オレとギターとstardust   作:恥知らずの奥村悠時

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思ったより早く出来上がったのでアップします。
そして気が着けばUAが2000件近く迄……
しかしなかなか伸びねえな……文才か?……文才なのか?


ep6.『観察処分者』とは……

side秀吉

 

 

「大変だ!Dクラスの奴等援軍を連れて来やがった!」

「何じゃとッ!?」

 

ワシ等前線部隊が中堅部隊と合流したのが敵の本拠地に伝わったのかッ!奴等、ゴリ押しでワシ等を潰しに掛かって来おったな!

 

「吉井隊長!横溝がやられた!これで布施先生側は残り二人だ!」

 

「五十嵐先生の通路側だが、現在俺一人しか居ない!援軍を頼む!」

 

「スマン!もうジリ貧だ!補給テストに戻る!」

 

敵の増援が来た事で戦死する者や補給に向かう者が次々と現れる。くッ!先程迄とは打って変わって劣勢じゃッ!オマケに………

 

「ハア…ハア…ハア……」

 

召喚獣を酷使し過ぎた様じゃ。頼りのjojoの息が上がっておる。

本陣に援軍を要請したい所じゃが、そんな事をしたら本来の『作戦』に影響が出る!此処は何とかワシ等だけで持ちこたえるのじゃ!

 

「布施先生側の人は何とか防御に専念させて!五十嵐先生側の人は総合科目の人と効率良く勝負をするんだ!」

 

『了解!!』

 

皆が明久の指示に従って陣形を組み換える。なるほど、隊長としての職務は果たしておる様じゃ。

 

「Fクラスの奴等、明らかに時間稼ぎが目的だ!」

 

「何を待っているんだ?」

 

マズイな、ワシ等の戦い方を見てDクラスの奴等が作戦の大元に気付き始めた様じゃ。

 

「マンマミーアーーーーーッ!!化学じゃ無理ーーーーーッ!!数学だったらDクラスなんか目じゃ無いのにーーーーーッ!!」

 

「え?島田さんって数学得意なの?」

 

「もちろん!ウチは数学ならBクラス並の成績なんだから!」

 

「ありがとう。良い事を教えて貰ったよ。須川君!」

 

「何だ?」

 

島田の『数学が得意』と言う言葉を聞いた明久が近くに居た須川を呼び止めた。何やらこの状況を打破する『策』を思い付いた様じゃ。

 

「数学の先生を誰か連れて来て欲しいんだ。」

 

なるほど、島田の得意科目を持ってして敵を食い止める作戦か。

 

「解った。ここは俺に任せろ!暫く時間を稼いでくれ!」

 

そう言い残して須川は戦線を離れて行った。

 

「へッ、この状態で『策』を思い付くとは、明久もなかなか『機転』が効くじゃねえか。」

 

「本当ね。ディモールトベネよ吉井。」

 

「へへ……二人共ありがとう。」

 

褒められて嬉しかったんじゃろうな。明久が照れておるわ。

 

「皆ッ!!数学の先生が来るまでもう少しの辛抱だッ!!数学の先生が来たら柴崎君と田中君は五十嵐先生と布施先生を排除してッ!!」

 

『了解ッ!!』

 

明久の指示を受けて柴崎と田中が声を揃えて力強く応える。恐らく数学の先生が此処に来るまでの時間5分か10分ッ!それ迄なんとしても持ちこたえるのじゃッ!

 

 

 

side jojo

 

 

ピンポンパンポーン

 

 

『連絡致します。』

 

 

拮抗した状態が暫く続いていると、聞き覚えの有る声で校内アナウンスが流れ出した。

この声は須川か!なるほど職員室に直接行けばDクラスの奴等に見つかる可能性が有る。須川の奴、考えたな。

 

 

 

『数学の船越先生。数学の船越先生。吉井明久君が、3階の渡り廊下で待って居ます。』

 

 

 

な……なにぃ!?

 

 

 

『生徒と教師の垣根を越えた、男と女の大事な話しが有るそうです。』

 

 

 

や………野郎ッ!なんて事をッ!船越だぞッ!婚期を逃し生徒相手に成績を盾に交際を迫ってるっつうあの船越だぞッ!野郎、作戦の為とは言え仲間をエサにするたあ、何考えてやがるッ!!

