ほんとにいろいろあったので全然かけませんでした(´;ω;`)
これからもまったり更新していきます。
気がつくと、元の場所に戻っていた。
ただ、違うことが一つ。セイバーの墓の前に一人の女性が立っていた。
しかし、見知らぬ女性ではなかった。
何度も助けられた頼もしい背中。美しい金髪。
俺は知っている。ともに戦った俺の愛した人。
だから、俺はこう声をかけた。
「おかえり、セイバー」
女性は俺のほうを向き、
「ええ、ただいま士郎。」
俺は今日1ヵ月ぶりにセイバーに再開したのだった。
二人で近くのベンチに座り、この1ヵ月の出来事を話した。
といっても、特に他愛もない日常なのだが。
あらかた話し終えた後、俺は一番気になってることを聞いた。
「セイバー、今はどんな状態なんだ?」
「どんな状態とはどういうことですか?」
「いやぁその、今のセイバーはサーヴァントなのかそれとも人間なのかっていうとなんだが。」
「そうですね。半分半分というところでしょうか?」
「半分半分?」
「ええ、私は確かに人間の体として受肉しています。しかし、同時にサーヴァントとしての特性を併せ持っている状態なのです。」
「というと?」
「そうですね、例えば霊体化ができるとかですかね?」
「でも、セイバーは霊体化ができないんじゃなかったのか?」
「ええ。そうです。しかし、それは私がまだ生きていた状態で英霊化していたからなのです。しかし、私はあの聖杯戦争の後、私は一度死に英霊の座に至ったのです。」
「つまり、正式に英霊になったために今のセイバーは霊体化ができるということか?」
「その通りです、士郎。戦いになればサーヴァントとしての優位性を表せますが、逆から言うとそれ以外はほとんど人間のようなものです。」
「なるほど、分かったよセイバー。」
するとセイバーが、
「今、私は士郎の隣にいるのですね。サーヴァントとしてではなく、生身の人間として。」
「ああ。」
「また士郎と一緒にいれることができて嬉しい。ですが、」
「セイバーは本来死んでいるはずの人間だ。いやそもそも問題の本質はそこじゃない。いや問題といえば問題なんだが。」
「
「ああ。だがセイバーが思い詰めることはないさ。」
「しかし、世界にどうしようもない歪が生まれている筈です。もう今までとは違うのです。生命の絶対条件が破壊されたのですから。これは人類史の破綻に繋がりかねません。」
セイバーの言葉には悲しみとそれと同時に怒りが混ざっていた。
俺は何も言えなかった。こんなところで、
「そんなことは関係ない。」
なんて言えるほど俺もお気楽な人間ではない。
セイバーの言うように地球における生命の大原則の崩壊。これがどのような影響を与えるのかは不明だ。だから不安なのだ。もしも、またセイバーがいなくなったら、
「おやおや、悲しげな顔をしているね。お二人さん。」
突如話しかけられ、俺とセイバーはすぐさま戦闘態勢に入った。
そこには見るからに怪しい男性が立っていた。白いローブに白髪ののロン毛。杖を持っていて、何より膨大な魔力量。
「何者だお前!」
「まぁ、そうなるよね。いいとも、僕の名前は...」
男が名乗ろうとした時、
「マーリン!?マーリンなのですか!?」
セイバーが驚嘆の声を上げていた。」
「うーむ、そうなのだけどね。アルトリア、今、僕は盛大に名乗ろうとしてたのにもうちょっと待つことは出来なかったのかな?」
男はしょんぼりしていた。うん?マーリン?
「セイバー。今、マーリンって?」
「ええ、間違いありません。この魔力量、以前と変わっていないのがその証拠です。しかし、なぜ?あなたは
「アルトリアの言うとおりだ。しかし、理由は単純だよ。僕が
「それは人類史が終焉をもたらされた時です。」
「その通りだ。君が生き返ったことで人類史は崩壊した、と勝手に解釈させてもらった。。」
「そんな。」
「いや、簡単なことだよ。聖杯で生き返りたいと願ってもまんま人間として生き返るわけじゃない。あくまで、サーヴァントとしての体を受肉させたに過ぎない。だがアルトリア、君は違う。確かにサーヴァントとしての性質を持ち合わせてはいるが、君は完全な人間だ。今まで、破られてこなかった人類の大原則を君が壊したんだよ。それは即ち人類史の破綻と解釈してもなんら不思議ではないのだよ。」
そこまで、おとなしく聞いていたが一つの疑問が浮かび上がった。
「じゃあ、それはつまり人類史は破綻しているといってもいいのか?花の魔術師、マーリン。お前がここにいるということはもうそれが人類史の歪なのか?」
「確か、士郎君だったね。その通りだ。まぁでも、その言い方だと僕が害悪みたいな言い方になってしまっているけどね。」
「もし。もし、私が死ねばそれは元通りになるのですかの?」
「何を言ってるんだセイバー!」
「アルトリア。それは早計というものだ。人類史の問題をそんな簡単に解決できるものじゃない。それにもう人類史の修復は不可能に等しい。」
「つまり、私が死んでも意味はないと?」
「ああ、そういうことだ。それにそんなに悲嘆することではない。」
「どういうことだ?」
「簡単なことだよ、士郎君。滅んだというのならまた
「創り直す。そんなことかんたんに言われても。」
「なぁーに、創り直すとは大げさに言ってしまったが、要するに今回の事項で起きた以前の人類史では起きない現象、歪を修正することだ。」
「本来あり得なかった事象の拒絶、ということですね。」
「ああ。だが、全てを修正する必要はない。なんせ今の人類はこれまでと違うのだから、そこは二人が見極めることだ。」
しばらくの沈黙が生まれた。これはとても深刻なことだ。
もしも、この状況をそのままにしていると人類という概念の消失に繋がりかねない。
すると、マーリンが
「ということで僕は失礼させていただく。」
「どこに行くのですか。マーリン。」
「士郎君のおうちだけど?」
「なぜですか!」
「僕の魔術工房を建てさせていただく。それに僕は個人的にというより魔術師としての視点から士郎君に興味があるんだ。」
「俺に?」
「ああ。君の固有結界、
「固有結界に?」
「そこで俺とつけなかったのは、直感的に分かってるようだね。まぁその話はまた今度だね。じゃあ、これからしばらくお世話になるね。では。」
そういって、マーリンは霊体化して姿を消した。
「士郎。」
セイバーは俺のほうを見ていた。
「私は、ここにいていいのですか?」
その目は悲しみに溢れていた。体は震えていて、声は今にでも消えてしまいそうな。
俺はただ本心を伝えた。
「セイバーここにいていいんだ。俺はセイバーの隣にいたい。だから、おれはそう願った。俺たちならどんな困難も乗り越えられる。ギルガメッシュを倒したあの時のように。」
少し息を吸った。この1ヵ月、伝えたかったことを伝えるために。
「セイバー。俺はセイバーのことが好きだ。」
すると、セイバーの瞳から涙があふれ、かすかな声で。
「私も、士郎のことを愛しています。」
そういって俺たちは抱きしめあった。
その時、雲に隠れていた月の光が俺たちを照らしていたのはきっと気のせいではないと思う。
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