聖書に記されし異教神(更新停止)   作:カイバル峠

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久々の投稿です。

いい加減原作4巻の内容は終わらないと・・・


再会

再会

 

 

sideアダト

 

「只今戻りました、アダト様。」

 

「ああ。おかえり。」

 

旧校舎でのハーフ吸血鬼救出に赴いていたアカーシャが帰ってきた。

 

「この感じは吸血鬼・・・」

 

彼女を見たサーゼクスがかなり驚いた顔をしている。

 

「あ、あなたは・・・」

 

だがミカエルはそれ以上に驚いた様子だった。

 

それも当然か。

 

「あら、このような場所で再会しようとは露程も思いませんでしたわ。天使長様。主たる聖書の神が崩御遊ばして以来さぞかしお辛い思いをなさっている所に此度の騒動、心中お察し申し上げますわ。」

 

「ッ!」

 

ミカエルの姿を視界に捉えた途端、アカーシャの顔から表情が消えると共に皮肉と嘲りを交えた言葉が紡がれる。

 

その言葉にミカエルは閉口した、いや、せざるを得なかった。

 

何せ自分達はかつてそれだけのこと、いや、寧ろこの程度で済むことを有り難く思うべきである程の事をしたのだから。

 

彼女の紅い瞳には怨敵に対する嘲笑の色が浮かんでいた。

 

普段温厚な彼女がこのような表情をすること自体非常に珍しい。

 

それほどまでに”あの時”のことは彼女にとっても深い傷になっているのだろう。

 

思えば今日に至るまでの天界と吸血鬼の敵対関係は”あの時”から始まったと言っても過言ではない。

 

ミカエルは何故彼女が俺の下にいたのか納得のいかない様子ではあったが、自分達のしたことへの罪の意識があるからか、それ以上の追及はしてこなかった。

 

「アダト様、そちらの女性はどちらで?」

 

サーゼクスがアカーシャとミカエルの間に流れる剣呑な空気を訝しんでか、彼女の素性を尋ねてくる。

 

そういえばコイツは知らなかったな。

 

「これはお初にお目にかかりますわ、現魔王サーゼクス・ルシファー様。私はアカーシャ・ノスフェラトゥ、以後お見知りおきを。」

 

アカーシャが名乗ると共にスカートを軽く摘まんで一礼する。

 

「!!なんと、あの『太祖』であらせられたとは・・・」

 

彼女の名を聞いたサーゼクス達もやはり驚愕の表情に包まれている。

 

「それで、どうなった?」

 

「はい。旧校舎にてギャスパー・ヴラディを監禁していた『禍の団』の魔女共は殲滅いたしました。現在リアス・グレモリー嬢らと共にこちらへ向かっているものと思われます。」

 

やはりあちらも人間の魔術師だったか。

 

「分かった、苦労をかけたな。」

 

「いえ、私が言い出したことですから///」

 

俺が労いの言葉をかけると僅かに頬を赤く染める。

 

フフ、可愛い奴め。

 

「そうですか、貴女が妹の眷属を助けて下さったのですか。私からも感謝申し上げます。」

 

「ルシファー様、どうかお気になさらず。これは私自身のエゴのようなものですから。」

 

「そう言って頂けて幸いです。」

 

サーゼクスがアカーシャに謝辞を述べる。

 

自身のことのように礼を言うところは流石は情愛の深いグレモリー家の出というところか。

 

 

さて、何はともあれこれで問題の一つは片付いたワケだが・・・白龍皇(あっち)の方はいつになったら本性現すのかねぇ。

 

 

 

 

それに――――――――

 

 

 

 

 

「「「?!」」」

 

「「「「・・・」」」」

 

 

 

 

久々に感じる波動。

 

やはり来るのか・・・

 

「ハァ・・・直々においでになったようだな・・・」

 

「このオーラ・・・間違いありませんね。」

 

「そうか、彼が・・・」

 

()のオーラを感じ、再び会議室に緊張が走る。

 

気配を隠す様子が全くない。

 

明らかに誘っている。

 

オーラの発生源は屋上か。

 

それも春に奴との邂逅を果たした場所・・・

 

「・・・アナト、アスタルテ、シャラ、後は頼む」

 

「・・・そう、分かったわ。」

 

「無理はしないでね」

 

彼女たちに任せておけば問題はないだろう。

 

「アダト様、どちらへ?」

 

サーゼクスが尋ねてくる。

 

「奴のところだ。奴の狙いは恐らく俺だからな。」

 

俺はその場を後にする。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

未だに湧き出し続けるテロリスト、それを滅する白い影、上空で攻防戦を繰り広げる堕天使と悪魔。

 

