大天使、着任す   作:NTK

8 / 28
八話目にしてお気に入り数が100になって驚いています。
これも皆さんのおかげです。これからもよろしくお願いします。


八話 再会

外村来訪の翌日、野井は捜索隊のメンバーを招集させた。今回は捜索が目的という事と複数の姫級の存在が確認されているという情報から連合艦隊での出撃となった。

第一艦隊

旗艦 金剛

比叡

赤城

加賀

利根

アークエンジェル

第二艦隊

旗艦 吹雪

古鷹

加古

夕張

那珂

清霜

 

野井「さて、今回の出撃だが、この海域にてアークエンジェルの妹、もしくは仲間と思われる艦娘が目撃されたと情報があった。そこで、君たちに捜索を頼みたい。攻略が目的ではないので無理な戦闘はしなくていい。」

 

全員「はっ!」

 

野井「では、各自準備が出来次第出撃してくれ。」

 

打ち合わせが終わりそれぞれ出撃の準備に取り掛かった。

 

金剛「そういえば、arcangelのsisterはどんな見た目デスカ?」

 

AA「船時代の見た目を反映しているなら、色が黒い事以外は私とほぼ同じ艤装ですね。」

 

金剛「okデース!早く見つかるといいネー。」

 

準備が整い、アークエンジェル達は出撃した。

数時間ほどで目的の海域に到着し、捜索を始めようとするが、遠くに敵影を確認した。数は十数隻ほどだろう。

 

赤城「どうします金剛さん?戦闘は避けるよう言われてますがこのままでは接触は避けられませんよ?」

 

金剛「…仕方ありまセン、みんな、戦闘開始デース!」

 

金剛の合図により全員戦闘態勢に入り、敵との距離を詰める。初めに赤城、加賀、利根、アークエンジェルが艦載機の発艦を始めた。

 

赤城「第一次攻撃隊、発艦してください!」

 

加賀「みんな優秀な子達だから…」

 

利根「その艦もらったぁ!」

 

AA「スカイグラスパー、一号機、二号機、発艦!」

 

次々に艦載機が発艦され、敵艦隊に向かっていく。敵側に空母がいなかったものの、敵の対空により数機ほど落とされたが想定の範囲内であり艦載機は攻撃を開始した。

艦載機の機銃や爆撃により敵艦隊の幾つかは中破や撃沈していくが、中でもスカイグラスパーの活躍が目ざましかった。

ランチャー装備の一号機とエール装備の二号機がそれぞれアグニやビームライフルを撃ち放ち敵を次々沈めていった。

航空戦が終わる頃には敵艦隊は中破している者が僅かに残っているのみであった。その生き残り達も砲撃戦によって一隻残らず沈められた。戦闘を終え、艦載機を帰還させたアークエンジェル達は捜索を開始した。

とは言え、広い海域でたった一人の艦娘を探し出すのはかなり困難を極めている。しかも、姫級が確認されているとなればバラバラに行動するのは危険であり、そのため固まって捜索するしかなかった。艦載機を飛ばして探させているがなかなか進展がなかった。

捜索開始から数時間が経過した頃であった。

 

加賀「そうですか、わかりました。」

 

赤城「加賀さん、何かあったんですか?」

 

加賀「この先に小さな島があるとの報告がありました。もしかしたら、そこに何か手がかりがあるかもしれません。」

 

金剛「ok、ではそこに行ってみまショウ。」

 

報告にあった島はすぐに見つかり、すぐに捜索を再開した。すると、吹雪がアークエンジェルの元に駆け寄ってきた。

 

吹雪「アークエンジェルさん、ちょっと来てください!」

 

アークエンジェルがその場所に行ってみると、浜辺に明らかに焚き火をした跡が残っていた。そばにはガラス状の物質があった。おそらく火を起こすためにビームを使ったのだろう。この事からこの焚き火の主はアークエンジェルと同じ世界の者という事が確定した。

 

AA「これは…。」

 

吹雪「しかもこの焚き火の跡、火が消えてからそんな経っていません。という事は…!」

 

AA「…ここからそう遠くない所にいる!」

 

