ロイミュード・リターンズ 作:煩悩No.108
1年以上ほったらかしにしてすいませんでした!!
個人的には、もういいやと思っていたんですが……
久しぶりに見てみるとジワジワUAが伸びてて……
読んでくれる読者が居るなら、頑張ろうと思いました。
かなり不定期ですが、気長に待っててください。
「ここは……何処だ?」
ナンバー『801-』が何処か知らない場所で目を覚ます。
そこは、あえて表現するなら、暗い屋敷だろうか?
ずっと続く長い暗い廊下、暗い赤のカーテンが掛かり、壁には古ぼけた絵画が飾られている。
嘗ては、大層な屋敷であったと推測できるが、埃をかぶった今の姿では幽霊屋敷にしか見えない。
「幽霊と言えば、『901-』は無事だろうか?」
『801-』の脳裏に浮かぶのは、自身と同じリバースロイミュードの一体。
彼女の精神はなぜか子供に近く、幽霊等が苦手で擬態していない自身の姿を見ただけで怯えて泣き出したしまうほどだ。
「今頃一人で泣いているかもしれない……
ならば、俺が行かねば!!」
姿の見えない仲間の事を心配して、長い廊下を走り出す!!
……え?ほかにもう1人居た?
少なくとも『801-』の脳裏にはもう1人の
漫画的表現で言うなら、シルエット又は目の所に黒い線が入っている様な状況だ。
「誰の策略かは知らんが『901-』を泣かそうとはなんという卑劣……!
必ずや後悔させてくれるわ!!」
最早目的や、他に考えるべきことが有るのだろうが、そんなことはもはや完全に『801-』の脳裏から消失していた。
「うおぉおおおおおお!!待っていろ!!『901-』!!
すぐに俺がいくぞぉおおおおおおおおおお!!!!」
全力で走るには、明らかに狭すぎる古ぼけた廊下をロイミュードの体力を使い全力で疾走していく!!
「むぅ!!あの扉が怪しい!!
うおぉおおおおおおおおお!!
『901-』ぅううううう!!」
バッギィイイイイイん!!
とりあえず見つけた木製の古い扉を蹴り砕き、『801-』が部屋の中へと躍り出る。
素早く状況を確認しつつ、十指の銃口を構える。
「おいおいおいおい…………
ンだよ、遅れて来たのにずいぶんな登場じゃねーか」
聞こえてくるのは、若い男の声。
何処かだるそうな、しかし不思議と色気のある声をしていた。
そしてその声に『801-』は聞き覚えがあった。
「貴様……『501-』か、オマエも此処に」
『801-』が視界に捉えたのは、紅いジャケットを見に纏った30代入るか入らないといった年齢のリバースロイミュードの『501-』だった。
顎に生えたひげを触りながら、椅子に腰かけ目の前の輪の形をした、テーブルに行儀悪く足をかける。
「んだ、八ッつあんはここ初めてか?ここは――」
「おおッ!『901-』!!『901-』ではないか!!
不安だっただろう?心細かっただろ?俺が来たからにはもう安心だ!!」
未だに話している『501-』の声を無視して、部屋の隅に膝を抱えて小さく震えていた少女を抱きしめる。
白いワンピースに黒く美しく長い髪、そして真っ赤なシューズ。
さっきの男『501-』と並べると『901-』は非常に不釣り合いなコンビだ。
いや、こんな怪しげな館にいる時点で、十分おかしいのだが……
「ふみゅ……ふみゅ……」
「おー、よしよし、泣かなかったのか。
お前は偉い奴だな。天国にいる我らの作り主、蛮野 天十郎もきっとお前を褒めているハズだぞ?」
振るえる体を優しくなでてあげる『801-』。
それを聞いて何度も『901-』は頷く。
「ふみゅ、私泣かなかった……」
僅かに胸を張り、誇らしそうに顔をほころばせる。
「はぁー、なんつぅーかなー!」
飽きれた様に『501-』がため息を付く。
『501-』のホスト崩れを思わせる容姿も。
『901-』の幼い良家の令嬢を思わせる姿も。
『801-』の白と黒で統一された何の変哲もない見た目も。
すべては、この蛮野遺産『リバースロイミュード』達が擬態したに過ぎない。
その正体は、機械で生物をもした怪人にすぎないのだ。
「『501-』、此処は何処なんだ?