 

「よ……吉井って船越先生みたいな熟女が好みだったの!?」

 

「んな訳有るかぁボケェェーーーーーッ!!どう考えても須川が船越呼び出す為に付いた悪質な嘘に決まってんだろうがァァーーーーーッ!!」

 

島田の盛大なボケに渾身のツッコミを入れてやる。

 

「え?そうだったの?良かった………」

 

テメーマジで信じたのかよ?ホッとした表情してやがる。

 

「吉井隊長、アンタ漢だよ!」

 

「ああ、感動したよ!まさかクラスの為にそこまでやってくれるなんて!」

 

クソがッ!!コイツ等好き勝手言いやがってッ!!ちったあ仲間の心配をしやがれってんだッ!!

 

「秀吉ッ!俺は前線を抜けるぞッ!!此処は任せるッ!!」

 

「なッ!!どうする気じゃ!?」

 

「明久を此処から逃がすッ!!異論は無いなッ!!」

 

「ま………待てッ!!お主疲労しておったのでは無いのかッ!?」

 

確かに秀吉の言う通り、さっき迄派手に召喚獣を動かし過ぎて俺は疲れて居た筈だった……が、今は疲れを微塵も感じ無え。どうやら召喚獣が『成長』した様だ。召喚獣も怒りでグツグツ煮えたぎった表情をしてやがるぜッ!!

 

「皮肉な事に須川のお陰かな?少し『成長』出来たみたいだ。怒りで少しばかり『持続力』が増加したって所だな。」

 

「『成長』?お主何を言って………」

 

「話しは後だッ!!俺は明久を助けに行くぞッ!!」

 

「ま……待つのじゃjojoッ!!」

 

秀吉の言葉を尻目に俺は駆け出したッ!明久はッ!?居たッ!!どうやら逃げようとした所を敵三人掛りに行く手を阻まれたみたいだッ!

 

「明久ッ!!」

 

「丈也!?」

 

「無事かッ!?須川の野郎……仲間をエサに船越のババアけしかけるたあ何てえげつない真似しやがるッ!! Dirty deeds done dirt cheapとは良く言った物だぜッ!!」

 

「ダーティ………何?」

 

「んな事あ今はどうでも良いッ!!お前先に教室戻るなりして身を隠せッ!!此処は俺が食い止めるッ!!」

 

「そんなッ!!無茶だよッ!!敵は三人も居るんだよッ!?瞬殺で補習室送りにされちゃうよッ!!」

 

「なに、俺も伊達に修羅場は潜ってねえよ。それに『勝利』する事だけが『戦い』じゃ無えからよ。行けッ!!俺も後から必ず行くッ!!絶対に無事に帰ると約束するぜッ!!」

 

「わ、解ったッ!必ず無事に帰って来てねッ!」

 

そう言い残して明久は走り去って行った。どうやら上手いこと逃せた様だ。道中敵に見つかったりしなければ良いが………

 

「おやおや、誰かと思えば『観察処分者』の東城丈也君じゃあないかwww。一人で俺達Dクラスの生徒三人を相手にしようだなんて、少し思い上がりが過ぎるんじゃあ無いかなwww?」

 

ニヤケ面しながら俺にそう言ったのは、去年迄同じクラスだった中野だ。御丁寧に『観察処分者』の所を強調して言いやがった。かつてはコイツも仲間内でバカやるのが好きな奴だった。あの頃はもっと真っ直ぐな目をしていたはずだ。だが………堕ちたな………最下位クラスを免れた事で前に進む事を止め、弱者を見下して安心する……タダのゲス野郎の目にッ!!

 

「オイオイ『観察処分者』www?それって確か『バカの代名詞』だろwww?」

 

「『此処は俺が食い止めるッ!!』だとよwwwザコの癖にカッコつけ過ぎなんじゃねえのかwww?」

 

『観察処分者』と言う言葉を聞いて、他の二人もニタニタと笑いながら人を小馬鹿にしたセリフを吐き出した。三人共「弱い者いいじめ…大ィィィー好きッ」って面してやがるぜ。だがそうやって余裕コイてられるのも今の内だ。

 

「なら見せてやるぜッ!!『観察処分者』の『戦い方』ってヤツをなッ!!」

 

召喚獣に武器を構えさせ俺は奴等に高らかに告げた。

 

 

 

side out

 

 

 

「船越先生ッ!!お願いしますッ!!」

 

