それでは本編です。
セントヘレンズ〈
ヴェサリウス〈もちろんだ。
セントヘレンズ〈お前も知ってるだろう⁉︎我々は
ヴェサリウス〈知っているさ、だから撃ち返すのだよ。この世界にはNジャマーもないし、コーディネーターもいないから気にする事もない。それに、これは元々決めていた事だろう?何を今更迷っている。〉
そう言い通信を切られたセントヘレンズはその場に立ち尽くした。
セントヘレンズ(まさか
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鎮守府
援軍要請を受け、準備をしているうちに色々な情報が集まってきた。窮地に陥っているトラック泊地にブルネイ、パラオ、ラバウル、さらには大本営からも援軍のモビルスーツや艦娘が集まってきているとの事である。艦娘に関してはイズモ達がが作り上げた新しい装備を装備しているらしい。
イズモ達が作り上げたものは、艦娘がビーム兵器を使えるようにする為の肩くらいまである長手袋型のアタッチメントであった。二の腕部分に装着されたパワーエクステンダーから手のひら全体にあるコネクターを介してビーム兵器にエネルギーを供給、使用する仕組みになっており、最大の利点は艦娘は電力で動かないので片腕でモビルスーツ一機分、計二機分のエネルギーをすべてビーム兵器に使用できる為、使用時間が多い事である。また、空母にメビウスやスカイグラスパーを載せる案もあったが、矢や札にする事が出来なかった為、他の艦娘と同じく対モビルスーツ装備をする事になり、潜水艦にはフォノンメーザー砲を装備させる事により水中での装備を確立させた。
ふとアークエンジェルはある疑問を抱き野井に質問した。
AA「そう言えば、大本営の守りはどうなっているのですか?」
野井「半分程の戦力はトラックに向かったらしい。残りは待機しているそうだ。」
AA「半分も?……‼︎提督さん、これもしかしたら、罠かもしれません。」
野井「罠だって⁉︎どういう事だい?」
AA「私のいた世界で似たような作戦がありました。本部の戦力を移動させて、急遽目標を変えて手薄になった本部を叩いた作戦が。おそらく、ザフトの狙いは大本営です。」
野井「そんな…‼︎すぐに大本営に連絡を取ってしなくては!」
慌てて行こうとする野井をメネラオスが呼び止めた。
メネラオス「待て、大本営の戦力の半分となるとかなりの数だろう?それが大本営に戻ったら、トラックの守りは薄くなる。そしたら奴らはトラックの方を攻撃するに違いない。むしろそれが狙いなのではないか?」
ドミニオン「つまり、大本営が自分の援軍を戻せばトラックを、トラックに残せば大本営を狙うって事?」
メネラオス「そうだろうな。そしてこの事を大本営に伝えたら間違いなく戻す。私が大本営の立場でもそうする。」
大本営が陥されるより、泊地一つを全て占領される方が軍としてはいいだろう。実際トラックは事実上壊滅しているのだから。だが、そこにいる人間や艦娘を切り捨てるのは人としては間違っている。かといってこの事実を伝えなかったら大本営は陥されるだろう。なら、やるべき事は一つである。
野井「…メネラオス、大本営にこの事を伝えて、全ての援軍を戻すよう言ってくれ。」
メネラオス「え?」
AA「提督さん⁉︎」
野井「その後、トラック総司令部にも伝えてくれ。データと資材を全て破棄した後、鎮守府を放棄して、避難してくれと。これ以上、犠牲を出すわけにはいかない。」
メネラオス「だが、そんな事を言ったら提督は…!」
野井「責任は全て僕が持つ。早く伝えてくれ!」
メネラオス「…わかった。避難先はどう言えばいい?」
野井「ラバウル泊地に避難するよう言っておいてくれ。春馬准将とラバウルの総司令官は古い付き合いだから問題無いはずだ。」
メネラオス「了解!」
野井「連絡した後、アークエンジェル達には避難の護衛をしてもらいたい。頼むよ。」
AA達「了解!」
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連絡はすぐに行き届き、トラック鎮守府はすぐに避難を開始した。援軍も、大本営以外の援軍のうちブルネイ、パラオの者は距離の関係上引き返し、ラバウルの者は避難の護衛をする事になった。
大和達大本営からの援軍部隊は急いでいた。幸い燃料は足りるが、いつ攻撃されるかわからない為焦りを見せていた。
