聖書に記されし異教神(更新停止)   作:カイバル峠

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今回は視点切り替え、というか構成メチャクチャかも・・・


対峙

対峙

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――その時がやってきた

 

――――暁が輝き始めた時、天の基から黒雲が立ち上った

 

――――アダト神は雲の中より雷鳴を轟かせる

 

 

――――神々(アヌンナキ)は火を掲げ大地を焼き尽くす

 

――――アダトに対する恐れは天に達し

 

――――全ての光を暗黒に染める

 

――――その雄叫びは大地を壺の如く打ち壊した

 

――――人々の上に破滅が走り

 

――――神々は洪水を恐れ天へ逃れうずくまり

 

――――イシュタルは慟哭した

 

 

                       ギルガメシュ叙事詩 第11の書版

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideアダト

 

「・・・あれ?これマズったか・・・?」

 

コカビエルをSA☆KU☆JOした後、いつの間にか空には黒雲が立ち込め、風が吹き荒れ、雨も降り出した。

 

闇夜を覆う黒雲は月明かりさえも遮り、時折轟音を伴い雲間を走る灼い稲妻がひび割れた地面を照らし出す。

 

「アダト!!ちょっとやり過ぎよ!コカビエル如きにあんな大技使うことないでしょ?!」

 

珍しく声を張り上げるシャラ

 

かつて俺が使ったことのある中でも最大にして最悪の一手。

 

「確かにこれは・・・」

 

「・・・まるであの時の再現ね」

 

さすがのアナトとアスタルテも若干引いてるし・・・

 

あぁ、グレモリー達なんてもう声も出ないらしい。

 

まあでも幸い連中も無傷のようだ。

 

あの時は実質俺の責任じゃなかったからお咎めなしだったが今やったら・・・『地獄の最下層』(コキュートス)送りは確実だな・・・・

 

所在バラしちまったし・・・

 

「とにかく!早く収めなさい!!」

 

「・・・うん」

 

シャラに急かされ、余波で巻き起こった嵐を急いで収束させようとした時だった。

 

ようやく出てきたか・・・

 

「一足遅かったみたいだな」

 

「「「「「「?!」」」」」」

 

第三者の声

 

 

 

空を見上げると神々しく、白く輝く全身鎧(プレートアーマー)を身に纏った人物が。

 

『白い龍』(バニシングドラゴン)・・・白龍皇か」

 

今は堕天使の陣営にいるという白龍皇。

 

恐らくはアザゼルが寄越したのだろう。

 

白龍皇は辺りを一瞥し、改めてコカビエルの姿が見えないことを確認すると

 

「コカビエルをやったのは貴方か?」

 

奴は俺を見据えてくる。

 

「・・・ああ、『抹消』させてもらったよ。」

 

現象レベルでな

 

「ふふふ・・・そうか、面白いな」

 

コイツ・・・戦闘狂の匂いがするな

 

きっとあのマスクの下では狂喜の笑みを浮かべているのだろう。

 

あのガキ・・・他勢力の領地での部下の粗相の始末を自分で付けずにこんな面倒な奴を送り込むとはな。

 

「アザセルからコカビエルを連れ戻すよう言われて来たんだが・・・既に消滅してしまったのでは仕方がないな。」

 

心底どうでも良さそうな様子だな。

 

それも当然か。

 

戦いを至上とする者は戦いたい相手を目の前にすればそれ以外はどうなろうとも構いやしないのだから

 

「そいつは悪かったな・・・何なら今ここで『コカビエルを再生』させようか?そうすりゃ任務も全うできるぜ?」

 

「「「「「「「?!」」」」」」」

 

 

 

「・・・嘘でしょ・・・?」

 

「死者を蘇らせることまで出来るというの?!」

 

いつの間にか元に戻っていたグレモリー眷属

 

 

「ほう・・・そんなことまでできるのか・・・」

 

白龍皇から滲み出る狂気が一段と強まったような感覚を覚える。

 

今のコイツなら問題なく倒せるのだが正直これ以上の戦闘はマズい

 

