いちおうのせときます、

備忘録という体で。



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デッドセクション(没ネタ)

探索を始めて、もう何年たつだろうか。

 

 

私は携帯食をかじりながら、遠くを観測していた。

酷熱にさらされながら変異を遂げた耐熱草が蒼く、

茂る山々と、コンクリートで構成された建築物。

 

特に、異常は認められない。

 

 

望遠鏡を仕舞い、私は背伸びをすると床に寝転ぶ。

 

「今日も異常なし、かぁ…」

 

私が拠点としているこの家はかなり古い。

 

その昔

_地球がこの様な姿に成り果てるはるか以前のこと

 

日本という国があり、その時代に立てられた建築の様式をしている。

いわゆる和風建築である。

 

 

初めてこの田園地域を発見したとき、まだこんなに美しい風景の残る場所があったのだと

 

私は、胸を躍らせて探索したのだった。

 

弐脚戦車「零壱式」とともに。

 

 

 

本当に、ほかには誰もいないのかもしれない。

それでも、私はゆく。

 

いきのこりを探しに。

装甲に包まれた手のひらを、真っ赤な太陽にかざす。

今日は、普段より日差しが強い。

 

なにも起きることのない、蒸し暑い日差しの中。私は、まどろみながらその頃を思い出す__

 

 

カチンと

 

遠くで金属が擦れるような音が鳴ったのが聞こえた。

私は方向転換をし姿勢を低くして戦闘に備える。

 

気配を感じる。

 

私は零式から降りて光線銃のセーフティをはずす。

モニタにうつる位置座標を確認すると、ここは旧日本自治区市街地のようだ。

 

そこでカチン、と。

 

再び小さな金属音が鳴った

私は、音の鳴ったほうへ、慎重に歩を進めていく。

門にはいると、わずかに煙のにおいがする。中で何かが燃えているのだろうか?

私は銃を構えて扉に手をかける。

そして、勢いをつけて扉を開けた。

その瞬間、一気に煙が顔に覆いかかる。

 

「うはっ、げほげほっ…」

 

むせてしまうほど煙がたっている。

向こう側に、男がうつむき座っているのが

辛うじて見える。

だが、体感温度からしても物が燃えているようではなかった。

一体何があったのだろうか?

 

「大丈夫かっげほっ!」

むせながらも煙を書き分け進み、声をかける。

 

何の反応も示さないまま、口から煙を出している

 

「な、なんだこれは…?」

 

よく見ると何か細長いものを咥えているようだ。

先端が赤く光り、細く煙をまいている。

それをつまんで口から離すと、相手は驚いたように飛び跳ねてのけぞりかえった。

 

「うぉっ?!何だ!?」

 

驚いた反動で、彼はガシャンと横においてあった皿をひっくり返してしまった。

 

灰のようなものが舞い上がり、そのせいで彼はひどくむせている。

よく見ると、さっき男が咥えていたような細い筒状のものがたくさん散らばっている。

 

「げふんげふん!うぅ、くそっ!」

 

完全に気が動転している彼は慌てて銃を構える。

 

それも、かなりの年代ものと見える。かつて米陸軍と呼ばれていた組織部隊が制式銃としていた弾薬を使用するタイプのものであった。

 

そして、彼は私に銃を突きつける

震える手で。

私は構えていた光線銃を片手に持ち、両手を上に上げる。

 

「待って、私はあなたの敵じゃないわ」

彼に、一歩ずつ、近づいていく。

 

「うそだっ…嘘だぁっ!!」

 

彼が発砲しようと引き金に指をかけた、そのわずかな時間で

瞬間的に彼の懐に入り込む。

 

「グハッ!」

 

「だから私は敵じゃないって言ってるでしょうが…」

 

あっけなく倒れてしまった彼。しかしまだ男は何かをつぶやいているようだ。

 

声になっておらずなにを言っているのか全く聞き取れない。

 

 

「さて、と。この重たそうな男を運ぶとするか…」

 

 

そして、彼をずりずりと引きずりながらもなんとか零式まで戻ってくることができた。

 

 

「ひぃい、重たいなぁこのおじさんは。こういうのは非力にやらせるミッションじゃないよぉ……」

 

そうして、彼女は零式に積んであった水をがぶがぶと飲む。

 

ふと、さっき捕まえた男のほうを見る。

もうつぶやくのはやめたようだが、今度はこちらをじっと見つめている。

 

やせこけた頬に、なにも口にしていないようなやつれた表情がにじみ出ている。

なにか、少し不憫に思えてきた。

 

私の水筒を彼の口元にあて、少し水を含ませる。

 

_________________________

 

 

「さて、いよいよお出ましですなあ!」

彼女が意気揚々と叫ぶ。

 

俺はニヤリと笑ったあとで、素早くバックパックから光線銃を取り出した。

 

 

ウォオオオン!!

