嘘しかない世界   作:玖南砥音

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うれしい気もした


だけど不安もあった



家族

小2のある日突然お父さんとお母さんに

 

「ちょっと話があるから」

 

 

と言われ、改まった感じでリビングに呼ばれた

 

 

 

「妹か弟ができるよ」

 

 

 

とっさに反応はできなかった

 

別に嫌だったわけじゃないけれど。。。

 

 

 

「うれしいか?」

 

 

 

なんとなく「うん」と答えた

 

 

 

決して嫌なわけじゃない

 

兄弟ができるというのはむしろうれしい

 

と、思う。。。

 

 

 

でも弟ならやっちゃんがいい

 

 

 

生まれてきたのは妹だった

 

 

1年あけてまたもう一人妹が増えた

 

 

 

お母さんが心臓が弱いから

 

あたしの家での仕事はまた増えていった

 

 

 

オムツ替えたり

ミルク作ったり

ミルクやったり

あやしたり

 

 

嫌ではなかった

 

 

 

ただちょっと時折めんどうだった

 

うんちまみれのおむつを手洗いしなくちゃいけない時は

さすがに嫌だったけれど

 

 

ミルクの後、げっぷと一緒にあたしの洋服にゲボっと

吐かれた時も嫌だったけれど

 

 

妹はかわいい

 

 

 

 

たまにおばあちゃんが家にしばらく泊まる

 

前に一緒に住んでたばあちゃんじゃなくて

お父さんのお母さんのばあちゃんだ

 

神楽坂というところに住んでいる

 

 

 

神楽坂のおばあちゃんはちょっと厳しいけど

納得できないことはなかったし

 

お掃除が上手でいろいろ教えてくれた

 

 

そしておばあちゃんの作るお料理はとてもおいしかった

 

 

おばあちゃんが泊まりに来るときは

お母さんが入院したり

お母さんが高い熱を出したりしたときと

妹が生まれてしばらくの間だ

 

 

おばあちゃんがいる間は

お父さんが朝に殴ることもないし

朝ごはんも作ってもらえる

 

 

朝からお魚とか食べれるのはとてもうれしい

 

 

ただおばあちゃんが帰ってしまった後は

朝のお父さんは元にもどっちゃう

 

 

それからお母さんの愚痴をたくさん聞く

 

 

掃除がおばあちゃん完璧なんだけど

それがお母さんは嫌なんだって言う

 

なんでかよくわからない

 

お掃除して家がきれいになったらうれしいのにな

 

 

ご飯も味が薄いからおいしくないと言う

 

薄い味だからおいしいのにな

 

 

 

一度、どうして?と聞いたことがある

 

 

そうしたらいきなりすごい勢いで怒鳴りだして

意味もわからないまま叩かれて嫌だったので

二度とそう聞くことはなかった

 

 

触らぬ神に祟りなし

 

 

お母さんはみんなに隠れて煙草を吸っていて

おばあちゃんがいると隠れて吸えないから

イライラするらしい

 

 

あたしは煙草の臭いが嫌いだから

吸わないでくれた方がうれしい

 

 

 

 

妹が生まれる前の夏休みに

お父さんと二人で乗鞍岳という山を登りに行った

 

山登りはきついし好きじゃないし

夏休みに行くなら海がいいし

ばあちゃんとじいちゃんの家に遊びに行きたかったけど

 

 

行きたくないとか言えるはずがなかった

 

 

山登りした夜、隣の布団のお父さんが

 

 

「妹とか弟が生まれてもお前は俺の娘だからな」

 

 

そう言った

 

 

 

そうじゃなくなることってあるのかもわからなかったから

「うん」って返事をした

 

 

 

隣の布団にお父さんが寝るのはなんとなく嫌だった

 

 

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