聖書に記されし異教神(更新停止)   作:カイバル峠

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Side 崇哉

 

「アダト、やっと見つけた」

 

突如として現れた黒いゴスロリ衣装の少女は開口一番にそう言った。

 

全く力の限界量の掴めないような感覚、いわば無限という言葉が具現化されたかのような存在、姿形は以前合間見えた時と大分異なるが、こんな印象を受ける相手は世界でただ一体

 

「《無限の龍神 オーフィス》・・・」

 

何で今更コイツが出てくるんだか・・・

 

全くあの黒猫といい今日は厄日なのか?

 

「我、アダトを探してた」

 

目の前の龍神が沈黙を破る

 

「・・・何が目的だ?」

 

俺が知る奴は世界については無関心を決め込んでいたハズだ・・・

 

あの聖書の神でさえ恐れた無限を司るドラゴン・・・この世界の誕生以来最強を誇り続ける存在・・・

 

その奴がわざわざ俺を探す理由が分からない・・・

 

いや、一つだけ心当りがない訳ではないが俺にもあんなのはどうすることもできない

 

「静寂なる世界」

 

「「?!」」

 

「我、次元の狭間に帰り、静寂を得たい。でもあそこ、グレートレッドが支配してる。」

 

・・・やっぱりそう来たか

 

「我、グレートレッドに勝てない。だから我、協力者を探してる」

 

・・・狙いは俺やアナトの持つ龍殺しの力か・・・

 

「・・・早い話が《夢幻》を倒すのに協力しろ、と?」

 

「」コクリ

 

ハァ・・・どうしてこうも面倒事に巻き込まれるかな・・・

 

(アダト)

 

(アナトか)

 

杏奈、もといアナトが念話を繋げてくる

 

(確かオーフィスって最近きな臭い噂が付き纏ってたわよね?)

 

(ああ、確か『禍の団』って言ってたか?)

 

(噂じゃ三勢力の反乱分子や人間の英雄の子孫共が集まってるテロリスト集団だと聞いてるわ。しかも人間の方は神滅具持ちもいるとか)

 

(・・・つまりは連中がオーフィスの協力者、ということか)

 

(断定はできないけどその可能性が大ね。恐らくオーフィスは自分一人では《夢幻》を倒せないから協力者を募ったというところでしょう。)

 

(なるほどね。オーフィスはそのテロリスト共に《夢幻》を倒す手伝いをさせ、テロリスト共もオーフィスを旗頭に据えて力を得よう、って算段だな)

 

(ええ、オーフィスは力を底上げする蛇を生み出せたはずだから)

 

(そうなれば答えは決まったな。アイツの捜索はあの二人に任せるか。悪いが伝えておいてくれるか?)

 

(分かったわ)

 

そこまで言って念話を切る。

 

「さて、オーフィス」

 

俺は奴に向き直る。

 

「答えだが・・・残念ながらNOだ」

 

一瞬、微かだが奴の表情が動いたように思えた

 

「・・・何故?」

 

「『無限』であるお前さんにどうにもできん相手ならどれだけ頭数を揃えたところで無駄だからさ。ましてこの世界で無限なのはお前さん以外にはいない。大体俺には奴を倒すメリットがない。それに、」

 

一呼吸置いて俺は続ける

 

「お前さんに協力してる連中の大半はグレートレッドなんてどうでもいいんだよ。いや、寧ろアレと戦おうとする奴はまずいないだろう。束になってかかろうとも勝ち目はないからな。奴らはただお前さんの力を利用して破壊と混乱を撒き散らしたいだけ、とどのつまりお前は目的を果たすことなくただた利用されるのがオチだ。」

 

もっとも神滅具持ちの人間、しかも英雄の子孫だと戦闘狂の可能性有りだからどうなるかは分からないがな。

 

「・・・どうしても?」

 

「ああ、無理な相談だ。他を当たりな。」

 

コイツのここでの目的は飽くまでも俺たちの勧誘・・・

 

仮にここで俺が断っても、奴に不利になる返答をしていないし、まず何よりコイツが直々に出向いてきたということはそれだけ向こうが俺の利用価値が高いと認識していることを意味しているということだ。

 

だから即戦闘になることは回避できるはず。

 

「それからあまりここに長居はしない方がいい。この街を根城にしてる魔王の妹やその眷属の連中に感ずかれると色々と面倒だからな。」

 

「・・・」

 

暫しの沈黙の後、奴は口を開く。

 

「我がここに来た目的、もう一つある」

 

「「ーーッ?!」」

 

もう一つだと?!

 

「この地から懐かしい気配ーー《赤い龍》の気配を感じた」

 

やはりか・・・

 

「でもドライグ、まだ寝てる」

 

なるほど、ドラゴンのことは同じドラゴンの方がよく分かるってことか。

 

ただ今代の赤龍帝は未だ未覚醒の上宿主のスペックは史上最弱レベル・・・

 

到底こいつの目論見に合うレベルには達するとは思えない。

 

「すると、赤龍帝を拉致でもするのか?」

 

すると奴は首を横に振る

 

「我、確かめに来ただけ。今の赤龍帝、弱過ぎる。あれ、グレートレッドに勝てない。」

 

バッサリ言われたな・・・

 

「我、今日は帰る」

 

どうやらお帰り頂けるようだ。

 

「でもまた来る。我、諦めない」

 

って、また来るのかよ?!

 

無限の龍神は姿を消す。

 

それと同時にモノクロの世界が色彩を取り戻していく。

 

ハァ・・・いよいよ面倒なことになってきた・・・

 

俺はこれから先起こるであろう厄介事に頭を抱えざるを得なかった。

 

 

 




最後の方が駆け足的になってしまいました。

次回はオリ主とヒロイン達の設定になります。
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