楽しいことはひとつもない
高校に入って1人の時間が出来て
ふと思い出した過去
当時は幼くてよくわかってなかった
小1
あたしは泳げなかった
浮き輪をつけてしかプールにも行ったことがなかった
ある日、父に市民プールに連れて行かれた
「こんなものはいらない」
いきなり浮き輪をとられ
「顔をつけてみろ」
初めての顔つけは怖かった
恐る恐る顔を近づけていく・・・
?!
気がつくと頭を押さえ込まれ水に沈められていた
もがく
苦しい
もがくもがくもがく。。。
何とか顔を出す
また水に沈められる
今思うとよく監視員に注意をうけなかったものだ
親だからであろうか・・・
疲れてきった頃、次は大人用のプールに連れていかれる
いきなり脇腹から抱え上げられプールに投げ落とされる
足がつかないから溺れてもがく
何とか縁までそれでもたどり着く
投げ落とされる
これはさすがに監視員の注意を受けて
数回でやめることになる
あたしはすっかり水が嫌いになる
その後の前述にある強制スイミング入会
嫌だったが口に出すことはなかった
もういろいろ麻痺したころだったからだ
結局水泳は市の強化選手に選ばれるほどになった
でもあたしは泳ぐのが好きになることはなかった
小4、父と富士山に登りに行く
嫌だったが拒否権は相変わらずない
ずっと遅いだのしゃきっと歩けだの怒鳴られる
数時間ほど経っただろうか、唐突に
「もう来なくていい」
え・・・?
「登る気がないやつは来なくていいから」
そう言って父はスタスタと登っていってしまった
どうしたらいいのかと思ったが
どうやってもあの速さに追いつけっこない
だから1人で下山をはじめた
すれ違う人はみんないぶかしむように見て
それでも知らんふりをして通り過ぎていく
登ってきた道を戻っているつもりではいた
でも逆走しているので迷惑に感じたし
他人の目も嫌だった
ふと見ると同じように下る1本の道があった
下るのだから大丈夫とあたしはその道に入っていった
誰もいないその道を歩くのはちょっと怖い気もした
だけどチラチラと見る他人の目が怖くて
あたしは少し足早に道を進んだ
後ろから大きな声をあげて大人二人が走ってきた
「そっちはダメだよ」
何故ダメだったのかわかないまま
その人たちに連れ戻されて
いろいろ聞かれた後、下山してセンター(?)に連れていかれた
名前と父の名前とかいろいろ聞かれ
何時間かそこでお茶やお菓子をもらって
のんびりぼんやり過ごしていたら
父が下山して戻ってきた
センターの人に注意を受けているようだったが
逆切れしている父の姿が目立っていた
あとで殴られたことは言うまでもない。。。
こんなことがあった翌年、
初めてスキーに連れて行かれた
父は大会にも出たことがあるくらいに
スキーは得意らしい
自慢を聴きながらウェアと道具一式をレンタル
そのままリフトに乗ると言われる
高いところはあまり好きじゃないから
ずっと目をつぶってどんどん上にいくリフトに
手すりがちぎれるんじゃないかというほど力を入れてつかまっていた
到着したところはスキー場の頂上だ
「滑るから同じようにやってみろ」
そう言って、父は勝手に下に滑っていってしまった
そんないきなりできるわけがない
何も教わってないじゃないか
前のこともあったのであたしは学習していた
ちょっとやろうとしてみたが
どうやっても立ってることすら難しい
寒いし、このままだと遭難するかもしれない
真剣にそう考えたあたしのとった行動は
リフトに乗って下山してレンタル道具を全部返却
ホテル行のバスを受付の人に聞く
背が高いからか怪しまれることもなく
あたしはホテルに戻ってキーを受け取る
部屋で本を読みながらいつの間にか眠った
目が覚めたのは殴られたからだ
「なんで勝手に降りた」
答える間もなく殴り続けられた
いつまでも降りてこないから
上に戻ったがいない
そのまま滑って探したがいないので
迷子センターに行って聞いたところ
隣接のレンタル受付の人がもしかしたらと伝えたらしい
翌年以降、あたしはスキーに連れて行かれなくなった
不幸中の幸い
もうひとつ話をしよう
新生活がはじまってから何度も「出ていけ」と言われた
理由は
食事が遅いとか
箸の持ち方が悪いとか
洗濯もののたたみ方が悪いとか
テストがケアミスで99点とか95点だったとか
テストが85点だったとか
思えばたいしたことじゃない
そもそもテストなんぞ100点でも褒められたことはない
どう考えてもあたしをこの家に置いておきたくない
あたしにはそう考えることしかできなかった
ある日やはり些細なことで出ていけと言われた
散々殴られた後、いつも玄関の外に出される
いつもは黙って玄関前に立っているが
ふと、いなくなってやれと思った
あたしはマンションの階段を降りて外に出た
真冬で寒かった
お金はもちろん持ってなかった
暖かいところ・・・思いついたのは
マンションの南側にある1階の下にある空洞だ
一軒家なら軒下
そこへあたしは迷わず行った
そして
どうやったら一人で暮らせるだろうと考えたり
昨日読んでいた本の続きを空想したり
ぼんやりいろいろ考えるのは得意だったので
時間は気にならなかった
最初から夜だったので時間もよくわからなかった
とりあえず朝までそこにいようとそう思った
妄想の中にいたら突然あたしの名前を呼ぶ声が聞こえてきた
あたしは出ていかなかった
それでも見つかった
母だった
出てきなさいと手を引っ張った
「帰ってお父さんに謝って家に入れてもらおうね」
帰りたくないのに
意味もわからず謝りたくないのに
「あなたは本当の子じゃないから仕方ないのよ」
そんなのは知らない
後で知ったことだが母が父に寒い仲出して風邪ひいたら
喘息もおこすだろうし大変だからそろそろ家に入れてくださいと
玄関を開けたら、あたしはそこにいない
本当に出ていくつもりでどこかに行ったかと
父と探していたらしい
信じられない、心配していた???
だが待っていたのはやはりいつもの父だった
あたしは家に入るなり
たくさんぶたれた
たくさん蹴られた
「なんで外に行った」
「出ていけって言ったから」
この日のあたしは淡々とそう言った
それから出ていけと言って玄関外に出されることはなかった
出ていけと言う言葉は
それからも何度も聞くことになり
ある日いよいよという出来事が起きるのだが
それはずっと後のはなし。。。
まだいろいろあった気がするけど
それはまた思い出したら