mother2 ギーグの逆襲   作:黒まめちこ

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 一週間のスランプ、ワードのバグ、プライベート、書いても書いても終わらない内容の多さなどもう何が何やら分からない位に予定が重なり、少し投稿が遅れてしまいました。

 では少しオリジナルの展開も交えた、フォーサイド編後半をどうぞ!


狂気の元凶

 ポーラが敵である宇宙人に攫われ、行方知れずとなってしまい残されたネスとジェフの二人。

 そして彼女の居所を探るべくこの場所に来た時と同じく、情報を集め回っていたのだった。

 

「金髪の少女かい? 見てないな。そう言えば、この前あちこちで色んな人に話を聞いていた少女はいたが……何? ついさっきにいなくなったって? じゃあ余計に分からないな」

「人の多い所には必ずと言っていいほど悪い奴がいるからな。その少女が無事な事を祈るが、俺はそういった不審者は見かけなかったぜ。悪いな」

「そうねぇ……何か怪しい奴を見なかったかって聞かれても、他人は皆怪しいもんよ。この世の中用心するに越したことは無いの。こんな大きな街に来たのならそれ位の覚悟が無いとダメよ」

 

 当初はフォーサイドの至る所で様々な情報を集める事が出来ていた。

 しかし、アイドルでもない有名な子役でもない、只のポーラという名も知らぬ少女。

 残念ながら姿も名も殆ど覚えられていない彼女についての情報など得られるはずも無かった。

 

 

「やっぱり、モノトリ―ビルに乗りこむしかないのかな」

 まだ幸運にも宇宙人の最後の言葉に『モノトリ―』という名前が含まれていたため、目星はフォーサイド中央にそびえ立つ48階建ての超高層ビルの通称モノトリ―ビル。

 情報が無く、考えられる可能性としては誘拐されたポーラがそこに監禁されている。

 何故モノトリ―が自分たちに目を付け、宇宙人とまで繋がっているかはまだ明らかではないが、それでも彼自身がこの都市取り巻く闇について関わっている事は明白だった

「さっきも言ったけど、モノトリ―やこのフォーサイドについて嗅ぎまわる今の僕達は下手すれば犯罪者みたいなもんだよ。たぶん強引に入ろうとすれば捕まって君の友達のポーキーしかりモノトリ―からひどい仕打ちを受けて、それこそバッドエンドだよ」

 

 有力な情報が得られずに無意味に等しい収集を終えて、合流したネスとジェフ。

 二人はそう打開策をお互いに考えながら街の中を歩いていく。

 広い道路では車が行きかい、歩道では絶える事ない住民や観光客が歩く中。

 

「とりあえず、情報はあったけど僕達が行けなかった『あの場所』で最後の情報収集をしよう。どうやらモノトリ―っていう人がよく出入りしているらしいしね」

 

 そうした中で二人はまだ諦めず勝算が残っているように考え、とある場所へと向かっていた。

 青信号を確認し、道路や交差点を渡りまるで見下ろされているような高いマンションやビルが立ち並ぶ住宅街を抜けて彼らは向かう。

 町中を覆う闇のオーラが発する邪気に中てられたのか、凶暴化した買い物帰りのおばさん『ガミガミガミレディ』や、酒に酔っ払いフラフラとした歩みで殴り掛かってくる『めいわくなオヤジ』。

 または邪気が物体に憑依し、排気ガスや恐ろしい突進で攻撃する無人の暴走タクシー『マッドタクシー』など、パーティーの一人が離脱した影響で苦戦をしたものの、彼らは目的地へと足を向けて行ったのだった。

 

 

 

 

 

『ボルヘスの酒場』

 ネスとジェフがたどり着いたのは権力者モノトリ―が深夜の時間に閉店したにもかかわらず単独でこっそりと立ち寄っていたと噂があった酒場だった。

 重要な情報が得られる可能性はあったが、あまり子供が立ち寄ってもいい場所ではないと判断していた為、現在に至るまで中に入る事は無かった。

 しかし今すがることが出来るのは警察もボディガードもいない唯一残ったここしかない。

 

「すいません、少しお尋ねしたい事があるんですが……」

 

 静かに飲みたいという大人向けなのか内装と同じく地味で静かな音楽が流れる酒場。

 入口の扉を開き、入って右手には店のマスターと思われるバーテンダーの男性が立っているカウンターと、その背後には多くの種類の酒が並んだ棚。

 そして左手には客が座って飲む為のテーブルが設けられているのみの質素な作りだった。

 そうした都会の酒場とは思えない雰囲気の中でネスは少ない客に話を聞いていった。

「ヒック……えっ? モノポリィィ? コーラ? なに、よく聞こえねぇな……」

「ウック……子供はこんな場所に来るもんじゃない……こんな昼間から酒飲んでる奴がいる所なんて……ゴクゴク……ゲップ……危ないからね」

「なにっ!? モノトリ―さんが出入りしているのは何故かって? ななな、なにを言っているんだ、君達は……モノトリ―ささ、さんが、ここに来ている訳ないだろ? それよりミルクでも飲むかい?」

 

 けれども有益な情報はそう得られなかった。

 殆どが酒に酔っていたり、眠りこけていたせいでまともな会話すら成立しなかった。

 念のためマスターにも探りを入れてはみたが、口止めをされているのか明らかに怪しい挙動をみせたものの慌ててはぐらかすのみでネス達に情報を話すことは無かった。

 

「ネス……テレパシーで本音を聞けなかったの?」

「一応、集中してやってみたけど『マズい! 誰にも言ってはいけないぞ! この店にモノトリ―さんが出入りしているなんて!』ってだけで店長さんも詳しくは知らないみたい」

 

 マスターの言葉に甘えてカウンターから離れた席で、店主の男性からサービスで貰ったミルクを飲みながら二人は相談をしていた。

 噂通り、モノトリ―がこの酒場で何かを行っている事のみは明確になった。

 だが決定打になる情報は何も得ていない。

 酒場のママと呼ばれる愛想のよい女性に尋ねても同じようにごまかすような返事を聞くだけで、もはや打つ手が無くなってしまったかと思われた時だった。

 

「君達、何が目的か知らないけどモノトリ―について知りたいんだって?」

 

 二人が考えを巡らせながらジョッキ入りのミルクを飲んでいると、少し汚れたスーツを身に纏った男性が自分の座っていた椅子を引きずって現れる。

 

「おっと、紹介が遅れたね。私はかつてあのモノトリ―を雇っていた人間さ」

「「グッ!?」」

 

 二人が聞きまわっている時はトイレに行っていたのか、意外な人間が話しかけてきたのだ。

 彼らが自分の発言で驚いた衝撃で飲んでいたミルクを拭きだしそうになっているのを苦笑いで男性は見つつ、続ける。

「聞くだけで良い。他愛無いおじさんの愚痴とでも感じ取ってくれ。君達も街で聞いただろうが昔のモノトリ―はあんなに強い人間では無かった。しかしあの金髪のクソガキが来てから、すぐに私の会社はモノトリ―の策略で倒産。あのモノトリ―ビルは元々私の会社だったんだ。おかげで家も土地も財産すらも奪われて、今はどん底の人生でホームレスさ」