なんせずっと死んだと思われてた奴が実は生きてていきなり戦闘おっ始めてりゃ混乱なんてもんじゃないからな

 

特にさっきのはマジでやり過ぎた・・・

 

コカビエルと一緒に危うく世界滅ぼしかけましたとかは本当に洒落にならん

 

おまけにこんな面倒くさそうな奴に目を付けられるなんて・・・

 

やっぱり第一線を退いてる期間が長すぎて俺も平和ボケしたのかね

 

力の調整でミスるとかマジないな

 

「実に興味深いな・・・神の定めた事象の地平さえも覆すとは」

 

俺その神なんだがな

 

「よし、気に入った・・・今から俺と戦お「悪いがそれは容認出来ない」?!」

 

また一段とデカい気配の集団が現れたな・・・

 

いや、デカいのはそのうちの数名か

 

それに・・・うち一人はこの前感じた気配の主だな

 

「お兄様?!」

 

リアス・グレモリーが驚きの声を上げる。

 

・・・ほう、魔王直々にお出ましとはな・・・

 

 

 

 

sideサーゼクス

 

私は妹達からコカビエル来襲の報を受け、急遽援軍を編成し、彼らに加え私自身と私の眷属とで人間界へと向かった。

 

最初は私達が出るつもりはなかった、だがどうやら不測の事態が発生したものだから私自身が出向く必要が出てきてしまったのだ。

 

妹達の無事の確認が第一の目的だが、それと同時に――――最もこの状況でそんなことを考えるとは些か不謹慎が過ぎるかも知れないのだが――――例の波動への興味を抑えることもできなかった。

 

あの波動・・・私を呼んでいるようにも思えた。

 

・・・もしかしたら私の求める答え―――

 

―――長年疑問に思い続けてきた私自身の正体についての手掛かりが見つかるかもしれない、という僅かな希望を抱いて―――。

 

 

 

そして我々は深夜の駒王学園に到着した。

 

 

そこは嵐だった。

 

コカビエルの姿は見当たらない。

 

校庭には無数の亀裂が走り、天を覆う黒雲の間を時折轟音と共に灼い稲妻が駆け抜ける。

 

夜目の効く我々悪魔を以てしても暗闇と感じ取れる世界

 

更に吹き荒れる風雨が不気味な音を立て、正しく滅亡の序章というに相応しい景観を醸し出していた。

 

まずリアス達の姿を探す。

 

幸い、皆、雨風で濡れているものの無事なようだった。

 

しかし彼女たちの視線はとある場所に釘付けになっていた。

彼女らの視線を追う。

 

そして吹き荒れる気流の流れの中心付近にとある人物を確認した。

 

暴風の中、宙に佇む神々しい光を放つ白い全身鎧(プレートアーマー)姿の人物。

 

白龍皇か。

 

情報によれば今代の白龍皇は堕天使総督のアザゼルが保護・確保したと聞いていることから堕天使側の尖兵として遣わされたとみて間違いない。

 

そして白龍皇と対峙するように佇む4人の男女。

 

四人とも外見上はリアス達とさほど年齢に差があるようには見えない。

 

中でも緋色の髪をした少年に目に留まる。

 

だが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――何という力だ―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思えば、私が他者の力に戦慄を覚えたのはこれが初めてかもしれない。

 

かつて戦った旧魔王の子孫達の中にも、これほどの力の持ち主はいなかった。

 

否、そもそも悪魔の中には私と私の親友であり現魔王の一角でもあるアジュカ・ベルゼブブを超える力を持つ者はいなかったのだ。

 

ところが今、目の前にいる彼からは現状、私が感じ取れる力だけでも悪魔の中で超越者と呼ばれる私やアジュカの力を凌駕している。

 

彼だけではない。

 

彼の周りにいる女性たちからも同等の力が感じ取れる。

 

見たところ彼らは悪魔でも、天使でも、堕天使でも、ましてや人間でもない。

 

彼らは一体・・・

 

 

そんな時、白龍皇が不意に口を開いた。

 

それは目の前の彼に自身と戦うことを求めるものだと分かった。

 

マズい

 

これほどの力の持ち主がぶつかり合えば被害は計り知れない。

 

私は思わず声を上げる。

 

すると全員の視線がこちらに向く。

 

「お兄様?!」

 

リアス達が驚きに満ちた顔でこちらを見る。

 

ついで白龍皇、そして―――――――緋髪の彼がこちらに視線を向ける。

 

?!

