と言う方式でやっていると今回、長くなりました。
もちろん、いつもより、と言う意味で。
26話 新しい住人
「なぜ、俺はここにいる?」
「.......え?」
あの魔法使いゴブリンを倒した後の次の日。
そしてこう言い出したわけだ。
なぜ俺はここにいる?
と。
まあ、そう考えるとコーンの反応は当然の反応と言っていいかもしれない。
「どうしたんだい?悩みがあるなら聞いてあげるよ?」
「いらねぇよ!単に暇なんだよ......」
「確かにね〜。もうゴブリンはこなさそうだしね〜。」
こんな時、前の世界(つまり現実世界)の感覚が残っているのか、学校に行かなければ。などと思うのである。
学校サボったりした時にやっぱり行っておけば良かった...なんて思うことない?
え、ない?
とにかく俺は何かしないと落ち着かないのである。
もし、このまま何もしなかったら1時間でだらけてしまうだろう。
そんな時、扉が一気に開かれる。
おい、なんで開いているんだよ。戸締まりどうなってんだ...
「なんで鍵が閉まってないんだ?」
そう、恐る恐るコーンに聞いてみる。
「だって──」
「ちょっと聞いて!カケル!」
コーンの声が途中で遮られ、ドアの方から聞き覚えのある少女の声が聞こえてきた。
「なんでパルメス入ってきたんだよ!」
「え、ご、ごめん..。」
「ま、 まあいいけど。」
いつも推しの強いコーンとばかり話しているせいか、素直に謝られると、少し戸惑ってしまう。
とりあえず、ここにきた理由を聞いてみることにした。
「なんでここにきたんだ?」
「噂で聞いたんだけどまたここに来るらしいんだけど、それを追い払うのをカケルにも手伝ってもらいたくて」
なるほど。その内いっぱい住むようになってお金がかかるようになったら嫌だしな。
と言うわけで俺は協力することにする。
「ちなみにいつだ?」
「今。だから急いでたのよ!とにかく早くきて!」
そうパルメスが言うと強引に俺の手を引っ張られ、部屋の外に出て、階段を登り、二階の空き部屋へと入っていく。
「あ、あそこよ!」
「お、おう。そ、うか....。」
し、しんどい.....。
こいつどんだけ体力あるんだよ。俺これでも一応運動部に所属してたんだけどな...。
それはともかく、窓の外に目をやる。
ん、なんかいる。もっとよくみると屋敷の庭に人がいた。
と、そう思っていた頃には、パルメスは窓から飛び降りていた。
おい!
そう叫ぼうとしたが、やめておいた。なんとなく、パルメスがやろうとしていることがわかってしまったためである。
屋敷の二階から飛び降りていたことすら考えず、俺はパルメスをじっと見る。
パルメスは殆んど音を出さずに屋敷の庭に立つなり、さっと屋敷へと近付いて来る人(男性)の背後に回り込む。
「僕の背後で何をしようとしてるんだい〜?」
その男性は後ろを向いてそう言う。
なっ!?
その声は誰が言ったんだろうか。俺はそれがわからないくらい驚いていた。
「そこにいる少年も降りてきなよ」
そこでまた驚く。あの男性は一度もこちらを見ていないのに。
とりあえず俺は屋敷の外に出た。
「そんなに怯えなくていいよ〜。何もしないから」
いや、余計に怖えよ...。
青と水色の間のような髪の色の男性は、面白そうに笑う。
「紹介が遅れたね。僕の名前はビエール。よろしく。君たちの名前を教えてもらってもいいかな?」
「私はパルメスよ。さっきは悪かったわね。」
そうパルメスは少し警戒したように言う。
「いやいや〜。そんなことはないよ〜?僕こそ怪しまれるようなことして悪かったね」
少し笑うように語尾を伸ばすビエールの口調は、適当に語尾を伸ばすコーンと違って面白い。
そして、一応俺も自己紹介をしておく。
「俺はカケル。よろしくな。」
「どうも。よろしくカケル」
一通り自己紹介を済ませると、早速パルメスがビエールに質問をする。
「聞くまでもないかもしれないけどあなたもここに住むつもりなの?」
「そうだよ。僕が聞くには君たち含めた3人が住んでるって聞いたんだけどあってるかな?」
俺たちにされる質問に俺が答える。
「あってるよ。残りの1人は俺の部屋にいるぜ」
そう言う俺の答えに納得したのか再び質問をする。
「そうかい。それはともかく、僕はここに住んでいいのかな?」
今度はパルメスの方を向いて言う。
「もういいわよ。でも、最後に質問するけどなんで私に気付いたの?」
それを聞いたビエールは面白そうに口を歪める。
「ほう。それを聞くと言うことは君も気付いてるらしいね。.......そうだね君は気配を完全に消せるらしいけどそれが遅すぎたってことかな。」
それを聞いたパルメスは何か考えるように下を向く。
どうやらこの屋敷にはまた1人住む人が増えたらしい。
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