ロイミュード・リターンズ   作:煩悩No.108

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あー、少し時間が来ましたが投稿です。
さてさて、まずは顔合わせ程度に他のリバロイたちの、姿を見せていきたいですね。


彼らは何処に潜伏しているのか?

パサッ……

 

「なんだこれは?」

『901-』とあやとりをして遊んでいた、『801-』は突如、机の上に投げられた一冊の薄い雑誌を見る。

 

「何って、分かんねーのか?バイトの情報誌だよ。

今の時代コンビニとか、スーパーで無料でもらえんだぜ?」

『501-』が、隣の机に座り、どこからか持ってきたコーラの瓶を指で開けて中身を飲む。

 

「バイト情報誌……だと?」

 

「お前らは、目覚めてまだ日が浅いから分かんねーんだと思うが、この世界で生きるには金が要る訳だな。ああ、まぁ何をするにしても必要なんだわ。

飯を食うにも、なんか飲むにも、住む場所もな?分かるよな?」

 

「もちろんだ、我らリバースロイミュードは、普通のロイミュードたちとは違い、食事も睡眠の必要だ……」

忌々し気に『801-』が『501-』の言葉に賛同する。

人間により近く。という蛮野のアイディアで人間の弱みと言える部分さえもリバースロイミュード達は取り込んで居た。

 

「ほうほう、金の必要性は分かった訳だな?」

 

「無論だ。人間の世界は物質の世界。すべては金で取引されている」

『501-』の言葉を『801-』があやとりの糸に視線を落としたまま応える。

 

「さて、ズバリ言うと俺らは金が無い!!

ならば、稼ぐしかないよな?」

催促する様に『801-』がさっきのバイト情報誌を叩く。

 

「それは俺に、『901-』を放っておいて仕事に精を出せという事か?」

明らかに機嫌を悪くする『901-』。

 

「働く気が無いってか?んじゃ――」

 

「不安なのだ!!ああ、一人ボッチにされた『901-』……

不安で泣きだしてしまうかもしれない!!

いや、俺の留守中に暴漢が入って『901-』を攫ってしまうかもしれない!!

危険はそれだけでは無い!!お湯を沸かそうとして火事に成ったり、外に出て迷子に成ってしまうかもしれない!!!この不安を俺はどうすればいいんだ!!?」

急に頭を抱える『801-』。

しゃがんだ『801-』の頭をいまいち状況が読めない『901-』が撫でる。

 

「慰めてくれるのか……お前は優しいな……」

 

「ふみゅ?」

感極まった様子で、首をかしげる『901-』を抱きしめる『801-』。

 

「お前、ほんっとう――ロリミュードなのな!」

 

「違うと言っている!!私はまだ幼い『901-』が心配なだけだ!!

コイツはこの世界にたった9人しかいない俺の兄弟だ……」

酷く慈愛に満ちた優しい瞳で、『901-』の頭を撫でる。

 

「うわぁ……ちょっと、ついてけねーわ。

なら、逆に考えろよ。金に余裕が出来れば嬢ちゃんになんか買ってやれるぞ?」

 

「なに……?」

『501-』の言葉に『801-』が反応する。

 

「新しい服や、食事ももっと豪華にしてやれるぞ?だから――」

 

「何をしている!!早く仕事に行くぞ!!

『901-』よ、心細いが大人しく待っていてくれ……

決してお前をないがしろにする訳ではないのだ、俺はお前の為を思っての行為なのだ……!

おまえも偉大なる蛮野の遺産のひとりだ。この、試練必ず乗り越えられると信じているぞ!!」

 

「ふみゅ……?

がん、ばる、ふみゅ!」

 

「おおっ~!!『901-』!!俺はお前の様な立派な、兄弟を持って幸せだ!!」

酷く感動的な、顔をしながら『801-』が『901-』と抱き合う。

 

「うわぁ……キッツ……」

やりきれないという顔をして、『501-』が煙草を手に部屋を後にした。

 

 

 

 

 

「さてと……こっから、どうなる?

リバロイ共は管理人の『i』曰く全部で9体……」

二人を置いて、アジトにしているキャンプ地のログハウスから場所を取る。

なん無しに気分の向くまま足を進めた先に来たのは、壊れたもう一件のログハウス。

くずれて、元の様子は分かりはしないが、此処で嘗てすべてのリバースロイミュード達は目覚めた。

飛躍した解釈だが、全てのリバースロイミュード達の故郷と呼べる場所かもしれない。

 

死神野郎(『401-』)(『501-』)……八っつあん(『801-』)嬢ちゃん(『901-』)……

まだ姿が見えない5人か……いや、一応『701-』の声だけは聴いたことがあるな」

煙草の煙を燻ぶらせながら、『501-』が落ち葉を踏む。

自身たちの現状を考えながら『501-』がため息を付く。

 

「ふぅ……他の奴らは今どこで何をしてるのかねぇ?