 

 

 

日輪のような金色の瞳、恐ろしいほどに整った顔立ち。

 

だが驚いたのはその容姿にではない。

 

彼と目が合った瞬間、再びあの時の感覚が蘇ったのだ。

 

間違いない。

 

あの時の波動の主は目の前にいるこの少年だ。

 

そして私は初めて目にする、自分を超えた存在に問いかける。

 

「・・・コカビエルは?」

 

「・・・消させてもらったよ。」

 

・・・やはりか

 

あの状況下でコカビエルを消滅させ得たのは彼くらいなものだろう。

 

彼は全く動じずに答える。

 

「それで・・・君は一体何者なのだね?」

 

すると彼はしばし瞑目し、こちらを見据えて言った。

 

「・・・バアル・ハダト・・・と言えば分かるか?」

 

 

 

 

「「「「「「「?!」」」」」」」

 

 

 

 

なん・・だと・・・?

 

私は一瞬耳を疑った。

 

私も、私の眷属たちも、皆動揺を隠せない

 

バアル・ハダト・・・『バアルの神』

 

かつて聖書の神と最も激しく争ったというカナン・フェニキアの主神・・・

 

アヌンナキの50の偉大なる神々の一柱アダト・・・

 

・・・そして我ら悪魔を生み出したという『始祖たる異教の神々』(アンセストラル・ディヴァイン)の筆頭格

 

だがあの方は既に・・・

 

しかしそうでなくてはあの異常なほどの力は説明できない。

 

だとすると周囲の女性達も・・・

 

「・・・するとそちらの方々は」

 

私が訪ねると彼は彼女たちに目配せし、

 

「アナト」

 

「アスタルテよ」

 

「シャラ」

 

・・・まさかこのようなことが・・・

 

いずれも数千年以上表に出て来ておらず、滅ぼされたとさえ言われる神々だ

 

・・・この世界では私達がまだ知らない何かが起きているのかもしれない、

 

そう思わずにはいられなかった。

 

 

 

 

sideイッセー

 

オッス、イッセーだ。

 

俺は今、目の前の状況が全く理解できずにいる。

 

俺達は最初、この町で戦争を起こそうとしたコカビエルの野望を阻止すべくして駒王学園に駆け付けた。

 

その中で一時眷属から離れていた木場やヴァチカンから派遣された聖剣使いのゼノヴィアが加わって、木場は禁手に至った!

 

まったく見せ付けてくれるぜ、イケメン王子!!

 

だがコカビエルの力は俺達の想像を遥かに絶するもので、赤龍帝の力で力を譲渡した部長や朱乃さんの攻撃でさえ全く歯が立たなかった。

 

おまけにコカビエルは聖書の神の死っていうとんでもないことを暴露しやがった!

 

それを聞いたアーシアとゼノヴィアは本当に見ていられなかった。

 

だがそんな時、突然同じ駒王学園の2年である有馬崇哉、咲桐姉妹、石動沙羅の4人が現れた。

 

しかもそれを見たコカビエルは明らかに動揺していたし、その上『バアルの神』とか『天の女王』とか訳の分からない言葉を連発していた。

 

そして、有馬の髪が真っ赤に染まった後、コカビエルは綺麗さっぱり消滅した。

 

それもとんでもない量のオーラを放出して仕舞にはかなりヤバそうな嵐になった

 

どうなってるんだ?!