この吉報を受け全員が発見に向け全力で捜索を進めた。だが、いい知らせの後には悪い知らせが来るのも当然の真理である。

 

金剛「戦艦水鬼が一隻、姫級複数と仲間を連れてここに近づいている⁉︎」

 

比叡「本当ですか利根さん⁉︎」

 

二人の質問に利根は答えた。

 

利根「そうじゃ。おそらくさっきの戦闘に気づいたのじゃろう、まっすぐ向かっておる。姫級の種類は戦艦棲姫が二、空母棲姫が一じゃ。随伴艦はヲ級改flagshipが二隻。かなり厳しい戦闘になりそうじゃ…。」

 

彼女達が神妙な面持ちになるのには訳があった。今回の出撃は戦闘は避けるよう言われているが、先ほど野井から連絡が入り状況が一転した。航行中の輸送タンカーがエンジントラブルを起こし急遽ルートを変更したのだが、そのルートが敵艦隊の進行ルートと鉢合わせになっているのだ。

もし彼女達が戦闘を避ければ輸送タンカーは間違いなく敵艦隊に沈められる。つまり、戦うしか道はないのだ。

 

金剛「では作戦を練ります。誰か案はありますカ?」

 

吹雪「あの、前にアークエンジェルさんが撃ったローエングリン?ってのは使えませんでしょうか?」

 

夕張「そうね、それなら敵艦隊を一掃できるわ。「無理よ…。」え?どうして?」

 

AA「私達は捜索に来ています。そしてその捜索相手がこの近くにいる。そんな中であれを撃ったら下手したら射線上にいて巻き込んでしまうかもしれない。」

 

吹雪・夕張「あ…。」

 

AA「私に考えがあります。聞いてもらえますか?」

 

アークエンジェルは考えていた作戦を伝える。それを聞いた全員はある程度理解した。

 

加賀「なるほど…それなら多少のリスクはありますがうまくいけば敵艦隊に大打撃を与えられますね。」

 

金剛「わかりました。ではそのplanを実行しまショウ。」

 

AA「ありがとうございます。」

 

----------------

 

ルートを進んでいく敵艦隊の目前にアークエンジェル達の艦隊が見えてきた。敵艦隊は戦闘態勢に入りそのうち、空母棲姫とヲ級改flagship二隻が艦載機を飛ばす。だがアークエンジェル達は艦載機を一機も飛ばさなかった。そのまま多数の敵艦載機が向かっていく途中、突然アークエンジェルが前に出た。

 

AA「榴散弾頭ミサイル、発射‼︎」

 

アークエンジェルの掛け声とともに艤装艦尾からミサイルが放たれる。それは敵艦載機の直前に外殻が外れ、中から大量の小型ミサイルが敵艦載機に襲いかかる。効率よくばら撒くように発射されたそれは見事命中し敵艦載機を火球へと転じさせた。その爆煙が上空を覆う。するとその煙を割るように艦載機の群れが現れ敵艦隊に攻撃を開始した。

この流れるような攻撃に敵艦隊が混乱していると、ヲ級改flagshipが二隻とも上空から光軸を受け爆沈した。彼女らを沈めたのは急降下攻撃を仕掛けたスカイグラスパー二機であった。

これがアークエンジェルの作戦であった。まず敵が艦載機を飛ばし充分に引き寄せたところで榴散弾頭ミサイルでそれらを一掃。その後少し遅れてこちらも艦載機を突撃させ、敵艦隊を混乱させる。その隙にあらかじめ発艦させておいたスカイグラスパーの急降下攻撃を与える。こちらが初め艦載機を飛ばさなかったのはミサイルの巻き添えを受けないようにするためと、敵艦隊を油断させる目的もあった。

 

AA「作戦成功です!」

 

金剛「皆、突撃デース‼︎」

 

各自突撃し砲撃戦を開始する。

 

戦艦水鬼「小賢シイ真似ヲ…!」

 

戦艦水鬼らも負けじと反撃の砲火を放つ。その中でアークエンジェルは空母棲姫を相手にしていた。空母棲姫が再び艦載機を飛ばす。が、

 

AA「イーゲルシュテルン起動!」

 

