アメリカでの戦いを終えて一か月。訪れたのは二年ぶりのドイツ。言うまでもなく観光でも、護衛目的でもない。俺が行方をくらませて以来の上陸となったわけだが…こいつは随分と手荒い歓迎だな。目の前にいる三人の兵士達は全て女性、武装を持っていないということは全員がIS搭乗者であることは決定的だ。
「動くな! 動いた瞬間、敵対行動とみなす!!」
「交渉の余地なしか……」
腕輪に触れて刀を具現化させる。それと同時に敵もISを展開して銃を構えた。『ラファール・リヴァイヴカスタム』ドイツ仕様が二機、そして奥にいるのは『シュヴァルツェア・ツヴァイク』事実上この国のエースパイロット、クラリッサ・ハルフォーフが操る専用機。
「あえて名乗ろう、ジン・クロニクルであると!」
「何!? あの
「擬きとは心外だな……それ以外も見せてやるよ」
更識流剣術―――『
刀の間合いに入り込み上段から青天井を振り下ろす。
「速いな。だが…本命はこっちだろう?」
背後から切り上げる俺の存在をハイパーセンサーで感知、プラズマ手刀で胸を突き刺す。
「手ごたえ在り、あっけ無かったな……」
このときクラリッサは確かに体を刺した感覚が在った、しかし……
「こっちだ」
振り返ると先ほど止めを刺した男がそこに立っていた。その刃は既に胴体スレスレに迫っている。その一撃を回避する術はない。絶対防御が発動し大幅にシールドエネルギーを削り取る。
「「副隊長!」」
横に控えていた二人が叫ぶ。
「くっ……大丈夫だ。だがなぜだ…確かに私はお前を……。まさか、質量を持った残像とでも言うのか!?」
「だったらどうする?」
『三斬華』は俺が対IS用に開発した技だ。
歴代の更識家当主たちはその圧倒的身体能力を武器に、神速の一撃を繰り出すスタイルを取った。防御を無に帰す回避不可の一撃必殺。故にフェイント等という無駄な動作は不要。
だが、対ISではその理念は通用しない。ハイパーセンサーという補助機能がある限りその一撃は代表クラスになると受け止められてしまう。
生み出した三斬華はその欠点を補う奥義。ハイパーセンサーすら置き去りにする高速フェイント三連撃。ハイパーセンサーを活かす戦いをする代表クラスになるほどそこに幻覚を見る。実戦にも通用することが今ここに証明された。
「見事だジン、確かに貴様は強い……だが、
体の自由が奪われる。これは束に聞いていたドイツが生み出した第三世代武装。
「AIC……か」
「そう、ドイツが誇る世界一の武装だ! いくら貴様とて二機からの拘束されれば指一本動かすことすらままならんだろう!」
そう考えるのは普通。リヴァイヴに積んでいるとは想定外だ。確かに多対一の戦いの置いてこれは致命的……だが俺は
『………』
俯いてかすかに呟くと緩い声で『おっけ~』とだけ帰ってきてエンターキーを叩く音が聞こえた。
「だんまりか、お前を捕らえればIS学園にいる隊長もさぞ御喜びになるだろう」
クラリッサはワイヤーブレードを展開し俺を連行しようとする。
「いいのか? 俺ばっかり見ていて」
「どういう事だ………なっ!?」
俺の視線を追い上空を見上げた彼女は絶句する。部下二人も同様。そこには数えきれない程の日本刀。それがスコールのように突然迫っていたのだから。
俺から離れて回避行動に専念する。何発かは回避しきれずに掠めた。そしてその雨は止み、この場所は
「味方ごと攻撃するなど貴様らは仲間を何だと思っている!」
「いいや……俺は信じていたさ。現に俺には当たっていない。お前の部下はかわし切れなかったみたいだがな」
対立している彼女は部下の様子を見て悔しそうに歯を食いしばった。
それにしても束は随分粋な真似をしてくれる…。
「よくも私の部下を……ただで帰れると思うな」
「元からただで帰るつもりはない」
剣の刃こぼれが酷いからあまり使いたくなかったが…ここまでお膳立てされれば使う以外に選択肢は無いか……。
俺は地面に刺さった刀を一本手に取り、切っ先を下に向けて構えてから自分の周りに刺さっている刀を六本弾く。弾かれた刀がバラバラに、無作為に、宙を舞う。
「いったい何を……」
「クラリッサ・ハルフォーフ……これを見るのはお前が初めてだ。俺の雇い主に感謝しながら
細かく息を吐き、神経を研ぎ澄ます。これは生半可な覚悟で使えば自身にさえ牙を剥く剣術だ、集中しろ……。
―――参る
読み直したソウルイーターに多大な影響を受けた最新話です。テスト近いのに何やってんだか…
感想評価等お待ちしております。では!