野井「敵襲だと⁉︎わかった、確か訓練所に長門達がいたはずだから準備させ次第出撃させてくれ!他にもドック付近にいる艦娘にも出撃要請を頼む!他の艦娘は万が一の為近隣住民の避難誘導を指示してくれ!」
大淀『了解‼︎』
通信を切った野井は金剛達に向き直る。
野井「金剛、比叡、榛名、霧島。君達にも出撃を頼みたい。いけるか?夕張は避難誘導の方を頼む。」
金剛「OKデース!私達のtea timeを邪魔した事、後悔させてやるネー!」
夕張「わかりました。では、行ってきます!」
金剛姉妹と夕張はそれぞれの持ち場へと駆けて行った。
AA「あの、私はどうすれば?「君は確か飛行できるって言ったね?」は、はい。」
野井「なら、空から避難を手伝ってくれ。このタブレットと通信機を貸そう。この商店街の住民をここまで誘導させてくれ。僕は執務室でみんなの指揮をとる。何かあったら通信してくれ。」
そう言い残し野井は執務室へと向かい、残ったアークエンジェルはタブレットを確認した後、外へ出て避難エリアまで飛行していった。
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執務室
野井「大淀、状況は?」
大淀「敵はかなりの数ですが、今のところ鬼、姫、水鬼のいずれの反応は見られないのが幸いですね。ですが、戦艦や空母の数が多いです。」
野井「それで、今出撃している艦娘は?」
大淀「訓練所にいた長門、陸奥、赤城、加賀、吹雪、夕立、時雨、神通の八名と、ドック付近にいた天龍、龍田、ビスマルク、プリンツ、飛龍、蒼龍、摩耶の七名、合わせて十五名が出撃しています。おそらく、もう少しで会敵するかと。補給を終えた阿武隈達も向かっていますが、先ほど申したように敵の数が多いです。もっと数が必要です。」
野井「さっき金剛姉妹を向かわせた。それと、鳥海と秋月姉妹にも出撃を要請してくれ。空母が多いなら対空に長けているものが必要なはずだ。避難誘導している艦娘にも持ち場の避難が完了次第出撃させるように言ってくれ。」
大淀「それなら先ほど連絡したので大丈夫です。「そうか、良くやった。」それと提督、あの艦娘は今何を?」
野井「アークエンジェルの事か?彼女なら空から避難誘導を頼んでいる。」
大淀「でしたら、避難誘導の数は間に合っているのでこのまま援護に向かわせた方がよろしいと思います。もちろん、彼女の意思を聞いてからですが。」
野井「なるほど、わかった。彼女には僕の通信機を貸しているからそれに連絡を繋いでくれ。僕から話す。」
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商店街
妙高「みなさん、最小限の荷物を持って落ち着いて避難所まで避難してください!」
那智「戦闘が終われば戻れる!だから戻らずに避難してくれ!」
足柄「避難所はあの艦娘が案内してるわ!」
AA「避難所はあちらです!間違えないよう注意してください!」
アークエンジェルは商店街にて妙高姉妹と共に避難誘導をしていた。彼女達は初めこそ空を飛んできたアークエンジェルに驚いていたが、味方だとわかったため協力して行動していた。アークエンジェルは低空飛行しつつ、住民の注目を集めて避難所へ誘導している。
男の子「おかーさーん!」
羽黒「よしよし、大丈夫だからね。妙高姉さん、この子迷子みたいですが一緒に避難所まで連れてっても平気でしょうか?」
妙高「ええ、頼むわ。ここはもうすぐで避難が終わるから連れてってあげたらすぐに援護に向かって。」
羽黒「わかりました。さ、お姉ちゃんと一緒に行こう。お母さんもそこにきっといるからね。」
那智「アークエンジェルだったか、そちらのおかげでだいぶ避難が速やかにできた。礼を言う。」
AA「そんな、私は私のできることをしたまでです。『アークエンジェル、聞こえているか?』提督さん?はい、聞こえています。」
野井『避難状況はどうなっている?「順調に進んでいます。」わかった。なら、今戦っている艦娘達の援護に向かってくれるか?君の力が必要なんだ。』
野井の指示に少し戸惑ったアークエンジェルだが、敵は多いと聞いているこの状況なら、少しでも援護が増えるなら助けになるはずだ。
AA「…わかりました。アークエンジェル、これより艦隊の援護にまわります。妙高さん、那智さん、足柄さん。あとは頼みます。」
妙高「ええ。私達もこれが終わったら援護に向かうわ。」
妙高達にあとの事を任せ、アークエンジェルは戦闘海域へと飛び立って行った。