お前さっきの口ぶりから、此処を知っているようだが?」
今更になって『801-』が初めて部屋の全容を見た。
部屋自体は大きな円形をしていて、学校の教室よりも少し狭い程のスペース。
暗い赤の壁紙、シックな落ち着いた茶色の椅子に、本棚やタンスの調度品。
中心には、円形のテーブルが置かれており、まるで裁判の被告人の席を思わせる。
そして、壁にはそれぞれ9つの扉が有った。そしてその先にも同じ数の椅子が。
先ほど『801-』が出てきたのもその扉の内の一つだった。
「まさか……九つの扉そして、九つの椅子……」
何かに合点が行ったのか、『801-』が確認の意味を込めて『901-』を見る。
「気が付いたみたいだな。そうだ、此処は俺たちリバースロイミュードたちの部屋だ。蛮野は――」
『此処からは私が話そう……』
再度『501-』の話を遮り、部屋に今まで聞いたことのない声が響いた。
「へぇ、ずいぶん久しぶりだな。
管理人――そう呼ばれた存在が、円形の机の真ん中に立っていた。
その姿は青い半透明の姿で、ローブを被っており姿を見る事は出来ない。
立体のプログラムなのか、微妙に姿にノイズが走っていく。
「管理人……だと?」
「ふ、ふみゅ……」
不安を感じたのか、『901-』が抱き着く『801-』に力を籠める。
『怯えることは無い。リバースロイミュード達よ。
私はその呼ばれ方の通り、この部屋の管理人をしている』
「この部屋は何なんだ!!」
警戒心を露わにし、指の銃口を突きつけながら『801-』が話す。
『怯える必要はない。そんな必要はないのだ。
ここは、リバースロイミュードをまとめる云わば集会場の様な物。
残り数わずかなロイミュードたちに、互いの情報を共有させるべく用意された交流の場だ。
此処は「夢」という形で出現する。現実のお前たちは眠っている』
管理人の言葉に、『801-』は合点がいった。
蛮野は自分たちに、人間を学ばせるため人と非常に近い機能を持たせた。
寒さ、熱さ、空腹、ets……
その中でも、眠りは自分たちにとって、マイナスにしかならないと思われたが、なるほど、睡眠はこういう形で使うのか。と妙に納得してしまった。
「お互いの交流ねぇ?まぁ、ほとんど意味なんてないけどな!!」
『501-』が机に掛けた足を組み替え、何処かから取り出したのかティーカップの紅茶を煽る。
「意味がない?」
『リバースロイミュード達は、表のロイミュードに負けず劣らず皆、個人主義なのだ。誰がどこで何をしているか分からない、本来ここで交流するハズだったのだが――』
『801-』が自身の周りの空席となった、6つの椅子を見る。
「集まる事は滅多にねぇ!って話」
それに管理人が同意した様に、視線を下げて見せる。
『「901-」よ。お前がリバースロイミュードのラストナンバーだ。
「101-」から「901-」の計9体。すべてのリバースロイミュードが目覚めたことに成る』
「9体……この世界に、居るリバースロイミュードは僅か9体のみなのか……」
今改めて、真実を教えられた事により、『801-』の中に今まで感じたことのない感情が湧いた。
それは、この多くの人間が居る中で自身と同じ仲間がわずか9体しかいない事への、悲しみか、それとも人間に対する数の不利からくる恐怖か分からなかったが決して心地よいと言える訳でない感情が湧く。
「お前は……お前は何なんだ?」
『801-』が管理人に話を聞く。
『私はその名の通り、この時間の管理人――リバースロイミュードとは少し違う。
私はこの空間のみの存在し、現実世界では実態を持たない』
ローブを広げて見せると、胸にロイミュードの様なプレートが有った。
だが、そこに有ったのは表のロイミュードの様な数字でも、リバースロイミュードアチの様な鏡字とマイナスの記号でもなく――『i』のたった一文字だった。
「インフォメーションって事かね?」
『501-』が口を開く。
どうやらこのことを彼はもうすでにしていた様だった。
「そうか……現実では会えんのか……」
露骨に落胆したように、『801-』が落ち込む。
「ハッ!良いんじゃねーの?
