今回でようやくこの町のボスが解るのですが………
それ以上に今回はラストにとんでもない真実が明らかになります
そう、あのアイリスちゃんの正体が明かされるのです( ̄▽ ̄;)
謎の多い彼女は一体全体何者なのやら………
んじゃ、前置きはこれくらいにして本編どぞどぞ( ´∀`)
………話をしよう。
あれは今から36万……いや、3万6000年前だったか……。
まぁ、良い。実際は今目の前で起きていることだ。
何を言ってるんだって?自分でもそう思うさ。一人で何を訳の分からないことを言ってるんだって、な。
俺自身もよ~く理解はしてる。でもよ、【これ】を見て逆にどう反応すればいい?
ため息をつきながら下を向く男はそう思いながら目の前にいる異様な光景に再び目を向けた――――
「おおお久しぶりです!!【早乙女 愛里様】!!!」
「ハハハハ♪紫ったら相変わらず堅苦しいわね~♪」
男の視線の先には腰を90°曲げて頭を下げて冷や汗を滝のように流す【八雲 紫】の姿と、それを見ながら高笑いするアイリスの姿があった―――
「…………なんだこれ?」
今から30分ほど前、藤原妹紅に吹っ飛ばされたアイリスが帰ってきた。
町の皆は再び今日何度目か分からない喜びの声を上げ戻ってきたアイリスを中心に小さな宴が開かれた。宴といっても町の一部の住人が参加するほんとうに小さな小さな宴会のような物だが彼女もそれに賛成したので少数ながら宴会がスタートした。
それにしても、宴会とは随分と久しぶりなものだ。あの世界惨劇以降、俺たちは闇に支配され世界は混沌と化し、今日一日を生き延びるだけでやっとのような地獄の日々を過ごしてきた。当然ながら宴会や宴などといった催しをする暇も無く、こんな小さなものであっても宴会をやるというのは数年ぶりのことだった。
「それにしてもお嬢ちゃん、まさか妹紅さんまで倒すとはなぁ!!本当に一体何者なんだい?」
「最初から言ってるじゃない!!あたしはアイリス!」
「「「この世界に革命を起こす女よ!!」」」
「な~んだ!分かってるじゃないの!!」
「へへっ、あんたならそう言うと思っただけさ!!」
「「「「あっはっはっはっはっはっはっは♪」」」」
パッと見た所、十数人が入れるようなスペースに最低でも20人を越える人が集まり酷く窮屈だ。だが、それ以上にこうやって町の皆が酒を飲んで笑い合うというのは一体いつぶりだろうか?少なくともこの町に住んでから皆のこんな顔を見るのは初めてだった。
「………」
そんな皆を見ながら俺は一人酒を飲みつつ微笑する。
………皆の笑顔が輝いて見えてしまって仕方がないんだ。それを見てると俺も思わず笑いが込み上げてくる。
皆のこの笑顔を作ってくれたのは、間違いなくあのアイリスだ。まだ俺はアイツのことはよく分からないし、アイツが一体何者なのかも全然分からねぇ。ただ、分かるのはアイツが【本気でこの世界を救うつもりであるかだ。】
それがわかりさえすればアイツの正体とかはこの際どうでもいい。
などと俺が考えているといつの間にかアイリスの奴が俺の飲んでいた酒を奪って勝手に飲んでいた。既に彼女の顔は赤みを帯びてはいたが酔っぱらっているような感じには見えない。というかいつもテンションが高くて酔ってるかが分からないといった感じだ。
ただ、まぁ、その、アイリスの白いワンピースが若干はだけ、脇の方から見えつつあるのはちょっと色々困る。
………お前、一応女子なんだからその辺もっと気にしたらどうだ?
