今回は戦闘からシリアス?になります。ご注意を、では。
「……気が変わった。教えておいてやる。俺の名は更識家当主更識楯無。お前達を叩きのめす男の名だ」
それまでチクチクと刺される程度の殺気がより鋭く、より冷たく変化したことをスコールは感じた。彼女だって伊達に戦場を生き抜いてきた訳じゃない。今まで感じたことのないプレッシャーが体にのしかかった。
彼は刀身の短くなった刀を鞘に納め拳を握る。
――――死を以て償え。
小さく彼は確かにそう呟く。次の瞬間、そこにあった反応が消失した。
「っ!?」
本来なら宇宙で使われるはずの感覚器官「ハイパーセンサー」が
続いて追撃、左手からの連撃を短刀で防ぐが勢いで押される。そこに重い右拳からのストレート、粉々に短刀は砕かれた。その押された勢いそのままにスコールはさらに後ろに飛び、間合いを取った。
「なるほど……そこで伸びてる蜘蛛女よりはよっぽど腕が立つらしい。俺の拳を初見で防いだのはお前を入れて五人もいない」
いつの間にか意識を失っていたオータムを指さしてそう言った。どうやらスコールを見て気が緩んだらしい。
「あら、それは光栄ねミスター更識。……だけどあなたをそこまで駆り立てるものは何なのかしら?」
余裕そうにそう返したスコールの額には汗がにじむ。送信されてきた映像とはまたひと味違う威圧感、間違いなく過去に戦った者たちとは別格。この数十秒でそう確信した。だからこそこれまで冷静沈着だった彼の怒りを買った理由が知りたくなった。
「なぜ? ……ふざけるなよ。お前は踏みにじったんだ! 簪の、刀奈の想いを! それをこんな風にしやがって!! お前だけは、お前だけは…絶対に許さない。お前の武器を何度壊したって俺の怒りは収まらない! ぶっ壊しても! ぶっ壊しても!! ぶっ壊しても!!! この刀が元通りになることはない。さあ、早く次の武器をだせ!!」
しかしここでスコールは武器を出さなかった。これは第二世代もまだまだ実用化されたばかりであり、
「そうか……」
彼は無言で返したスコールに対して大地を蹴り一気に距離を縮めた。その拳は力強く握られ、深紅の瞳が鋭く金髪の女を見つめる。
それに対してスコールは自らのISの代名詞、金色の繭にも見える防御壁を展開した。恐らく今存在するISでは最硬のものだろう。これからする事は至ってシンプル。この室内でできる限り加速、体当たりするだけ。PICで宙に浮き、スラスターを吹かして、突進する。
ぶつかり合う拳と防壁。金の防壁は細かく砕かれ破壊された。スコールは信じられないとばかりに目を見開いた。
衝撃波が空気を震わせ、行われてきた戦闘の余波に耐え切れず倉庫が悲鳴を上げる。
徐々にひびが入り、それが拡大していく、やがて天井にたどり着くと限界を迎えた建物は倒壊した。
☆
第二回モンドグロッソは日本代表の織斑千冬が二度目の総合優勝を果たし、二連覇を達成。日本では盛大にそのことが連日報じられた。その直後の引退は様々な疑惑と憶測を呼び、世界を騒がした。
そんな中、沈黙が更識家を支配していた。
「お父さん! 兄さんは!?」
「刀奈か……楯無は……」
力なく十六代目はうつむく。それだけで刀奈は認めたくない現実を何となく察してしまった。胸倉をつかみ近寄る。
「…ねえ父さん!! 兄さんが、帰って来ないなんてなにがあったの」
しばらく黙ったあとお前にだけは話しておこうと前置きをして語りだした。
「最後に楯無は単独でISと戦ったそうだ。部下に護衛対象を託して……。戦場となった倉庫からは大量の血痕、遺体は発見されてないが、どうなったか想像に難しくない」
自身がこれから学ぼうとしていたISがあの兄を殺めた可能性をあること知って言葉を失った。あんなにも楽しみにしていたことは兵器の扱い方であることを見せつけられて…どうにかなってしまいそうだ。
もちろん今までだって疑問に思わなかった訳じゃない。いくらシールドバリア、絶対防御があって操縦するにあたって命を危険はないと言っても、扱うのは銃や剣、その矛先がIS同士だからスポーツとして成り立っているに過ぎない。
「…嘘。嘘だって言ってよ父さん。いつもみたいに、馬鹿みたいに笑ってさ」
いくら待っても望んだ答えは返って来ない。父親は口を固く結び「すまない」と繰り返すだけだ。
やがて掴んでいた手は緩み、声を押し殺していた刀奈の頬には涙が伝っていた。
今回は武器紹介!
日本刀「晴天」
前話にて登場した日本刀。妹達からプレゼントされた為その日以来とても大切にしている。重量が通常の刀より約1.5倍あること以外は普通の性能の刀である。そのためあっさりとスコールに破壊されてしまった。従者達からは別名
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