大天使、着任す   作:NTK

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九話 仲間と敵

鎮守府

 

メネラオス「地球連合軍、第八艦隊旗艦メネラオスだ。よろしく頼む。」

 

野井「メネラオスだね、初めまして。僕は野井満。ここの鎮守府の提督だ。こちらこそよろしく。」

 

メネラオスがアークエンジェルと再会したあと、鎮守府へと連れて行き、メネラオスは野井と互いに自己紹介を交わしていた。

 

野井「さて、話はもう聞いているかい?」

 

メネラオス「ああ、アークエンジェルから大体の事は把握した。私も君らに協力しよう。」

 

野井「ありがとう。アークエンジェルと積もる話もあるだろうから、しばらくゆっくりしているといい。」

 

メネラオス「心遣い感謝する。では。」

 

執務室から出たメネラオスはアークエンジェル達のいる広間へと向かって行った。広間に入り、ソファーに腰掛けるとアークエンジェルが口を開いた。

 

AA「話は終わりましたか?」

 

メネラオス「ああ、いい指揮官だった。」

 

AA「そうですか。では、聞かせてください。メネラオスさんが何故この世界に来たのかを。」

 

メネラオス「…私があの日沈んだ後、私は死後の世界とでもいうのか?まぁ、そこにしばらくいたんだ。そこでたくさんの私の姉妹に会って話を聞いた。だいぶ泥沼の戦争だったんだな。」

 

AA「えぇ…。」

 

メネラオス「そして、私の姉妹の中にはアレ(・・)を装備したメビウスを搭載させられた者もいた…。そんな話ばかり聞いている内に、ふと気づいたらこの世界にいて人の姿になっていた。私はしばらく君が見つけた島で暮らしながら、情報を集めようとしていた。あとは君が聞いたとおりだ。」

 

メネラオスの話を聞いたアークエンジェルは気になったことをメネラオスに聞いた。

 

AA「あの、その死後の世界にドミニオンって子はいませんでしたか?」

 

メネラオス「ドミニオン…君の妹か。いや、あそこにいたのは私と同じアガメムノン級しかいなかったから見ていないな。」

 

AA「そうですか…。」

 

ドミニオンと話していたかもしれないと多少期待していた分、アークエンジェルは落胆する。すると、今度はメネラオスがアークエンジェルに質問した。

 

メネラオス「そういえばアークエンジェル。私が沈む少し前に避難民のシャトルを出したはずなんだが、あれはどうなった?無事に地上に降りれたのか?」

 

それを聞いたアークエンジェルは本当の事を話すべきか戸惑ったが、それに答えることにした。

 

AA「…実は、ストライクとデュエルが戦闘しているところにそのシャトルが現れて、そのまま巻き込まれて…。」

 

メネラオス「…!そうか、結局私は、君しか守れなかったのか…。」

 

うなだれるメネラオスにアークエンジェルはどう接すればいいかわからなかった。第八艦隊の仲間達は全滅し、自身も瀕死となりならばせめて避難民を逃がそうとするもその避難民も助からなかったと知った彼女の心中はわかりきったものではない。だが、すぐに彼女は顔を上げた。

 

メネラオス「いや、過去を悔やんでばかりじゃあいつらも浮かばれないな。二度目の生を授かった身、今度はもっと多くの者を守れるようになればいい。」

 

AA「メネラオスさん…。」

 

メネラオスは周りにいた金剛達に目を向けた。

 

メネラオス「話に置き去りにしてしまってすまない。私は君たちと協力したい。良いだろうか?」

 

金剛「yes!arcangelの仲間なら私たちの仲間も同然ネー!それに、清霜や那珂も助けてもらって仲間にしないのはnonsenseデース。」

 

メネラオス「ありがとう、感謝する。」

 

----------------

 

夕張「そういえば、メネラオスさんって何番艦なんですか?」

 

メネラオス「いや、それがだな…私たちアガメムノン級はかなりの数いるから、私も何番艦が覚えてないんだ。それどころかネームシップにも会ったことがない。私の以外の艦もそうだがね。」

 

全員「へぇ〜。」

 