アークエンジェルに搭載された75ミリ対空自動バルカン砲塔システム、イーゲルシュテルンが起動し敵艦載機を攻撃する。自動照準と75ミリという対空装備にしては大口径の攻撃により次々と敵艦載機を撃墜させていった。

 

AA「ゴッドフリート、撃てぇー‼︎」

 

艦載機を墜とすと間髪入れずにゴットフリートを撃ち放つ。見事命中し、空母棲姫は胴を撃ち抜かれ爆沈した。

 

AA「よし!…皆さんは?」

 

見るとちょうど加古が戦艦棲姫に決定打を与え沈めていた。

 

加古「やった!古鷹、見ててくれた⁉︎」

 

古鷹「油断しないで加古!まだ敵はいるのよ!」

 

戦闘の様子を見ながら、アークエンジェルはある違和感を感じた。

 

AA(さっきの作戦で二隻沈めて、今のでもう二隻沈めて、あと二隻のはず…なのに、なんで今いるのが戦艦水鬼だけなの?(・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

すると、清霜と那珂の背後の水面が盛り上がり始めているのにアークエンジェルは気づいた。

 

AA「まさか…!清霜さん、那珂さん、後ろ‼︎」

 

清霜・那珂「え?」

 

二人が振り向くと同時に戦艦棲姫が水面から現れた。よもや戦艦が浮上してくるとは思ってなかったが、よく考えれば彼女らは深海(・・)棲艦である。潜水ができても不思議ではない。

その戦艦棲姫が二人に向け砲撃をしようとする。アークエンジェルは助けようとするが、攻撃しようにも両者は向いあっている立ち位置であり、撃てば二人を巻き込んでしまう。そうしてる間に戦艦棲姫は照準を合わせそしてーーー

 

 

 

 

 

爆発が起きた。

だが爆発元は清霜と那珂ではない。戦艦棲姫の方である。戦艦棲姫が攻撃しようとした瞬間、別方向から現れた光軸が戦艦棲姫を真横に貫き爆沈させたのだ。二人は何が起きたかわからなかったがそれはアークエンジェルも同様であった。

 

AA「今の攻撃は…?」

 

すると、向こうの方でも爆撃音が響いた。そこを見ると、薄紫色をした戦闘機らしき機体が編隊を組んで戦艦水鬼を攻撃していた。アークエンジェルはその機体に見覚えがあった。

 

AA「あれは…メビウス⁉︎」

 

メビウス、モビルスーツが連合でも開発されるまで主力を担っていたモビルアーマーである。だがメビウスは宇宙用モビルアーマーのはずである。大気圏内で何故動いてられるかが不思議である。いや、それ以前に何故メビウスがここにいるかがアークエンジェルの脳内を占めていた。

メビウスの編隊は40ミリバルカンや対装甲リニアガンを用い戦艦水鬼の装甲を穿っていく。そのうち試製ロングレンジビームキャノンを装備した複数のメビウスが戦艦水鬼を撃ち抜く。戦艦水鬼は次々に誘爆を起こしながら沈んでいった。

全員が唖然として見ていると、メビウス部隊は転進していった。その方向を見ると、一人の艦娘が立っていた。

紺色の制服を着ており、船時代の姿を模しているのかスマートな体つきをしていた。また、顔つきは凛々しく短く切った渋い色の茶髪がそれを際立たせている。両腕にはアークエンジェルと同じく砲台を装備し、背部には船時代の艤装があり、二つの開いたリニアカタパルトに向けてメビウス部隊が帰還していった。それを見たアークエンジェルは衝撃を受けていた。

人の姿をしてはいるが、身につけている艤装から目の前の人物が誰かはっきりわかった。何故ならこの人物はドミニオンと同じく、彼女にとって忘れようもない人物であったからだ。

 

AA「メネラオス…さん…?」

 

メネラオス「…久しぶりだな、アークエンジェル。」

 

そう言い彼女ーーアガメムノン級宇宙空母艦、メネラオスはアークエンジェルに微笑んだ。




さて、メネラオスが登場しました。コメントでも当ててる人がいて驚きました。まぁ、あのヒントじゃ二択しかないですけどねw
彼女がこの世界に来た経緯は次回お伝えします。
では、次回をお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。