 今回の騒動においての最悪の貧乏くじを引かされたのは間違いなくこの男性だろう。

 大人の人間が生きて行くうえで重要な概念の殆どを奪われ、待つのは転落の人生。

 そうして子供のネス達ですら同情出来てしまうような辛い話を聞く中で、彼は挫けずまだ続ける。

 悔しさから流れ出る涙が次第に声にも現れつつ、言葉を発し続けた。

 

「だが、崩れゆく足場が続く人生の中で私はある情報を入手したんだ。店主はああやって黙って知らんぷりするつもりだろうが、この酒場の何処かには『奴の力となる機械』が隠されているとな」

 

 彼の口から出たのは待ちわびた新しい情報だった。

 豹変したモノトリ―についての貴重な情報。

 十中八九、それがフォーサイドの人間達が各々口にしていた『契約した悪魔』だろう。

 

 

「今は……三時くらいか……丁度いい。君達にはさっきの情報をくれた男性に会いに行ってもらおうかな。私の事を話せば君達に情報を与えてくれるだろう。この酒場の隣で待ち合わせをしている。私はここで酔いを覚ましているから、後で教えてくれ。じゃあ頼んだぞ」

 

 

 男性はそこまで告げると、ズボンのポケットからハンカチを取出しじわじわと流れる涙を拭きながら、元々座っていた席への方向へと戻っていく。

「だってさ、ネス。早速外に出よう」

「勿論さ」

 今の所手がかりは、彼の言う情報屋に似た存在しかない。

 藁にもすがる様な思いで二人は外で待つ人物に会う為に、外へと出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 がや……がや……。

 ざわざわ……。

 しかし、二人が酒場を出て真っ先に目に入ったのは情報屋では無かった。

「いつの間にこんなに人が……一体何が?」

 ネスは思わず現状を見て、そう言葉を洩らす。

 雰囲気が地味なせいか賑わいもせず、都会から追放されたようにポツンと離れたような土地に設けられたボルヘスの酒場。

 ここは周囲に比べるとあまり人が溜まる事の無い閑散とした場所。

 現にネスとジェフの二名がここへたどり着いた時に付近を歩いている人間は少なかった。

 しかし……今は人だかりが出来ていた。

 それも十や、二十という人間が弧を描くように溜まっていたのだ、『酒場の横』に……。

 

「ネス、もしかして……これってヤバいんじゃな――」

 

 ジェフが言葉を言い終える前だった。

 サッ! と駆け出すようにネスは彼の元から離れると、野次馬らしき人の大群の中を掻き分けて進んでいった。

 雇い主にすら牙を剥き食い尽くす現在のモノトリ―は狂暴、凶悪、残忍。

 子供のネス達ですら警察やボディガードを使って自分から遠ざけようとする容赦の無さ。

 だが、もしそれが嗅ぎまわる小汚いコソ泥の大人ならば?

 

(人って非日常的な景色に集まるもんなんだ……オネットの隕石の時だって同じだった。じゃあ、来るべき人間の周りに人だかりが出来ているって事は……)

 

 立ち往生する大人たちを両手で退けていき、時々強引にぶつかり気分を害した大人の叱りつける怒声も聞こえたが、聞く耳を持つことなくこの一大事にネスは進んでいった。

 

 すると……そこには……。

 

「ウゥゥゥ……ア、アァァ……」

 

 男性が倒れていた。

 苦しそうに呻き声をあげながら。

 

「……ハァ……ハァ……ゲボ……」

 その男性は顔の色を真っ青にしながら、酒場横に溜められたゴミ袋の上に横たわっていた。

 決して酒で酔っぱらっているわけではない、酒気にやられ嘔吐したせいではない。

 

「ギ……ギギ……」

 

 酷い傷を負っていたのだ。

 体のあちこちから流血し、今もなお真っ赤な血が流れ続いている。

 最早立ち上がる事すら難しいのが目に見える程に男性はズタズタだった。

 

「う……そ……」

 

 しかし、それ以上にネスは男性の風貌に驚き、目を見開き口を手で押さえ唖然とする。

 流れ出る血で服やズボンの一部が赤色に染まっていたが、オレンジ色のアロハシャツに短い足を覆うジーンズ。

 そして目元を隠すためのサングラスに、ボサボサと伸び切った濃い髭。

 男性もとい情報屋の正体は、トポロ劇場以前のトンズラブラザーズ達の借金を返すために重要な役目を担ってくれたツーソンのヌスット広場の首領『トンチキ』だった。

 

 ネスは短い期間ではあったものの冒険の出助けをしてくれた彼の顔を覚えていた。

 だからこそ、その変わり果てた姿を見て茫然と立ち尽くしていたのだ。

 

「う、うん? もしかして……ネスか……?」

 

 すると、僅かに意識を取り戻したトンチキは前に立つ知人の姿を、ぼやりとではあったが確認すると、幻覚か走馬灯の片鱗か判断できずにそう尋ねる。

 

「あっ……うん。ネスだよ……トンチキさん、早く病院に……」

 

 彼の言葉にネスは慌ててその元に寄ると、その経緯について聞こうと声をあげる。

 一応助けようとライフアップを試みたものの、余りの重症に加えテレパシーの影響を受けにくいのか傷の治りが異様なまでに遅く、他の治療手段を持たぬネスでは大急ぎで病院に連れて行った方がまだ助かる見込みがあると考える程。

 その為周囲の野次馬たちが手を貸す気配が全くない以上、ネス自身トンチキの体を起こして肩を貸そうと動いた瞬間だった。

 

 

「待て……もういい……それより話を聞け……いいか一回しか言わないぞ……」

 

 

 トンチキは彼の助けを拒む様にして、その場に座り込んだのだ。

 だが目の前で苦しそうにしている怪我人、ましてや恩人を助けない訳にはいかないネスは、

「何を言ってるんですか、トンチキさん……ほら早く行かないと……」

 もう意識を保っている事すら危ぶまれているトンチキを必死で介抱し連れて行こうとする。

 そうすると……。

 

 

「話を聞けって言ってるんだ! 一回しか言わないんだぞ! ゲボ……ゲボ……ゲボ」

 

 

 周囲の野次馬たちですら思わず身を引いてしまうような大声をあげて、ネスに告げる。

 重傷で大声をあげるという無理が祟ったのか口から少しだが血を吐き出してしまいながらも、絶対に彼に伝えないといけない情報なのか、ネスに話を聞く耳を持たせる。

 

「スゥ……ふう。……分かった、トンチキさん」

 

 助かる時間を放棄し、吐血までして今自分に伝えたい事。

 トンチキの強い覚悟にネスは深呼吸をして動揺を落ち着かせ、野次馬に聞かれない様に耳を傾けた。

 そうして彼は命がけで入手した情報をネスにだけこっそりと伝える。

 

 