唸りを上げてこちらに向かってくる。

 

かなりのデカさだが、彼女はかまわず飛び込んでいった。

 

そしてメカに搭載されている機関銃で迎え撃った。

 

「ダダダダダダダダッ!」

 

「ブシャァアッ!!」

敵が血しぶきをまきちらしてたおれる。

 

彼女はひるむことなく次々と敵をなぎ倒す。

 

「おぉ、やるな」

俺は思わず驚嘆してしまった。

 

彼女はこちらを振り返りニコニコと笑っている。

 

「よし、お前はこいつらを片付けてくれ。俺は「彼女」を回収する!」

 

「ぶらじゃあ!」

そういうと、ご自慢のバストを持ち上げてたぷんたぷんさせる彼女。

うふん♪とこちらにサービス満点の投げキッスをする。

 

「お、おぅ」

 

思わず拍子抜けしてしまった俺を見て不敵に笑ってみせるところがニクい。

 

キシャアアアアアアアァア!!

 

そこへ、間髪いれずに新たな敵がやってきた。

「さぁ、いきますよぉ!」と彼女が叫ぶ。

 

「よっしゃぁ!」俺も負けじと声を上げた。

 

俺と彼女は一斉に飛び出した。

 

__________

 

 

「うぅん…」

 

いつの間にか眠ってしまったらしい。

 

気がつくと僕はマットが敷かれているルームの一室によこたわっていた。

 

はじめのうちは視界がぼやけて周りがよく見えなかったが、

 

目を凝らしているうちにようやくはっきりと見えてきた。

 

そして、僕はとなりに男の人が一人座っているのが見えた。

 

 

床に直に座る端正な姿は、どこか見覚えのあるような気がする面影があるが

 

しかし、顔を見ようと体を起こそうとすると全身に痛みが走る。

 

「痛っ…」

 

それでも起き上がろうとする僕を、座っていた男は制止した。

 

「くっ、離せ…」

 

そうだ。僕は奴らに襲撃されて墜落したのだった。

 

振りほどこうとする手を、ぎゅっと握り締めて暴れる僕をたしなめる。

 

「おい、あまり無理をするな。君の連れなら無事だ」

 

僕は、はっとした。

この感覚は、きっとそうだ。

 

そのとき、ようやくすべてを思い出した。

 

「そう…か。なんとかたどり着いたんだ、な」

 

「全く…相変わらず無茶するな、君は。」

 

そういうと、彼はさらにきつく僕を抱きしめた。

全身打撲の身にしみる程に。

 

「痛っ!!」

 

 

人類が完全消滅される前に生存者を存続する必要がある。

その技術が「卵運び」である。

人間を原子レベルまで分解したのち、再編成するのだ。

それを用いて人類を破壊する陰謀を阻止するのが目的だった。

しかし、それは机上の空論にすぎなかった。

 

「そして僕は、誰よりも先に「運び出された」存在だった。そして人類の宇宙移植計画「卵運び」の第一人者に抜擢された。」

 

     

auslösen Auslösen アウスローズン・トリッヂエル

かんき; 喚起

 

 

 

trigger

トリッジエール

______________________

 

 

 

 

「こちらCPC。ご用件をどうぞ」

 

「こちらドミトリアルファ。元居住区らしき区域を発見。捜索許可、願います。」

 

「こちらCPC。捜索を許可します。安全を確保し捜索にあたって、あっ、ああ!ちょっと!」

 

困った表情をしているロボを大きな胸で押しやり、軍服の女大将が通信に割り込んできた。

 

「ほ、本当か!?そんなところに建物が!」

 

「そうですよぉ、状態はかなり良好のようです!」

 

「そうか!よし、そこにならまだ生存者がいるかもしれないな。物資も豊富かも知れんぞ。くまなく探すんだ!」

 

大将が通信する声がいつも以上に張り切っている。

今まで敵どころか何ひとつ動物らしいものは見つからなかったのだが、ここに来てようやく何かに出会ったのだ。

 

久々の獲物に心が躍るのは私も同じだった。

 

「りょーかいっ。米粒ひとつ逃しませんよぉ!」

 

向こう側に見える何かの施設。私は、期待に胸が高鳴る。通信終了のクイープとともに施設に向けて零式が跳んだ。

 

しかし、期待とは裏腹にこの施設には使えそうなものや食料といった類のものは全く見つからなかった。

 

「はぁ、結構大きな施設だったからなにかあるかと思ったのになぁ…」

 

夕日は、落ち込む表情の私を照らし赤く染める。

彼女はいかにも残念そうな表情で本部への通信を始めた。

 

「こちらドミトリアルファ。応答願います。」

 

「おう、なにか収穫はあったか」

 

隊長が応答する

 

「敷地一帯の捜索完了。収穫物はなし。捕虜1名を確保、しましたけれど…精神状態は崩壊寸前と見えますねぇ。連行しますか?」

 

「そうか…」

 

大将は深いため息をつき、制帽を脱いで放り投げると長い髪の頭を掻きむしる。

 

「一応、連れてこい。あとは私が対処しよう。」

「了解しました~。」

 

通話終了の合図が鳴って通信が切れる。

 


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