後連休中にもう一話投稿すると言ったがスマン、ありゃ嘘だった。
「坂本。次の目標の話なんだが……。」
「ん?試験召喚戦争のか?」
坂本が復活した所で俺達はお茶をすする。
姫路には悪いが坂本と島田には事情を説明させて貰った。二人共顔真っ青にしてドン引きの表情してたな。
「相手はBクラスなのか?」
「ああ、そうだ。」
坂本は昨日Dクラスの窓の外に設置されているBクラスのエアコンの室外機に用があると言っていた。Aクラスを攻めるのにBクラスの室外機は関係無いだろうから、次の目標はBクラスだろう。
「どうしてBクラスなの?ウチ等の目標はAクラスしょ?」
島田も気になったのか俺と坂本の会話に割って入って来る。
「正直に言おう。どんな作戦でもうちの戦力じゃあAクラスには勝てない。」
神妙な顔で答える坂本。まあ無理もねえ。この学校はAからFの六つのクラスから成るが、Aクラスだけはハッキリ言って別格だ。ましてや代表クラスとも成るとその強さは計り知れない。例えどんな『策』を練ろうとも代表を打ち取れない以上、俺達に勝利は無いからな。
「それじゃあ、ウチ等の最終目標はBクラスに変更って事?」
「いいや。そんな事は無い。Aクラスをやる。」
「オイオイ坂本よお。さっきと言ってる事が違うんじゃあねえのか〜〜〜?」
「確かにクラス単位では勝てない。だから一騎打ちに持ち込むつもりだ。」
「一騎打ちに?どうやって?」
「Bクラスを使う。」
?Bクラスを?
「試験召喚戦争で下位クラスが負けた場合、設備がどうなるかを知ってるか?」
「確か設備のランクを一つ落とされるんだっけか?」
「そうだ。つまりBクラスならCクラスの設備に落とされる訳だ。では上位クラスが負けた場合は?」
「相手クラスと設備が入れ替えられちゃうんですよね?」
姫路も俺達の会話に入って来る。
「ああ。そのシステムを利用して交渉をする。」
ーーーッ!読めて来たぜ!坂本の考えがよお!
「なる迄。Bクラスに設備を入れ替え無い代わりにAクラスに攻め込む様交渉するって訳か。」
Fクラスと設備を入れ替えるよりも、Aクラスに負けてCクラスの設備に落とされる方が遥かにマシだ。
「その通りだ。そしてソレをネタにAクラスと交渉する。『Bクラスとの勝負直後に攻め込むぞ』と言った具合にな。」
「なる迄ねー。」
坂本の説明を聞いて納得したのか島田が頷いた。
確かに学年二番手のクラスと戦った後に休む間も無く戦闘ってのは、いくらAクラスと言えど流石にキツいだろうからな。
「じゃが、それでも問題は有るじゃろう。体力としての差は辛いし面倒じゃが、Aクラスとしては一騎打ちよりも試召戦争の方が確実であるのは確かじゃからな。それに……」
「それに?」
「そもそも一騎打ちで勝てるのじゃろうか?此方に姫路が居る事は既に知れ渡っている事じゃろう?」
確かに秀吉の言う事にも一理有る。先のDクラス戦で姫路の存在は最早周知の事実だろう。そうなると敵も姫路に対して何らかの『策』を考えて来る筈だからな。
「その辺に関しては考えが有る。心配するな。」
秀吉の言葉に自信満々に答える坂本。まあ勝算が無けりゃ端からこんな事言わねえだろうからな。
「とにかくBクラスをやるぞ。細かい事はその後に教えてやる。明久。今日のテストが終わったらBクラスに行って宣戦布告を……って明久は?」
見ると明久の姿が無い。何処行ったんだ?
「雄二よ。明久なら借りておった教科書を返しに行くと言って少し前に出て行ったぞ。」
「はあ?ったく使え無えな。こんな時に何やってんだアイツは?」
使え無えって酷くね?明久にも明久の都合って物が有るだろうが。つーかコイツまた明久を宣戦布告の使者に出すつもりだったのか?