「長いからよく聞けよ、俺は……あの後ハッピーハッピー村に行ったんだ。そこで……『マニマニの悪魔』っていう珍しい物品を見つけて盗んできたんだ。黄金で出来ている物だから高値で売れると思って、このフォーサイドに持って来た……でも結局あのモノトリ―に騙し取られた挙句、こそこそと取り返すチャンスを伺っていたのと、その物体が持つとされる奇妙な噂を知ってたせいで奴は俺を消そうとしやがったんだ……信じられんかもしれんが、この傷は警察にやられたんだぜ畜生……ゲホゲホ……と、とにかくだモノトリ―はそのマニマニの悪魔から強力な力を受けているんだ……いいか酒場のカウンターだ……酒棚の所をよく調べるんだ……いいな……じゃあな……最後に字余りだが一句だけ言ったら俺は立ち去る。おでかけは、ひと声かけて鍵かけて、トンチキ……あばよ……追うんじゃねぇぞ……俺にも意地ってもんがあるからよ……泥棒の意地がな」

 

 

 モノトリ―の力の元凶『マニマニの悪魔』

 

 その重大な存在を伝えると、壁を伝い何とか体を起こすとフラフラとした足取りでその場を去っていった。

 ポタポタと血を流しながら、退く野次馬たちの間をすり抜けそそくさとトンチキは場から消え去っていった。

 

「待って、トンチキさん!」

 

 あの体では恐らく長くはもたない、病院にたどり着くまでに絶命する。

 助かるはずの人間が目の前で死亡してしまう。

 そう危険視したネスは反応が遅れつつ血が続いている曲がり角まで慌てて追っていったが……。

 

「あ……れ?」

 

 彼の姿はどこにもなかった。

 建っているのはオフィスビルが一つか二つくらいしかない海側に隣しているこの見晴らしの良い筈の景色の中には、トンチキという泥棒の存在は確認できなかったのだ。

 血もネスの立っている地点で途切れており、この様々な要因が度重なる逼迫した状況で彼を追うのは非常に厳しかった。

 

「ネス、一体さっきの人は!? 何があったって言うんだい!」

 

 すると野次馬の中に潜り込めず、ネスが事を済ませて戻って来るのを待っていたジェフは血塗れの見知らぬ男性が歩き去っていく事と、その後を慌てて彼が追っていく様子を見て思わず疑問を発する。

 しかし、ポーラの誘拐、恩人の危機と突拍子もない出来事の繰り返しに心の余裕が無かったネスは、彼の質問に答える事は無く、

 

「……酒棚を調べるんだ……ジェフ。いいかい……何か怪しい物があったら武器で攻撃してもいい……とにかく酒場の中のカウンターにある……酒棚を虱潰しに探すんだ……いいね」

「あ……ああ」

 

 ジェフ自身はその意味が分からない途切れ途切れの言葉よりも驚いていたものがあった。

 それは言葉を発するネスの表情。

 見た事が無い程に冷静さを欠いており、その影響で顔が強張り目はこれでもかという程に見開き、額からは冷や汗がダラダラと流れ落ちていき、激しく息を切らしていたのだ。

 その形相はまさに焦りそのもの。

 今でもトンチキを探して何としても助けたいという感情があったものの、その命を賭してまで手に入れた情報の裏を敵側が対策を練る前に取らねば彼の覚悟は無駄になってしまう。

 

 だからこそ湧き上がる必死に感情を抑えながら、ネスは街を覆う闇を打破すべくトンチキの言った通りに行動を起こすのだった。

 

「早く行こう……説明は後でするから……」

 

 そうしてネスは事情を把握できないジェフと共にボルヘスの酒場へと戻っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 その後、ネス達は酒場のマスターやママが席を外し、情報をくれた男性はまたトイレにでも行っているのか不明だったが、これ以上詮索をする事に向いているタイミングを逃すまいとカウンターを探し回ったのだった。

 

「あった……多分これを開けた先だ……」

 

 すると二人はあっさりとそれを見つけた。

 大量の酒が詰められた棚に一ヶ所だけ不自然に開けられた空白の空間。

 その部分の奥には引き戸があり、恐らくその先にモノトリ―の力の源が存在している。

 

「開けるよ……ジェフ」

「お願い」

 

 敵の正体を暴くべく、躊躇することなくネスは仲間の同意を得ると勢いよく引き戸を開いた。

 すると……。

『???』

 

 

 

 

 

 

 

 

 引き戸を開けた途端に発生したのは視界を失わせる程の眩い光だった。

 ネスとジェフはその強力な光に意識を飲み込まれる様にして、気絶していた。

 やがて目を覚ますと……。

 

「ここは……フォーサイド?」

「ネス……多分合っていると思うけど……違うのかな」

 

 意識を取り戻したネスとジェフは街の中に立っていた。

 自分たちが冒険した多くのビルの立ち並ぶフォーサイドに。

 

 しかし、ネスとジェフは目の前に広がる風景に激しい違和感を覚えていた。

 その違和感とは自分たちが立っている空間そのものについて。

 

 酒場にいたはずの自分たちが街の中にいるのはおかしいなど些細な問題点などどうでもよい。

 

 一言で言えば闇が支配する空間だった。

 

 決して夜ではない。

 空には太陽も月も無く、あるのは暗闇の中で存在を主張する街の様子。

 真っ黒に染まった全ての建造物やポストなどの物体、その輪郭部分がネオンの様に奇妙な色の光を放ち、所々では放火でもあったのか燃え盛る炎の塊や敵らしき存在が蠢いている。

 

「と……とにかく。何が起こったのかを聞いて回らないと」

「そうだね……それに、どうやらここに『闇』の元凶がいるみたいだ」

 

 フォーサイドに似ていながら常軌を逸した見慣れぬ風景に戸惑う中で、ネスはその邪悪で存在感のある気配を感じ取る。

 モノトリ―を狂わせ、フォーサイドをおかしくさせた『マニマニの悪魔』を。

 だが、まずはこの場所は何処か、自分たちはどうなってしまったのかを尋ねるべく周囲を歩いていた体格の良い男性に向かって、

 

「すいません、ここってフォーサイドなんですか?」

 

 そう尋ねると、男性は首を大きく横に振ると、

 

「はい、ここはムーンサイドです、ムムムーンサンサイイドイドイイイイイドドドなのです」

 

「はい?」

 

「知らないのか!? だから言ってルだろ! こコは、アヘヘッヘヘッヘヘ!?」

 

 男性は狂っていた。

 相手はまともに意思疎通が取れる様な人間では無かった。

 ネスが話しかけると、いきなり白目をむき出しにし口から泡を吐き、動きに芯を感じられないフラフラとした動きでそう激昂したのだ。

 

「ひぃ!?」

 

 流石に失礼だと分かっていても、その異様な姿にネスは声をあげ身を一歩引く。

 男性はネスが離れ、自分には用がないと考えたのかそのままの姿勢で身を激しく揺らし気味の悪い走り方でその場から消えていった。

 

「ネス……今の人だけじゃなくてここ自体が大分ヤバいよ。フォーサイドによく似たムーンサイドって言う街って事は分かったけど、完全に大人たちが狂ってる」

「怖かった……スリークのゾンビなんかよりもずっと怖かった」

 

