大天使、着任す   作:NTK

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今回かなり場面展開があります。ご了承ください。


六章 決戦
二十七話 戦う華 散る華


ミネルバ達がアークエンジェル達と協力するようになった頃、大本営で思いもよらぬ相手から協力の申し出されていた。

深海棲艦である。

彼女達はヴェサリウスらから切り捨てられた者達の生き残りであり、殺された仲間達の復讐の為に利害の一致している大本営と協力するとの事であった。

当初大本営側は半信半疑であったが、深海棲艦側が協力の見返りとして彼女達が現行支配している海域全ての解放、そして二度と人類に危害を加えないという各姫級、鬼級、水鬼級全員の署名が書かれた誓約書を提示したときに事態は一変した。

この誓約書は間違いなく有効であり、それを反故にする事は様々な点からして不可能になる事は間違いなかった。つまり、この協力を得れば強力な援軍が出来るばかりか、ヴェサリウスらを倒した後に深海棲艦と戦う必要がなくなり、人類は海を取り戻せる事になる。

これに対し大本営側は協力を了承、すぐに各鎮守府に伝えられた。ただし、万が一の為に深海棲艦には対モビルスーツ武装は与えなかったが、向こうも納得したようであった。

 

時間は流れ、出撃を命じられた各鎮守府の艦娘達、及びモビルスーツ部隊はザフト本拠地に向けて、出撃を開始したのであった。

同時刻、ザフト本拠地の周辺30km以内の海域にザフト艦やモビルスーツ部隊が展開したのであった。

 

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ザフト本拠地

 

ヴェサリウス「核は使えるものは全て使え!ここを乗り切れば敵の弱体化は必須!そこで近くの泊地を制圧すればまた量産できるからな!」

 

ボズゴロフ「ヴェサリウス、本当に私達がこれを任されていいのか?」

 

そう言うボズゴロフとクストーには、それぞれイージスとブリッツ、デュエルとバスターが割り当てられていた。

 

ヴェサリウス「ああ、私には()()があるからな」

 

自身の格納庫を愛おしそうに撫でながらヴェサリウスはそう答えた。彼女が手にしたものは、凶報続きの彼女にとって唯一の吉報から手に入れたものであった。

 

ヴェサリウス「()()()()もある程度揃った…あとは戦って勝利するのみ…!」

 

ヴェサリウスは背後に控える四人の艦娘に振り返る。

 

ヴェサリウス「お前達も前線に出てもらう。頼んだぞ」

 

四人「御意」

 

彼女達はピースメーカー隊。メネラオスが救おうとした、姉妹達であった。

 

 

 

 

数時間後、両者は合間見え、最後の戦いの火蓋が切られたのであった。

 

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始めに動いたのはザフト軍であった。核を持った部隊が前線に立ち、そして核を放った。

この時、彼女達は心の中で勝利を確信した。この核攻撃で敵部隊は壊滅、僅かに残った者を相手すれば容易い。そう思っていた。

が、そうはいかなかった。先頭に立っていたイズモがこう叫んだのだ。

 

イズモ「Nジャマー、発動ッ‼︎」

 

それを合図にアークエンジェル達C.E.艦娘は内部のNジャマーを発動させる。Nジャマーから発せられた妨害波は範囲を調整されたものの、この海域内をすっぽりと覆い尽くし、範囲内の核分裂を阻害する。無論、同時に起こる電波妨害対策の為に出撃前に各鎮守府に小型のレーザー通信機のデータを送ってある。

そして肝心の核ミサイルだが、モビルスーツ隊が先行し、撃墜させるが、核爆発を起こさずに四散していった。それを見たザフト軍は動揺した。

 

ボズゴロフ「な、何故核爆発が起きない⁉︎」

 

クストー「この反応…まさか奴ら、Nジャマーを⁉︎…くっ!何をしている!早くモビルスーツ隊の装備を換装させろ!後続部隊は前に出てモビルスーツ隊を出せ‼︎」

 

そうしているうちに互いの距離は縮まり、辺りは激戦区となった。

 

核攻撃部隊はもはやただの動く的でしかなく、次々に屠られていく。だが、後続部隊がすぐさま反撃に移る。

ある戦場では一機のスラッシュザクファントムが一人の艦娘を串刺しにするが、次の瞬間には数機のウインダムが逆にその機体を串刺しにし、撃破する。艦娘達も各自連携を取りながらモビルスーツやザフト艦を仕留めていく。

