七話 見つけた希望
東部オリョール海、以前は深海棲艦が占領していた海域だが、各地の提督達の手によって一度奪還したものの、その資材の多さから未だに深海棲艦が狙っており、それらを撃退、及び資材の調達する為に日夜艦娘達は出撃している。
その東部オリョール海の最奥部に深海棲艦が艦隊を成して駐留していた。すると数隻の深海棲艦が突然水柱を立てて沈んでいった。他の深海棲艦がその方向を見ると幾つもの魚雷がこちらに向かってくるのを視認できた。だが敵の姿は見えない。それらから深海棲艦達が考えた結論はひとつ、複数の潜水艦娘による攻撃と断定した深海棲艦達は対潜能力のある味方を呼び寄せようとする。
その時であった。彼女らの背後の海面が盛り上がり白い服を着た艦娘が急浮上してきた。彼女らが気づく時にはその艦娘は両腕の砲台を構えその砲口から光軸を放った。瞬く間に光軸を受けた数隻の深海棲艦は爆沈していった。
残った彼女らは突然の奇襲に戸惑い、初めに彼女らを攻撃してきた潜水艦娘達の存在を忘れていた。その潜水艦娘達から魚雷を複数受けて残った彼女らも沈んでいった。
AA「…敵艦隊の全滅を確認、皆さん、怪我はありませんか?」
白い服の艦娘ーーアークエンジェルは海中にいる仲間達の安否を確認した。すると海面からひょっこりと三人の潜水艦娘が顔を覗かせた。三人の名前は伊19、伊58、伊168。それぞれ通称をイク、ゴーヤ、イムヤと呼ばれている。
ゴーヤ「こっちは大丈夫でち!アークエンジェルさんは?」
AA「私も平気です。」
イムヤ「やっぱりアークエンジェルさんがいると心強いわね。」
イク「急浮上して奇襲して敵を沈めてくれるからイク達が被弾するのが少なくなるから助かるのね!」
アークエンジェルはここ最近、潜水能力を活かし実践練習と資材調達を兼ねて潜水艦娘と一緒にオリョールクルージング、通称オリョクルを行っていた。通常は海中で魚雷やバリアントを使い敵を攻撃し、駆逐艦などの対潜能力を持つ敵や戦艦など強力な敵がいる場合は浮上して奇襲するといったスタイルで戦い、その結果、ゴーヤ達の被弾率は低くなり、それにより修復に使う資材も減り、より多くの資材を調達できるようになっていた。
AA「では索敵をさせてから資材を回収しましょう。」
そう言いアークエンジェルは艤装のハッチを開き、スカイグラスパーを二機とも発艦させた。万一のことを考え一号機にランチャー、二号機にエールを装備させた。その間にアークエンジェル達は資材の回収を行った。
回収を終え、スカイグラスパーを帰還させたアークエンジェル達は野井に連絡を入れ、鎮守府へと戻って行った。
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鎮守府
AA「提督さん、今回の出撃で得た資材の報告書です。」
野井「ご苦労。…ふむ、だいぶ資材が溜まってきたな。これならしばらくオリョクルはしなくて平気だな。」
ふとアークエンジェルは執務室がいつも以上に綺麗になっていることに気づいた。
AA「あの、来客でも来るのですか?」
野井「ああ。そろそろ着く頃だと思うのだが…。」
野井がそう言った時、扉をノックする音が聞こえた。
大淀「提督。来客を連れてきました。」
野井「通してくれ。」
扉が開き、一人の男が入ってくる。
男「待たせたなノイマン。それと、アークエンジェルだっけ?大本営以来だね。久しぶり。」
野井「相変わらず君はそのあだ名で呼ぶね。」
AA「お久しぶりです、
男の名は外村龍。野井の友人であり、野井と同じく提督をやっている。アークエンジェルとは大本営にて知り合っていた。また彼の父親も提督をしており、親子共にかなりの指揮官としての腕前を持っている。また彼ら親子は有事の時、具体的にはブラック鎮守府の取り締まりや各地の鎮守府内での事件などの調査隊も兼ねていた。また、余談ではあるが彼の容姿はアークエンジェルのクルーであったジャッキー・トノムラとよく似ていた。
野井「それで龍、理由も言わずにこっちに来る連絡を入れた訳はなんだい?」
外村「ま、簡単に言えば通信するより直接会って話した方が漏れずに済むからな。」