 余りの急な出来事に鳥肌を立てるネス。

 傍で一連のやり取りを見ていたジェフも明らかに異常な街と判断し、そう告げる。

 謎の街ムーンサイド。

 まだ訪れて数分も経過しない内に、その危険性を知ったせいで余計に彼らの心には恐怖という感情が残り続けていたのだった。

 しかし、この場に立ち尽くしていても何も得ることは無い。

「進もう、よく分からないけど……進むしかないんだ」

 勇気を振り絞ってこのとち狂った世界を探索せねば自分たちの身すら危ういと直感で考え、ネスとジェフは再び街の探索を開始する。

 

 

 

 

 

 

 ネス達は恐怖を覚えながらも街の中を歩き回り、幾つかの決定的な情報を握っていった。

 まずはこの街には境界がある事だった。

 フォーサイド程広いわけでは無く、一定の大きさの空間ごとに見えない壁があった。

 進む事は愚か、目の前に誰かがいても話しかけることが出来ずにぶつかってしまう。

 いわばあるブロックごとに行動範囲が定められており、その区画に該当しない別の空間は切り離され、例え存在は確認できても手を伸ばすことは敵わない。

 言ってしまえばネス達は『空間を移動』しなければ別の場所へと向かう事は出来ないのだ。

 

 次に知ったのはこのムーンサイドでの掟についてだった。

 二人が覚悟を決めて狂っている可能性の高い住人たちに話を聞いていった中で、

 

「このムーンサイドでは『はい』が『いいえ』で『いいえ』が『はい』なのよ。知ってた?」

「ここじゃあイエスがノーで、ノーがイエスなのさ! 当たり前だよな。コレを知らない奴なんてポストでしんじまえばいいんだよ、ウム、ウムムム、ンサイ、ムムームンサイドド!?」

 

 自分たちで生きる世界とは全く逆の理論。

 はいと答えれば否定の意、いいえと答えれば肯定の意。

 納得がいかないながらもこの知識を身に着けなければ、ここでは冒険を進めない。

 その為強引ながらも、二人は言い間違いを交えながら様々な人間達と話していったのだった。

 

 そして……。

「ハロー、そしてグッドバイ!」

 限定された区域から別の区域への移動方法というのはブロック毎に必ず一人以上いる金髪の筋肉質な男性に話しかけるという非常に奇妙で不思議な行動を取る事だった。

 そうすると突然目の前が暗転し、気が付けば別の空間へとワープしている。

 いささか不可解な現象ではあったが、このムーンサイドの存在自体が理解の及ばぬ土地である以上、考えるよりは在るがままを受け入れて進む事の方が得策と考えていたのだ。

 

「ネス、ここもダメだ。敵が多いだけじゃなくて大したヒントも得られない」

 

 敵地なのか、探索を続けるムーンサイドに安息の地らしき場所は無い。

 ネス達は何度もその身をワープによって飛ばされ、飛んだ先の区域では炎に身が包まれたモンスター達の襲撃。

 赤い止水プラグに顔が生え、勢いが強力な放水攻撃でこちらを苦しめる『いかりのプラグ』

 ガソリンスタンドのメーターが動き出し、一定の間隔毎に大爆発を引き起こすスーパーボムを投げつけ敵を抹殺する『ロボ・ガロン』

 前の二体と違い、炎に包まれてはいないが催眠術のPSIを多用し、こちらの動きを奪う絵画『謎のゲージュツ』の三種類のモンスターがムーンサイド中をうろつき、ネス達の行く先を妨害する。

 さらに苦労してこれらのモンスターを撃退しても、

「なあクソガキ聞けよ。俺は忘れやすい男なんだ……なぜ自分がここにいるかを忘れちまった。名前も分からない、俺は誰だ? あれ、俺は何を忘れたっけ? 俺はどんな男だった? 俺は……俺って男か? オレってニンゲンか?」

「マニマニがマニマニするからマニマニでマニマニだからこそマニマニなのね。マニマニの悪魔ってマニマニらしいわよ、貴方達ってマニマニ?」

「ネスのHPとレベルは0になった! ジェフのHPとレベルは0になった!」

「阿野寝、此処葉御前等見体汚久手弱虫出変名顔下奴画、失世路(あのね、ここはおまえらみたいな汚くて弱虫で変な顔のやつが来る場所じゃないの、失せろ)」

 

 何かの情報どころか、こちらがどうにかなってしまいそうな言葉を述べる人間ばかり。

 そのせいで余計にネス達のムーンサイド攻略に時間を取らせる結果となっていた。

 しかし……二人にはこの狂った街で手に入れたある勝算を基に希望を捨てる事は無かった。

 

 

 

 

 勝算が見えたのはは体感時間としては一時間ほど前だろうか。

「うわ!? あの『ムキムキの人』に話しかけたらいきなりこんな所に飛ばされたよ」

 それはまだネス達が移動手段である男性との会話を初めて行った時だった。

 街の中央らしき場所から飛ばされた新たな場所。

 何とかこのムーンサイドでの動き方を掴み始めた折も折。

 

「それよりも……良い所に来たみたいだよ。ほら見て、あの建物」

 

 たどり着いた場所で何かを感じ取ったのか、フォーサイドでも見たある建築物に酷似した物をネスは発見し、まだ立ちあがらずに真っ黒な地面に尻もちをつくジェフに伝える。

 そしてジェフは彼の口にした通りに、目線を動かすと、

 

「あれって……モノトリ―ビルなのかな?」

 

 二人の視線の先にあったのはフォーサイド最大の建造物。

 48階建ての超高層ビル『モノトリ―ビル』だった。

 この珍妙にして奇妙で不気味なムーンサイドという世界の建造物の例にもれず、輪郭部分は不気味な色で光ってはいたが、目立つ造形を見てもモノトリ―ビルに間違いは無かった。

 

「あそこにいるはずだ。多分この気配はマニマニの悪魔って奴だと思う」

 

 ネスは相手の発する邪悪な存在感を悟り、敵が目前に迫っているとジェフに伝える。

 今回の騒動の大元であるマニマニの悪魔。

 それを退治すれば何か新たな道が開かれるのではないか。

 そう思い、彼らはムーンサイドのモノトリ―ビルへ向かって足を進めていった。

 すると、

 

「お前、悪い奴の味方のネスって奴って屑だろ。マニマニの悪魔はこのすぐ先にあるぜ、でも俺が邪魔をしてお前ら二人はここを通れない。俺にとっては正義とか悪とかどうでもいい感じだが、ギーグ様が支配しようとしていると動いているこのご時勢に、『眉毛が繋がっていて、金歯の男』を一人も連れていない無法者じゃあここを通すわけにはいかない。おとといきやがれ」

 

 セーラー服に錨の紋が付いた白い帽子を身に着けた船乗りの男性が彼らの行く手を阻んだ。

 色々と誤解やおかしな事を言っている人物だったが、彼は二人の前に立ち塞がり決して退こうとはしなかった。

 だが……その男性の背後に目をやると確かに存在していた。

 

 

(あれは見た事がある……あの石像がマニマニの悪魔だったのか)

 マニマニの悪魔があったのだ。

 

 

 剣を中央に構え、悠々と立ち尽くす黄金の石像。

 その正体はネスが以前にツーソンでポーラを攫ったハッピーハッピー村の村長、カーペインターがポーキーから譲り受けた災厄をもたらす恐怖の代物。

 そしてこの物体の放つ恐ろしい力を受けたカーペインターは絶大なカリスマ性と雷を操る力を得た代償として正気を失い欲望のままに行動を起こし、村の住民達を洗脳、挙句の果てには一人の罪の無い少女を女神と謳い誘拐し、恐怖の底へと追いやった。

