この素晴らしい世界に更なる祝福を!   作:貧弱傍観者

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こんばんは、貧弱傍観者です!多忙の時期が多くて更新頻度が遅くなってしまいますが、その分皆さまに満足して読んでいただける様な内容にすべく、頑張っていきたいです!


閑話① 宝島編

【一】※カズマ視点

 

流石に低賃金のアルバイトや下位のクエストを受けても真面な金額に満たない。その為に俺は今後の方針を立てるべく暫くの間はクエストを控えようと思う。女性メンバーは現在、クリス達のメンバーとクエスト中だ。俺は今ウィズの店にいる。

 

「って事で、ウィズ。何か効率の良い稼ぎ方って無いか?生憎だが馬小屋生活なんて御免だ。早急に賃貸の一戸建てを借りたい。」

 

「そうなると家賃や食費含めて10万エリスは必要ですよね…。そうなると上級クエストを受ける以外に選択ありませんね。」

 

ウィズは苦笑する。何故なら唯一俺の苦労を知っている人なのだから。

 

「はぁ…、やっぱりそうなるのかな。」

 

俺にとって上級以上のクエストは楽勝だが、派手さ故に噂など立てられては困るしな。それに魔王軍のイレギュラーが警戒して襲ってくるリスクも有り得る。

 

「これはあまり言いたくはありませんが、いっそのこと冒険者を辞めて私の様に店を開くのも手かと…。ですが、それだとカズマさんの在り方を全て否定してしまいますしね…。」

 

アハハと再度苦笑するウィズ。この人も店が繁盛せず、赤字が続いて借金を背負った苦労人である。

 

「……お互い大変だな。」

 

「……そうですね。」

 

「「アハハハ……。」」

 

昼間から借金という暗い話をして盛り上がっている俺とウィズ。客観的に見れば盛り上がり要素皆無な話だが、俺らからしたら十分に盛り上がっている。

 

「後はですね。此れは年に一度のイベントなのですが…。」

 

「ん、何だ?」

 

「もう少しで宝島という緊急クエストが発信されると思うのですが…、これはキャベツの収穫祭と同様。祭りイベントに他ならない年に一度のイベントなのです。」

 

「(そういや腐るほど経験したな、宝島。……盲点だった。不覚にもそのイベントを忘れていたよ。)」

 

俺は眉を顰め、様々な感情を含めた溜息を吐く。

 

「……あのぅ、話を続けても大丈夫でしょうか?」

 

「へ?あ、ああ大丈夫だ。続けてくれ。」

 

必死に考えていた俺を待ってくれていただろうウィズが声をかけてくれる。何て配慮の出来る美人なのだと改めて思う。

 

「宝島とは年に一度、日を浴びる為に神獣と呼ばれし玄武がこの地に現れるのです。土から現れる為、玄武が現れる真下にいますと危険ですのでご注意を。―――玄武の体には希少な鉱石が大量に付着している為、皆はそれを目当てに玄武の体を登り、ピッケルで鉱石を採掘するわけです。」

 

「確か宝島の由来って玄武にあるんだっけか。だけどウィズ、俺は知っているから説明は不要だ。…宝島唯一のメリットを言ってくれ。」

 

俺とウィズは嫌らしく笑みを浮かべる。

 

「はい、唯一のメリットは希少鉱石の大量採掘が可能である事です。つまり―――、」

 

「つまり…?」

 

「「換金で大儲けが出来る!!」」

 

そう言うと、俺とウィズは堅く握手する。やっぱり俺らは共に苦労を共に分かち合ったからこそ得られた仲なのだ!

 

「よし、ウィズ。宝島って明日だよな?」

 

「はい、宝島は明日です。緊急の放送が流れるまで各自ピッケル等の採掘道具を用意した方がいいです。」

 

「おう、ありがとなウィズ!それじゃ明日は―――、稼ごうぜ?」

 

「―――ええ、なので明日はお互い敵として対立するでしょう。」

 

「「フフフフ……。」」

 

妖しい笑みを浮かべて俺は帰宅した。

 

 

 

 

 

【二】※カズマ視点

 

「…皆、聞いてちょうだい。」

 

皆は真剣なアクアを静かに見る。

 

「もう少しで宝島が始まるわ…。だから改めて言うけど―――、絶対に希少鉱石を大量採掘しましょう!!!!」

 

「「「「オォォォォ――――――――ッッッッ!!!!」」」」

 

俺らのパーティーメンバーがアクアの扇情的な問いに答え、一丸となった。周りを見るとメラメラと闘争心を燃やしている冒険者たちの姿が見られる。そう、今日は一大イベントの日なのだ。皆は死物狂いで鉱石を採ろうとするだろう。

 

「カズマはあのリッチーから説明受けてきたんだっけ?」

 