ただ、まぁ、その、コイツ体はガキだが纏っている雰囲気からか、ガキの体のくせして結構色っぽい。
………一応言っておくが俺は小さい女の子が好きという特異な人間ではない。断じてないぞ。
「……ぷっはぁぁあああああ!!やっぱ宴での酒は格別に上手いわね~♪アイツとの飲み比べをした時を思い出すわ~。」
「おいおい。お前さん、いくら強いといえどまだガキなんだから酒はやめた方が良いんじゃないか?」
「何よ、【ソウジロウ】。宴会で酒を飲まないなんてあり得ないでしょうが!あとさっきから脇を覗かないでくれる?」
「みみみみみ見とらんわい!!!!!!」
ちなみにソウジロウっていうのは俺の名前だ。んで、子供の名前がヨウシロウ。
妻は………まぁ、二年前の惨劇で俺たちを庇って………。全く今思い返してみてもなんで俺なんかを庇ったんだか―――
…………ははっ。自分の女房も守れず寧ろ庇われるなんてな。亭主失格だな、俺は。
「…………。」
「…………ソウジロウ?泣いてるの?」
おっと、行けねぇ。宴会だって時にしんみりした空気にするわけにもいかねぇな。
そう思いながら俺は汚れた服の布で浮かべた涙を静かに拭い、心配そうに見るアイリスに一言こう言った。
「…………な~に。皆の笑っている所を見てたら色々思い出しちまってよ。ちょいとうるっと来ただけさ。」
「………ねぇ、ソウジロウ。私、ソウジロウのことまだ分からないけど………。【ソウジロウは何も悪くないよ?】」
「!!!」
「………ソウジロウが何を思い出したのかは知らないけど、ソウジロウのことだからどうせ【自分が悪い】とか【自分は最低】とか考えてたんでしょ?あんた、自分よりも周りの皆のことを考えるタイプだからねぇ♪」
「あんたが何を卑屈になっているかは私は知らないし、聞く気も毛頭ないわ。だけど、一言だけ言える。あんたは【何も悪くない】、ってね。」
「…………なんだよ、それ。」
ニコリと笑いながら【何も悪くない】そう語ってくる彼女を見て、俺の心の中の重みが少しずつ軽くなっていくのを感じ取れる。この二年間決して忘れることのなくのし掛かる心の重みが―――
……なぁ、お前。見ているか?
俺は、お前を守れなかった。
今でも最後にお前と会った時のことを思い出すよ。
だけど、生き残った以上、俺はずっと生き続けるよ。
………ヨウシロウは俺が命に変えても必ず守るから、死んだら必ず会いに行くから。
だからそれまで俺のことをそこで待っててくれよな―――
「…………んで?この町のボスってのは一体誰なのさ?ソウジロウ」
宴がようやく落ち着いた頃、話はこれからの問題についてのこととなった。
「…………まぁ、恐らくお前さんには言っても分からないとは思うが、この町を支配しているボスっていうのは【ルーミア】っていう人喰い妖怪なんだ。」
「………え?【ルーミア?】ルーミア、ってあのルーミアよね?暗黒の力を持った―――」
「は?暗黒?ま、まぁ、お前さんのいうルーミアはよく知らないが、ルーミアっていうのはさっきも言った通り人喰い妖怪で今はゼノムのとある王の幹部になっているんだ。」
「ふーん。って、とある王ってなに?」
「………ああ、お前さんにはまだ説明してなかったか。この世界には四つの地区を支配する【八王】と呼ばれる八人の女王がいるんだ。」
「へぇー。八人もいるのね。」
「ああ、そして、さっき言ったルーミアが支えているのは、夜を支配する女王と言われている。【紅帝 レミリア・スカーレット】なのさ。」
「………レミリア・スカーレットねぇ。まぁ、名前から察するに【スカーレットデビル】の末裔か何かかしら?」
そんなことを呟くと珍しくブツブツ何かを言いながら考え込む。