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戦闘海域
長門「全砲門斉射、撃てぇ!」
長門の砲撃により一隻のヘ級が轟沈するが、すぐに別のヘ級が長門に砲撃を放つ。
長門「くっ、数が多すぎる!」
会敵してからすでに三十分は経過しており、先ほどの砲撃ですでに六隻も撃沈させている長門であったが、一向に敵の勢いは衰える気配が見えない。金剛姉妹達が到着してからもそれは変わらなかった。
何より厄介なのは敵の軽巡のほとんどがツ級éliteであることである。一、二航戦が艦載機を放っても、そのほとんどがツ級によって撃墜されている。かといってツ級を撃沈させようとすればル級、タ級がその邪魔をし、逆にヲ級やヌ級から艦載機が放たれる。いかに摩耶達対空に長けている者がいても対応には限りがある為、撃墜できず彼女達に襲いかかってくる。また、敵空母が多くその所為で制空権を確保できない為、弾着観測射撃もできない。今のところ中破、大破した者はいないが、このままでは時間の問題であった。
天龍「おい、援軍はまだ来ないのかよ!このままじゃやられちまうぞ!」
長門「さっき避難が終わったと連絡が入った!それまで持ちこたえてくれ!」
天龍「だがよ、俺らは大丈夫でも、駆逐艦の連中がもたないぞ!」
事実、駆逐艦の中で数名ほど小破しているものが出始めていた。装甲が薄い駆逐艦ではこれ以上もつのは難しいだろう。そんな中、吹雪はイ級とロ級を相手にしていた。
吹雪「当たって!」
吹雪の砲撃がイ級の砲口に命中し、ロ級を巻き込みつつイ級は爆沈するが、その爆煙にやって辺りの視界が見えなくなった。
吹雪「しまった!…きゃあぁ!」
敵の砲撃を受け吹雪は中破してしまう。しかも運の悪いことに吹雪のいる位置は味方から孤立した場所にいた。
阿武隈「吹雪ちゃん‼︎くっ!」
夕立「どいて欲しいっぽい!」
阿武隈達が援護に向かおうとするが、それを阻むようにト級、ヘ級が立ち憚かる。そうしているうちにヲ級から艦載機が放たれ、吹雪を沈めんと襲いかかる。吹雪自身もそれに気付き迎撃するが、数機を落とすので精一杯である。やがて艦載機が射程圏内に入り、吹雪に狙いを定める。
吹雪(やられるーー!)
そう思った瞬間、二本の光軸が上空から降り注ぎ艦載機を撃ち落とした。何事かと吹雪は光軸が降り注いだ方向を見上げると、そこには白い服装の女性が宙に浮いていた。
AA「間に合って良かった…。」
吹雪の無事を確認したアークエンジェルは次の攻撃準備を始めた。
AA「ヘルダート、スレッジハマー装填良し…。」
火器管制をチェックしアークエンジェルは吹雪の側へと降り立った。
吹雪「あ、あなたは?」
AA「私はアークエンジェル。味方です。あなたは?「ふ、吹雪です。」吹雪さんですね、私が突破口を開くので、そこから退避してください。」
吹雪「は、はい…。」
吹雪はこの正体不明の女性に戸惑ったが味方とわかった為、彼女の案にのることにした。
AA「ゴッドフリート、撃てぇ‼︎」
アークエンジェルはル級二隻に向かい両腕のゴッドフリートを撃ち放つ。ル級が防御する素振りを見せたがそれは何の意味もなさなかった。先ほどは吹雪を巻き込まない為出力を抑えていたが、通常出力で放たれたそれはル級の胴体を易々と貫き、さらに後方にいた敵艦数隻を巻き込んで爆沈させていった。
吹雪「こ、これは…?「あぁっ‼︎」え?何ですか?」
アークエンジェルは突然大声を上げ、青い顔をして吹雪に向き直る。
AA「あの、吹雪さん?つい状況判断で撃ってしまいましたが、あれ、敵でいいんですよね?」
吹雪「え?あ、はい。敵でいいですけど…。」
AA「あぁ、良かった…。では、このまま突破するので、ついてきてください。」
先ほどとは違い気の緩んだ声をだしたアークエンジェルの様子に吹雪は彼女に対する警戒心を解いた。
先ほど開いた突破口を埋めようと敵艦が寄ってくる。
AA「ヘルダート、スレッジハマー、発射!」
アークエンジェルのうなじに設置されたミサイル発射管、及び艤装艦尾のミサイル発射管から二種のミサイルが放たれる。敵艦隊はミサイルが発射されるとは思っていなかったのだろう、動揺する素振りを見せ少しだけ動きを止めた。それが命取りとなりミサイルの餌食となり撃沈していった。その威力にアークエンジェル自身も驚いていた。
AA(まさかヘルダートでも相手を沈められるなんて…。)
ヘルダートは本来艦対空ミサイルであるが、それはあくまでアークエンジェルのいた世界での艦対空ミサイルであり、この世界では敵艦を沈めるには充分な威力を持っていた。
