正直評価が来る前に突破するとは思ってなかったw。これからもよろしくお願いします。
「なっ!? 絶対防御を貫通させやがった」
吹き飛ばされた脚を見て思わず出てしまったであろう言葉が彼の耳にも届いた。
彼のこの戦闘の狙いの一つはISの絶対防御の防御力の確認。装甲が違えどコア自体は均一の性能を持つ。故に破ることが出来れば全てのISに対して彼の攻撃が通用する証明になる。
二つ目に対IS戦のシミュレーションと現実の差、ギャップの把握。これからの依頼ではISとの戦闘も出てくる。こうして敵対組織が使用してきたのがいい証拠だ。将来に向けて戦闘経験を積んでその特性をよく理解する必要がある。ISとの戦闘を想定してシミュレーションはしたが、本物の経験に勝るものは無い。
よってこの戦闘は
「本当にお前は何者だ? ISと一対一で殺りあえる人間がいるなんて聞いたことがねえ」
「お前に名乗る名など無い。それに俺を随分過大評価しているようだが、逆にお前の腕が悪いのかもしれんぞ。お前にISはまさに”猫に小判”…と言ったところか」
「ハッ! 言うじゃねえか、その言葉を言ったこと…後悔させてやるよ!!」
挑発に乗ってブレードを展開し接近戦を仕掛ける。人間には出来ない変則剣技、四刀流が彼を襲う。最初の二本はあっさりと刀で受け止めた。
「剣筋が鈍いな。そんなんだと対応も容易だ」
「だがもう二本はどうするんだ? 胴体ががら空きだぜ!!」
挟むように左右から襲いかかるブレード、刀で受け止めるのは不可能。ISと違い空に逃げることは出来ない。蜘蛛型のISの操縦士、オータムは仕留めたと確信してた。
だが気が付けば逆に自身が吹き飛ばされていた。壁に衝突しエネルギーを大きく削られる。
「それはお前も同じこと……胴体ががら空きだ。それとも俺が切断したのが防御用の腕だったか? だとしたらそれは悪いことをしたな…」
上がっていた右足をもとに戻してそう言った。
蹴り飛ばされたのか……初動が全く見えなかったぞ。くそ…そこらのISを相手にするよりたちが悪い。化け物かこいつは……。
「ふむ……こんなところか。お前はここまでだ。俺に会ったことが運の尽きだと思え」
日本刀を持って一歩一歩近づき首筋に刃を添えた。本来なら絶対防御があるからまだ命が助かるがこいつは例外。防御を越える攻撃力がある。ここまでか―――悪い、スコール……。
刀が振り降ろされ、止めを刺される直前それは止められた。
「っ!? 狙撃!?」
素早く後退し彼がいたところをレーザが焼き切る。続いて第二射が彼に向かって発射された。それすらも自前の日本刀で薙ぎ払って相殺した。
「―――増援か」
彼はレーザーが飛んできた方向を睨んだ。
☆
「ねえねえ、父さん」
「どうした刀奈?」
「兄さんはそろそろ帰ってくるんだよね?」
「ああ。明日のモンドグロッソ決勝戦が終わったら家族を送り届けてそれから家に帰ってくる予定になっている」
「そっか、お土産楽しみだな~。ねえ?簪ちゃん」
「うん……ドイツは初めてだからちょっと……楽しみ」
「はいはい、話してばっかりじゃなくてさっさと食べる。刀奈も勉強があるし、簪もモンドグロッソ決勝を見るんじゃなかったの?」
父親と娘たちが話していると一人の女性が自分の分の朝食を持ってその輪に加わった。
「おはよう母さん。忠告ありがとう。でもこないだ遊んだ分は取り返したから今日は簪ちゃんと一緒に決勝戦を見るんだ♪」
「そうなの簪?」
「うん…そこは私も了承してる。それよりお母さん……その指どうしたの?」
「ああ、これ?なんか急に皿落としちゃってね。その時に指切っちゃった」
「ほう……珍しいな母さんがそんなミスするとはな」
「そうね……楯無の方にも何も無ければいいけど……」
☆
「スコール!!」
「危ないところだったわねオータム」
レーザーライフルを装備したISがオータムと楯無の間に降り立った。ここにきて新戦力の参戦に彼は顔をしかめた。
「あなた、身体能力は化け物級だけど流石に武器まではISの性能に追いついてないみたいね」
指摘されて彼は自分の刀を見た。刃はレーザーによって融解させられ武器としては使用不可能の状態だ。
「あら? 肩が震えてるわね。二対一だと恐怖を抑えきれないのかしら? 可愛いところあるじゃない」
スコールは理解出来ないだろう。実はこの日本刀、簪と刀奈が(親父に頼んで)誕生日にプレゼントしてくれたものなのである。それ以来愛刀として数多くの戦場を駆けてきた。彼が震えているのは恐怖からではなく愛刀を失った悲しみからだ。
「……気が変わった。教えておいてやる。俺の名は更識家当主更識楯無。お前達を叩きのめす男の名だ」
――――その罪、死を以て償え。
もうチートタグ付けようかな…と書いてて思いました。
と言うわけで五話でした。今回はおかんが登場したり。早くもメイン武器破壊されたりとかいろいろ詰め込んでみました。
感想評価お待ちしてます。
では…