すると、後方から大和達に向かってグゥルが飛来して来た。よく見ると上に卵のような形したものが取り付けてあった。それに取り付けられていたタイマーがカウントダウンを始め、援軍部隊のほぼ中央に差し掛かった時ゼロを刻み、それは発動した。
その物体を中心に電磁波が広がり、援軍部隊をすっぽりと覆った。その影響はすぐに起こった。モビルスーツ部隊が突然動かなくなり、海に沈んでいった。また、大和達の電探や一部の電子機器がショートを起こし、爆発した。
大和「きゃああっ⁉︎」
武蔵「一体何が…⁉︎」
パニックになる彼女達にビームやミサイルが襲いかかった。それをしたのはヴェサリウス率いるザフト軍であった。
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一時間前
ボズゴロフ〈援軍を狙う?どういう事だ?〉
ヴェサリウス〈おそらくアークエンジェルはこの状況を見て我々がオペレーション・スピリットブレイクと同じ事を考えてると思うはずだ。そして大本営に援軍を戻すよう伝え、トラックの連中は距離からしてブルネイあたりに避難させるだろう。だから、トラックの占領は半分程の数の同胞と深海棲艦に任せ、我々は援軍の背を撃つ。〉
ボズゴロフ〈大本営の戦力を削ぐ訳か。だがもしそうでなければ占領は失敗するぞ?〉
ヴェサリウス〈もしトラックに戦力があればグングニールを使ってモビルスーツを無力化させる。建造施設が使えなくなるのは手痛いが仕方がない。それに、艦娘だけなら問題ないからな。それとボズゴロフ。君に頼みたい事がある。〉
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現在
グングニール、かつてパナマ攻略戦にてザフトが使用した強力な
武蔵「くっ!初めからこちらが狙いだったか!」
そう叫び武蔵はジンを三機ほど撃破するが次の瞬間、ゾノに足首を掴まれ、水中深くに引きずり込まれ、二度と浮かんでこなかった。
大和「武蔵⁉︎」
気を取られた大和に向けてゲイツが銃口を向ける。だがそれからビームが発する前にゲイツは突如四散した。何事かと大和は振り返ると、そこには九人の艦娘がいた。
AA「やられた…!まさか援軍の方を狙ってくるなんて…!」
イズモ「我々がこう来る事を見越しての作戦か。ひとつ間違えれば損害が出るというのに大した奴だ。」
クサナギ「とにかく、ここを何とかしましょう。」
全員「モビルスーツ(メビウス)隊、発艦‼︎」
信号弾を出し、撤退を促すとアークエンジェル達は各艦載機を発艦させて敵部隊に向かっていった。モビルスーツ隊は発艦されると同時に散開して攻撃を始めた。
アークエンジェルから発艦したストライクは今回マルチプルアサルトストライカーを装備していた。かつて搭乗者から使い勝手が悪いと言われていたが、ガーディ・ルー姉妹に出会った事でそれは解決された。エールストライカー部分をスローターダガーが使っている改良型を使い機動性を上げ、またバッテリーもパワーエクステンダーを使い稼動時間が向上、当時の問題点をほぼ解決し本当の意味でパーフェクトストライクとなった。
ストライクは左手にアグニを構え、敵部隊に向けて発射する。コロニーの壁を易々と貫く威力を持つそれは多数のモビルスーツ及び艦を撃ち抜き、爆炎の花を咲かせていた。隙を突こうとしたザクがストライクに接近するが、すぐさま右手のシュべルトゲベールを振るい、胴薙ぎにした。
クサナギから発艦したストライクルージュ(以後ルージュ)はオオトリストライカーを装備し、ナナバルクから発艦したストライクノワール(以後ノワール)と共に行動していた。ルージュが放ったビームランチャーを避けた敵機をノワールが狙い撃ちにしたあと、ノワールは接近し両腕のアンカーランチャーを放ちバビ二機を捕らえ、アメリカンクラッカーよろしく側にいたボズゴロフ級にぶつけた。
母艦がやられた途端モビルスーツが動かなくなったのを見てイズモはほくそ笑んだ。
イズモ「なるほど…。母艦を倒せばいいのか。ツクヨミ、スサノオ‼︎援軍部隊の退避はどうなってる‼︎」
ツクヨミ「ほぼ全員退避しているので誤射する危険性はないかと思います!」
スサノオ「どうやら僕達が来た時はまだ戦闘が始まったばかりだったみたいです。」