寧ろ助かったと考えるべきじゃねぇか?」
「何?どういう事だ?」
『501-』の言葉に『801-』が反応する。
「さっき管理人も言っただろ?『誰がどこで何をしているか分からない』ってな。
仮面ライダーが姿を消した今、俺たちを倒せるのは同じリバースロイミュードだけだぞ?
どっかの誰か――残った九体のうちどれか一体が持ち前の個人主義を発揮して「自分以外のロイミュードを倒せば、世界は自分の物だ」と考えねぇー保証はどこにもねぇぞ?」
『501-』の言葉に『801-』は息を飲んだ。
そう、絶対にそんなことは無いとは言えない。
自分たち、リバースロイミュードは『同族』であっても決して『同志』ではないのだ。
例えば蛮野に対する考え方のそれぞれだ。
自身は自分たちの創造主として、ある程度の敬意を払っているつもりだが『501-』は露骨に毛嫌いして『901-』に至ってはどう考えているかすら不明だ。
「まぁ、今すぐここで襲ってくるなんて事は……どうした?」
『501-』が急に言葉を無くした二人に気が付く。
『801-』は驚いたように、『901-』は今にも泣きだしそうな顔をして止まっている。
『ほう、
管理人の言葉に、『501-』が咄嗟に後ろを振り返る!!
自身の真後ろの扉の隣、その扉が少し開き誰かがこちらを覗いている。
「お前は……!」
僅かに開いた扉から、鋭い爪をした腕が伸びで扉を撫でる。
そして扉に掛かったプレートを鋭い爪先でなぞる。
「出来れば、二度と会いたくなかったぜ!!!
ナンバー『401-』!!」
「くくく……気が向いて、たまには顔を出してみるモノだな……
まさか懐かしい顔と新顔に会えるとは……」
扉から姿を出す『401-』。
その姿は赤黒いマントに覆われ、顔は触手の様な仮面をかぶっていた。
異様ないで立ちに、『901-』が小さく悲鳴を上げる。
この姿を『801-』は情報として知っていた。
「お前……『死神』か」
「如何にも……」
『死神』それはかつて、表のロイミュードたちの中で恐れられた称号。
行き過ぎ、人間に対して目立ち過ぎた所謂他のロイミュードたちに著しく迷惑をかけるであろうロイミュードを処分する役目を持つ存在。
嘗ては魔進チェイサーがその役割を、のちにはナンバー009の私設部隊がその後釜を担ったらしいが、どちらにせよ恐怖の対象であったことは変わりない。
「あーあ、お前にだけは出会いたくなかったぜ」
『501-』が心底嫌そうな顔をして、悪態をつく。
「……オマエ達が最後のナンバーか」
『401-』が二人を見て笑う。
仮面に隠れた表情は分からないが、その声には十分すぎる愉悦が含まれていた。
「……くくく……くははは……そうだ、怯えるがいい。もっと、もっと己の姿をみて怯えるがいい――ん!?」
パァン!!
『401-』の頬を一発の銃弾が通り過ぎる。
視線をずらすと『801-』の指先から、硝煙が出ていた。
「その不快な仮面をとれ――死神風情が。
『901-』が怯えているだろうが!!」
尚も震える『901-』を抱きしめ、『801-』が恫喝する!
「お、面白い……!
己に恐怖しないとは……!
気に入ったぞ、お前は己の直々に止めを刺しに行ってやろう!!」
『401-』がそう言うと共に、空間そのものが割れる。
どうやら時間切れの様だった。夢が覚める時が来たのだ。
「覚えておけ……お前は死神の名に恐怖するのだ!!」
「俺に恐れるモノなど何もない!!」
壊れる空間の中で、2体のリバースロイミュード達がにらみ合った。
おう、シリアス……
しかし、コレシリアス作品ではないんです……
シリアスとかむり!次回で盛大にハッチャケけます。