 ネスが彼を倒した際には、眩い輝きを放つ黄金の像ことマニマニの悪魔はまるで意思を持つようにすぐに退却し、姿を暗ましていたのだった。

 

「ポーキー……やっぱり君の仕業なんだね」

 

 マニマニの悪魔を次から次へと中々叶う事の無い願いを持つ人間達に運び、石像の力により狂った人間の元で他者をいたぶっているのは十中八九、友人のポーキーであるはず。

 そう考えたネスは幼馴染の親友に怒りを覚えていたが、

 

「ネス……今は落ち着こう。この男の人の言う通りに金歯で眉毛繫がりの人を探すんだ。まずはマニマニの悪魔を倒さない事には何も前進しないよ」

 

 感情が露わになり目的を忘れかけているネスをジェフはそう発言してなだめる。

 彼の言う通りだった。

 運んできたポーキーは勿論許される事ではないが、何よりもポーラを誘拐したモノトリ―を狂わせ、フォーサイドを取り巻く環境に異変が起きたのはこのマニマニの悪魔の力の影響。

 こいつを破壊しなければ、フォーサイドどころか自分たちの現状を変える事は出来ないのだ。

「…………ふう、そうだね。じゃあ急いで探そう」

 

 

 

 

 

 

 そうして二人は『眉毛が繋がり、金歯をした男性』を見つければこの恐ろしい場を切り抜けられると信じてワープを何度も行いムーンサイド中を巡っていたのだった。

 

「ハロー、そしてグッドバイ!」

 

 姿形が同じ金髪のワープを行ってくれる男たちに次々と話しかけ、

 

「ハロー、そしてグッドバイ!」

 

 時には同じ場所に飛ばされてもめげる事無く、

 

「ハロー、そしてグッドバイ!」

 

 幾度にも渡る敵との激しい戦闘で力を付けつつ、

 

「ハロー、そしてグッドバイ!」

 

 ワープ、戦闘、探索、ワープの順で繰り返し、

 

「ハロー、そしてグッドバイするかい? はい いいえ←」

「いいえ、お願いします」

「君、ムーンサイド語分かってるね。じゃあ、グッドバイ!」

 珍しい事に何度も飛ばされた先で金髪のワープ男がおらず、代理なのかビジネススーツに身を包み、太い黒縁メガネを付けたインテリ系の男性に声をかけて、二人はこれまでとは雰囲気が違ったワープを味わったのだった。

 

 

 

 

「うおっ!? なんだお前ら人の部屋に入ってきやがって……」

 そうして度重なる苦労の末にたどり着いた先は何処かの民家だった。

 内装はベッドとテーブルという質素なもの。

 もはやムーンサイドではお約束の物体の輪郭の色がおかしいのはもうご愛敬である。

 部屋の中には住人と思しき黒人の男性とネスとジェフを含めた四人がこの場に存在している。

 

「初めて来た場所だけど、ここもハズレ……かな」

 

 今まではムーンサイドのあちらこちらばかりで、屋内へ直接ワープした事が無かった彼ら。

 だが残念な事に見るからに殺風景なこの部屋では何の情報も得られなさそうな雰囲気に加え、住人の男性は自分たちを煙たがるように厳しい表情を向けて、こちらを威嚇している。

 

「俺は今ヒマでヒマで手が離せないんだ。用事があるなら他の所に行きな。俺と相棒は今忙しすぎてちょっとしたことでプッツンっていきそうなんだ。邪魔したらすぐにでも叩きだしてやるからな」

 

 誰でも見知らぬ人間が自分の領域に、断りもいれずに乗りこんで来たら不快になる。

 黒人の男性もその気持ちなのだろう。

 拳を鳴らし、自分の方を向いている気の弱そうなジェフにそう脅しをかけていた。

「帰った方が良さそうだよ、ネス……」

 恵まれた体格をした男性の脅迫。

 何もない場所で意味なく痛い目を見るのは勘弁と言わんばかりに彼は相棒の方を向いてそう発する。

 するとネスは、

 

「……待って……ここにいる気がする」

 

 家主の男性がいる方角とは真反対を向いて、じっと何かを見つめていた。

 彼の視線の先には酒の瓶が乗ったテーブル一つと椅子が二つ。

一つはテーブルの下に直され、もう一つは先程まで男性が椅子に座り酒を飲んでいたのか、引かれたまま直される事なく放置されていたのだ。

「そんな所に一体何がいるの? 早くしないと僕達ぶたれちゃうよ。多分話しかけたら別の所にワープさせてくれると思うから、早くこの場から立ち去ろうよ」

 何をじっくり観察しているのか分からないネスの行動にジェフは痺れを切らして彼を急かす。

 しかしそれでも行動を変える事無く仲間が焦りを見せる中でネスは観察を続けていた。

 まるで小さな子供が新しいオモチャを物欲しそうな目で眺めるように。

 目を凝視し、ただ引かれたままの椅子を眺めていたのだった。

 

「………………」

 

 気が付けば数分程だろうか。

 いつしかジェフすらも黙り込み、このままでは家主の男性の存在すら薄れゆきそうな勢いで一点に集中していた時だった。

 

 

「へぇ、アンタ達。いや……そこの野球帽子の子だけかな。まあどっちでもいいや」

「へっ!?」

 

 

 ジェフが驚きの声をあげる中で、その発言は椅子から聞こえていた。

 厳密にいうならば椅子の上からだろうか。

 長い間、凝視を続けた果てに人型の影らしき存在が現れ、椅子の上に座っていたのだ。

 

「とにかくこのオイラが見えていると……ヒッヒッヒ、アンタ達まともそうだけどもすっかりムーンサイドの闇に取り込まれつつあるようだね、まあどうなろうとオイラは知らないけど」

 

 話声や話し方から察するに男性と思われる影は、そう二人に言葉を告げる。

 そう部屋には家主の男性、ネス、ジェフ、影の男の『四人』がいたのだ。

 そうしてネスは奇妙な街の中で、さらに奇妙な存在を発見すると、すかさず情報の収集に入る。

 既に怒りに満ち溢れている家主では無く、その相棒であるこの影に対して、

 

「いきなりで本当に申し訳ないんですけど、このムーンサイドに眉毛が繋がっていて、金歯の男性がどこにいるか知らないですか? 探しているんです」

 

 外をうろつく不気味な言葉を発する人間に比べて、まだまともな会話が可能と思しき彼に向けてネスは目的の男性について尋ねる。

 したらば、影は表情こそ見えないがあっさりと、

 

「ああ、それオイラだよ。ほら、この伸び切った美しい眉毛に、この前総入れ替えした金歯だろ。どうだいオシャレでカッコいいだろ、ニカッ! ニカッ!」

 