全員が全員個人主義の集まりだ、何かよからぬ事を考えている事は容易に分かる。

いんや――ハっつあんのやった事は、場合によっちゃ他の奴らにも伝わってる……

仮面ライダーなき今、リバースロイミュードを殺せるのは同じリバースロイミュードのみ……さぁてと、こっからどう動くかね?」

吸い終わった煙草の吸殻を、研究所跡地に投げ捨て深呼吸した。

 

「考えてても始まんねーよな」

遠くに『801-』の声を聞きつけて、『501-』が走り出した。

 

 

 

 

 

「名前?」

 

「そ、バイトには必須でしょ?」

『801-』の前には、履歴書という紙が置かれていた。

当然だがバイトを申し込むには必要で、そこには当然だが『名前記入欄』がある。

 

「まさかーとはおもうが、自分のナンバー書き込もうとしてないよな?

いいか?最近はDQNネームとか、キラキラネームとか流行ってるが流石に数字と記号が名前欄に書かれてたら、店員は落とす、少なくとも俺はそうする。

だから、適当に名前を書け」

『501-』の突然の言葉に『801-』が頭を悩ませる。

 

「偽名――という事だろ?

適当なのでかまわないだろうが……さて、過去の履歴はどうする?

我々は完全に空白の存在なのだぞ?」

 

「んぁ?ソッチは問題ねーよ。

この世の中にはな?行方不明者っていう便利な者が居るのよ。

社会的立ち位置を失ったり、事故で死体が見つからなかったり、海外に行ったまま行方不明ってパターンもある。

いいか?毎年、100人200人が居なくなるんだ。

そいつらのデータをちょこっと、借りるだけだ」

 

「要するに、いない人間に成りすますのか?」

 

「名前だけ、変えてな」

ニヤリと笑い『501-』が行方不明者のリストを渡す。

 

「便利だな……だが、どこでこんなリストを?」

 

「ちょ~っとしたツテが有ってな。

ま、気にすんなよ」

『501-』が喉を鳴らして笑う。

 

「さてと、俺の出先の近くのコンビニ店長がバイトを探してた。

早速そこに行くぞ?」

 

 

 

 

 

そこからは話はすさまじくトントン拍子に進んでいった。

もともと老夫婦がやっていた小さなスーパーをコンビニにした店。

コンビ二と言えど、朝の5時から夜の深夜1時という、非24時間体制。

『501-』と顔見知りの、老夫婦は喜んで『801-』を採用した。

 

「んじゃ~八ちゃん……儂とバァさんは寝るから……一時に成ったら、売り上げを確認して、早朝開店の準備をしてから店を施錠してしとくれよ~」

 

「了解した」

プルプルと腰の震える、老人が先に家の2階に上がっていく。

現在の時刻は9時を少し回ったほど、早起きは得意だが夜は苦手らしい。

 

「…………問題はないな」

現段階での売り上げを確認して少量のみ入荷した雑誌を新しい号へ変え、商品の賞味期限を確認する。

 

「………問題、ないか……」

正直な話だが――この仕事、客人がほとんど来なくて暇である。

昼は主人の知り合いなどが、訪れ世間話をしながら夕飯の材料などを買っていくがそれでも深夜に来る客は非常にまばらだった。

 

「……問題が……起きない……」

誰も来ない深夜のひとり。

リバースロイミュードとして自由を謳歌していた『801-』にはひどく退屈な時間だった。

正直な話、『801-』には楽しみもあった。

キャンプ地からでた本格的な、人間との交流の場。

蛮野が望んだように、大量の人間の感情を学習して、より進化に近づけるのではと。

だが――

 

「客人……客人よ来い……!!

俺は、接客がしたいのだ……!!」

何処か……虚空に向かって念を送ってみる。

『801-』は学習欲に飢えていた。

最初の数分は、ずっと家で待つ『901-』の事を考え、「ひょっとしたら今、俺を求めて泣いているかもしれない」とモヤモヤしたり、不安だったりし、道行く人間の手に持った携帯をみて「給料が入ったら自分と『901-』の為にお揃いの奴を買おう」などと考えていたが、人間との未知の接触に次第に心がそっちに向いていった。

その結果――

 

「なぜ誰も来ないのだ……」

鬼のような顔で、入り口を見張る様になった。

だが、その時間は漸く終わりを告げた。

それは、店が閉店5分前の時――

 

チリーン!

 

「よく来たな」

 

「あ、え……?」

帽子にサングラス、そしてマスクという一目でわかる怪しい容姿の男が店に入ってくる。

『801-』の普通は聞かない挨拶に若干、疑問を持ちながら店の中を歩く。

数分して、男が缶コーヒーを手にしてレジにやってくる。

 

「おい――」

 

「なんだ?」

マスク越しのくぐもった声が、この時初めて開かれた。

 

「金を出せ。レジのとお前の財布のだ」

雑誌でカメラから手元を隠し、包丁を『801-』に差し向ける。

 

「金だと?両替か?悪いがウチの店では、扱っていない」

 

「ちげーよ!!そうじゃねーよ!!金を出せって言ってんだよ!!!」

 

「……バイトの応募か?履歴書はあるか?」

 

「だーかーらぁ!!そうじゃねーって言ってるだろ!!

