「うぅ。こ、ここは一体?」
確かさっきまでセイバーのお墓の前にいたはず。
けどここはまわりが光で満ち溢れている。
「さっきまで夜だったぞ。おかしい。ここは?」
頭が混乱して、おかしくなりそうになった時。
後ろから、
「お前が、衛宮士郎だな?」
と、声が聞こえた。
声のする方を振り返ると、一人の男が立っていた。
「そうだが、あんたは一体?」
白い服に身を包まれていた。身長は180cmはあるか、かなり威厳を持っているような立たずまいだ。
「うむ、私自身の話をしてしまうと、時間がなくなる。簡潔に述べれば、私は守護者の頂点、守護神。名はそうだな、ライラと名乗ろうか。」
「守護神?時間がなくなる?どういうことだよ。全くわからない。」
混乱がます一方だ。
「私のことはいい。時間がないというのは、場所の問題だ。」
「場所?そうだ。ここは一体どこなんだよ。」
「英霊の座といえばわかるか?」
確か、過去、現在、未来すべての時間軸から、死後、英雄が集う場所にして、どの時間軸にも当てはまらない場所だよな?
「そうだ、理解が早いな。」
「だったら、なおさらおかしい。俺は英雄じゃないぞ。」
英雄が集う場所なら、あのアーチャーとは、違う。俺は英雄ではない。
「そうでもない。お前は聖杯戦争を勝ち抜いた英雄であろう?」
確かに勝ち抜いたが、
「だが、お前はまだ生きている。故に、お前はこの場所に一時的にしか、留まることが出来ない。」
「だいたい分かった。じゃあ最後に聞かせて欲しい。何故、俺はこの場所に呼び出されたんだ?」
その質問に、表情が変わる。
「呼び出されたか。違うな。お前がここに呼び出されたのは必然なのだ。わかるだろう、なんとなくは。」
おそるおそる口にする。
「セイバーの、ことか。」
「そうだ。時間が無い、本題に入ろう。私は彼女を生き返らせる。」
え、今なんて言った?
「何を放心状態になっている。生き返らせると言っているだろう。」
「そ、そんなことができるのか!?」
力強く、俺は聞く。
「ああ、できる。お前と彼女は聖杯戦争の勝者だ。だが、聖杯を破壊した。懸命な判断だ。おそらく願いを言っていたら、人類は滅んだだろう。」
ああ、俺は聖杯を破壊した。本当なら、セイバーと一緒暮らしたいと、聖杯に願ったのだろうけど。
「私は守護神だ。神だ。聖杯としての願望機の能力の具現など、取るに足らぬ。」
「あんたが聖杯としての力を?」
「そうだ。だが、神とて制約はある。それを受け入れるか?」
「制約?どんな?」
「よいか?人を蘇らせるというのはこの世の輪廻から外れる行為だ。故に、何が起こるかわからん。神である、この私でさえもな。」
言葉に詰まる。けど、それでも会いたい。そばに、隣にいてほしい。だから俺は、
「関係ない、叶えたい願いなんか一つだけだ。」
守護神は、少し笑うような表情を見せ、
「ほう。では改めて聞こう。衛宮士郎、お前の望みは何だ?」
ためらいはない。息を吸って口にする。
「セイバーを生き返らせてくれ。」
守護神は、
「汝の願い聞き届けた。願いを叶えよう。」
そうして光が薄れてゆく。
「さらばだ、衛宮士郎。これから先とてつもない試練がお前を襲うだろう。だが、その先にお前の望む理想があるのだ。」
この願いに悔いはない。これからも、後悔はしないだろう。