なるべく間を開けないよう心掛けます!
本部へと帰還したヴェサリウス達がまず見たのは、燃え盛る工廠と通信室、そして港であった。
ボズゴロフ「なっ⁉︎これは…⁉︎」
ヴェサリウス「ほぅ…。」
そこへ、生き残ったピートリー級らが駆け付け、状況を説明した。
ピートリー級「た、隊長‼︎ミネルバが、ミネルバが脱走しました‼︎」
ヴェサリウス「ふむ、それで?」
ピートリー級「さらに、共に脱走に協力した者はセントヘレンズ、ニーゴランゴ、デズモンド、バクリィー、さらにはピートリーとヘンリー・カーターも裏切りました‼︎」
ボズゴロフ「ピートリーとヘンリー・カーターまでもだと⁉︎被害状況は⁉︎」
ピートリー級「はい、ご覧の通り工廠と通信室、港が破壊され、さらにデータの破壊とロックをされ、モビルスーツと同志、そして核の増産が不可能になりました‼︎」
ヴェサリウス「ほぅ、核もか。それは予想外だった。追撃はしているのか?」
ピートリー級「それが、事前にバクリィーが偽りの逃走経路を教えた所為で居場所が特定不明に…。」
それを聞きヴェサリウスはため息をつくと、通信機を取り出した。
ボズゴロフ「何をしているヴェサリウス?」
ヴェサリウス「ボズゴロフ、何故私がここまでの被害が出ても平然としていられるかわかるか?答えは簡単だ。私はミネルバ達の裏切りを予想していたからだ。ゆえに、対策を練り、それを実行するつもりだ。」
そう言いヴェサリウスは通信機のスイッチを入れた。
ヴェサリウス「聞こえているかーーー
ピートリー。」
ピートリー〈…ええ、聞こえているわ。〉
ヴェサリウス「今ミネルバ達と一緒にいるのだろう?今何処にいるか教えてくれ。」
ピートリー〈あなたのいる本部から南西に…正確な距離は測ってないけど、だいたい35kmくらいにある孤島にいるわ。飛ばせばボズゴロフ級でも間に合うってところね。〉
ヴェサリウス「わかった。今から追撃させる。」
通信を切ったヴェサリウスはニヤリと笑みを浮かべた。
ボズゴロフ「なるほど、ピートリーにスパイ役をやらせたわけか。ヘンリー・カーターはその事は知っているのか?」
ヴェサリウス「いや、知らないはずだ。と言うわけでボズゴロフ。今すぐ行ってピートリーとヘンリー・カーター以外の奴を始末して来い。」
ボズゴロフ「はっ‼︎」
ヴェサリウス(まさかバクリィーも、実の姉に裏切られるとは思わないだろう…!)
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通信を終えたピートリーは
ミネルバ「…うまくいった?」
ピートリー「ええ、ヴェサリウスは私の嘘にまんまと騙されて反対方向に追撃隊を送ったと思うわ。」
そう、ピートリーはバクリィー達を裏切ってなどはいなかったのだ。スパイ役を引き受けたのは、ヴェサリウスを逆に騙すためであった。ヴェサリウスがこちらを信用していない可能性があるが、信用していなければスパイ役など頼まないだろうとの結論が出ていた。
セントヘレンズ「では、あと一時間したらここを出て一気にアークエンジェルのところへ向かうぞ。」
彼女達は出発の準備を整え始める。
だが、もし彼女達が出発するのがもう少し早かったら、その後の運命は変わっていただろう。しかし、この時点で運命は決まってしまった。
彼女達のいる孤島を、ガモフの部隊が通り過ぎて行ったのであった。ーーアークエンジェルらを倒す為に。
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鎮守府
明石と夕張の報告により敵部隊が来ることを知ったアークエンジェル達はすぐさま迎撃隊を編成し始めていた。
その中でメネラオスは率先して迎撃隊に参加した。
AA「なら、私も行きます!」
メネラオス「いや、アークエンジェル。万が一のためにお前はここに残ってくれ。迎撃隊には私とイズモ達の五人が出る。」
AA「でも、メネラオスさん…!」
メネラオス「大丈夫だ。モビルスーツが無くとも私は戦えるさ。」
AA「…わかりました。…必ず、生きて帰ってきてください。」
最終的な迎撃隊の編成はメネラオス達五人の他に、長門を旗艦に数十名の艦娘、そしてそれと同等の数のモビルスーツ隊に決まった。
野井「トラック総司令部から出たとなると、このルートから攻めて来る可能性がある。気をつけてくれ。」
長門「了解した。…連合艦隊、出撃するぞ‼︎」
その声を合図に彼女達は出撃する。守るべきものの為に。
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ローラシア級「ガモフ様、何故グングニールや核を持ち込まなかったのですか?あれがあればアークエンジェルらを楽に始末できるはずでしょう?」
一人のローラシア級が尋ねた通り、ガモフ達攻撃隊はグングニールや核といった戦略兵器を導入していなかった。それに対し、ガモフは答えた。
ガモフ「確かにそうだ。だが、この世界で生まれたお前にはわからないさ。私や隊長はあいつらに深い因縁がある。だから、自分の手で葬りさりたいのだよ。それに、奴らの首を持って来いとの命令もあったからな。」
ボズゴロフ級「ガモフ様‼︎偵察用ジンの報告により敵部隊が確認されました‼︎おそらく、会敵まで十分程かと思われます‼︎その中に、メネラオスやイズモ級の姿が見えます‼︎」
ガモフ「メネラオス…!わかった。総員戦闘用意‼︎敵部隊を撃滅させるぞ!」
ガモフ(隊長…このガモフ、必ずやアークエンジェル達の首をお持ち致します…!)
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ガモフ達がメネラオス達を確認できたという事は、逆にメネラオス達もガモフ達を確認できていた。
メネラオス「戦力ではあちらの方が正直有利だ。ゆえに会敵と同時に一斉射撃を加える!」
長門「だがメネラオス、報告にあったキマイラとかいうのがいた場合どうする?」
メネラオス「ガーディ・ルーの話だと、あれは全部隊を防御できるものじゃない。多少なりとも減らせるはずだ!」
やがてメネラオス達は射程圏内に近づきつつあった。メネラオス達はそれぞれ武装を構え、狙いを定めた。
メネラオス「一斉射撃、用意‼︎発射と同時に回避運動を取るのを忘れるな‼︎目標、敵部隊‼︎ーーー撃てぇぇ‼︎」
合図と共に、幾多もの光条が、ミサイルが、砲弾が、海上を駆けていった。これが、人類、いや、この世界の存亡を賭けた戦いの始まりであった。
綻び始めたヴェサリウスの策略。
お互い譲れないものの為に戦う両者。
勝利を収めるのは果たしてどちらか?そしてその行く末はーー
それでは次回をお楽しみに。