ロイミュード・リターンズ   作:煩悩No.108

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2話目投稿です。
もう少し続きそうです。


数えられざるモノ達の機能は何か?

『わが野望を引き継げ!私の頭脳の素晴らしさを世界に見せつけろ!!目覚めよ!!「リバース・ロイミュード」達よ!!わが野望を引き――』

 

「ウルセェ!!」

蛮野の音声が録音された目覚まし時計を一人の男が、うっとおしそうに叩いて止める。

パキッと渇いた音がして、目覚ましにヒビが入る。

それもそのはず、この男は人間ではない。それどころか生き物と言えるかすら曖昧なラインにいる。

この男の名前はナンバー『501-』。

悪の天才科学者、蛮野 天十郎の作り出した最後の遺産、『リバース・ロイミュード』の内の一体である。

 

「『501-』!!貴様ぁ!貴重な蛮野の肉声を無駄にするとはどういう了見だ!!」

ぞんざいに扱われた目覚ましを手にしながら、もう一人の男が『501-』の襟をつかみあげる!!

この男のも同じくリバース・ロイミュードの一体、与えられたナンバーは『801-』である。

 

「いやだってよ?八ッつあん、毎朝コイツの声で起きるのってシンプルにヤじゃね?なーんか朝一でげんなりするんだけど?」

そういいながら、目覚ましの文字盤の下に印刷された蛮野の顔を指でつつく。

 

「貴様!蛮野は我らの作り主だぞ!?申訳ないと思わない――」

 

「思いまセン。むしろ今は、顔見てると髭とか額に肉って書きたくなる……書いていい?」

そういいながら何処からか油性ペンを取り出す、『501-』。

 

「やめんか!そんな事をして何になる!!」

それを見て『801ー』は庇う様にして蛮野目覚ましを抱きしめる。

その時、二人の隣の部屋のドアが開く。

 

「ふみゅー……おにーちゃんたち……おはよー」

とコトコト薄着でスリッパをはいて歩いてくるのも同じく、リバースロイミュードの一体である『901-』だった。

 

「おお、『901-』起きたのか。一人で寝れてえらいぞ」

露骨に態度を軟化させた、『801-』が膝を付き『901-』の頭を撫で始める。

 

「ふみゅ、ふみゅ……」

成すがままという感じで頭を撫で続けられる、『901-』。

何処かその顔は満足げだった。

 

「うわー、無いわー、キモイわー、ロリコン、マジキモイわー」

にやにやしながら、『501-』が『801-』を見下ろす。

 

「ロリコンではない!!俺は兄弟を大切にしているだけだ!!」

 

「ロイミュードじゃなくて、ロリミュードって訳か……

ええぇ……なんかお前『幼女大好きー!!』とか『ロリショージョだー!』言いながら進化しそうだな」

苦虫を噛み潰した様な顔をしながら『501-』が指を『801-』に向ける。

 

「5、『501-』!!お前は!!なぜいつも俺を不快にさせるのだ!!」

その言葉と共に『801-』が異形の姿に変化する!!

シルバーのボディにバッタと髑髏を融合させた様な姿。

右手を巨大な銃器の様な物に変化させる!!

 

「オイオイオイ!?八ッつあん!?お、落ち着けよ!!」

両手を広げ、『501-』が両手をあげ降参のポーズをとる。

しかし頭に血が上った『801-』にはそんな言葉は全く通じない!!

 

「一足先に、蛮野の所で遊んで来い!!」

 

「ひぃ!?ああッ!!ととと?」

『801-』が銃器を連射する!!それを『901-』はぎりぎりで回避し続ける!!

 

「おい!!あぶねぇだろ!!」

 

「危なくしているのだ!!」

エネルギーを貯めた一撃が、壁を破壊する!!

大きな穴が開き、外から風が入ってくる。

 

「あーあーあーあー……せっかく見つけた、ログハウスなのに穴開けちまいやがったなぁ」

やれやれとあきれたかのようなポーズを取り、穴から外に顔を出す。

 

「ふん、貴様が避けるからだろうが」

 

「ああん!?アレを避けねーのは馬鹿しかいねーよ!!どーすんだコレ?せっかくの家がパーだぜ?」

穴から顔を出し、『801-』に向き直る『501-』。

その顔には非難の表情が見て取れた。

 

「むぅ……一時とはいえ、激情に身を任せたのは失敗だったか」

 

「で?明日から俺らの住処は?地下は嬢ちゃんのせいでぶっ壊れたし、今度の家は甘えのせいで穴が開いちまったぞ?」

両者の間に険悪な空気が流れる!!

後悔はたくさんあるがもう戻る事などできないのだ。

 

 

「ふみゅー……お腹空いたぁ……」

『901-』が椅子に腰かけ足をプラプラしながら唇を尖らせる。

 

「『901-』……かわいそうに……今はこの缶詰めで我慢してくれ」

『801-』が申訳なさそうに、近くに置いてあったカバンの中から2つの缶を取り出す。

このカバンは『901-』が暴れて崩落した蛮野の地下研究室から発掘した物の一つだ。

余談だが例の蛮野目覚ましは、音声データを取り出し『801-』が目覚ましと合わせて制作した物だった。

 

「ふみゅ……缶切り……ない?」

 

「待ってろ、今開けてやる」

『801-』が缶を受け取ると指だけ、元の姿に戻す。

指先の銃口を缶詰めに向けそして……

 

パァン!!