 残念ながら真っ黒い影のせいで証拠の眉毛も金歯も確認できなかったが自分がその人物だと答える。

「「えっ? 本当ですか!?」」

 対して、見つかる時は簡単に見つかる失くし物の様に二人は発見した。

 だが発見したからには何としても、モノトリ―ビルへの侵入を邪魔する船乗りの男性の所へ連れて行かなければならない。

「では……変なお願いではあるんですけど、ぼく達と一緒について来てもらってもいいですか?」

 背後では今だに出ていかない不躾な小僧二人にそろそろ怒髪天を衝きそうな男性が睨みつける中で、急ではあったが慌ててネスは影の人物にそう協力を要請する。

 するとその提案に影の男性は手に持っていた酒瓶をテーブルの上に置き、首を傾けると、

 

 

「まあ落ち着け、一応先に言っとくが後ろの相棒はあんな面してるが暴力は嫌いな奴だ。だからアンタらがぶたれることは無いから安心しな。もし殴ったらオイラが止めるしよ。とにかくアンタらがオイラを探していたのは分かった。だがオイラが動くかは気になる事を解決してからだ。二つだ。一つ目はそこのメガネは見えてなかったが、野球帽子はどうして姿を現さないオイラの事が分かった? 二つ目は何故オイラを探していたかだ。この二つをしっかりと教えてくれないと動かないぜ」

 

 

 影の男性はネスの提案に否定はしなかったが、疑問を解決したかった。

 真のムーンサイド人、つまり狂気にやられた人間でなければ自分の姿は確認できない。

 だが自分が見えていると推測できるこの野球帽の少年は少し変だった。

 自分自身が影の形で姿を現す前から自分を凝視していたにもかかわらず、眉毛の事も金歯の事も話を聞くまでは気付きもしなかった。

 つまり自分の存在は確認できても様相や見てくれについては見えていない。

 自分が動く目的も知りたいが、そこが一番引っかかる所だった。

 

 そうすると、ネスはこれから協力を仰ぐ人間を信頼させるために正直に答えたのだった。

「一つ目はテレパシーです。一人だけ気配はあるのに姿形は見えなかったので、ずっと眺めて何か動くかなと様子を見ようとしたんです。だから本当の所、貴方の姿は見えなかったんです。二番目は船乗りみたいな男性がぼく達の向かう場所の邪魔をしていて、貴方を連れて行かないとこの先に進ませないと言っていたんです。だからぼく達は探し回っていたんです」

 

 自分を確認したのはテレパシーという非科学的な概念。

 言っても殆どの人間が冗談と受け取り、笑い話で済ませてしまうような内容ではあったが、相手からはどんな表情をしているか見ることが出来ない影の男性は、ネスの言葉に笑いを覚えずに、

 

「なるほどな、少し信じがたいがアンタの表情に嘘はなさそうだ。いいだろう、ついていってやるよ。邪魔する男の方なら安心しな、そいつは俺とは古い仲だからな。すぐにどけさせてやるよ」

 

 真剣に伝える相手の姿に感心したのか、相手の勝手な頼みを承諾すると、影の男性は相部屋の住人である黒人の男性へとのそのそと近づいていき、

「『アイツ』の所に飛ばしてくれ。そう船が苦手なお前が大嫌いなあの船乗りの所だよ」

「分かった。ただしそこのクソガキ二人は連れ返ってくるなよ。俺は自分の部屋に知り合い以外がいるとイライラして、大爆発しちまいそうなんだ。いいな、後は飲み過ぎんなよ。じゃあな」

 身内のせいで困っているネス達へ気を利かせて、直接本人の所に乗りこめるように影の男性はそう命令を下し、どうやってワープ地点を指定しているのかは一切不明だが、家主の男性は少し意識を集中させると、三人を目的地へとワープさせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

『ムーンサイド モノトリ―ビル付近』

 家主の男性の力により上手く目的地へのワープを遂げた三人。

 ついにこの正気や生気などが失われた最悪の吹き溜まりの冒険に終止符を打つべく、ネス達は強い意思と覚悟を持って元凶のマニマニの悪魔へ向かう。

 

「なんだ、お前らまた来たのか? さっきも言ったがこの先に行くためには『眉毛の繋がっていて金歯の男』を……あれ!? もしかして眉毛繫がりの金歯兄貴ですか!?」

 

 そしてモノトリ―ビルへ向かう彼らの意味が分からない言い訳で阻んでいた船乗りの男性。

 再び現れた子供二人の妨害を試みるが、その背後に立っていた影の男を見た途端に血相を変えると続けてそう告げる。

 先刻とは違い、彼が会いたがっていた男性をネス達は無事に連れてきたのだ。

「おう、久し振りだな。まあ話は後にしようぜ。とにかく子供の進路を邪魔立てするとか随分と大人げなくなったもんだな。はやくどきやがれ、余り手間を取らせると帰るぞ」

 影の男は約束通りにネス達が向かおうとしている通路から身内の男にそう毒づき、命令した。

 

「わ、分かりやした。あっ、そうだ。コレをお前らにやるよ。ムーンサイドを散歩していたら見つけたんだ。どうやらそれは『光を吸収して無効化にする』ものみたいだ。役に立ててくれ」

 

 兄貴分を怒らせると後で何をされるか分からない為、船乗りは慌てて彼の命令通りにすぐさま通路から退くと、続けてネス達にとある装備品をプレゼントする。

 

 それは闇のペンダントと呼ばれるものだった。

 宝石等の代わりに小さな黒い石がぶら下げられた、簡素な作りのアクセサリー。

 

 そして男性はそれをネスに手渡すと、

「兄貴を見つけてくれてありがとよ、マニマニの悪魔は強いぞ、頑張れよ」

そう言い残し影の男と共に静かに消えていった。

 姿を跡形も残す事なく、二人も瞬きをする間に消失した。

 最後の最後まで実に不可解、不思議、不明な点が多かった街ムーンサイド。

 しかし、これにてこの時空についてやフォーサイドでの異変の鍵を握る黒幕マニマニの悪魔と対峙する事が出来るようになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、気合いを入れ直すよ。アイツを倒せば何かが変わるはずだ」

「そうだね、油断せずになんとしてもやっつけよう」

 ムーンサイド最終エリア、モノトリ―ビル。

 住民と同じように精神が侵されて狂ってしまうかと思われたが、ついに二人はこの場にたどり着く。

 そのビルの入口を牛耳るように立っているのは謎に包まれた黄金の像。

 後はその像の前で頭を抱えてふさぎ込む見知らぬ男性だった。

 

「私はモノモッチ・モノトリ―という男だ。頼む! 助けてくれ!」

 

 そうしてネス達の姿を目撃するや否や、その男性は泣き事を発しながら自身の名を名乗ったのだ。

 確かにモノモッチ・モノトリ―と……。

「貴方がモノトリ―……」

 ネスとジェフはここで初めて目撃する。

 探し求めていたモノトリ―という人物について。

 その正体は白髪頭で痩せこけた老人だった。

 フォーサイド中で彼の過去の姿を知る人が口にした噂通りの頼りなさそうな男性だった。

 けれども、今はそれは問題ではない。

 

「助けてくださいって、どういうことですか!?」

 

 ポーラの居場所についても問いただしてやりたい。

 そんな考えもよぎっていたが、何よりも目の前で見知らぬ子供に土下座をしてまで助けを懇願する彼の姿にネスとジェフは疑問を隠せずにいた。

 