深海棲艦達も対モビルスーツ武装はしていないものの、歴戦の経験から次々に敵を倒していく。そのうち、深海棲艦と艦娘達での連携もちらほらと見え始めていた。

那智の背中を狙おうとしたジンがリ級の砲撃を受けて爆散する。やがて両者は背中合わせになって攻撃に備えていた。

 

那智「…まさか貴様達に背中を預けるとはな」

 

リ級「同感ダナ。コチラハ任セロ」

 

また、逆にディンからのミサイル攻撃を受けそうになったヲ級を秋月達が対空攻撃をし、助けた。

 

秋月「大丈夫ですか⁉︎」

 

照月「対空は私達が引き受けます!あなたは攻撃に集中して大丈夫です!」

 

ヲ級「…ワカッタ」

 

彼女達は初めてとは思えない程の連携を取って、敵部隊を撃破していった。今まで敵同士だったからこそ、互いの長所短所が分かりきっていたのだ。

戦力において劣る深海棲艦がここまで戦えるのは至って簡単な事である。どれだけ強力な装備が開発されても、どれだけ強力な艦娘が現れても、彼女達はそれらを苦にせず、逆に艦娘達に煮え湯を飲ませるような戦いをしてきたのである。モビルスーツ相手に苦戦するような彼女達ではなかった。ましてや、彼女達は仲間を虐殺されてザフトに対して恨みを抱いている。沈んだ艦の恨みから生まれたとされている深海棲艦にとって、これほど力になるものはないだろう。

ヴェサリウス達は、切り捨てる相手を間違えたのであった。

 

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アークエンジェルのいる鎮守府に所属している暁もビームカービンで弾幕を張っていた。その時、近くにいた不知火がゲイツRに狙われているのに気づいた。

 

暁「不知火さん危ないっ!」

 

暁はその身を呈して不知火とゲイツRの間に割り込む。だが、ビームライフルは暁もろとも不知火を撃ち抜くのは暁にはわからなかった。

ゲイツRがビームライフルを放つ。そしてその光条は真っ直ぐ伸びていきーー

 

 

 

 

突然、ビームは消えた。

否、突如現れた光の膜が暁を包み込み、彼女を凶弾から守ったのであった。

暁が視界の右端に何かが映り込んだのでそこに目を向けると、金色の装甲を持ったモビルスーツ、アカツキがシラヌイ装備で佇んでいた。アカツキの誘導機動ビーム砲塔システム(以後ドラグーンとする)が防御フィールドを形成して暁を守ったのであった。

ドラグーンの運用は初めは出来ないかと思われたが、試しに運用したところ、運用ができた為、実用に至ったのであった。

アカツキはドラグーンを一度戻すと、再び射出し敵モビルスーツに攻撃を加える。四方八方から加えられる光条は次々にモビルスーツを火球に変えていく。すると、三機のガナーザクウォーリアーがオルトロスをアカツキに撃ち放つ。三つの光条は巧妙に位置され、避けるのは『不可能』であった。危ない、と暁と不知火が声を上げる。

 

 

 

だが、アカツキはその『不可能』を『可能』にした。

 

オルトロスはアカツキの機体に当たった瞬間、まるで逆再生の映像でも見てるかなように、ビームが引き返し、それぞれのザクに突き刺さり、爆散させた。アカツキに施されたヤタノカガミがビームを跳ね返したのだ。

 

また、別の場所では吹雪が奮戦していた。その吹雪を狙おうと、海面からゾノが飛び出した。

ゾノのクローが吹雪に届く瞬間、横合いから飛んできたビームによって破壊された。

 

吹雪「え…?」

 

吹雪がその方向を見ると、赤い翼を持ったモビルスーツ、デスティニーがいた。さらにその近くには、三機のインパルスがそれぞれフォース、ソード、ブラストシルエットを装備していた。これらのインパルスはコアスプレンダーを量産したことでできたものであった。

 

四機は吹雪に守るように展開し、それぞれの武器で応戦する。フォースインパルスがその機動力で敵を翻弄し、ソードインパルスは両手に持ったエクスカリバーにてザフト艦を切り裂き、ブラストインパルスはケルベロスで多くの敵を撃ち抜く。

そしてデスティニーは光の翼で相手を惑わせ、パルマフィオキーナで相手を破壊していった。

過去の『運命』を変えるべく、彼らは戦っているのであった。

 

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戦況が不利になっている事を知り、ヴェサリウスは歯噛みした。

 

ヴェサリウス「…そろそろか。”ユダ部隊”を出させろ!」

 

ユダーーかつてキリストを裏切った人物の名を持つその部隊は、その名前に負けぬ活躍をするとヴェサリウスは確信していた。

 

