嘘しかない世界   作:玖南砥音

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時は流れ


父の暴力は治まることはなく

母の愚痴も治まることはなく


あたしは耐える日々を相変わらず続けている



示される岐路
高校受験


歳の離れた妹たちが幼稚園に行く頃には

母は朝食を作る時間に起きてくるようになった

 

 

中学3年

 

あたしは好成績を取ってはいたが

さらに上を目指したくて勉強に割く時間が多くなった

 

 

夏に部活を引退後は

帰宅すればすぐに勉強を始める

 

 

 

けれど

 

1時間もしないうちに妹の面倒を見ろだとか

夕飯の手伝いをしろだとか

洗濯ものをたためだとか

 

 

呼ばれる

 

 

仕方ないのでどうしても勉強は夜中になる

 

 

でも23時ごろになると

 

 

 

「早く寝ろ」

 

 

だったら夕方もう少しやらせてほしい。。。

 

 

 

2時までは毎晩それでもやっていた

 

 

 

努力の甲斐あって私立ならどこでも

県立でも一番レベルの高い高校を受験できる成績をとっていた

 

 

 

あたしが受けたい私立は

すべて受けられなかった

 

公立高校受験後に支払な私立にしろと言われていたからだ

 

 

 

従わないという選択肢は与えられなかった

 

 

 

 

何としても公立に受かれ

それが父と母からの命令だ

 

 

命令だ

 

 

 

 

安全圏を受けさせたかったのはわかる

 

しかしだ

 

 

 

あたしの希望はU女高

安全圏をとってOM高

 

 

担任はU女でも問題ないと

 

 

だが母が面談で強固として意見を変えなかった

 

 

それよりも3ランク下のW高にすると

 

 

 

「せめてOM高をそれでも心配ならUW高に」

 

 

 

「いいえ、W高しか受けさせません」

 

 

 

「では私立はA女子やKO女子も受けませんか?余裕ですよ」

 

 

 

「いいえ、公立の後の支払い高のみでお願いします」

 

 

 

結局面談中、一度もあたしが口をはさむことはできなかった

 

 

 

担任が話をふってくれてもさえぎられるのだ

 

 

 

中学は入学式総代をやったことで3年間学級委員かつ学年委員長

中央委員会学年委員長、生徒会補助役員

 

 

身体が弱いので欠席はあるものの内申もおつりがくる

 

 

そう担任が説得しても聞く耳もたず

 

 

 

 

そして受験料支払の時期が迫ってきた頃のことだ

 

 

 

「高校は義務教育じゃないんだ、行きたいなら土下座して頼め」

 

 

 

 

あたしは何故そんなことをしなくては高校に行けないのだろう

 

 

 

それでもあたしは土下座をした

 

 

 

「頭を床につけろ」

 

 

「三つ指たてろ」

 

 

 

怒鳴られ殴られ

 

頭をぐりぐりと床に押し付けられながら

 

 

 

何度も家出も考えた

だが身体が弱いから一人ではまだ駄目だ

 

 

 

手に職をつけてこの家からいつか出て行くんだ。。。

 

 

 

そのためには大学まで行かなくては

中途半端な職だと一生コケにされる

 

 

結果として私立は余裕だった

それでも公立より偏差値5高い高校だ

 

 

実質、公立が滑り止めなのかというレベルだ

 

 

 

担任は最後まで親を説得したいと言ってくれたが

結局説得することができなかった

 

 

 

 

公立受験日

 

 

あたしの心では葛藤があった

 

わざと落ちたらいいんじゃないか

 

 

大学進学率だって合格済み私立の方がずっといい

 

 

 

 

でもそれはできなかった

こんなレベルの学校に落ちたとか一生言われるのも嫌だった

 

 

 

そしてあたしはW高への進学が決まった

 

自己採点の結果はクラスで一番高く

U女に合格した子よりも高かった

 

担任は最後まで残念がっていた

 

 

 

 

受験が終わったとある日

 

父が雑誌を持って帰ってきた

 

 

 

まずは風呂と言われ

 

 

 

 

いつもの時間

耐える耐える耐える

 

 

 

 

髪の毛をドライヤーで乾かす

 

心の涙も乾かすように

 

 

 

 

 

部屋に戻ろうとしたら

 

 

 

「こっちに来て座れ」

 

 

 

 

「大学の進学率が発表になってんだぞ」

 

 

 

 

「知らなかっただろう?そういう知識くらい持っておくもんだ」

 

 

 

 

嫌な予感しかなかった

 

 

 

 

そのあと日付が変わるまで

 

高校ごとの有名大学進学率を羅列され続けた

 

 

 

KO女

A女子

 

U女

OM高

UW高

 

 

そして受験した私立

 

T女

SY女

 

 

これらの高校の進学率がいかに素晴らしいか

父は熱弁をふるった

 

 

 

最後に言われることを少し予想しつつ

心は宇宙に飛ばしたいと思いながら聴き続けるあたし

 

 

 

「結局、お前の行く高校の進学率はこれだ」

 

 

「きちがいみたいに勉強したところで結局はこの程度のところにしか入れん」

 

 

 

 

「つまりお前の将来はもう終わりも同然だ」

 

 

 

 

何も言い返す気もおきなかった

 

 

 

母も相変わらず、相槌を打ちながら聞いているだけだ

 

 

 

 

どうしてここまで。。。。

 

 

 

 

その晩、あたしは布団で泣き続けた

 

 

目が翌日開かなくなるほど泣き続けた

 

 

 

 

殺意がまた増幅した。。。。

 

 

 

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