やっぱり原作突入(予定)だったよ…さわり程度です。先に謝っておきます。
ほんっとすいませんでした!!
バチバチと音を立てて火花が散る。切断面から発生したそれは薄暗い室内をぼんやりと照らす。床は誰の物かは分からないが血で赤黒く染まっていた。
刀を振って刃から潤滑油を落とし目の前の殺人マシーンを睨む。右腕、左足と切断したにも拘らず、依然として稼働を停止しない。緊張感も、痛みも感じず、ただ自身に組み込まれた命令のみをこなすそれは、今まで相手をしてきた誰よりも厄介だった。
いくら機械とはいえ敵もやられっぱなしでは無い。腕力で敵わないと知ると戦術をビーム砲を主体に切り替えて俺を懐に潜り込ませないように乱射する。
並の人間ならその戦術を前にしてなす術なく葬られていただろう。―――並の人間ならな。
ギアを一段階上げてスピードを上げる。室内を跳ね回るスーパーボールのように縦横無尽に駆け回り、弾幕を回避しつつ背後に回った。
強制的にISを止める方法は大きく分けて三つある。操縦者自身を行動不能に追い込むこと。エネルギー切れを起こさせること。そして最後に、ISコアの破壊。
一つ目は無人機であるこいつには意味をなさず、二つ目は軍事利用が目的である以上、エネルギー生成のリミッターは外されていると考えていい。故に俺が取る行動はあの機体のどこかに隠されているコアを
―――
一撃目で抵抗を殺し、瞬時に二撃目を打ち込む事によって完全に破壊する技。
亡国機業の連中と
装甲に浸透した衝撃はコアを破壊して動作を停止させた。
オイルが拳に纏わり付き気持ちが悪い。右ポケットからハンカチを取り出して手を拭った。
インカムから呼び出し音が繰り返し鳴り響く。俺は耳に手を当ててそれに応じた。
「束か?仕事なら丁度終わらせたところだ。例の物は用意はできてるか?」
「言い出したのは私だしね、それぐらいは当り前さ。それより状況報告をお願いしたいんだけど」
「生存者はいなかった。一人残さず『研究成果』とやらに殺されてた。自業自得とはいえ胸糞悪いな……それとコアは壊しちまった、悪いな」
「壊したの!?……まああまり期待してなかったからそれはいいや。ごくろうさま、上空に待機してるから上がってきて」
「了解だ」
通信を切って、階段を上る。その足取りは心なしか軽い。それもそうだ、何しろ今回の成功報酬は『更識刀奈公式戦フルコンプリートBox』だ。観戦に行けなかった俺にとっては喉から手が出るほど欲しい逸品だ。
監修、編集は束が俺の餌にするためにいつの間にかやっていた。今年からは簪も日本の代表候補生としてIS学園に入学することが決まっているから楽しみは尽きない。
屋上に出ると朝日が差してきて眩しい。腕で日を遮って目が慣れるのを待った。
▼▼▼
それから数日が経ち束から衝撃の事実を告げられた。
「簪の専用機が開発休止……だと?」
「いや、うん……やっくんには非常に言いにくい事だったんだけど…ずっと隠すわけにはいかないから」
「どういうことだ」
「実は数か月前いっくんがISをよく分からないけど動かしたみたいでね、データ収取の目的で専用機を作ることになったんだ」
「続けろ」
「それで日本政府があんまりにもだらだらやってたからイライラしちゃってね……私が機体を作って送りつけたんだ」
信じがたいがイライラしたからつい機体を作るという発想に普通は至らないが、出来てしまう実力があるからこのような行動を起こしたのだろう。
「そしたらなんか解析をそのやっくんの妹の専用機の開発をしているところに依頼したらしくて……」
「結果、簪の専用機の開発が休止になった……と。―――何か、言い残すことはあるか束?遺言は俺が責任をもって伝えよう」
「笑顔でゆっくりと近づかないで!? 逆に怖いよ!」
顔面をバスケットボールの要領で思いっきり握り、体を宙吊りにする。アイアンクローの刑だ。
「痛い痛い痛い痛い痛いってばー!」
俺だって悪魔じゃない、三十秒で許してやろう。
▼▼▼
「頭が割れるかと思った……。流石の束さんも危なかったよ」
「今ので確実に殺ったと思ったが…中々しぶといな」
「冗談だよね!?」
「冗談だ(笑)」
「くーちゃん聞いてよ~! やっくんが虐める~」
一連の流れをそばで見ていたクロエの腰に抱き着く束。母親を名乗るにあたってその態度はどうなのだろうか?家のおふくろはもっとこう……いや、やめておこう。
「今のは束様の自業自得だと思いますが……」
「くーちゃんまで私を見捨てるの?」
「いえ、そういう訳では……」
「クロエも困っているだろう。その辺にしておけ。それで俺に隠し事を打ち明けてまで頼みたいことはなんだ?大方織斑君関連だと思うが……」
「よくぞ聞いてくれました! やっくんにはこれを頼みたいんだよ」
依頼が部屋にあるディスプレイに映し出された。
――なるほど、これほど今の気分に合った仕事は無い。
どうでもいい用語集
二重の極み:某佐之助さんが使っている技一見するとただの拳だがその威力はかなりの物。シスコン本人は剣心より佐之助派な模様。ちなみに釘パンチが対抗馬として挙がっていた。
更識刀奈公式戦フルコンプリートBOX:篠ノ乃束監修のBlu-rayBox。試合映像に加え勝利者インタビューも収録!最高の更識刀奈をあなたに…。
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