ヴェサリウス「あなたも、戦ってらっしゃい…!」

 

ヴェサリウスは自身の格納庫からあるモビルスーツを発進させた。それは、彼女の愛する人が最期に乗ったモビルスーツであった。

 

 

妙高「え?何…あれ…?」

 

妙高が見たのは、突然下がった敵部隊に変わって現れたーー

 

 

 

艦娘達であった。だが、その目はどれも虚ろであり、光がなかった。そして、その艦娘達は砲塔と手にしていたジンのマシンガンやバズーカを、こちらに向けた。

 

伊勢(ユダ)「…ザフトの為に‼︎」

 

艦娘達(ユダ)「ザフトの為に‼︎」

 

その言葉を叫び、彼女達は攻撃を始めた。

ユダ部隊、それはーー

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

練度こそ低いものの、こちら側の艦娘達に精神的ショックを与えるには、充分であった。

 

艦娘「きゃあああっ⁉︎」

 

艦娘「やめて姉さん‼︎」

 

その言葉に耳を傾けず、ユダ部隊は機械のように艦娘達を撃ち殺していった。

それにいち早く気づいたアークエンジェル達は、自身のモビルスーツ隊に指示し、ユダ部隊の武装のみを破壊させる。

だが、武装のみを破壊するのはかなり困難であり、そうしてる間にも次々とユダ部隊は攻撃を続けていく。アークエンジェルも加勢したかったが、彼女の装備はどれも強力過ぎて武装だけでなく、艦娘ごと破壊しかねかった。

 

ユダ部隊の一人がアークエンジェルの眉間にマシンガンを向ける。

 

AA「しまっ…⁉︎」

 

思わずアークエンジェルは眉間を庇うように両手を交差する。マシンガンが放たれるかと思った時、何かが通り過ぎ、その艦娘のマシンガンと砲塔を切り裂いた。

見ると他の場所でも同様の現象が起きていた。そしてそれを起こしていた二つの機影が止まったとき、アークエンジェルは驚愕した。それは、同じ戦場にいたヘルダーリンも同様であった。

 

ヘルダーリン「馬鹿な⁉︎何故()()がここに…()()は確かに奴とともに沈んだはず…⁉︎」

 

その二つの機体は、

 

 

 

 

主であるエターナルと共に沈んだとされていた、フリーダムとジャスティスであった。

すると、二機は突如光り輝き、光が収まったとき、フリーダムはストライクフリーダム(以後フリーダム)に、ジャスティスはインフィニットジャスティス(以後ジャスティス)に姿を変えていた。

フリーダムはドラグーンを展開し、全ての火器を撃ち放ち、多数のユダ艦娘達の艤装と武装のみを破壊した。ジャスティスも、フリーダムまでとはいかないが、一人一人確実に無力化していった。

その隙を突こうとグフがフリーダムに斬りかかった。その時アークエンジェルは不安に思った。前回同様、グフも武装のみを破壊するのではないかと。

だが、フリーダムは予想に反しビームサーベルに持ち替えてグフを一刀両断し、撃破した。ジャスティスも、ザフト艦を撃ち抜いて撃沈していた。

アークエンジェルはまたも驚愕したが、すぐに理解した。

主であるエターナルがいなくなった事で、彼らは自分の意思で行動できるようになったのである。

よって彼らは倒すべき敵を判断して、戦えるようになったのであった。

何故彼らがここにいるかはわからない。だが、以前は迷惑と感じたこの行為が、今のアークエンジェルには何よりもありがたかった。

本当の『正義』と『自由』のために、彼らは戦う。

 

----------------

 

ブルネイ所属の嵐、萩風、舞風、野分の四人は少し離れた場所で攻撃を行なっていた。

すると、突然野分が何かを受けて沈んでいった。

 

嵐「のわっち⁉︎」

 

それに続くように、萩風、舞風の二人も沈んでいった。嵐は何が起きたかわからずパニックになっていた。

そして彼女はどこからか飛来したビームに体を撃たれていた。

 

嵐(一体…何が…?)

 

薄れていく嵐の視界に映ったのは、後光のようなシルエットをもつ、銀灰色のモビルスーツであった。




正直、フリーダムとジャスティスを再登場させるか迷いましたが、結局出すことにしました。不快に思われたら申し訳ございません。
ちなみにデスティニーと吹雪を絡ませたのは完全に私の悪ふざけですw(主人公()的な意味でw)
さて、次々に切り札を封じられていくヴェサリウス達。彼女達の次なる手は?
さらに、各戦場では因縁の対決が始まっていく。
そして、最後に出た機体はーー?
ではまた次回まで。
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