大天使、着任す   作:NTK

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四話 大天使の歓迎会(前編)

長門「提督、戦闘に参加した艦娘の補給、及び修復は完了したぞ。」

 

野井「ご苦労、さてーー彼女について詳しく説明しよう。」

 

野井や鎮守府に所属する全艦娘は今、大ホールに集まっていた。彼女達が注目しているのは壇上にいる野井の隣にいるアークエンジェルであった。戦闘に参加した者は猜疑心から、参加していなかった者は好奇心から彼女に注目していた。

 

野井「まず彼女の名だが彼女はアークエンジェル級強襲機動特装艦一番艦、アークエンジェル。彼女は今日の午後、阿武隈達がキス島を哨戒していた時に発見、保護した。」

 

途端に艦娘達の間にざわつきが生じた。その反応は初めに阿武隈達が示したものと同じであった。

 

野井「ざわつく気持ちはわかるが静かにして欲しい。その後彼女は先ほどの戦闘に参加し、敵艦隊の大半を撃沈させた。君達の中にもそれを見た者もいるだろう。」

 

すると、青葉が手を挙げ質問した。

 

青葉「あの、もしかして海上に突然現れた光の束みたいなものと関係は…?」

 

野井「ああ、あれは彼女が放ったものだ。そうだね?」

 

はい、とアークエンジェルが答えると再びざわつきが起きた。何しろこの世界では光学兵器というものは無いに等しい。そのうち何人かから、彼女は何者なのか、そもそも何の目的で来たのか等の質問が飛び交った。

 

野井「静かに、おそらくこれは僕の推測だが、彼女は以前に我々と接触した『霧の艦隊』と同じようなものではと僕は見ている。」

 

霧の艦隊ーー以前にハワイ諸島全域に現れた巨大な戦艦群及び大本営にも現れた霧の艦の総称である。彼女達はいわゆるパラレルワールドから何らかの理由でこちらの世界に来た者達であり、彼女達の敵もアークエンジェルと同じく光学兵器やミサイルを有していた。野井はアークエンジェルを霧の艦隊と同様にパラレルワールドの一つから現れたと考えていた。その考えは当たっているとみていいだろう。

霧の艦隊が現れた時期にいた艦娘達はある程度納得がいった様子であったが、それより後に着任した艦娘は霧の艦隊の事は話だけしか聞いていないので理解できない者もいた。

 

野井「そこで、大本営の指示があるまで彼女をこの鎮守府で預かることにする。何か意見のあるものは?……いないみたいだね。ではこの後一九〇〇に大食堂で彼女の歓迎を兼ねた夕食会を開く。それまで各自自由にしてくれ。」

 

野井が出て行くとあたりは異様な静けさが漂っていた。いくら味方だと理解していても、圧倒的な力を持つアークエンジェルに対し不安があるのは当然だろう。アークエンジェル自身もそれに気付き、どうすればいいかわからなくなっていると、吹雪が彼女に近寄ってきた。

 

吹雪「あの、アークエンジェルさん。さっき言いそびれたのですが、あの時、私を助けてくれてありがとうございます。あの時助けてもらえなかったら、下手すれば私はここに帰ってこれませんでした。だから、私は私を助けてくれたあなたを信じます。」

 

そう言い吹雪はアークエンジェルに微笑んだ。

 

AA「吹雪さん…。」

 

長門「ならこちらも礼を言わせてもらおう。そちらの持ってる力は驚異的な力だが、その力のおかげで敵艦隊を早期に壊滅し、こちらの被害を抑えることができた。感謝する。」

 

AA「長門さん…。いえ、こちらこそ、私の提案に乗ったことを感謝します。」

 

長門はアークエンジェルに手を差し伸べそう言った。アークエンジェルは差し伸べられた手を握りしめた。

 

長門「我々はそちらを歓迎する。みんなもそれで構わないな?」

 

