聖書に記されし異教神(更新停止)   作:カイバル峠

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引っ越しの都合で更新が遅れてしまいました。

前々回の続きになります

それと御指摘を頂いたので第一話の後半部分を大幅に改訂しました。


探索

探索

 

 

sideアスタルテ

 

私はシャラと共にアダトに言われた通り、同じクラスにいる兵藤一誠という少年を見張っていた。

 

別にどこにでもいそうな平凡な高校生・・・とは言えない。

 

端的に言ってどうしようもないくらいの変態だ。

 

正に性欲の権化という言葉が相応しい男である。

 

実際私やシャラも何度嫌らしい目で見られたことか・・・

 

何故そんな男を見張る必要があるのかというと、彼がどうやら神器持ちであるようだからだ。

 

それも神や魔王をも滅ぼせるといわれる神滅具の一つ、『赤龍帝の籠手』の可能性まであるという。

 

今の所は目覚めている様子はない。

 

そして今日も相変わらず他の二人の変態仲間と女子達に追われている。

 

「本当、懲りないわよね〜」

 

私の隣でその様子を見ていたシャラが言う。

 

「まったくね。いくら思春期とはいえもう少しくらい節度が保てない

 

ものかしら」

 

私もそう答える。

 

正直にいって他の女の子達の言うように視界に入れたくないというのが心情だが、前述の理由から放っておくこともできない。

 

そんな悶々とした気分でいつも繰り返される光景を見つめていると

 

「「‼!」」

 

突如、屋上の方から空間の揺らぎと共に一瞬だけだが途轍もなく巨大で、かつ忘れたくても忘れられない気配を感じた。

 

「嘘、でしょ・・・?!」

 

今あそこにはアダトがいる。

 

それに先程姉もそちらへ向かったはずだ。

 

そして先程感じた気配の主は間違いない。

 

かの無限の龍神、オーフィスのものだった。

 

あいつが直々にやって来た以上厄介な事が起きるという気がしてならなかった。

 

そんな時

 

(アスタルテ、聞こえる?)

 

姉、アナトより念話が飛んできた。

 

(姉さん?!今屋上からオーフィスの気配がしたけどどうなってるの?)

 

(要約するとオーフィスが私達を『禍の団』に勧誘しに来たのよ。

 

赤龍神帝を倒すのに協力させるためにね)

 

『禍の団』・・・最近オーフィスが率いているといわれるテロリスト集団。

 

現情勢に不満を抱き破壊と混乱をもたらすことを目的とする各勢力の反乱分子の集いだ。

 

当然首を縦に振れるものではない。

 

特に私達は神であるから不用意に情勢を掻き回すわけにはいかないのだ。

 

だが仮に彼がその誘いに応じれば私達はそれに従わざるを得ない。

 

(それで、彼は何て?)

 

(勿論断ったわ)

 

その言葉を聞いて少しだけホッとした。

 

だがここでもう一つ懸念しなければならないことがある。

 

私達は公には既に滅んだことになっている上に数千年間表舞台を退き潜伏していたのだ。

 

一体いかにしてオーフィスは私達の居場所を知ったのか。

 

自ら気配探知で察知したのか、或いは情報提供者がいるのか

 

前者の可能性は低いだろう。

 

私達は普段力の抑制に加えて他者から見てもごく普通の人間にしか見えないよう自分自身に術を施しているのだから。

 

となると後者か

 

仮に情報提供者がいたとしてもそれは『禍の団』の内部なのか、それとも外部にいるのかも考えなければなるまい。

 

(それと彼から言伝よ)

 

(え?)

 

(さっき連絡があって・・・また黒歌がそっちに行ったみたいなの)

 

・・・よりにもよってこんな時に・・・

 

(・・・それで、彼はオーフィスの相手をしていて動けないから代わりに彼女がグレモリーやシトリーに勘付かれる前に見付けて連れ帰れ、ということね。)

 

(そういうことね。お願いできるかしら?)

 

確かに仙術を極めた者は気の流れを自在に操れる。

 

故に気配を追うのは非常に難しい。

 

(分かったわ、任せて頂戴。)

 

(ありがとう。それじゃあ宜しくね。)

 

ここで念話を終える。

 

彼女の探索は私の方が適任ね。

 

ならこっちはシャラに任せることにしましょうか。

 

(シャラ)

 

(どうしたの?この距離でわざわざ念話使うなんて)

 

(今姉さんから連絡があって、黒歌がこっちに来てるらしいの。でも今アダトはオーフィスに対応してて動けない。だから代わりに私達に探せということらしいわ)

 

(じゃあこっちはどうするの?)

