因縁
sideアダト
深夜に学園の方から比較的デカい気配を感じたのですぐにそれがコカビエルによるものだと判断できた。
全く、態々敵の領地のど真ん中で大胆なことしてくれやがる。
当然のことながら学園の周りには結界が張られていてグレモリーとシトリーかは知らんがそのどちらかによるものだろう。
結界の中から僅かにだが力の乱れを感じたので恐らくは戦闘中だろう。
とりあえず中の連中が死なないうちに、かつ戦闘がひと段落するのを待って、気配を完全に遮断して結界を透過して内部に侵入した。
するとコカビエルが最大のタブーである聖書の神の死を暴露していた。
まったくあのガキは・・・。
いつまでも隠れてるのもどうかと思ったんでアナトの一声と共に切り出すことにした。
案の定全員驚いているな。
まあ無理もないか。
普段から一般人に見せかけている俺達がいきなり現れたんだからな。
特にコカビエルはあり得ないものでも見たかのような顔してた。
「・・・何故、貴殿らがここにいるのだ・・・」
不意にコカビエルが口を開く。
「久しぶりだな、コカビエル」
取り敢えず適当に返しておく。
「・・・あ、あなた達は一体「ああ、グレモリー先輩」?!」
警戒しながらも訪ねてくるリアス・グレモリー、取り敢えず今はそれどころでないのでこちらも適当に返す
「下がっててもらえますか?あとは俺らがやるんで」
「なっ?!」
当然納得してないようだがそんなことはどうでもいい。
(アスタルテ、結界頼む)
(了解)
早くしないとまたグレモリー達がうるさいのでアスタルテに俺達とコカビエルの周りを結界で囲わせた。
「ちょっ?!あなた達何をするつもりなの?!無謀よ!!それにここは私の領地よ?勝手な真似は許さないわ!」
グレモリーが突っかかってきたが
「・・・少し黙ってて貰えないかしら?あなた達にどうにかできることじゃないということがまだ分からないの?」
「っ・・・」
アナトがほんの僅かに殺気を放つと押し黙った。
するとコカビエルが口を開いた。
「よもや・・・貴殿らが生きていようとはな・・・。クククク・・・アハハハハハ!」
突然笑い出すコカビエル。
「なんと皮肉なことだろうッ!聖書の神は死んだというのに聖書の神に滅ぼされ、信仰も奪われたといわれていた貴殿らが生きているとはな!!ミカエルもサーゼクスも出て来ない上に代わりに出てきたのは取るに足らない雑魚ばかり、退屈で仕方なかったがまさかこんなところで貴殿らに再び相見えることができようとは―――なあ、『バアルの神』よ!!」
ちっ・・・
案の定ばらしやがった。
頭も力も弱い上に口まで軽いときた。
・・・本当に救いようがない。
「して、相手をしてくれるのは貴殿でよいのか?それとも『天后』か?『天の女王』か?はたまた『イシュタルの娘』か?」
コイツ・・・そこまで言ったからにはもう処刑確定だな・・・
これ以上余計なことを言われる前に片をつけるとしよう
俺は力を徐々に解放する
ドンッッ
「「「「「「「!!!!」」」」」」」
――――結界が壊れず、かつ己が存在を知らしめられる程度の力を―――
―――さあ
―――早く来い
―――愚者共よ
―――我らが復活の
―――確とその目に焼き付けよ!!
sideリアス・グレモリー
訳が分からない・・・
『バアルの神』?『天の女王』?彼らは一体何を言っているの?
かつて聖書の神を最も脅かしたといわれ、聖書にも名を残した異教の神々
いずれも遥か昔に聖書の神に滅ぼされ、もはや存在しないはずよ・・・
彼らがそうだなんて有り得ないわ・・・きっと何かの間違いよ!
『相手だと?笑わせるな。貴様は一体誰に向かってモノを言っている?神に作られた出来損ないの駄鴉の分際で我と対等に戦えるとでも思っているのか?・・・思い上がるなよ?』
?!
さっきの口調とは打って変わって重々しく響き渡る声
私達は勿論あのコカビエルでさえ何も言えない。
結界越しでもひしひしと伝わってくる圧倒的なまでの力と存在感。
直に浴びればどれほどのものか、推して図ることすらままならない・・・
『さて・・・まだやるつもりか?』
「と、当然だ・・・!貴様を倒せば俺はあの神さえも超え、我ら堕天使こそが最強であると証明できるッ!さすればアザゼルも、シェムハザも考えを改めるだろうッ!!」
そう言うが否やコカビエルは無数の光の槍を創り出す
「ゆくぞ!!」
コカビエルが飛び出す
『・・・愚かな・・・』
小さく漏らすと同時にコカビエルと対峙していた彼の黒い瞳が金色に、黒髪は燃えるような灼色―――私達グレモリー家の者の髪が紅だとすれば彼のは鮮やかな緋色だろう―――に染まってゆく。
『致し方ない・・・「堕天使コカビエルが存在する世界」はここまでだ』
―――無へと帰せ―――
そんな声が聞こえた気がした。
?!!
突如彼の纏うオーラが感じているこちらの感覚が麻痺するほどに増大する
それと共に世界が大きく震えるのを感じた。
まるで天地に存する全てが彼に平伏しているようだった。
毛の先に至るまで存在の全てが握られるような感覚
そんな錯覚を抱かせるほどの途轍もない質量のオーラ。
そしてコカビエルの姿が彼から溢れ出すオーラに包まれ見えなくなる。
その時だった
「くッ・・・?!」
「「「「部長?!」」」」
皆が駆け寄ってくる
「だ、大丈夫よ・・・」
・・・何なの?今の感覚は・・・?
私の中の血と魔力が疼くような感じは・・・?
見たことも感じたこともないはずなのにどこか懐かしいような・・・
私は目の前の結界の中の無限に広がるような灼いオーラをただ見つめるしかなかった。
そしてオーラの奔流が止んだ後
――――コカビエルは完全に消失していた
後半少し完成を急いでしまったような・・・
感想等あれば宜しくお願いします。