………コイツは時々よく分からないことを言ってくる。例えば、さっきの暗黒の力とかスカーレットデビルだとか、今更だがコイツは外の世界から来たのだろうか?いや、それにしてはどうも何かが違う。
少なくともコイツは外の世界から来た所謂外来人という感じではない。これだけは間違いないだろう。
「………そうだ!!」
そんなことを考えているとアイリスが急に声を上げ思わず驚いた。
何事かと思えば「こういうときは【アイツ】を呼べば済む話だったわ」など訳の分からないことを言い出すと、アイリスは指をパチンと鳴らす。すると、いつの間にかアイリスの手元にはほら貝が握られており、アイリスは息を吸い込むとほら貝の先に口をつけ思いっきり吹き込んだ。
ブオオオオオオオ!!!と低くよく響く音色がこの町の中を埋め尽くす。辺りはすっかり暗くなっていたこともあってか、ほら貝の音色は静寂の闇の中によく響いていた。ほら貝の音色に思わず耳を寄せていると………いつの間にかアイリスの目の前には幻想郷の賢者 八雲紫が頭を下げていた――――
そこからは、まぁ、最初のあの光景になった。
アイリスに深々と頭を下げるあの女性は八雲 紫。今初めてあったのであまり詳しいことは分からないが、幻想郷の賢者と呼ばれ全ての妖怪の頂点に君臨しているとも言われている。幻想郷最強の妖怪。
そう聞いていた彼女なのだが、今の彼女は自分の身長より遥かに小さい少女に頭を下げ続けている。
いや、そもそも、あの八雲 紫が頭を下げるなんて……アイリス、お前マジで何者だよ?
「………ほら。紫。あんたが急に出てきて頭なんか下げてるから皆混乱してるじゃない。」
「はっ!も、申し訳ありません。愛里様!私としたことが、とんだ御無礼を!!」
「………いや、まぁ、うん。別に無礼とかじゃなくて、普通に接してくれればいいんだけど……」
「………そ、そんな恐れ多いこと私には………」
「あたしと紫の仲じゃん。というか、そもそもその名前はあくまで昔の名前なんだから今はアイリスって呼んでくれない?」
「ははっ!畏まりました!アイリス【様】!!」
「………様は要らない!でも、まぁ、これもこれで悪くないか。」
「あ、ああ~、ちょっといいか?アイリス?」
アイリスと八雲 紫の会話が一段落ついたと思った所で俺はアイリスに声をかけた。
というか、この二人の会話を横切るのって思ったより緊張する。
そういって話しかけようとしたとき、八雲 紫からとんでもない真実が告げられた―――
というか、ぶっちゃけ耳を疑ったよ。とにかくこの時の発言でコイツを見る目がグルリと変わった―――
「く、口の聞き方に気をつけなさい!!人間!!このお方を誰だと思っているの!?」
「このお方は【早乙女 愛里様】!!かつて、幻想郷にまだ人が全然居なかった頃、百万と居た妖怪をたった一人で叩きのめした最強の人間であり、【全ての博麗の巫女の祖となったお方よ】!!!」
「………………………は?」
…………色々言いたいことはあるが、とりあえず一言。
―――スケールでかすぎじゃね?
どうもリルルです♪
スケール、でかすぎじゃね?(二回目)
ソウジロウと同じ感想になっちまっただ( ̄▽ ̄;)
いや、道理で色々おかしいと思ったんだよなぁ。
さて、次回からは遂に新章へと突入していきます( ´∀`)
そして、新章からいよいよこの話のメインである【仲間集め】が始まっていく訳ですな
それにしたがって、ルーミアの討伐。そして、そこから更にレミリアと立て続けに強敵が待ち構えていますなぁ( ̄▽ ̄;)
果たして、博麗の巫女の御先祖様は果たしてこの修羅場を突破できるのでしょうか?
というわけで簡単に新章についての予告にいってみよう♪
第一章 人斬り林檎と宵闇の姫
次回もお楽しみに~♪
To be continued~♪