かせたらダメだよ❗】

 

と怒られたので

「ごめんごめん」

と頭の後ろを掻いて謝った

 

『良いの、嬉しかった、から』

 

と泣き声で答えて来たので、落ち着かせようとしたら

港湾さんに威嚇された。

 

【進一は外に出てて、大事な話をするから。】

 

大和も扶桑も首を縦に振っていた。

 

「お、あ、はい」

 

素直に言うことを聞いていた方がよさそうだ。

 

ちゃんと外に出るまでは、皆が手伝ってくれた

何だかんだで、優しい子達だ。

 

食堂にでも行って、妖精さん達にアレを作らないといけないからな。

 

簡単なのに好きなんだよなー

 

彼女達の分も作っておいて、お風呂上がりに食べてもらおう。

 

と、車イスを進め始めた。

チリンと涼やかな音を残して。




どうでしたか?

鈴の音って良いですよね。

最初風鈴で行こうとしたのですが、季節感とかサイズ感とかで鈴になりました

風鈴も良いんですけど、鈴だとチリチリ鳴るしええやん?
って感じです。

所で皆さんは重巡は好きですか?
私は高雄さんが好きです。

いつものように感想、誤字脱字報告お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。