「仕方が無い。クラスの中から誰か代わりに見繕うとするか。」
イヤ、見繕うって言ったってボコられるって解ってて宣戦布告の使者をやる奴なんか誰も居ねえだろうがよぉ。
はあ……仕方が無い。此処は……
「あ〜〜〜、坂本。今回は俺が行くわ。」
「東城、お前が?」
坂本が以外そうな目を俺に向ける。俺だって別に好きでこんな事をする訳じゃあ無い。だが同じクラスの誰かが酷い目に合うと言うのは正直見ていて心苦しいって物だ。
「まあ東城なら荒っぽい事にも慣れてるだろうし、大丈夫だろう。任せたぞ。」
この野郎、荒っぽい事に慣れてるのはテメーも同じだろうが。
「解った。秀吉。今日のテストが終わったらチョイと頼みが有る。」
「ん?今度はどんな頼み事じゃ?」
「じょッ……jojoッ!お主本当にこんな作戦をするつもりかッ!?」
引きつった顔で俺を見る秀吉。
「おうッ!何時だって俺は大マジだぜッ!」
何をするにしても俺は勉強以外は今迄手を抜いた事は無い。
「しッ……しかしワシには上手く行くとは思えんのじゃが……。」
「大丈夫だって。無事に帰って来るからお前はのんびり教室で待ってな。」
秀吉にそう伝えると俺は『演劇部』の部室を後にした。
「此処がBクラスか。」
教室の広さは普通の教室の三倍って所か。設備もAクラス程じゃあ無いが、中々良い設備じゃ無いか。
コンコン。
『はーーーい、どちら様……ーーーーーッ!!』
「あたしは二年Fクラスの使者として参りましたの〜〜〜〜〜。通ってもよろしいかしら〜〜〜〜〜〜?」
『『……………。』』
ムホッ♡
女子用のブレザーにリボンにスカート。頭にはロングのカツラ。
早い話が俺は今女子の格好をしていた。秀吉に化粧もして貰ってバッチリだ!いくら宣戦布告の使者とは言え、相手が女なら手荒な真似はして来ないと俺は考えたからだ………が、………
『手をあげろーーーーーッ!!』
『それ以上動くんじゃあねえーーーーーッ!!』
「え?どうして?いきなり何なの〜〜〜〜〜?」
ナヨォ ナヨォ
『向って来るぞーーーーーッ!!』
『怪しい動きだーーーーーッ!!』
『囲めーーーーーッ!!全員でフクロにしちまえーーーーーッ!!』
「わーーーーーッ!!止めろーーーーーッ!!わ……解ったーーーッ!!動かないーーーーーッ!!」
いくら喧嘩慣れしてるとは言えこの人数に囲まれたら俺だって無事じゃあ済まねえ。両手を上げて降伏のポーズを取る。
「クソッ!さ……流石Bクラスだぜ!よくぞ俺の女装を見破ったな!」
『マヌケッ!一目見ればわかるわーーーーーッ!気持ち悪いーーーーーッ!』
『お前みたいにデカくて筋肉質な女が居るか!スカタンッ!客観的に自分を見れねーのか?バーーーーーカッ!!』
「なにィ〜〜〜〜〜ッ!!」
ムカァァーーーッ!!
コイツ等ッ!好き放題言ってくれやがってッ!
「動かなきゃ良いんだよなあ!!」
俺は両手で握り拳を作り人差し指と親指の間に挟んでいた『ある物』を構えた。
「くらえッ!!」
ビシィッ!!
『痛ッ!なッ!?何だコイツッ!?『何か』飛ばしやがったッ!?』
『うわ~〜〜〜ッ!目が〜〜〜ッ!目が〜〜〜〜〜ッ!!』
見たか!高速で『ピック』を弾き飛ばす俺の必殺技!俺が荒くれていた中学校時代に武器を持った相手や大勢に囲まれた際に相手を牽制する為にあみ出した物だ。最初は大雑把な位置に当てるのが精一杯だったが、練習を重ねる内に精度と威力がどんどん上がって来て、今じゃ5メートル先の空き缶を貫通させるくらいなら訳無い。
安心しな。眼球は外してあるし、威力も怪我しない程度には調整してある。だが次の一撃は容赦しねえぞッ!!
「ドオラァーーーーーッ!!!!」
ダゴオォッ!!
『『タコス!!』』
ピックをくらって悶えるBクラスの男子生徒二人に渾身の力を込めた回し蹴りをぶちかます。
『テメー!イキナリ何をしやがるッ!?』
「聞けーーーッ!!俺達Fクラスは明日の午後にテメー等Bクラスに試験召喚戦争を仕掛けるッ!!宣戦布告だぜーーーーーッ!!!!」
ピシャッ!
高らかに宣戦布告を告げると俺は勢い良く教室の扉を閉めてその場から走り去った。扉越しにキーキー騒ぐ声が聞こえたが気にしない。
はあ……しかし良い作戦だと思ったんだがな〜〜〜。ちくしょう、自信無くすぜ……。
「ふぅ〜〜〜〜〜。何とか無事切り抜けたぜ。」
「おう東城。無事戻った……って何だお前その格好は?」
教室に戻るなり坂本が俺の格好を見てドン引きの顔をして聞いて来た。
「いや……まあ、女子相手なら敵も手荒な真似はして来ないと思ってよお……。」
「はあ……東城。お前バカか?」
「なッ!?何だとぉッ!?」
「鏡で自分の姿を見てみろ。笑えるぞ。」
呆れた様な表情で俺に告げる坂本。見るとクスクスと笑いを堪えるクラスメイト達。秀吉は頭を抱えて「やっぱりか」と言う顔をし、明久は眉間に手を当てて「ヤレヤレ」と言った表情を浮かべて居る。
「先に帰ってるぞ。明日も午前中はテストなんだから、ギターばっか弾いてるんじゃ無いぞ。」
そう言い残して坂本は教室を出て行った。
はあ……マジで自信無くなって来たぜ……。
次回からBクラス戦突入です。
全然伸びない……(´・ω・`)
今更ですがご意見ご感想お待ちしております……^^;