これからもこの作品をよろしくお願いします!
余談ですが、初めて朝風を見た時に服装と服の色合いがクサナギ達の服装のイメージともう少し白が強ければピッタリで軽く驚きました。
それと、あとがきにてちょっとしたお知らせがあります。
では、本編をどうぞ。
ザフト本拠地
ヴェサリウス(おかしい…ガモフはともかく、ボズゴロフからも何の連絡も来ないとは…いくらミネルバが最新鋭の艦とはいえ、ピートリーの裏切りがあれば倒せるはず…。)
連絡がない事を不審がるヴェサリウスのもとにヘルダーリンが駆けつけた。
ヘルダーリン「お姉様、攻撃隊が帰還しました!」
ヴェサリウス「ほぅ。それで、戦果は?アークエンジェル達は始末できたのか?」
ヘルダーリン「そ、それが…艦娘達の反抗で攻撃隊は壊滅、ガモフは戦死したそうです…。」
ヴェサリウス「な、何っ⁉︎ガモフが…死んだだと…⁉︎」
予想もしなかった出来事にヴェサリウスは、この世界に来て初めて狼狽えた。初め彼女は脅威なのはアークエンジェル達だけであり、急ごしらえの装備をした艦娘達など取るに足らないと思っていたのだが、この出来事になるとは考えてもいなかったのだ。
さらに追い討ちをかけるように、ボズゴロフから連絡が入った。
ボズゴロフ〈ヴェサリウス、どういう事だ⁉︎ピートリーの言った場所に行ってみたが、島どころか、岩陰ひとつないぞ‼︎〉
ヴェサリウス「バカなっ⁉︎おいピートリー‼︎どうなっている⁉︎」
ピートリーに連絡するも、聞こえてくるのはノイズ音のみであった。そこで、ヴェサリウスは気づいた。
ヴェサリウス(まさか…ピートリーもミネルバと同じ考えを…⁉︎だとすれば、スパイ役を買って出たのは我々を騙すため…⁉︎)
そこまで考えるとヴェサリウスは屈辱と怒りで身をわなわなと震わせた。おそらく、いや、間違いなくミネルバ達はアークエンジェル達と合流しているだろう。そしてセントヘレンズらからこちらの内情を把握され、戦力が増えない事を知られれば全力でこちらを倒しにくるはずだ。そうなれば彼女の、いやクルーゼの望みを叶えられなくなる。そうなる事は彼女には耐えられない屈辱であった。
ヴェサリウス(どうする…?アークエンジェル達をガモフが葬って向こうの士気を下げるつもりだったが、これでは洗脳させたピースメーカー隊を導入しても…ん?)
ヴェサリウスの脳内にある考えが浮かんだ。そして彼女はヘルダーリンに話しかけた。
ヴェサリウス「ヘルダーリン、確かここには小規模だが予備の工廠があったな?そこは無事か?」
ヘルダーリン「え?ええ、無事ですが同志の量産にはロックが掛けられて建造は…。」
ヴェサリウス「
不気味な笑みを浮かべヴェサリウスはそう言った。モビルスーツを倒すには対モビルスーツ用の装備が必要だが、
ヴェサリウス(そうだ、
ヴェサリウス「ボズゴロフ、今すぐこちらに戻れ。そして、全占領地に伝えてくれ。」
その内容を聞き、ボズゴロフは息を呑んだが、すぐに了承した。
ヴェサリウス(おそらく人間達は明日あたりにこちらに攻め込むだろう。幸い、バーナーとやらは残してあるが、どれくらい時間があるか…だが、用意できればこちらに勝機は見える…!クルーゼ…あなたの夢は必ず叶えます…!)