野井「それだけ重要な話って事か。それならアークエンジェルと大淀は悪いが出て行ってくれるかい?」
外村「いや、アークエンジェルは残ってくれ。彼女にも関係する話がある。」
外村の指示により大淀のみが部屋から出て行くと、外村は真剣な顔で話し始めた。
外村「さて、話なんだがノイマン、最近各地の鎮守府で遠征に行った艦隊が沈められる事件は知っているか?」
野井「ああ、ここではまだ被害は出てないけど警戒はしている。それがどうしたんだい?」
外村「その事件を俺と親父で調査したところ、撃沈された艦娘の残骸から破壊痕を見る限り、アークエンジェルの武装と似た破壊痕があるのが確認されている。具体的には光学兵器で灼かれた痕だ。」
AA「えっ⁉︎でも、私は…」
外村「君の仕業ではない事はもうわかっている。おそらく、君と同じ世界から来た者の仕業と俺らは見ている。この事は後で公表されるが、君らに先に伝えようと思ってな。」
野井「やはり恐れてた事が…。それで、今までどれ位の被害が出ている?」
外村「今の所11件だ。第三、第四艦隊両方やられた鎮守府もあるから艦娘の数で言うと七十人以上の被害が出ている。それと、これを確認して欲しい。」
外村は一枚の写真を差し出す。そこには不鮮明ではあるが三人の人影が写り込んでいた。
外村「これは現場付近の島に漂着してたカメラから取れたものだ。アークエンジェル、この人物に見覚えは?」
AA「いえ、不鮮明なのもありますが、わかりませんね…。」
外村「わかった。この話はここまでにして、アークエンジェル。君、姉妹はいるか?」
突然の質問にアークエンジェルは驚いたがすぐにそれに答えた。
AA「ええ、妹が一人います。」
外村「そうか。……実はうちの艦隊がそれらしき者を見たって言ってたんだ。」
AA「っ⁉︎本当ですか‼︎どこで、どこで見たんですか‼︎」
アークエンジェルは立ち上がり外村に詰め寄った。
外村「お、落ち着いてくれ。」
AA「あ…すみません。」
アークエンジェルが席に戻り、外村は再び語り始める。
外村「一週間前、うちの艦隊が出撃している時に空母棲姫を中心にした部隊の奇襲を受けてな。戦闘の途中に二本の光の束みたいのが空母棲姫を貫いて爆沈させたんだ。そのままなし崩し的に敵部隊は全滅。その後光の束が現れたところを見てみたら艦種不明の艦娘が立ち去るのを見たらしい。」
AA「……。」
外村「まぁ姉妹じゃないにしても君の仲間の可能性もある。地図を見せてくれないか?」
野井「わかった。」
野井は地図を広げて置くと外村はある海域を指で囲った。
外村「この辺りで目撃したと言っていた。気になるなら行ってみるといい。だが、この海域は複数の姫級の目撃もあるから気をつけた方がいい。話は以上だ。じゃあなノイマン。」
野井「ああ、こちらこそ情報ありがとう龍。」
外村が立ち去った後、アークエンジェルは先ほどの地図を見ながら黙考していた。
AA(ドミニオンが、この海域に…。)
その様子を見ていた野井が彼女に声をかける。
野井「会ってみたいか?アークエンジェル。」
AA「ええ、会いたいです。ですが、私個人の意見で皆さんを危険な目に会わせる訳には…。」
野井「大丈夫だ、もし何かあっても皆君を責めたりはしないさ。姉妹に会いたいと思うのは当然だからね。後日捜索隊を結成して向かわせる。もちろん、その中に君を入れる。」
AA「…!ありがとうございます!」
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その日の夜
外村が指し示した海域に浮かぶ小さな島にて一人の艦娘がいた。
?(この前はつい接触を避けてしまったが、よくよく考えたら情報を集めるために接触した方が良かったな。次に見つけたら接触することにしよう。)
そう思った彼女は着ていた
外村さんの名前の決め方は
ジャッキーといえばジャッキーチェン
ジャッキーチェンといえば燃えよドラゴン
ドラゴン=龍ということです。
あと初めに言いますが最後に出てきた艦娘はドミニオンではないです。
では誰かというとヒントは地球連合所属でアークエンジェルと関係ある船です。
では次回をお楽しみに。