 

(こっちはあなたに任せるわ。)

 

(嘘?!私だけであの変態見張るの?!)

 

(仕方無いでしょ?仙術使いを追跡するなら私の方が適任なんだから。)

 

(それはそうだけど・・・)

 

(とにかく時間がないの。というわけでもう行くわ。)

 

(あ、ちょっと?!)

 

未だ納得がいかない様子だがここは我慢してもらうしかない。

 

「それじゃあ、後はお願いね。」

 

と一言言って私は教室を後にした。

 

さて、黒猫探しといきましょうか!

 

 

side黒歌

 

私はとある場所ー駒王学園に向かっていたーー

 

ーー妹に会うために。

 

面と向かって会いに行くことはできない。

 

お尋ね者の私が彼女の前に姿を現せばきっと妹にも彼らにも迷惑がかかる。

 

分かってはいても私は自分の気持ちを抑えられなかった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

私と妹は両親と死別し宛も無く流離って日々苦しい生活を送っていたところをとある上級悪魔に拾われた。

 

初め見た時、その悪魔は自分の眷属を大切にしているものと思えた。

 

そして私が眷属となることで私と妹は少しでも生活が楽になるのなら、と思ってその悪魔の眷属になることを承諾したーー

 

ーーだが現実は違ったーー

 

眷属思いであると思っていた主は眷属になった途端私に無理難題を押し付けた上に無理な能力強化を強行したのだった。

 

私だけならまだいい。

 

私が耐えることであの子が幸せになれるならいくらでも耐えて見せよう、そう思っていた。

 

ーーーだが奴はあの子にまで手を出そうとしたーーー

 

私は眷属だからまだしも、眷属でもないあの子にまで無茶な強化を強制したのだ。

 

そんなことをすれば確実に妹は暴走し、壊れてしまう。

 

私はどうなってもいい、でも妹に手を出すことだけは許せなかった

 

私が眷属になったのはそんなことの為じゃない

 

幸いにも私は悪魔に転生したことがきっかけで力に目覚めることができたーー

 

ーーそれこそ主をも超えるほどに。

 

私が悪魔になって良かったと思うことがあるとするならばこれだけだろう。

 

そして私が妹を救える方法はただ一つ、主を殺すことだけだった。

 

ーーーそして私は主を殺したーーー

 

当然私ははぐれとなり追われる身となった。

 

結果としてあの子を想像を絶するような辛い目に遭わせてしまった。

 

いくら自分の為とはいえ、自分が地獄の責め苦を味わうきっかけを作り、何も言わずに姿を消した私をあの子は恨み、呪ったことだろう。

 

実際、その力を危険視して処分まで検討されたという。

 

しかしそれに待ったを掛けたのが現四大魔王の一人、サーゼクス・ルシファーだった。

 

そしてあの子を自分の妹の眷属とすることで他の上級悪魔の面々を説得したと聞く。

 

情愛の深いグレモリーの眷属であれば悪いようにはされまい、寧ろ私といたときよりもずっと良い環境にいられるかもしれない、

 

そうとさえ思った。

 

そして事実、あの子は笑顔を取り戻したとも。

 

一方の私は何度も追跡部隊に追われ、何とか全て撃退することに成功したが、私自身もタダでは済まなかった。

 

ある時深手を負い、必死の思いで人間界まで逃れたが限界が近かった。

 

このままでは確実に死ぬ、そんな状態ではあったがそれでも後悔はしていなかった。

 

これは自分でえらんだこと。

 

結果として妹に深い傷を負わせることになってしまった。

 

だがそれでも妹を守ることはできた。

 

それはただの自己満足に過ぎないかもしれない。

 

でも不思議とそれも悪くはない、と思える自分がいた。

 

薄れゆく意識の中、そんなことを考えている間も、自身の終わりの時は確実に迫っていた。

 

ただ一つ、心残りがあるとすれば、もう一度だけ、妹に一目会うことが かなわなかったことくらいか・・・

 

 

その時だった

 

ーーー『生きたいか?』ーーー

 

どこからともなく聞こえた声

 

 

ーーその時、私は神に拾われたのだったーー

 

 

 

 

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