赤城「では私から質問です。その艦載機、メビウスでしたっけ?こんな形で何で飛べるのですか?」

 

メネラオス「それも何だか、元々メビウスは宇宙用のモビルアーマーで、何故地上で運用できるのか私にもわからない。そもそも私自身も宇宙艦艇だから、こうして大地を踏みしめられるのも貴重な体験だ。」

 

なるほどと赤城が納得すると、アークエンジェルはふと疑問に思ったことを言った。

 

AA「そういえばメネラオスさん。あの試製ロングレンジビームキャノン装備のメビウス、メネラオスさんは搭載してませんよね?」

 

メネラオス「それも不思議なんだ。あれ以外にもガトリングを装備したメビウスもあるんだが搭載した覚えが全くないないんだ。まぁ、アレ(・・)を装備したメビウスがいないだけマシだがな。」

 

長門「それなんだが、さっきから言っているアレ(・・)とは一体なんだ?」

 

それを聞きアークエンジェルとメネラオスは顔を曇らせるが、少ししてメネラオスがゆっくりと話し始めた。

 

メネラオス「…アークエンジェルから私たちの世界の戦争の発端は何だが聞いているか?」

 

長門「ああ、血のバレンタインっていうコロニーに核を撃ったっていう…っ!まさか⁉︎」

 

メネラオス「そうだ、アレ(・・)とは核ミサイルの事だ。そして、血のバレンタインを起こした時にいた船は、私の姉、ルーズベルトだ。さらに、大戦中に結成されたピースメーカー隊を収容した船も私の妹、ドゥーリットルと他の妹達だ。」

 

全員「⁉︎」

 

メネラオス「言っておくが私の姉妹はあんな物搭載したくなかった。だが私たちは船だ。どうにもできなくて悔しかったとあっちの世界で聞いた。」

 

一同はこの事実に静まりかえっていた。それに気づいたメネラオスは頭を下げた。

 

メネラオス「すまない、暗い話をしてしまったな。」

 

長門「いや、こちらもいやな事を聞いて悪かった。」

 

その時、野井が部屋に入って来た。

 

野井「メネラオス、言い忘れてた事があるんだが、いいかい?」

 

メネラオス「ああ、こちらも話が終わったところだ。何だ?」

 

野井「君の部屋決めだが、一応空母寮に空き部屋はあるが、アークエンジェルと同室がいいならそちらでも構わないけど、どっちがいいかい?」

 

メネラオス「アークエンジェルの部屋は何人部屋だ?「二人部屋だが。」なら、私は空母寮でいい。」

 

その答えに野井は不思議そうな顔をした。

 

野井「アークエンジェルと一緒じゃなくていいのかい?」

 

するとメネラオスはこう答えた。

 

メネラオス「アークエンジェルの部屋は二人部屋なのだろう?それなら、そこにいるべきは私ではなく、彼女の妹のドミニオンが相応しい。」

 

AA「っ!メネラオスさん…。」

 

野井「なるほど。それじゃあ後で案内するよ。それとみんな、夕食の準備ができたから食堂に来るように。」

 

一同は食堂に集まり、メネラオスの歓迎を兼ねた食事を始めた。その際、メネラオスが空母勢と負けず劣らずの食事をしていたので、全員はアークエンジェルとの差に驚いていた。

食事が終わり、雑談を交わしている時の事であった。窓の外を眺めていた雪風が急に声を上げた。

 

雪風「あ!流れ星です!皆さん、流れ星がいっぱい降ってますよ!」

 

メネラオス「っ⁉︎」

 

時津風「え?どこどこ〜?」

 

次々に全員窓辺に集まり、流れ星を観察し始めた。そんな時、ふと後ろを向いた瑞鶴があるものに気づいた。

 

瑞鶴「メネラオスさん?何やってるの?」

 

メネラオス「」

 

見るとメネラオスは隅の方でうずくまっていた。

 

メネラオス「いや、その…私は最期大気圏で爆散して流れ星になった訳だから、流れ星を見るとその…な?」

 

さっきまでの凛々しさはなく、怯えた小動物のようなメネラオスの様子にいけないと思いつつも全員軽く吹き出していた。

 