イズモ「わかった!お前達、一気に敵を蹴散らす!ローエングリンの発射準備に入れ!アークエンジェルとドミニオンも頼む。他はゴッドフリートの準備だ!」
指示を飛ばすイズモの背後からアッシュが浮上し、攻撃しようとしたが、次の瞬間にはミラージュコロイドを展開して接近していた天ミナによって切り刻まれていた。天ミナは再び姿を消し、次なる獲物を探し始めた。
水中ではアビスとフォビドゥンヴォーテクスが、上空ではカオスとムラサメ部隊がそれぞれ奮闘していた。メネラオスも自身の砲撃でメビウス隊をカバーし、敵を少しずつ減らしていた。
やがてローエングリンのチャージが完了すると、射線上に味方モビルスーツを退避させた。ガーディ・ルー姉妹やメネラオスをゴッドフリートを構え始めた。
全員「ローエングリン(ゴッドフリート)、照準……。撃てぇぇーー‼︎」
掛け声と同時にアークエンジェル姉妹の二門×二人、イズモ姉妹の四門×四人の計二十門のローエングリンと、メネラオスの二基四門、ガーディ・ルー姉妹の六基十二門×二人の計二十八門のゴッドフリートが一斉に火を吹いた。また、ランチャー装備のスローターダガーやストライクのアグニ、アビスやカオスのカリドゥスも攻撃し、辺りは光と爆炎に包まれていった。やがて砲撃が過ぎ去った後はある一部隊を除いて全滅していた。その部隊はそれぞれ春雨と神通をベースにした改造ゲルズゲー、もといキマイラの陽電子リフレクターによって守られていた。
アークエンジェル達はキマイラの姿にも驚いていたが、それ以上にその部隊に目を向けていた。
AA「ヴェサリウス…!」
ヴェサリウス「久しぶりだな、アークエンジェル。」
その部隊とは、ヴェサリウス、ガモフ、ヘルダーリン、ホイジンガーの四人と数人のボズゴロフ級であった。
ヘルダーリン「ようやく会えて嬉しいよ、クサナギ。」
ホイジンガー「エターナルはもう沈めたからお前を沈めて初めて復讐が終わるよ。」
クサナギ「エターナルだと⁉︎」
AA「音沙汰がないと思ったら、あなた達が沈めたのね…!」
ガモフ「そういう事だ。それとメネラオス、まさかこんな形で再会できるとはね。」
メネラオス「出来れば二度と会いたくなかったがな…!」
睨み合いが続く中、ヴェサリウスは飄々とした態度で話を始めた。
ヴェサリウス「流石は不沈艦アークエンジェル。我々の部隊が壊滅してしまったよ。ま、ここでやられるような君達ではない事は私達が身を持って知っているがね。」
AA「あなたの目的は何なの⁉︎沢山の人間や艦娘達を殺して、何をしようっていうの⁉︎」
アークエンジェルの質問にヴェサリウスはしばらく黙った後、答えた。
ヴェサリウス「いいだろう、教えてやろう。私の目的はクルーゼの夢を叶える事。すなわち、
全人類の抹殺さ。」
そう話すヴェサリウスにアークエンジェル達は驚愕していたが、イズモだけはそれを鼻で笑ってあしらった。
イズモ「全人類の抹殺だと?大それた事を言うものだな。確かにお前達はこの世界にとっては脅威的な力だが、数の上ではまだ艦娘達の方が多い。それに、我々もモビルスーツを量産し、艦娘も対モビルスーツ装備を揃え始めている。泊地一つを陥したくらいで調子に乗るのも大概にしておけ。そんな事、出来る筈がない。」
イズモの言う事はもっともである。現に先の攻撃でザフトは戦力の半分近くを失ってしまった。また、全ての鎮守府にいる艦娘が対モビルスーツ装備をし、トラックに集結したらいかに性能差があってもひとたまりもない。だが、ヴェサリウスはそれを聞いて逆に笑みを浮かべた。
ヴェサリウス「出来る、と言ったら?」
イズモ「何?」
ヴェサリウス「我々はこの世界に来てからは
メネラオス「何を、言っている…?」
ヴェサリウス「我々が探し、そして見つけた者、それはーー
ピースメーカー隊。メネラオス、君の妹達だ。」
それを聞きアークエンジェル達は凍りついた。ピースメーカー隊、それはドゥーリットルを含むアガメムノン級四隻で構成されたメビウスによる核攻撃部隊。
かつての世界で悪夢を生み出した兵器が、この世界で目覚めようとしていた。
かなり前から感想の中にピースメーカー隊の事を勘付いている人もいましたがようやく出せました。
さて、ザフト内部でも葛藤する者も現れ始めました。
彼女達は今後どう影響するのか?そしてアークエンジェル達はヴェサリウスの野望を止められるのか?
それでは次回をお楽しみに。