----------------
鎮守府
メネラオスを失った悲しみにくれる間も無く、警報があたりに鳴り響いた。
野井「っ⁉︎敵の追撃か⁉︎」
ガーディ・ルー「はい‼︎数は七!真っ直ぐこちらに向かって来てます、艦種は…え?」
何かに気づくガーディ・ルーだが、アークエンジェルはすぐに迎撃しようと向かい始めていた。言うまでもなく、メネラオスの仇を討つ為であった。
AA「これ以上、みんなをやらせはしない…!」
ガーディ・ルー「待ってくださいアークエンジェルさん!こちらに向かっている相手の一人はミネルバです!」
その言葉にアークエンジェルは驚愕した。
AA「ミネルバ…ですって⁉︎」
ガーディ・ルー「それと、向こうから『我交戦ノ意志ナシ』との入電もあります。それに海を見てください。降伏信号が出てます。」
確かに、降伏信号は見えている。だが、ミネルバの事情を知らない艦娘達には何がどうなっているのかわからなかった。
摩耶「なぁ、ミネルバって誰なんだ?」
AA「ミネルバは、ユニウス戦役の時に私の設計をもとに造られたザフトの艦です…。」
霧島「ザフト?なら、罠の可能性がありますが?」
AA「いえ…そうとも言えません。私の艦長とミネルバの艦長は一度知り合っていて、似た考えを持っていました。」
クサナギ「ですが、あなたはユニウス戦役でミネルバに…。」
AA「ええ、わかっているわ。でも、だからこそ向き合わなくてはいけないの。」
かつてアークエンジェルはユニウス戦役で戦闘地域に赴いては事実上の無差別攻撃を行なっていた。そして幾度となくミネルバに被害をもたらしていた。死者を出す戦争を止める為に発射直前のタンホイザーにフリーダムで攻撃し、その結果タンホイザーが暴発しミネルバのクルーに死者を出す、武装解除させたモビルスーツを狙われる危険もあるにも関わらず戦場に放置するなどの矛盾行為を行なってきた。そんなことをしてきたアークエンジェルをミネルバは許さない可能性はなくはない。
だが、だからと言って問答無用でミネルバを攻撃する選択肢はアークエンジェルにはなかった。ドミニオンの時のように自分の罪と向き合う事が彼女の償いであった。
AA「私が彼女達を出迎えます。ドミニオンは万が一罠だった時の為に後ろにいて。」
ドミニオン「わかったわ。」
野井「気をつけてくれ、アークエンジェル。」
アークエンジェルとドミニオンはミネルバ達の元に向かっていく。やがてその姿が見える位置まで着くと、ミネルバの方から話しかけてきた。
ミネルバ「…まさか本当に来るなんてね。正直攻撃されるかと思っていたわ。まぁいいわ。久しぶりね、アークエンジェル。」
AA「ええ、まぁ…。そこにいるのはあなたの仲間でいいのね?」
ミネルバ「そう。向こうじゃ異端者とか言われて牢屋に入れられててね、ひとりで脱走するとこに彼女達に誘われたの。」
AA「異端者?て事はあなたはこの戦いには関わっていないの?」
ミネルバ「私はね。でも他のみんなは関わってたけど、それが間違いって気づいて裏切ったみたい。」
ピートリー「私達の事覚えてる?」
ヘンリー・カーター「隊長に習ってアタシらも裏切ったんだけど。」
AA「隊長…?もしかして、あなた達はバルトフェルド隊の?」
ピートリー「正解。それと、そろそろそちらの提督と話をしたいんだけど、上陸してもいいかしら?」
AA「ちょっと待っててください…提督さん、やはり敵意はないようです、上陸を求めてますが…はい、はい…わかっています。」
ミネルバ「どうだって?」
AA「あなた達の上陸を許可します。ですが、あまり刺激しないでください、先ほど戦闘があって…その…」
セントヘレンズ「…誰か戦死したのか?」
AA「ええ…メネラオスさんが…。」
セントヘレンズ「…‼︎…わかった。」
何をわかったのかはアークエンジェルにはわからなかったが、彼女達を上陸させることにした。
----------------
上陸したミネルバ達に向けられた視線は、決して友好的なものではなかった。敵意や猜疑心、場合によっては殺意を孕んだ冷たい視線が彼女達を刺していた。