「船越先生が来たぞッ!!布施先生と五十嵐先生を排除だッ!!WRYYYYYYEEEEEAッ!!」

 

「KISYAAAAAAAAッ!!」

 

「なッ!何をするんだ君達ッ!」

 

「うわーーーーーッ!!」

 

柴崎と田中が布施と五十嵐を排除すると化学のフィールドが消え、数学のフィールドが展開される。島田が猛威を振るえる状況と成りFクラスの前線部隊には追い風と成ったが、これから敵三人を相手にしようとしているjojoにとっては最悪の状況であった。jojoは理系科目を苦手としている。しかも数学はjojoの最も苦手とする科目。まともに戦った所で負けるのは必然である。

 

 

『Dクラス   鈴木一郎     数学    86点』

『Dクラス   笹島圭吾     数学   92点』

『Dクラス   中野健太    数学    106点』

『Fクラス   東城丈也    数学    25点』

 

 

「プッwww25点ってwww」

 

「やっぱタダのザコじゃねえかwww」

 

召喚獣の頭上に表示された点数を見てDクラスの生徒達が嘲笑う中、jojoはこの状況を打破する『何か』は無いかと視線を巡らせて居た。先ず最初に目に飛び込んで来たのは『消火器』。しかしこれだけでは弱い。再びjojoは視線を巡らせる。そして思い付いた『策』。これならばイケると確信しjojoは召喚獣を突っ込ませた。

 

「バカがッ!考え無しに突っ込んで来やがった!」

 

「何が『 観察処分者』の『戦い方』だッ!捻り潰してやるぜッ!」

 

jojoの召喚獣が動いた所で鈴木と笹島の召喚獣が襲い掛かって来た。しかしjojoの召喚獣は足を止め、二人の召喚獣の攻撃を軽々と避ける。

『観察処分者』の仕事。それは召喚獣を使った教師の雑用係。『観察処分者』として一年生の頃から召喚獣を使う事が多かったjojoは召喚獣を操る事に慣れて居た。先の囮作戦で大勢の敵の攻撃を全て避けて見せたのも、そうした『観察処分者 』ならではの利点から来る物だったからだ。

軽快なステップで敵の攻撃を全て避ける。しかし此方から攻撃は出来ない。jojoの召喚獣の持つ無事はギター。両手で扱う武器故、必然的に攻撃が大ぶりになる為に隙が生まれる。一対一の時ならばともかく、多対一の状況では攻撃を行った隙に他の召喚獣から攻撃を受ける危険性が有るからだ。

jojoは敵の攻撃を避けながら召喚獣の動きが良く見える位置に移動し、かつ召喚獣と『消火器』との距離を気にしていた。

 

「中野ッ!」

 

「しめたッ!挟み撃ちだッ!」

 

中野と笹島の召喚獣がjojoの召喚獣を挟み撃ちにする。

 

(チャンスだッ!)

 

普通ならばピンチと成るこの状況をjojoはチャンスと受け取った。

中野と笹島の召喚獣がjojoの召喚獣に向けて突っ込む。

jojoは召喚獣を横に移動させてその攻撃を回避。

 

ドカッ!!

 

『『フギャッ!!』』

 

「ドラァッ!!」

 

バキィーーーーーン!!

 

中野と笹島の召喚獣が同士討ちになった所を野球選手がバットを振るかの如く、ギターをフルスイングしぶっ飛ばす。そして二人の召喚獣が飛んで行った先には……

 

ドゴーーーーーン!!

 

『『『ピギャーーーーーッ!!』』』

 

小島の召喚獣。三人の召喚獣はビリヤードの玉の様に吹っ飛ばされる。

 

(今だッ!!)

 

三人の召喚獣が吹っ飛んだ隙にjojoの召喚獣は『消火器』に向ってダッシュ!『消火器』を破壊しようとギターを振りかぶった、が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フンッ!」

 

 

グシャアッ!!

 

「ガッ!?」

 

突如中野がjojoの召喚獣の頭を踏み付けた!いつの間にか『消火器』の近くに中野が接近していたのだ!フィードバックの痛みでjojoが顔を顰める。

『観察処分者』の召喚獣は『物』に『触れる』事が出来る特別製。しかし反対に他からの物理干渉も受けてしまうのだ。

「随分と『消火器』に御執心だったみたいだなあ東城。さっきからチラチラ見てるのが丸分かりだったぜ。」

グリグリと召喚獣の頭を踏み付けながら中野が言った。その様子を見て鈴木と笹島もjojoの召喚獣に近寄って来る。このまま召喚獣を痛ぶって補習室送りにしようと言うのだッ!正に絶対絶命のこの状況ッ!しかしッ!

