ガーディアン・フリート❮はいふり×GAMERA❯   作:濁酒三十六

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十一話・嵐の前触れ

 太平洋にて荒ぶる獣達が四体…海を大きく波立て合い争っていた。一体はガメラで海底を高速で進み、標的である三体を追走。両腕をそれこそ海亀の如く広げ両足を引っ込めたその穴からジェット噴射をしてやはり高速で泳ぎ逃げようとする三体の怪獣との距離を詰めていく。

 其処へ怪獣の一体がUターンをしてガメラに突進する。その頭はギャオスその物で身体の形はまるでアザラシかアシカの様な海棲獣に似ていた。恐らくは海に適した姿に進化した亜種であろうがガメラには些細な事で空か海かの違いだけだ。海棲型ギャオスは敵意を剥き出しに…通常のギャオスよりも大きく強靭な顎をガメラに向けて来た。ガメラも更に速度を上げて突進、そして身体をスクリューの様に高速回転をさせた。そして海棲型ギャオスと高速回転のガメラが激突した瞬間、海棲型ギャオスはスクリューと化したガメラに粉々の肉片にされてしまった。

 しかしガメラにも誤算があり、海底内を過剰に撹拌してしまい残り二体の海棲型の姿を見失ってしまった。…奴等が何処へ向かうかは分からない。だが西之島新島が近い上…、かつてこの助けた事のある“彼女達”が近付いている為に海棲型と出会さないとも限らない。ガメラはあの時の船に乗っていた少女達に不思議な縁を感じておりそのまま海棲型ギャオスは追わず、西之島新島へ向かう事とした。その選択はガメラすら予想だにしない邂逅をもたらすものとなるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 西之島新島沖にて横須賀女子海洋学校の実習艦隊はどの艦も遅刻する事なく予定通りに目的地に集合した。先ずは教官艦を先頭にした巡航演習で西之島新島周囲を巡り、各艦に更に周囲警戒の練習をさせて今日を終了とさせた。全艦は夕食時間となり生徒達は同じ艦の仲間と和気藹々にはしゃぎ始めるのだが、アドミナル・シュペーではトンだ“騒ぎ”が起きていた。

 

「アッ、待てコラッ!?」

「ソッチに行ったよー!」

「もう“デブ猫”のクセに小回りの利く!!」

 

 シュペーの乗組員達が声を張り上げながら()()()()()()()()()()を追いかけ回し、明乃達も何事かと艦内通路に出た。

 

「シロちゃん何だろ?」

「分かりません、向こうから声は聴こえますが言葉が…。」

 

 二人の会話を聴いてシュペー副長ヴィルヘルミーナが騒ぎの繊細を教えてくれた。

 

「え…、亀を乗せたデブ猫!?」

「あぁ、今艦内総出で捕獲を試みているが何ぶんデブでも猫だからな。」

 

 明乃が“まさか”と思った時、騒ぎが近くなり通路をテテテテ…ッと犬猫が走る様な音が此方に近付いて来た。明乃とましろが足音のする側を見た瞬間、明乃から苦笑いがこぼれてましろからは驚愕が顔に貼り付いた。デブ猫の正体は思った通り“五十六”であった。ましろは数歩後退り明乃の後ろに隠れる。そして五十六の頭の上に乗っていた亀を見て明乃の表情が少し強張った。

 

「“トト”…、どうして此所にいるの…?」

 

 明乃は自分の足元に座る五十六を腰を下ろして撫でてあげ、頭の上の陸亀…トトを手に乗せて見おろし、トトも明乃の顔を見上げてジッと見つめていた。知り合いになった二年生に預かってもらった筈の…、亀であるトトがどの様にして野良猫である五十六と出会ったかは分からない。しかし今掌に乗せているのは紛れもなく学内で拾った亀のトトである。五十六も明乃とトトを見据えていた。

 

「その猫は貴公らの猫か?」

 

 明乃とましろはドキリと肩を弾ませ、声をかけて来たシュペーのテア艦長の顔を戦々恐々と顔を向ける。彼女は先程とはうって変わり無表情で取っ付きにくそうな雰囲気を醸し出していた。

 

「ごめんなさい、五十六は野良猫なんだけど…“晴風”の仲間でもあるの。そしてトトは…、わたしの…亀かなぁ…。」

 

 明乃は掌にいるトトに笑いかけ、トトは照れたのだろうか頭を引っ込めて四つ足も甲羅の中に引っ込めてしまった。テアはマントを踵を返して翻させ艦橋に足を向ける。

 

「猫はネズミを取ってくれるから放し飼いで構わないが、亀は明乃の責任でお願いする。」

 

 明乃はシュペー艦長の寛大なお達しにお礼を言って頭を下げた。そんな騒ぎがあった同時刻、所属不明の船舶が秘密裏に西之島新島を目指し横須賀を出港していた。

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