 すると、彼はある真実を二人に打ち明けようと口を動かす。

 

 

「私はモノトリ―の精神だ、魂だ、良心の部分なんだ。しかし、今の現実世界の私はこのマニマニの悪魔に操られ自我を……この正義や平穏を祈る私を失っている。いいかい? 奴は都合の良い幻影を見せ、自分の領域に取り込み精神が弱まった時に清き心と邪悪な心を分離して操るんだ。だから今の私は自分の欲の為なら人を犠牲にしてでも利益を得ようとする邪心が出ているんだ。だから頼む、悪魔を破壊してくれ! このままでは私は――」

 

 

 だが彼は全てを公言する事を許されなかった。

 バシッ! と強力な衝撃波がマニマニの悪魔より放たれ、魂と称するモノトリ―を一瞬のうちにどこかへ消し去ったのだ。

 

「こいつ……これまでの敵とはかなり違うみたいだね」

「まさか、人の精神を操るなんておぞましい敵が出てくるなんて」

 

 それでも充分に核心を付いた証言を耳にし、黄金の像の持つ恐ろしい力を理解したネスとジェフ。

 

「戦闘モード二移行スル。対象ハ最重要抹殺命令ガ下ッテイル『ネス』ト『ジェフ』。これより排除を開始スル」

 

 前に立つ敵二人のデータを持っていたのか、マニマニの悪魔はそう言葉を発すると、黄金の体から邪悪な紫色のオーラを一気に放出し、体表の色を毒々しい配色に変化させる。

 欲深い人間から邪気を吸収し、体内に蓄えた力を纏った紫に輝く像。

 これこそマニマニの悪魔の真の姿なのだろうか。

 

「いくよ、ジェフ!」

「分かってるさ!」

 

 対してネス達は相手が力を解放しようとも構わずに攻撃を仕掛けようとそれぞれの武器を手に構え、その不気味な像の元へと突っ込んでいく。

 しかし相手はそれほど単純な兵器では無かった。

 戦闘は飾り物の像に似ている以上、身動きこそ取れない。

 故に物理攻撃など目の前で伏している敵に倒れ込んで、押しつぶすぐらいしかない。

 それでもマニマニの悪魔はたった一撃。

 そう……一撃のみ。

 

 ピカリッ!

 

「「うがっ!?」」

 戦争や鎮圧などで使われる高音と共に敵の目を暗まし、意識を奪うスタングレネードの様に。

 音は無かったが全身から凄まじい閃光を発し、向かってくる二人を攻撃したのだ。

 目を瞑る間もなく一瞬だが、人間にとっては効果抜群の不意打ち攻撃。

 生傷を負わすことは無くとも、閃光攻撃まともに受けた二人。

 

「あ、ががががが…………きゅう……」

 

 致命的だった。

 ジェフは声をあげつつ、フラフラと身を揺らし暫くした後に気絶した。

 結果としていとも容易く片方を倒したのだが、マニマニの悪魔はまだ残っている厄介な存在に目を向ける、闇のペンダントに閃光の衝撃や気絶効果の全てを吸収され、耐えしのいだネスを。

「ジェフ……ごめんよ。コイツを倒したら病院に連れて行くからね」

 危うく開始数秒で敗北する所を命からがら、通せんぼの船乗りから受け取ったプレゼントのおかげで免れた彼。

「切り札はそれだけならお前の負けだ。運はぼく達の方に向いているからな」

 もし船乗りがこのアイテムを持っていなかったら、もしも持っていても渡してくれなかったら。

 様々な可能性がありはしただろうが、ネスは勝利へ導く道を進んだのだ。

 すぐに攻撃を仕掛けてくる様子も感じられないマニマニの悪魔を見て、ネスはそう呟いた。

 

「眩イ光、別称PKフラッシュΩノ効果ヲ得ラレズ……対象ヲ完全二撃退失敗。別システムヲ起動!」

 それでもネスが語りかけるのは所詮悪魔という名を称しているが機械。

 

 敵を葬る事に失敗したマニマニの悪魔はすぐさま別の切り札の用意に取りかかる。

 

「させるか! 頭から一気に叩き壊してやる」

 

 変わってネスは行動を再開した敵の怪しい挙動に慌ててバットを構え、力一杯に頭めがけて振り下ろそうと極僅かな距離の接近を試みた。

 

「作動、幻覚システム!」

 

 しかし残念なことに、敵の行動の方が素早かった。

 先にシステムの起動を済ませると自分が攻撃を受ける寸前にマニマニの悪魔は、今度は赤紫色をした波動の様な物を吹き出し、眼前に迫っていたネスに向けて一斉に向かわせたのだった。

 

「うぐっ!? うぐぐ……ごごご……なんだ……ガクッ」

 闇のペンダントで防げる光による攻撃ではない為、荒い波に飲まれる様にネスは波動に全身を包み込まれる様にして、最後には眠るように意識が失われていったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん? ここは……確かマニマニの奴にやられて」

 

 ネスは暗闇の中で目を覚ました。

 次第に目覚める意識の中でハッキリと分かるのは、自分は敵の謎の攻撃にやられた事。

 

「ハッ!?」

 そうして暗闇の中でネスは再び会いまみえる。

 憎きマニマニの悪魔の姿を。

 今度は黄金の像の状態で眼前に現れたのだ。

 

(くそ……すぐにでもPKキアイで攻撃したいのに、体が思うように動かない……)

 

 空間にネスとマニマニの二人きり。

 先程まで見えていたムーンサイドの景色も、近くで気絶していたジェフの姿も無い。

 只々完全に密閉された一片の光も届かぬ空間の様に、黄金に輝く像と少年以外の存在は何も確認できない虚無の世界。

 マニマニの悪魔はネスを自分が今まで人間を誑かし、欲望のままに動くように仕向けた『幻覚の空間』へとシステムを起動させ、誘ったのである。

 

「怖かろう暗闇の中は……だが安心するが良い。お前はじきに快楽の中で生きる事を許される」

 

 空間に響くのは人間に似た声。

 発しているのは勿論、空間を支配するマニマニの悪魔自身である。

 

「なあに……単純な事だ。お前が冒険を止めると強く祈ればいい。仲間と別れて大人しくオネットで暮らすと言えば、全ては丸く収まるのだ。どうだ悪い話では無かろう」

 

 自分の思い通りに動かせる場に立つマニマニの悪魔はそう問いかける。

 体の自由が利かずに制御され、立ち上がる事すら困難なネスに向かって。

 

「馬鹿な事を言うな! それをしたらギーグの思うつぼじゃないか。絶対に祈らないぞ」

 

 変わって世界を救うという使命の為に動いてきたネスの返答は勿論、否定。

 すると、マニマニの悪魔は彼の脳裏にある映像を送り込む。

 これまで耐えられた人間がいない快楽の幻覚を。

「これ……は?」

 

 幻覚といっても途切れ途切ればかりで、映像よりは写真を眺めているような気分ではあったが。

 両親と妹とペットで温かい部屋で争いなく暮らす家族団欒の日常。

 ポーラやジェフと集まり共にピクニックや旅行、お泊り会をして楽しく笑っている自分の姿。

 滅多に会えない父親と長期間出かけ、戦う事の無いのびのびとした旅をする風景。

 中には死んだはずの命の恩人ブンブーンが実は一命をとりとめており、夜のオネットを家族に内緒でこっそり出かけ、『平和な未来』について語る場面。

 

 そして……、

 

「おい、ネス! 一緒に遊ぼうぜ。今日は負ける気がしないぜ!」

 

(!?)