 

「大方その『消火器』ブッ壊して煙幕にして逃げようとか考えてたんだろォ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テメーの次のセリフはッ!『見え透いてんだよ。テメー等Fクラスのバカ共の考える事なんざあ。』だッ!!」

 

 

 

見え透いてんだよ。テメー等Fクラスのバカ共の考える事なんざあ……ハッ!」

 

絶望的なその状況とは裏腹にjojoは中野を力強く指差して高らかに告げた。そんなjojoの意思に呼応するかの様にして召喚獣がニヤリと笑った。

 

「テメー等の方こそ随分と『消火器』に御執心だった様で、俺が移動した事に気づかなかったみたいだなッ!」

 

いつの間にかjojoは中野達から少し離れた位置の廊下の中心に居た。そしてjojoの手に握られていた物はメラメラと燃え盛るヘアバンド!いつの間にかjojoは自身のヘアバンドを外し、火を着けていたのだ!

 

「コイツ一体何を………ハッ!」

 

中野がjojoの考えに気づいたが遅かった。

 

「やッ!止めろオォォーーーーーッ!!!!」

 

中野が止めるのを聞かずにjojoは燃えるヘアバンドを天井高く放り投げた。その先には……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジリリリリリリリリリリリッ!!!!

 

プシャーーーーーーーーーーーーッ!!!!

 

「うわーーーーーーッ!!」

 

「や……やりやがったーーーーーーッ!!」

 

『火災報知器』が鳴り『スプリンクラー』が作動した。jojoの目的は端からコレ。『消火器』も『策』に必要な物だったが、この時点ではあくまで自分への注意を逸らす為の囮。

自分を『火災報知器』の下に移動させる事が目的だったのだッ!

 

『なッ……何だあッ!?』

 

『火事ッ!? 』

 

何処からともなくパニックに陥る声が聞こえて来る!最早試験召喚バトルどころでは無い!

 

「そらよッ!お望みどおり食らわせてやるぜッ!ドラァッ!!」

 

ボゴォッ!!

 

スプリンクラーが作動した事で生まれた隙にjojoは召喚獣に『消火器』を破壊させた。

 

「ウワップッ!!」

 

「ゲホッゲホッ!!」

 

「ペッペッ!!」

石灰の粉が吹き出し中野達が咳き込む中、jojoの召喚獣は『ある物』をとり出した。

学校と言う場所において非常時の火災の為に備え付けられている消化システム。『火災報知器』『スプリンクラー』『消火器』。そしてその近くに必ず有る物。そしてそれこそがjojoの『策』の本命。それは……

 

 

 

「オラもういっちょ行くぜッ!ドラララララララーーーーーッ!!」

 

ブシャーーーーーーーーーーッ!!!!!!

 

「ウワブーーーーーッ!!」

 

「ゲファーーーーーッ!!」

 

消火用の『ホース』。これこそがjojoの『策』における最大の要だったのだ!あらかた水を出し終えるとjojoの召喚獣はホースを捨てた。超高圧の水を浴びて中野達三人はグッタリとしている。『物体』に直接『干渉』出来る能力と、補習や罰則をも恐れぬ大胆な発想!正に『観察処分者』ならではの『戦い方』である!

 

「テメーの次のセリフは『 こんな事してタダで済むと思ってるのかッ!?』だッ!!」

 

「 こんな事してタダで済むと思ってるのかッ!?……ハッ!」

 

「ヘッ!補習や罰則一々ビビってて『観察処分者』なんかやってられるかよッ!!マヌケッ!!」

 

召喚獣を自分の元に戻らせると捨て台詞を残してjojoはその場から走り去った。jojoのこの場における『戦い』目的は、相手を打ち負かし『 勝利』する事では無く、あくまで明久をこの場から逃がす事。その役目を終えた今、最早この場所に用は無いのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『観察処分者』ーーーーー

それはバカの代名詞では無く、何者をも恐れぬ勇敢な者の事を指して言うのかもしれない。

 




字幕とか使いたいけどやり方が解らん……
教えてエロい人……
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