メネラオスの遺体がすでに移動させられていたのは幸いだった。今メネラオスの遺体とミネルバ達を同じ場所に居させたら彼女達を攻撃する者もいたかもしれないからだ。ーー最も、居てもいなくても攻撃する可能性もあるが。
やがて野井の前に彼女達は立ち止まった。
そこで各々が自己紹介をした後、本題に入る。
野井「それで、何のために君達はここに?」
ミネルバ「あなた達との協力、ザフトの内部情報の提供の為です。」
野井「ふむ…だが君達がザフトのスパイである可能性もあるが、そのところはどう説明するつもりだい?」
ミネルバ「それでしたら簡単です。少しでも我々に疑いをもつのでしたら、今すぐにでも我々を殺せばいい話です。元よりそのつもりでここに来ました。」
野井「なっ⁉︎」
その言葉に彼だけでなく、その場にいる全員が驚いた。わざわざここまでやって来て、殺してくれてもいいという者が他にいるのだろうか?演技にしては言葉に力を込めていたことを感じた野井はどうすればいいか迷っていた。
その時であった。長門が突如ビームライフルをミネルバに向けたのであった。
長門「…なら、今撃っても構わないんだな?」
野井「長門、何をっ⁉︎」
ミネルバ「止めないでください。長門と言いましたね、その通りです。撃っても構いません。」
長門「……。」
銃口を一向に逸らさない長門とそれを見据えるミネルバ。緊迫した状況が続くなか、セントヘレンズがその間に割って入って来た。
セントヘレンズ「待て、長門とやら。撃つのであればミネルバではなく、私にしてくれ。」
ミネルバ「セントヘレンズッ⁉︎」
長門「…理由を聞かせてもらおうか。」
セントヘレンズ「ミネルバはこの世界に来てから、ヴェサリウスに対し反対意見を出した結果、異端者として私達が救出するまで牢に捕らえられていた。つまりこの世界の者は誰も殺してはいない。ゆえに、ミネルバは殺さないでくれ。」
長門「なら、お前達は殺したということか?」
長門の鋭い質問にセントヘレンズは臆することもなくそうだ、と答えた。
セントヘレンズ「私だけでなく、ここにいるミネルバ以外は皆ヴェサリウスの言うがままに数えきれないくらいの艦娘や人間を殺してきた。だが、そうしているうちに私は何の為に戦うのかわからなくなってきた事があった。故国もないのに何故戦うのかと。そう考えていた時にあいつはピースメーカー隊を鹵獲し、そして…核を撃った…!」
ギリ、と歯噛みしセントヘレンズは悔しげな顔をした。
セントヘレンズ「もしあの時私があいつを殺しておけば、核は使われなかったはずなのに、私は使うはずがないだろうと半ば信じていて止める事が出来なかった。私達はあいつらを裏切る事にした。もし途中であいつらに殺されても、奴らから抜けられればそれで十分だった。ここに着いた時点で私達の目的は達成した。だからここで断罪されても構わない。だが、ミネルバだけは許して欲しい。この通りだ。」
ミネルバ「セントヘレンズ、私は…!」
セントヘレンズ「いいんだ…もう皆と話し合って決めていた事だ。」
そしてセントヘレンズは長門に顔を向けた。そして覚悟を決めた目で長門を見つめていた。
長門「…」
当の本人である長門は少し前までは撃とうと考えていた。現に今もなおトリガーに指をかけており、ほんの少し指を動かせばセントヘレンズを撃ち殺せる状態にある。
だが、そうしないのには大きな理由があった。
それは、セントヘレンズやミネルバ達の目がーー自分を見つめるその眼差しがーー先ほど戦っていたザフト艦のような殺意や狂気の宿ったそれではなく、アークエンジェルやメネラオスのそれと、全く同じだったからであった。
長門だけではない、他の艦娘達もそれに気づいていた。そして長門はビームライフルを下ろした。
長門「…わかった。お前達を…信じよう。」
セントヘレンズ「……感謝する。」
こうして、この諍いは収まったのであった。
----------------