 

渇いた音がして缶の上の部分に穴が開く。

ロイミュードである彼らにとってはいとも簡単に可能な事である。

 

「わぁーい!!ごはんだー!!」

うきうきとした目をしながら、『901-』がもくもくと口を付ける。

 

「八ッつあんは食わねーの?」

 

「俺は、問題ない。空腹ではない!!それに本来俺は機械生命体だ、食料など不要だ」

『501-』の問いに対して『801-』が答えるがその問は明らかに無理をしている様子だった。

 

「くぅ……蛮野め、余計な機能を付けよって!!」

苦々し気な顔をしながら、『801-』が同じくカバンの中から数枚のレポートの束を取り出す。

忌々し気な顔をしてそのレポートに目を通す。

 

 

 

蛮野レポート NO3

 

ロイミュードの進化に必要なものは『感情』である。

そのことは依然のレポートにまとめた通りである。

実際私が最も最初に生み出した3体のロイミュード達には、001には精神力、002には感情、003には知識をそれぞれ探求する様に命じた、その結果3体とも進化態さらには超進化に至ってる。

004はクリムの頭脳をコピーさせたが、超進化はおろ進化態にすらなる事は無かった。

同時期に制作した彼らの違いはやはり『探求』に有ると仮定出来る。

その仮定を満たすため、私は『数えられざるモノ達』にはより人間らしい機能を付けた。

それは――

 

 

 

そこまで読んだ所で『801-』の腹が切な気に鳴る。

 

「人間を理解するために、()()()()()()()だと!?明らかに無駄な機能だ!!

なぜだ蛮野ぉ!!少し考えれば無用の機能だと解るだろう!?」

 

穴の開いたログハウスの中に『801-』の言葉が空しく響く。

蛮野の与えた新たな機能、それは人間の弱さともいえる部分だった。

食料を取らねば空腹になり、睡眠を取らなければ集中力が落ち、寒さを感じては震え、熱さを感じては体が弱る。

結局は感じるだけで死ぬことは無いのだが、非常に不快な気分になるのだ。

 

「打ち勝ってみせるぞ……!!これしきの事で俺が屈するものか!!」

自らを鼓舞するかのように、『801-』が椅子から勢いよく立ち上がる。

 

「ふぅーん?ならコレは要らないな?」

そう言いながら『501-』が白いビニール袋から、カラフルな箱を取り出し蓋を開く。

瞬間蒸気が上がり、周囲に良い香りが立ち上る。

 

「ふみゅー!!おいしそうなにおいー!」

 

「『501-』それは何だ?」

 

『801-』、『901-』両名が興味を持ち、ソレを覗き込む。

 

「ああん?知らねぇのか?これはたこ焼きだ」

 

「「TA☆KO☆YA☆KI!?」」

 

驚き声を上げる両名を目の前にして、『501-』がゆっくりと付属の爪楊枝でたこ焼きを口に運ぶ。

ゴクリと、二人が生唾を飲み込む。

一個丸々口の中に放りこむ。

 

「はふ、ふっふ、あふ、あっつ、むく、むぐ……あー!うまいなー!!最高だ!!」

にやりと笑い、歯に青のりを付けたまま、二人に笑いかける。

 

「食うか?」

そう言って、さらにビニール袋からさらに2箱分のたこ焼きを取り出す。

 

 

 

 

 

「うまい!!うまいぞ!!」

 

「ふみゅー!!熱い!!おいしい!!」

 

「がっはっは!!どうだ?このたこ焼きフウミンは俺のお気に入りなんだよ!!」

3体のロイミュード達がテーブルでたこ焼きを貪り食っていた。

何かを食すという事に喜びの感情を感じながら、数えられざるモノ達の食事は続く。

 

「『501-』お前さっき、これはお気に入りといったな?」

 

「ああ、そうだぜ?うまいだろ?」

 

「そうではない、この存在を知ってるという事はお前は俺たちよりも活動時期が長いという事だな?」

『801-』指摘すると『501-』がバツの悪そうに口を開く。

 

「ああ、そうだ。お前が目覚めるいくらか前に、俺……いや俺たちは目覚めた。

俺のほかに同時期に目覚めた奴が一人いた……最もすぐに何処かに姿を消したが……

しばらくぶらぶらしてるうちに、時間を空けて実験場に戻ると空のカプセルが増えていた。

俺は理解したよ、リバース達は何の命令も受けていない自由な存在だってな……気を付けろ?俺はともかく、他の奴らは平和主義とは限らないんだぜ?

お互い注意しな、ロイミュードを殺せるはロイミュードの力だ」

 

「『501-』、お前が出会ったそいつのナンバーは?」

 

「『401-』……一言でいえば、やばい奴だ……出来るならもう会いたくねーよ」

腰かけるに深く腰を下ろし、『501-』は目をそらした。

そして気を紛らわす様に「明日からバイトを探すぞー」と漏らした。

 

 

 

 

 

何処かの地下駐車場で、一人の人物が紫色の焼け焦げた布を拾う。

 

「プロトドライブ……魔進チェイサー、そして仮面ライダーチェイサー……嘗て『死神』と呼ばれたロイミュード……

人とロイミュードの間を行き来した死神……か

残念な物だな、()()()()()()()()()として話が聞きたかったのだが……

いまさら仕方のない事だな、確か人間達の言葉に『死人に口無し』というのが有ったな……

ふむ、その通りだ。うまい事を言う」

 

その男がその布を放り投げ、腕を真横に一閃する!!

布は二つに切り裂かれ、さらに壁際に止めてあった車、そして壁に深い切り傷が刻まれる!!

 

「死神……己が最後の死神だ」

男の姿が、赤黒い触手の様なマントに包まれる。

顔をおおう仮面は漆黒で、縦長の目が一つ刻まれている。

胸に刻まれたプレートには『401-』の文字。

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