突破口を抜けた二人は阿武隈らと合流した。
阿武隈「吹雪ちゃん!アークエンジェルさん!」
AA「阿武隈さん、吹雪さんを退避させてください、それと、ここの現場指揮は誰が?」
長門「私だ。「あなたですねお名前は?」長門だ。そちらには聞きたいことが色々あるが状況が状況だ。吹雪を助けてくれたのは礼を言う。」
AA「わかりました。では長門さん、もうすぐで妙高さん達がこちらに向かいますので、彼女達が来たら、敵艦隊を外側から一箇所に囲うように集中させるよう願いますか?」
長門「できなくはないが、何をするつもりだ?」
AA「私が敵を一掃させます。「一掃⁉︎どうやって?」信じられないのは分かりますが、お願いします。」
アークエンジェルは頭を下げてお願いする。長門は先ほどのアークエンジェルの攻撃を見ていた為、彼女の言葉には真実味があることを感じていた。幸い、他のみんなも敵艦隊の外側にいたので囲むのは容易い。それに、援軍が来るとはいえ、このままでは負傷者が増える可能性がある為、彼女の案に賭ける事にした。
長門「了解した。すぐに指示を出す。……頼んだぞ。」
AA「はい。囲み終えたら提督から通信機をお借りしているのでそちらに連絡願います。」
長門は他の艦娘らに指示を出し自らも敵艦隊に向かって行く。程なくして妙高達援軍が到着し、長門の指示を受けて砲撃を開始する。それを見届けたアークエンジェルはある物の準備を始めた。
AA(ローエングリン…。あまり使いたくはないけど、これしか敵を一掃する方法はない…やるしかないわ。)
ローエングリン、アークエンジェルが搭載している装備の中で最強の威力を誇るこの装備は以前は放射線が発生し、地上では論理的制限があったが、オーブ寄航の際に環境の影響が少ない新型に交換し、問題を解決してはいるが、地上での使用はあまりなかった。だが、今回はこの装備が戦闘の切り札となる。覚悟を決めたアークエンジェルはローエングリンへ電力を供給する。発射口からローエングリンがせり上がり、チャージが開始される。
AA(チャージ率、70%、80%、90%、95、96、97…。)
チャージをしていく中、長門から連絡が入る。
長門『こちら長門。敵艦隊の包囲に成功した。今は逃さないよう砲撃を加えている。』
見ると確かに敵艦隊は一箇所に集まっているのが視認できた。それと同時にローエングリンのチャージが完了した。
AA「わかりました。これから敵艦隊に向け攻撃を開始します。長門さん達は巻き込まれないよう出来るだけ遠くに退がってください。」
長門『了解だ。』
アークエンジェルの指示を受け、長門達は敵艦隊から離れていく。恐らく巻き込まれないだろう位置に移動したのを確認するとアークエンジェルはグリップを握り最終確認を始めた。
AA「ローエングリン、照準、正面敵艦隊……撃ちます‼︎」
アークエンジェルが発射を宣言した瞬間、発射口から直径数メートル程の光軸が二本、束となって敵艦隊に向かって発射された。ほとんどの敵艦は光軸に全身を飲み込まれ原型を保てず数秒で爆散、そうでない敵艦も全身の半分以上を飲み込まれ同じ運命を辿った。
ローエングリンが通りすぎた後には敵艦だった残骸がほんの僅かに海面に浮いているだけであった。運良く生き残った敵艦が数隻いたが自分らの不利を悟ったのか撤退を始めたが、誰も追撃する者はいなかった。全員がアークエンジェルの持つ圧倒的な火力に畏怖していたからだ。
敵艦隊を壊滅させたローエングリン、一撃で数隻沈めるゴッドフリート、多数の対艦ミサイル、さらには飛行まで可能とその全てが彼女達の理解を超えていた。
長門(アークエンジェル、彼女は一体…?)
一方、ローエングリンの放つ光は鎮守府からも視認できていた。
野井「今の光は何だ?長門、何があった?」
長門『あ、ああ提督。先ほどアークエンジェルと名乗る艦娘が敵艦隊に向け攻撃を開始。それにより敵艦隊は壊滅し残った数隻は撤退した。これより艦隊を帰還させる。』
野井「今のはアークエンジェルが⁉︎…わかった、すぐに帰還してくれ。彼女については後で詳しく話す。」
通信を終えた野井は椅子に深く座り込んだ。
野井(アークエンジェル…彼女の力を大本営は戦力として受け入れるか脅威として排除するかによって彼女の運命は変わる…。仲間として受け入れて貰えるよう報告せねばな…。)
様々な思惑を生み出したこの戦闘は一応艦娘側の勝利を収めたのであった。
ちょっとやり過ぎた感がありますがその為のタグです。ご了承ください。
では次回をお楽しみに。