メネラオス「笑うなよ⁉︎君たちにだってトラウマの一つや二つあるだろう⁉︎特にアークエンジェル‼︎君その場にいただろう⁉︎」

 

AA「す、すいませんメネラオスさん。でも、さっきまでのギャップが…フフッ。」

 

メネラオスの参入でまた賑やかになった鎮守府であった。

 

----------------

 

某海域の海底にて、五人の深海棲艦が集まっていた。彼女たちは以前より遠征中の艦隊を沈めている集団と同一であった。その内の四人は同じ装備をしていた。青緑色と黒の混じった装甲を纏い、両腕には細長い円筒状の砲台、背負っている艤装にもミサイル発射管と、二連装砲が二つついていた。他には今は見えていないがCIWSを十台ほど装備している。

あとの一人は薄い肌茶色の装甲をし、四人より小柄だが装備の数が多い。手首内側に単装砲、両腕部には二連装砲、背負っている艤装にも別の二連装砲が二つ装備され、CIWSが六つある。

しばらくして一人の深海棲艦がやって来た。こちらも青緑色の装甲をした四人と同じ見た目だが、長めの金髪と顔半分を覆う仮面が特徴的であった。まるで、彼女のかつての搭乗員のように。

 

?1「待たせたな。今日君らに集まってもらったのは他でもない、ある噂を聞いたからだ。」

 

?2(青緑)「噂ですか?」

 

彼女は深海棲艦とは思えないような流暢な言葉で話し始めた。彼女だけではなく、他のものもそうであった。だが、考えれば彼女たちは数多くの艦娘を沈めてきている。その中で人語を理解し、流暢に話せても不思議ではない。

 

?1「この前沈めた奴らが言っていた事だがね、どうやらアークエンジェルがこの世界にいるらしい。」

 

?3(青緑)「アークエンジェルが⁉︎」

 

?4(薄い肌茶色)「だが、奴は沈んでいないはず…。」

 

?1「そう不思議ではない。現にーーやーー(?2と?3)はあの世界では沈んでいない。別に奴がいてもおかしくない。」

 

彼女たちが話している中、先程から黙っている二人は憎しみに顔を歪ませていた。

 

?1「やはり、君たちは奴が憎いか?」

 

?5「当たり前です!私たち二人は奴の後継機に沈められています。(・・・・・・・・・・・・・・)

 

?6「憎くないはずがありません。」

 

?1「そうだろうな…。それと、これも聞いた噂だが、メネラオスもいるらしい。」

 

?4「メネラオス…!」

 

その名を聞いた薄い肌茶色の彼女は険しい顔をした。

 

?1「あれは君にとって因縁深い艦だがらなーーー

 

 

 

 

ガモフ。」

 

ガモフ「はい。必要とあらば今度こそ、アークエンジェルを沈めてみせます。もちろん、メネラオスも。」

 

?2「我々もお姉様を守れなかった無念、奴の命を持って晴らすぞ、ホイジンガー。」

 

ホイジンガー「もちろんだ。ヘルダーリン。」

 

?1「君たちも頼むよ。ハーシェル、フーリエ。」

 

ハーシェル「ご期待に添えましょう。」

 

フーリエ「それで、今後はどうなさいますか?ーーー

 

 

 

 

ヴェサリウス姉様。」

 

ヴェサリウス「アークエンジェルらが現れたという事は奴ら(・・)がいる可能性が高まった。しばらく捜索にあたるとしよう。奴ら(・・)は我々の目的に不可欠だからな。」

 

五人「はっ!」

 

ヴェサリウス(奴ら(・・)を拿捕すればあの人(・・・)ができなかった事を私が実行できる…。)

 

ザフト式の敬礼をする五人を見ながら、彼女ーーヴェサリウスは仮面の下でほくそ笑んだ。




メネラオスやヴェサリウス達の姉妹関係ですが、こちらの独断で決めました。それとガモフの武装ですが、単装レールガン×2を二連装に変えました。(二連装仕様にしか見えなかったので)
さて、何かを探すヴェサリウス達、その目的とは?そしてアークエンジェルと相見える時はくるのか。
次回をお楽しみに。
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