デート・ア・ライブ 悠佳メモリー   作:事の葉

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デート?私が?

‐side悠佳

 

んーっ・・・はぁっ!

大きく背伸びをすると、心の汚れが祓われるようでなんか好き。

 

あれ?狂三ちゃんからメール・・・しかも1時間前だ。怒ってるかな?

 

狂三ちゃんとは昨日交換したばっか。良い人そうで会話が弾んだっけ・・・、どっか裏がありそうだからあまり身内の話はしなかったけど。

 

内容はこうだ

 

「今日午前11時に天宮で会えません?私のお友達がいるのですけれど・・・」

 

 

狂三ちゃんの友達だったら何も問題はない。

 

「よし、行こうっ♪」

 

私はそう決め、待ち合わせの場所に向かった。

 

 

 

‐side狂三

 

私は士道さん、そしてその妹、琴里さんと交渉をし、二人の仲の仲介人として向かうことになった。だから私の耳には小さなインカムが付けられている。もちろん、士道さんにも。

 

10分後に迫った待ち合わせ時間、2人はベンチで座った。

 

「き、緊張するな・・・」

「まぁまぁ、強張らずに普通に行けば問題はありませんわ。最悪私が何とかいたしますので」

 

とは言うが、正直私も不安だ。

彼女が士道さんを極度に嫌っていることは知っているし、それによって周りに迷惑をかけたことも知っている。

私がいつこんなに心が優しくなったのかは分からないが、2人の仲を直したいというのは心の底から思えた。

その後が楽しそうだからとか、よくわからないけどそう思えた。

 

「あ、来ましたわ」

 

私が入口を指差す。

来禅高校の制服を纏った悠佳が入ってくるところだった。

 

「き、来た・・・ふぅ」

「深呼吸ですわよ。吸って吐いて」

 

言うと、2人とも同時に深呼吸を2度した。

 

 

‐side士道

 

こっちから頼んでなんだが、本当に不安だ。

ちょっとでも気に障るようなことをしたら俺の身じゃなく周りが可笑しくなるし、だからといって親切にしすぎると疑われるだろうし機嫌を悪くするかもしれない。

 

悠佳がこちらに気付く。狂三が親切に手を振り、それを返すが、俺に気付くとすぐに手を止めた。

今からでも襲いかかってきそうなほど睨んできてる。

 

「な、なぁ狂三?」

「大丈夫ですわよ。時間ピッタリですわね、悠佳さん」

 

俺の不安な声が耳に入っていないのか、狂三は立ち上がって悠佳の元へ小走りで向かう。

 

「ねぇ狂三ちゃん?これはどういうことかなぁ?」

「言った通りですわよ?」

「昨日、士道の仲間かどうかを聞いた時、嘘をついたってこと?」

「まぁそうなりますわね」

 

悪びれる気もなくクスクスと笑う。

 

「まぁでも、嘘をついてはいけないということは言われてませんわよ?」

「ぐぬぬ・・・詰めが甘かったか・・・で?私が“あんなの”と出かけろと?」

 

先程狂三は悠佳に送信をしていた。

内容は最後の一行しか見る事が出来なかったが、簡単に言うと、3人で出かけましょう。といった内容だ。

 

「あ、拒否権はありませんわ」

「だろ~ね、承諾のメールは送っちゃったし・・・あ、でも・・・あれが変なことをしたらすぐさま首チョンパだからね」

 

俺の方を見て、ピッと首元に当てた手をスライドさせる。

 

「あ、あぁ・・・分かってる」

 

これほど恐怖を感じるデートの開始は後にも先にもこの日だけだろう。

 

 

 

 

俺は狂三と琴里の指示を受け、様々な場所に悠佳を連れていった。もちろん、要望は全部聞いてるつもり・・・っていうか、出来ることは全部やってるつもりだが、どうやら好感度メーターはようやく「普通」に戻った程度で、これからスタートってとこだ。

 

「あ、あふぉほいひはい」

 

クレープをほおばりながらタッタッタと悠佳が軽快に走ったその先は、天宮市で唯一の大型ゲームのみを扱っているゲームセンターだ。しかも大きい。多分全部ではないだろうが、9割くらいはあるんじゃないか?

 

「ったく・・・あれ?狂三?」

 

先程から悠佳との会話に花を咲かせていたので気付かなかったが、いつの間にか狂三がいない。

何か急用が出来たのか、それとも二人の空間を作る為に隠れたのかは分からないが、どちらにせよ幸いだった。

 

「ちょっと士道遅い!!」

 

ゲームセンターから怒った顔を出しぶんぶんと強く手招きする悠佳。

 

俺と悠佳の間の蟠りがこの程度で消えたとは思わない。ただ、それでも、楽しめればいいのだ。

 

「今」を楽しませればいい。

 

そう思う。

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