ミネルバ達のもたらした情報はかなり有力なものであった。モビルスーツやザフト艦、特に核が増産できなくなったのが大きかった。これで残りの核のみが脅威であったが、その時、レジェンドとディスティニーのデータを見ていたイズモが妙案を思いついた。
イズモ「ミネルバ、そういえばお前達ザフト艦には通信妨害の目的でNジャマーが搭載されているらしいな。」
ミネルバ「ええ、そうよ。」
イズモ「なら、そのNジャマーを分析して、量産すれば奴らの核を封じられるかもしれない。」
これを聞きアークエンジェル達は希望が見えた気がした。Nジャマーがあれば、核の脅威が無くなりヴェサリウス達を打ち倒せる可能性がぐっと上がると。だがドミニオンには一つ不安があった。
ドミニオン「でも、ピースメーカー隊の核を量産したのなら、NJCがあるんじゃ…。」
ピートリー「それなら心配ないわ。核を使う少し前にフーリエ達がヴェサリウスに言ってたの。核を使うのはいいがナチュラルどもが造ったNJCは外してくれって。ヴェサリウスも、この世界じゃ自分達の存在はバレているし、自分達のNジャマーは使う必要がないから確かにそうだといって全部外してたのを見たわ。」
イズモ「本当か?実はブラフで、本当は付け直した可能性はないのか?」
ピートリー「ヴェサリウスの性格を考えれば、付け直したなんてことはありえないわね。必要ないものは絶対使わないから。」
イズモ「わかった。ならピートリー、付いてきてくれ。お前のNジャマーを調べて造る。」
ピートリー「了解したわ。」
次々と準備を進めているなか、アークエンジェルはセントヘレンズと一緒にいた。話したい事があったからだ。
アークエンジェルとセントヘレンズは、艦時代に一度オペレーション・フューリーにて戦い、アークエンジェルはその際にセントヘレンズを彼女の随伴艦と共に沈めているのだ。そのことを話したかったのだ。
AA「あの…セントヘレンズ…。その、私は…」
セントヘレンズ「艦時代の事を言ってるのであれば、気にしないでくれ。正規軍ではないお前に倒されたのは正直無念だが、理由はどうあれお前は自分を造った国を護ろうとしたんだ。私も国を護る為に戦ったんだ、だから今は気にしていない。」
その言葉にアークエンジェルは言葉が詰まっていた。あの時代の自分が一番嫌で仕方なかった。だから、あの頃の自分の行いを気にせず赦しているセントヘレンズがありがたかった。
AA「…ありがとう…っ!セントヘレンズ…。」
一方で、ミネルバはガーディ・ルーと向き合っていた。いうまでもなく、この二人には浅はかならぬ因縁があった。
ミネルバ「ボギーワン…。」
当時そう呼んでいた名でミネルバは呼びかけた。
ガーディ・ルー「…私はあなたの事は気にしてないわ。むしろ、あれで良かったのよ…。私の所為で、多くの人が死んでいった…だから、あなたのレジェンドがわたしを撃つとき、やっと罰を受けるときが来たんだって思ったの。もしあのままジブリールを生かしていたら、もっと多くの人が犠牲になっていたわ。」
ミネルバ「……」
ガーディ・ルー「今度は私と一緒に戦いましょう、ミネルバ。」
優しく微笑み、手をさしのばすガーディ・ルーに対しミネルバは少し戸惑ったが、やがてミネルバも微笑み返してその手をとった。
ガーディ・ルー「…ガーディ・ルー。」
ミネルバ「え?」
ガーディ・ルー「それが私の名前。よろしく、ミネルバ。」
ミネルバ「…!…ええ、よろしく、ガーディ・ルー。」
ふたつの因縁が解決し安心したお互いだったが、致命的なミスを彼女達はしていた。
ピートリー達は脱走する時、
そうしなかった為、彼女達はヴェサリウスの狂気と執念を目の当たりにすることになる…。
ミネルバ達を受け入れた鎮守府。そして解けた過去の因縁。そしてヴェサリウスが考えた作戦とは…?
さて、ここでちょっとアンケートをとろうと思います。内容はアカツキのバックパックです。詳しくは活動報告の『アカツキアンケート』にてご覧ください。
※投票はアンケートにてお願いします。感想に書いたものは無効票とさせていただきます。
ではまた次回まで。