繰り返される応酬。

 

そしてそれを見詰めるように校舎の屋上に立つ少女。

 

否、彼女は戦いの様子になど興味はなかった。

 

――――所詮全て”弱者”の戯れ。

 

他の追随を許さぬ圧倒的なまでの強者。

 

凡そ人の域を超越した、人形のように整った顔立ち、艶やかな黒髪に黒のゴスロリ衣装。

 

深淵の闇の如く光を映さないその瞳は心なしか、何かを心待ちにしているようにも見える。

 

「随分と賑やかな演出じゃないか、オーフィス。」

 

屋上に響く男性の声。

 

オーフィスと呼ばれた少女は初めて振り向く。

 

「久しい、アダト。」

 

視線の先には風に靡く、燃えるような緋色の髪に日輪の如き金色の瞳、一見男性とは思えないほど、いや、最早人とは思えないほどに整った美しい顔立ちの青年が立っていた。

 

「俺としてはできればお前さんとは会いたくなかったんだけどな。」

 

「言ったはず。我、また来ると。」

 

心底面倒臭い、といった様子のアダトと呼ばれた青年と無表情のままのオーフィス。

 

「今回の騒動、俺達を炙り出す為のダシか?」

 

「違う。今回の襲撃、旧魔王派が自ら画策した。我、ただ便乗してアダトに会いに来ただけ。」

 

その時、校庭の上空で堕天使と対峙していた悪魔のオーラが突然増大する。

 

それを境にそれまでやや堕天使が優勢かと思われていた戦いの流れが変わる。

 

アダトはその様子を憐れみと嘲笑の色を浮かべた瞳で見詰める。

 

「全く・・・いつ見ても滑稽なものだな、力に目の眩んだ者共の踊る様は。」

 

「我の蛇、力を増大させる。今のカテレア、前魔王クラス。」

 

「なるほどね、それはアザゼルも苦戦するわけだ。しかし他者より与えられた力を自分の力だと思い込み無謀にも力量差を弁えずに戦いを挑み最後には散る、何と愚かな事か。その力に踊らされているに過ぎぬというのに力を支配したつもりでいるとは。」

 

魔王級の力を持つ悪魔と最強クラスの堕天使との戦いであっても二人には取るに足らないものとしか映らない。

 

それだけに彼らの力は他と隔絶していた。

 

「我、グレートレッドを倒すのに協力してくれればそれでいい。」

 

「それで、諦めずにまた俺達を誘いに来たと?」

 

「ん。だからアダト、我と来る。」

 

オーフィスはそう言いアダトに片手を差し出す。

 

しかしアダトは首を横に振る。

 

「前にも言ったはずだ。出来ない相談だ、と。だがまあ一つ良いことを教えてやる。」

 

「?」

 

「もし、本当にグレートレッドを倒したいのならテロリスト共とは手を切ることだな。」

 

「・・・どういうこと?」

 

無表情であったオーフィスの顔に訝しげな色が浮かぶ。

 

「これも前に言ったがお前の目的はグレートレッドを次元の狭間から駆逐することのはず。だがしかしお前に協力すると称する輩はいずれもその力をお前の望む通りに使わず、それどころか他の勢力に喧嘩を売って犬死するばかり。おまけに恨みを買ってお前の邪魔をする連中だけが増える始末。詰まる所協力どころか足手纏いにしかなっていない、違うか?」

 

「・・・」

 

彼は思った。

 

確かにオーフィスは変わった。

 

嘗ては『世界』に興味を持つことはなかった。

 

何故なら『世界』にいる種族は皆例外なくオーフィスには及ばない者ばかりであり、故に自らの次元の狭間での静寂を妨げる存在は皆無であったのだから。

 

無限の力を持つ者は()いる神の中にすらもいない。

 

それ故オーフィスは他者に関する関心が著しく薄かった。

 

しかし何事にも例外が存在するように、たった一体、オーフィスが執着する存在がいた。

 

―――――――赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)グレートレッド

 

現在、次元の狭間を支配するドラゴンにして赤い龍の頂点。

 

そしてオーフィスが唯一敗北を喫した存在。

 

「それに・・・」

 

彼は続ける。

 

「お前やグレートレッドに勝てそうなのはもう一体だけいるだろう?まあ生きていればの話だが。」

 

「!!」

 

珍しく、オーフィスが驚いた顔をする。

 

「それ、本当?」

 

「可能性としてはゼロではない、とだけ言っておこうか。あれは主神クラスの神格も兼ね備えていた。仮に死んでいたとしたら今以上に世界は荒れているはずだからな―――――おっと、そろそろか。」

