FGOにホムンクルスで来てる件   作:ash.w

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燃える世界での目覚め

 夢を見ていた気がする。

 それは幸せな夢だ。

 しかしその終は不幸だ。

 そのさなかに書き綴られた。

 ひとつの物語。

 存在しないがゆえに語られることがない物語は。

 

 

 

 

 今確かな、もの()を得て、この冬木にいる。

 

 

 

 

 

 轟々と燃え盛る音がする。

 それまで着ていた制服は、平行世界(プリズマ☆イリヤ)ホムンクルスの少女(イリヤスフィール・フォン・アインツベルン)が着ていた服になっていた。

 現状、絶対死亡確定が、死亡フラグ立ちまくり状態になっただけに思える。

 それだけでもましなのがこの世界といったところだろうか。

 

 安堵は油断に他ならない、影が覆ったのを認識した時には遅かった。

 

 

 

 

 

 

 

 地面が冷たくて気持ちいい。

 いや別に寝っころがりたくて寝っ転がったわけではなく。

 こうやって死んだふりをしておかないと、あっという間にスケルトンもどきに殺されてしまうからだ。

 かれこれ殺されること、十回目にして私は悟った。

 相性関係なく、私は弱い。

 戦うことも、ましてや逃げることさえできなかった。

 何度も殺されるうちに流れ出た血で、傍から見れば死体に見える。

 そのまま死体のふりをしていれば、死体として扱われる。

 殺されることはない。

 すべて幻の効果が遺憾なく発揮されているものと思われる。

 しかし、それではダメだ。

 ここが炎上都市冬木ならば、彼または彼女が来ているはずだ。

 一度でも霊気再臨ができれば、話は変わるはずなのだ。

 戦えるし、逃げることもできる。

 そのためには彼らと接触しなければならない。

 じっと、強化を利用して耳を澄ます。

 声を逃さないように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ぱい! 来ます!」

 

 聞こえた!!

 ここから目と鼻の先!

 大声を上げろ!

 自分の位置が知られてもいい、何度だって死ねる。

 それで不利になることはない。

 

「助けてーー!! ッがほ!」

 

 容赦なく、剣が突き立てられる。痛みが、声を遮る。

 次が来てもいい、ほらまだ来ていないぞ。

 

「―――」

 

 声は声にならない、変わりに溢れ出たのは血。地面と自分を一つつなぎにされ、死体ではなく、生者として永久に扱われる。まずい状況になった。

 だがそれがどうしたのだろう。

 何度も刺さるそれによる痛みは一瞬、傷口の修復は阻害され続ける。

 何リットルの血が流れているのだろうか、視界は赤く、意識はぼやける。

 急に、風が吹く。とたんに、追撃がなくなる。

 それが誰なのか、理解すれば。その紫色の髪と眼帯に安堵を覚えれば。

 縫い付けられた右腕を強引に動かし、声帯ごとブチ抜かれた喉から声を搾り出す。

 傍から見れば動いてないのかもしれない、それでも動こうとする意思は止めない。

 この程度では、月の彼らには微塵も及ばないのだから。

 

 

 

 

 

 

サイドチェンジ

 

『急いで助けてあげてくれ!!』

 

 ロマニー博士の声に俺たちは、疑問を浮かべる。

 目の前にある、剣が生えたオブジェを見ていた。

 今も血が流れ続けている、もともとは幼い少女だったものだ。

 既にアスファルトは、流れ出る血で染まり、炎に照らされて、地獄そのものを表しているかのようだった。

 

「しかし博士、その子はもう」

 

 マシュが諦めたように、そのオブジェを見つめる。

 遅れてきた俺たちには分からないが、ライダーだけは、彼女をじっと見つめ続ける。手に入らなかったものを、手に入れらなかった何かを悔やむように。

 しかし、博士の言葉はそれだけでは終わらない。

 

『その子は、生きている!! そんな状況でも生きている!!』

 

 それは、驚愕すべきものだった。

 

「え?! ホントです先輩、口と右手がわずかですが動いてます!!」

 