強盗だよ!!強盗!!!大人しく金を出せってのが分かんないか?!」

 

「後藤だと?下の名前は?」

 

「言う訳ねーんだよ!!もうやってらんねーよ!!とりあえず死ね!!」

強盗は手に持った包丁を『801-』に突き刺そうとして――

 

バキッ!

 

「あ……」

あっけない音を立てて、包丁が折れる。

『801-』の体は機械で出来てる。

しかも戦闘用に成っているボデイはその辺の包丁では傷すらつきはしない。

 

「あ、えっと……俺はこの辺で――」

 

「貴様……今ので分かったぞ?

強盗犯という奴か……!我仕事を邪魔しようとは許せん!!

んッんんんんんん!!」

『801-』が全身に力を入れると、一瞬姿が歪む。

その後に立っていたのは異形の戦士。

 

人間の髑髏とバッタを融合させた人間とも、虫とも見える機械の無機質な姿。

最後に胸のプレートに801-と鏡文字で刻まれた。

 

「ひゃぁああああ!!!」

 

「逃がしはしない!!」

『801-』がレジを飛び出し、すさまじい勢いで強盗との距離を詰める!!

だが、すでに強盗は夜の闇に半分姿を溶かしていた。

居たのだが――

 

「はぁ!!」

『801-』が手を突き出すと、その手から何か波動の様なモノが周囲の狭い範囲に照射された。

 

「わぁ……ああ……あ…………あ………………?」

その現象はかつて『どんより』と呼ばれた状態。

正式名称『重加速』!!

この感覚は、強盗にも覚えがあった。

TVなどで幾度か聞いたことのある機械生命体の能力だ。

 

男はありありとその恐怖を思い出していた。

 

ひた……ひた……

 

「!?」

殆ど動かない体で、目だけは扉の向こうから姿を現す怪物を認めていた。

腕が、足が、体が自分のモノでなくなったように遅い。

だが、怪物はそんな事など知らないと言う様に悠然の暗闇の中を歩いていく。

 

「~~~~~!!!」

怪物がゆっくりと手を伸ばし――

 

「会計はレジを通せ」

 

「え――はっつ!?」

急に体に掛かる重さが無くなって、自身の財布を投げすて這う這うの体で逃げていった。

 

「……余りは、募金という事か……」

雑誌の金を抜いて、『801-』はやり遂げた顔をした。

 

「ちぃーっすハっつあん!働いてる?」

 

「『501-』か、無論だ」

入違ったのか、姿を現した『501-』と合流した。

 

「今のヤツ、すげー焦ってたぜ?なんなしたか?」

 

「いや、普通の接客だ」

何がいけなかったのかと、真剣に考えながら2体のロイミュードが店へと帰っていった。

 

 

 

 

 

どっしーん!!

 

「きゃ!?」

 

「いって……!」

逃げた強盗が、深夜の公園で一人の女性にぶつかる。

眼鏡をかけてタイトなスーツをきた、商社レディといった面持ちだ。

 

「どうしたのよ?そんなに慌てて……?」

尻餅をついた女性が、砂を払いながら立ち上がる。

 

「た、助けてくれ!!バケモンだ!!

どんよりを起こす化け物の生き残りが居たんだ!!

俺は今、襲われた!!はやく、早く警……さ…………つ……………へ?」

 

「どんよりって、こんな感じ?」

女の手が触れた瞬間、強盗の体が再び重加速が男を襲った。

 

「な…………ん………………で…………………」

 

「はぁ、こういうのって困るのよね。すごく。

せっかく姿を隠しているのに、詰まんない事で見つかっちゃうじゃない。

だ・か・ら・おじさんにこの事覚えていてもらっちゃ少し、困るのよね~

うふふ、大丈夫怖がらなくていいわ。すぐに気持ちよくなって、なにも分かんなくなるから」

くすくすと聞こえる声と共に、女性の指が機械へと変わっていく。

 

そのまま、抵抗できない男の顔に触れると――

 

バチン!!

 

「はっ!?俺は、なんで、こんなとこに?

はやく、帰らなくちゃな……」

何かを思い出したように、男が歩いていった。

 

「くすくす……そっか、多分最後の子たちが起きたんだ。

ずーっと、待ってた甲斐あったかも――ねぇ?死に神さん?」

 

後ろを振り向くと、触手のような仮面をかぶったロイミュードが立っていた。

胸に刻まれたナンバーは『401-』。

 

「……あなた達が、何をしようと自由よ。

けど――私の生活を邪魔するなら、許さない。

私も『701-』もそれがスタンスよ?」

その女の声に、珍しく『401-』が素直に首を縦に振った。

 




何度も言うように『801-』はロリコンではありません。
本当です。
ただ、年下の小さい子が好きなだけです。

リバース・ロイミュード……縮めてロリか……
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