 

その後白い全身鎧(プレートアーマー)を纏った奴が現れた。

 

―――奴がゼノヴィアが前に言っていた白い龍・白龍皇

 

そして俺の宿命のライバル

 

続いて朱乃さんが打診した魔王様の援軍が到着して今に至るわけだが・・・

 

 

 

「クククク・・・」

 

 

突如として笑い始める白龍皇

 

「そうか、そうだったのか・・・!道理でコカビエル如きでは手も足も出ないはずだ!これ以上に素晴らしいことがあるだろうか?!死したはずの神とこうして相見えることができようとは!」

 

その声は狂喜に彩られていた

 

「聖書の神が死んでいると聞いた時、俺は絶望したよ。俺は聖書の神を倒したかった!

なのにそれはもう叶わない!」

 

コイツ・・・何を言ってるんだ?!

 

神を倒すだって?!

 

ちくしょう!こいつも戦闘狂なのかよ!

 

「おまけに白龍皇たる俺の宿命のライバルである今代の赤龍帝はこの様だ!強者と戦えない世界など存在しても意味がない!」

 

・・・理解できない

 

何故そこまでして戦いを求めるんだ?

 

俺は部長やアーシアや朱乃さん達と楽しく、平和で、ちょっぴりエッチな毎日が送れればそれで満足なのに・・・

 

有馬の方を向き直る

 

「今、俺の目の前には『バアルの神』に『天の女王』!こんな機会は二度とない!俺と戦ってもらおうか!」

 

奴は飛び出す。

 

おいおい!今ここで戦いを始めるのかよ?!

 

 

 

 

sideアダト

 

はてさて・・・魔王にカミングアウトするという当初の目的は果たしたわけだが思ったよりギャラリーが少なかったな。

 

ミカエルは出て来ないし、アザゼルの野郎に至ってはこんな面倒くさい奴を送り込んでくる始末だ。

 

案の定向かって来やがった。

 

仕方がない、速攻で終わらせるか――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『撃退者』(アイムール)

 

 

 

 

 

 

 

 

sideイッセー

 

白龍皇の奴が有馬に向かっていくと有馬は右手に黒い矛状のものを出現させる

 

ゾワッ

 

?!

 

それをみた瞬間途轍もない悪寒が全身を駆け巡った。

 

何だあれ?!

 

『相棒、あれは『撃退者(アイムール)』といって『龍殺し(ドラゴンスレイヤー)』、すなわちドラゴンを殺す呪法がかけられた武器だ。』

 

その時俺の左手に宿る赤龍帝・『赤い龍(ウェルシュドラゴン)』ドライグが話しかけてきた。

 

じゃあ今の嫌な感じは・・・

 

『ああ。ドラゴン系神器の所有者は必然的にドラゴンの属性を帯びることになる。故に所有者にとっては『龍殺し』は天敵だ。ましてやあの『撃退者』はグングニルやブリューナクと同じく神の武器だ。まともに喰らえば龍王クラスでも一撃で死ぬ。事実あれで旧魔王レヴィアタンの原型と言われる七頭龍ロタンを打ち破ったからな。』

 

まじかよ!!どんだけ危ないものを出してくれるんだ?!

 

そして有馬は『撃退者』を横に薙ぐ

 

すると――――

 

 

パキィィィィン

 

 

儚い音を立て、白龍皇の鎧は砕け散る

 

 

「カハッ」

 

吐血し、その場に倒れる白龍皇。

 

「他愛もないな。今のお前じゃ相手にならない。さっさとそこで倒れてるはぐれ神父連れて帰りな」

 

有馬はそう吐き捨てる。

 

『やはりな。いかに白いのといえど今の状態では手も足も出ないか』

 

呟くドライグ。

 

なあドライグ、アイツってやっぱり・・・

 

『ああ、奴はアダト、またはバアル・ハダト。正真正銘の神さ。因みに奴の周りにいる女達も奴の伴侶である女神だ。』

 

 

 

 

 

 

俺は初めて神という存在を目の当たりにしたのだった。

 

 

 

 

 

 




最後の方グダグダですね

冒頭のシリアスさが何だったのかってくらいに・・・。

感想等あれば宜しくお願いします。
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