長門の言葉に触発され、次々に賛同の言葉があがった。全員不安こそあれど彼女を仲間に受け入れる気はあったようである。

 

AA「みなさん…!ありがとうございます…!」

 

その様子を野井は扉の向こうから聞いてた。

 

野井(いざとなればフォローするつもりだったけど、いらない心配だったみたいだね。)

 

野井は安心しその場から立ち去った。

 

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その後全員と打ち解けたアークエンジェルは色々質問されていた。初めは艤装についてであった。

 

秋雲「えっ⁉︎あなたの主砲、225cmだったの⁉︎てっきりミリかと思ってたよ!」

 

AA「ええ、言葉が足らなかったみたいですね。」

 

明石「2メートル越えの主砲積んでるなんて…。あなた、艦だった頃の大きさは覚えているの?」

 

AA「確か、420メートルですね。」

 

全員「420メートル⁉︎」

 

大和「軽く私越えてますね…。」

 

AA「あと、副砲も110cmです。」

 

夕張「え?でも、副砲なんて見当たらないけど?」

 

AA「今は格納されてますから、使用時は展開します。こんな風にですね…。」

 

そう言いアークエンジェルはバリアントを展開させる。それをみた明石と夕張はおぉ〜と、目を輝かせた。

 

夕張「へぇ〜こんなギミックなのね。これもビームが出るの?」

 

AA「いえ、これはリニアカノンといって実弾装備ですね。」

 

明石「リニアカノン⁉︎進んでるのね〜。あと、そこのミサイル発射管とかも教えてくれる?」

 

その後アークエンジェルは自分の装備を事細かく伝えた。その一つ一つを聞くたびに全員目を白黒させていた。

次にアークエンジェルがどんな戦いをしたか聞かれ、アークエンジェルはある事(・・・)を除いてヤキン・ドゥーエまでの事を話した。その話を聞いて艦娘達は衝撃を受けた。

 

大和「味方を巻き添えにして基地を自爆⁉︎」

 

長門「それに、捕虜条約を無視した虐殺に中立国家への侵攻、さらに核兵器だと…!」

 

吹雪「ひどい…。」

 

AA「あの戦争は本当に酷かったわ…。互いが互いを憎みあって、一歩間違えば世界が滅びる寸前だったわ。アラスカの一件から私は軍を抜けてその戦争を終わらせる戦いをしたわ。結果的にお互いのトップが死んでその戦争は停戦に終わったわ。」

 

辺りは重苦しい雰囲気に包まれた。そんな雰囲気を何とかしようと島風は次の質問に移ろうとした。

 

島風「えーと、じゃあね…次の質問!アークエンジェルさんって姉妹艦はいるの?」

 

それを聞いた瞬間、アークエンジェルはビクッと体を強張らせた。やがて少し躊躇った後、質問に答えた。

 

AA「ええ、いるわ。一人だけね…。」

 

その様子から島風はしまったというような顔をした。

艦娘達の中には姉妹艦に関してトラウマを抱えている者は少なくない。自分以外沈んでしまった者、自分の眼の前で沈んでいくのを見た者、姉妹に出会う前に沈んだ者など様々である。故に不用意に姉妹艦の事を聞くのはご法度なのだが、島風はそれを忘れて聞いてしまった。

 

島風「あの、ごめんなさい…。嫌な事聞いて…。」

 

AA「いいですよ、悪気があって聞いた訳ではないですから。」

 

ちょうどその時、館内放送が入った。

 

野井『食事の用意ができたので全員、大食堂に来るように。』

 

夕張「もうこんな時間になったのね。さ、アークエンジェルさん、大食堂まで行きましょう。」

 




やっぱこういうまとめ役は長門さんが適任ですね。
そういえばSEED時代にアークエンジェルが戦ったザフト艦ってほとんどムウさんが沈めてるんですよね。レセップスも大破止まりですし。
では次回を楽しみに。
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