 

 最後に流れた風景は今では友情に溝が出来てしまった親友のポーキーと見事に分かり合い、両者共に目いっぱいの明るい笑顔で野球をする映像だった。

 他の映像もだったが余りに衝撃的だったのはこのポーキーとの遊ぶ風景。

 もうずっと笑顔を見せる事が無くなった彼が、こちらまで嬉しくなるような表情を浮かべて、お互いが兄貴分など関係なく、信頼できる友達、大切な人として遊んでいる姿。

 ネスは『ある出来事』からポーキーを苦しめてしまった事で顔を合わせる度に心の奥に罪悪感を感じてこれまで生きてきていた。

 それが、今見えているのはお互いを許し合い、共に分かり合った最高の状態。

 

 

「どうだ……お前が手を引けば、やり直しのチャンスをやろうではないか。ギーグ様の軍に一人だけ死者を生き返らせ、尚且つ記憶をいじる事が出来る装置を開発できる天才がいる。そいつに頼めばポーラも、ブンブーンも、大切な大切な友達ポーキーだって記憶を改ざんすればお前を慕う性格に変えてやるぞ。悪い話ではない、お前は失うものは何も無い……むしろ過酷な冒険が終わり、これから毎日が楽しみすぎる夢の日々がお前を待っているのだ……さあ、言ってごらん。冒険を止めると……」

 

 

 放たれたのはまさに悪魔の交渉。

 

 カーペインターはハッピーハッピー村を裕福にして有名にする代償に強力な洗脳。

 

 モノトリ―はもう少しだけ自信を付け、人を導けるような偉大な人間となりたいという夢の代償に容赦の無い行動を制御させてしまう邪魔な良心を奪われ、ムーンサイドに幽閉。

 

 だがネスが負うリスクは只、一つの悪を見逃すだけ。

 二人と違い、精神を犯される事なく亡くなった恩人も蘇り、今までの仲間はいつも通り自分に好感を持って接してくれる、旧友のポーキーですら……。

 一応、ギーグに地球は侵略されるかもしれないが自分たちさえ無事であれば問題が全く無い。

 何より歴史の独裁者や王とは違い、宇宙人などに侵略された事が無いのだから。

 もしかしたらギーグが支配する世界は意外と住みやすいかもしれない。

 

 

「本当に……言えば……幸せになれるの?」

「無論だとも」

 

 

 マニマニの悪魔が支配する空間がネスにそんな邪な思念を持たせ正義という概念を揺るがす。

 多くの誘惑をチラつかせることで強い信念を持っていた彼の心を崩しにかかってくるのだ。

 

「さあ、そろそろ答えを聞こうじゃないか」

 

 人間の感情とは水で満たされた器の様なもの。

 少し揺さぶりをかければあっさり水がこぼれ落ち、意思はぶれる。

 ネスにとって都合のよい幻覚ばかりを見せた後にマニマニは問いかける。

 答えが分かっている問題の解を聞くように待っていた。

 すると……。

 

 

「ぼくは……この冒険を……」

 

 

 答えが来る。

 所詮どれほどの人間であろうと欲望という感情がある以上、その性には逆らえない。

 自分の勝利が確定した瞬間、ネスは最後の言葉を大きな声で告げた。

 敵に聞こえるように……。

 

 

 

 

「やめる訳が無いだろ! お前の負けだ! マニマニの悪魔!」

 

 

 

 

 バキンッ! とその場から発せられた轟音に負けぬようにハッキリと。

 

 

「ご……ぐがぁ……」

 

 

 動ける力の全てをバットに込めた強力な一撃。

 ネスはマニマニの悪魔の胴体を横薙ぎにするように武器を振るい、突拍子もなく目に見えない速度で敵に不意打ちをかけたのだ。

 だが、そのおかげで敵の体は見事に両断され中に仕込まれている電線や管、基盤などが地面に飛び出し暗闇の中にばらまかれる。

 

「ジジ……ジジジ……な……ぜ……」

 

 まだ電源が切れてしまう前に足と分離し、切り離された胴体部分から声をあげながらネスに尋ねる。

 どうして誘惑のままに降参しなかったのか。

 何故ゆえに簡単に手に入るはずの平和を見放すのか。

 どういう理由でそこまで冒険を続けようとするのか。

 その答えはすぐに返ってきた。

 

 

「ハア……ハア……約束したんだ。お前達が殺したブンブーンさんと……。後ろを振り返るな、前だけを見て進めって。ぼくは絶対にギーグを倒すんだ。仲間たちだけじゃない、この世界で生きる全ての人を助けるって決めたんだ。この意思は絶対に揺らぎはしない。自分の抱える問題は自分で解決するしかないんだ」

 

 息を切らしながら少年は目の前で倒れ行く悪に向かって力強く言葉を口にして、自分の意思や考えを語り、最後の言葉を向ける。

 人を恐怖や誘惑に追いやり、多くの人間を犠牲にする敵に。

 

「お前は今までのデータでしか動けない機械だ。でもね、スクラップになる前によく覚えておくと良い、欲や利益なんかよりも自分の正義を信じて人の為に動く馬鹿な子供もここにいるってね」

 

 

 人を惑わせるしか能力を持たぬ機械は到底理解できなかった。

 けれどもマニマニの悪魔はその理解しがたい人間の覚悟に敗北したのだ。

 そうして次の瞬間。

 

 ガシャン!

 

 ネスに頭部を一撃で破壊され、悪魔は完全に停止する。

 敵の二人を撃滅すべく想像された幻覚の街ムーンサイドと共に完全に消滅したのだった。

 こうして今までで類を見なかった心の対決にネスは見事打ち勝ち、気絶したジェフと一緒に現実の世界へと無事に戻るのだった。

 

 

 

 

 




トラウマ面では不気味さを押したつもりですが、自分でも少し弱い気もします。
ムーンサイド編は私も大の苦手で、小さい頃は『はいがいいえ、いいえがはい』の意味が分からずに延々とさまよっていた記憶があります。

一応、このまばゆい光(PKフラッシュΩと同等らしいです)でやられたというのは私の体験談を交えたものであり、闇のペンダントを見逃し装備していなかった時は毎回毎回、これを受けてネスとジェフはセーブしていたホテル送りにされました。
ゲップーのハエ蜜のように闇のペンダントがなければクリアできないのかと錯覚したほどです。

なおせっかく幻影マシーンということなので、今回の幻覚の中で誘惑を受けるというのは完全なオリジナルですが、世界を救うという意思の強さをより深めるということで初代ドラ○エの竜王の誘いの如く、新しく作り変えてみました。

さあ、もう長かったフォーサイド編も次くらいで終焉に向かいます。
何とか年末までに完成させたいです。ではまた、お会いしましょう!
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