 

アダトは最後に校庭の方を一瞥するとオーフィスに向き直る。

 

「悪いがこれ以上ここで話し込んでいるわけにもいかないようだ。」

 

「・・・」

 

「・・・なぁ」

 

「?」

 

「何故そこまでして静寂に拘る?」

 

「・・・」

 

「・・・まあ、いいか。」

 

それだけ言い残して(あか)き嵐神は姿を消した。

 

 

 

 

「・・・」

 

 

 

無限の龍神は一人思い悩む。

 

自分は次元の狭間を、静寂を欲している。

 

何故か。

 

それは自身の生まれ故郷であるからだ。

 

だがグレートレッドに追い出されてからというもの、自分は『世界』というものを知ってしまった。

 

嘗ては取るに足らないと思い、見向きもしなかったモノたち―――

 

ひたすらに憎悪と復讐の為に生きる者

 

人という存在の究極の境地を目指す者

 

ただただ気まぐれに、強者との戦いを望む者

 

そして―――

 

それらによって確かに自分は変わってしまった。

 

だが不思議と悪い気持ちはしなかった。

 

 

 

「我は――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

side木場祐斗

 

「はっ!」

 

僕とゼノヴィアが、それぞれ聖魔剣とデュランダルで魔術師達を防護障壁ごと葬る。

 

最早数えるのも億劫になるくらいの人数を斬り捨ててきたが魔法陣より現れる魔術師の勢いは未だ衰える気配を見せない。

 

先程校舎を出る前に裏切りが判明した白龍皇も未だに不審な動きを見せず、ただただ作業のように魔術師の殲滅を繰り返すだけだ。

 

「これではキリがないな」

 

ゼノヴィアが毒づく。

 

上空では相も変わらずアザゼルとカテレアが激しい衝突を繰り返し、戦いの余波で校庭のあちこちに被害をもたらしていた。

 

実力ではアザゼルの方が上な筈だがカテレアも予想以上に食い下がっており、両者とも一歩も引かない。

 

ゴォッ

 

「「?!」」

 

突如、屋上の方から今までに感じたことのないほどの巨大な存在感が感じられた。

 

なんという力だ・・・アザゼルやサーゼクス様、それにあの神々よりも更に大きな力・・・

 

まるで無限そのものが降臨したような感覚。

 

見ればこの場にいる者は皆例外なく驚愕の表情を浮かべている。

 

・・・アザゼルやカテレアでさえも。

 

いや、正確にいうとアザゼルはただただこの存在感の主の出現に驚かずにはいられなかった様子で、一方カテレアは何故ここにいるのか?と、何か当てが外れたかのような表情で、両者の表情には、僅かだが、確かな違いが見て取れた。

 

この二人の反応の差が意味するものとは一体・・・

 

するとその時だ。

 

一足先に我に返ったカテレアがその一瞬の隙を好機とばかりに、懐から取り出した小瓶に入っていた小さな黒い蛇のようなモノを飲み込む。

 

ドンッ

 

先程の気配の出現には及ばないものの、激しく空気が振動すると共にカテレアの体から立ち上るオーラの質量が著しく跳ね上がり、サーゼクス様やセラフォルー様にも迫るまでに高まる。

 

その証拠に、アザゼルが放った無数の光の槍が腕を薙ぐだけで消滅した。

 

あの蛇は一体?!

 

それ以降、アザゼルとカテレアの戦いはまた一段と激しさを増したように思えた。

 

 

 

 

 

だがそんな拮抗に終わりを告げる、正に予想だにしない一撃が堕天使の総督を襲う―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――筈だった。

 

 

 

 

『筈だった』というのは他でもない、更なるイレギュラーによって本来起こるべき事態が起こらなかった、ということだ。

 

 

 

 

 

「・・・なるほど、全てお見通しだったというわけか」

 

 

 

 

アザゼルを攻撃したのは白龍皇。

 

思えば今の今まで動き出さなかったのが不思議だ。

 

もし白龍皇が『禍の団』に与しているのであれば先程からアザゼルの言う通りに味方であるはずの魔術師を殲滅するのはおかしいと思ったが・・・どうやらこの魔術師たちは本当に使い捨ての駒だったようだ。

 

そして白龍皇の一撃を防いだのは・・・

 

 

「ようやく尻尾見せたのね?待ちくたびれたわよ?」

 

 

 

 

 

 




恐らく次でこのグダグダ展開も終了します。

このような駄文に付き合って下さる読者の皆様には本当に感謝申し上げます。m(_ _)m

これからも何卒宜しくお願い致します。
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