 言葉を聞くやいなや、ライダーは刺さった剣を抜きにかかる。

 

「ライダー?! どうしたの?」

 

 俺と一緒に、ここに来ていた。もうひとりのマスターが、自分のサーヴァントに声をかける。

 

「分かりません。わかりませんが、彼女をこのままにはしておけないんです。違うとわかっているはずなのに、それでも体が、彼女に何かを感じるんです」

 

 抜くたび抜くたびに、流れでていた血が止まってゆく。

 傷口すら、消えているのだ。

 異常とも言える自体に、俺たちはついていけなかった。

 最後に彼女を地面につなぎとめている剣が抜かれたとき、彼女の体が崩れ落ちる。

 服すら、修理されていた。その異常とも思える光景の中。

 ライダーの口元が、優しく微笑んだのを見た。

 

 

 

 

 

 

 

 目を開くと、オレンジ色の髪の毛が見えた。

 

「あ、ライダー目を覚ましたよ!!」

 

 誰かを呼ぶ声、ライダーと聞いただけで、とたんにいいようのない安心感が湧き上がる。それは三人のうちの一人が、ライダーのマスターであったことからくる安堵か。

 

「全く、突然いなくなるから何事かと思ったら、連れてきたのがそんな子供とはね」

 

 不機嫌な顔で、言ってきたのは白髪きつい雰囲気のある、誰かだった。

 

「とりあえず、先に進みましょう。ここにい続けるのは危険だわ」

 

「わかりました。君は立てる?」

 

 うなづいて、立ち上がる。

 自分の状態を確認する、一滴の血もついていない、はじめの時のままの状態だった。

 確認を終えオレンジの髪の女性を見ると、オレンジの髪の女性の脇のポケットに目がいった。

 それに気がつくと、その中から魔術師がかたどられたチェスのようなものを見せてきた。

 

「これ? これはさっき見つけて――」

 

 触媒足り得るそう結論づけられた。

 行動は一瞬――そのチェスのようなものを奪うと、反転すこし離れて魔法陣を展開

 

「触媒は揃った、これより契約を開始……完了。触媒を用いてデータ実体化を実行……完了。これより、カレイドライナーモードへの移行を開始」

 

 展開された魔法陣の中で、自分を戦闘態勢へと移行してゆく、

 

『これは、霊気再臨! 彼女は英霊なのか?!』

 

 なにか聞こえたきがするが、無視、ここからが問題だ、

 

「初回変身時の強制名乗りのキャンセル……不可、強制実行」

 

 魔法陣が私を包み、光に隠れる、光の中で少しずつ服が変わってゆく。

 そのあいだもポーズを変えてゆく、顔色すら変わらない、自身の心の中で真っ赤になっていっそ死にたいと思っていても、それが表に出ることはない。

 変身が完了すると同時に、お決まりのポーズをとって、

 

「月の裏側から再誕!! カレイドライナープリズマ☆ファエナ!! ここに降臨!!」

 

 以上、発案下半身痴女(メルトリリス)、監修BBの変身シーンでした。

 終わった、終わった何もかも。

 こんなシリアスに、こんなギャグを挟む気は全くなかったのに。

 今更ながらに赤面してくる顔、手遅れだって。

 

『えっと、それは必要なことだったのかい?』

 

「聞かないでください」

 

 この世の終わりのような顔になっていることだろう。

 だから却下したかったのに、変身するためには契約しなければならなくて、そのためには触媒が必要で、

 

「ロマンさん!!」

 

『何だい、そんな顔で』

 

「録画してありますよね?!」

 

「何話してんのよ!!」

 

『そんな予感はしたからね、もちろんだ』

 

「あとでください「マスター私にも」」

 

 ライダーコンビが、私の黒歴史を永久観賞用に取っておくつもりだ!!

 阻止は……却下された?!

 ひどいよ。

 そっちも、止めて?!

 仕方ないなって顔しないで?!

 いろいろと混迷を極める、冬木の一幕である。

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