「ああ、バッチシ受けてきたぞ。」

 

「それなら説明は不要ね―――。お、ようやくきたわね。」

 

ゴゴゴゴと地震が起こる。そして緊急放送が流れ、各冒険者に伝えられる。

 

『緊急放送!緊急放送!玄武の出現が見られました!これより宝島を開催いたします!』

 

 

 

「「「「「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――ッッッッ!!!!!!!!」」」」」」」」」」

 

 

 

俺らは荒れ狂う冒険者と共に正門に向かう。目の前を見ると、巨大なモンスターが視界全体を覆う―――。

 

 

 

「ヴォォォォォォォォ――――――――ッッッッ!!!!!!!!」

 

 

 

煙を噴出するかの如き甲高い咆哮をあげるモンスターこそ【玄武】だ。WAKIPEDIAで一度閲覧したことがあるが、玄天上帝ともいう。玄武は中国の四神の一柱であり、霊獣でもある。しかしこの世界での玄武は霊獣ではなく、神獣だ。前を視れば分かるのだが―――、それはとてつもなくでかかった。確かに神獣とも納得出来る位の。

 

「ほぇ~やっぱ大きいですね、玄武!」

 

「…フヒヒ。大金が、大金が歩いてるわ。フヒヒ……。」

 

…最近コイツは自分が女神だという事を忘れている気がするんだが、大丈夫なのだろうかと思う。俺は余計な思考に浸るのを止め、目の前の玄武に意識を高める。

 

「―――嵐が来る。」

 

めぐみんは言葉とポーズ同様に痛い言動をとる。そして我らが兄貴、ポチョムキン四世さんは扇情を煽り立てる―――。

 

 

 

―――お前ら、命を狩る準備は出来ているか?

 

 

 

「「「「「「「「「「応!」」」」」」」」」」

 

 

 

「冒険者とは冒険をしなければならねぇ。だったら命知らずの馬鹿共―――、」

 

 

 

―――命を落とす覚悟は出来ているんだろうな?

 

 

 

「「「「「「「「「「応!!!!」」」」」」」」」」

 

 

 

「それじゃあ行くぜ……、蹂躙せよぉぉぉぉ――――――――ッッッッ!!!!!!!!」

 

 

 

「「「「「「「「「「オォォォォォォォォォォ――――――――――ッッッッ!!!!!!!!」」」」」」」」」」

 

 

 

兄貴が指揮を執り、玄武目がけて走っていく。その目はまるで―――、

 

「行くぜぇぇぇぇ――――――――!!!!!!!!」

 

―――武士(もののふ)の如し。

 

 

 

「さて、私らも行くとするか!」

 

ダクネスは全速力で玄武のもとへ向かい、凸凹した玄武の皮膚をよじ登っていった。

 

「―――さて、俺らは作戦通りに行きますかねぇ。」

 

俺は嗤う。めぐみんと共に作戦を実行するべく、玄武のもとへ向かう。

 

「……ちょっと怖いですが、あの亀が困っている様でしたらやってみるしかないですね。」

 

「カズマがそういうなら仕方がないですね。―――いいでしょう。我が爆裂魔法で玄武を救ってみせましょう!」

 

俺が行う作戦は平行世界でも行った通り、コブに爆裂魔法をぶち込む。だけどどうした事か、今回の玄武のコブはダイヤモンドでコーティングされていたのだ。

 

「多分一筋縄ではいかないと思うし、再びだがゆんゆんとめぐみんにはマナタイトを持って連続で中級以上の魔法と爆裂魔法を放ってもらう。」

 

「「了解です!」」

 

「それじゃあ―――、派手にやりますか。」

 

 

 

 

 

【三】※クリス視点

 

やあやあ皆さん、クリスだよ!今はね、玄武の上に乗っているよ!黙々と採掘しているんだけど、希少な鉱石が沢山手に入って嬉しいな!

 

「ほう、クリスまで来ていたとは…。やはり宝島のイベントは大賑わいで楽しいものだな。」

 

横を見るとダクネスが軽装備で採掘していた。

 

「おお、ダクネスか!どうだい、希少な鉱石は採掘出来ているかい?」

 

「ふむ、まずまずって所だ。だけど希少鉱石であるマナタイト等が沢山採れるんだ。嬉しいに越したことはない。」

 

「だよねだよね!いや~、こういう一大イベントって設けられるし、何より盛り上がりがあって楽しいね!私、来て正解だったよ!後ろから大きな爆裂音が頻繁に聞こえるけど気にしな―――。って、爆裂音?」

 

「爆裂音……?―――まさかっ!?」

 

「―――爆裂(エクスプロージョン)爆裂(エクスプロージョン)爆裂(エクスプロージョン)

 

「ひゃっほぉぉぉぉ――――――っっっっ!!!!蹂躙鉄拳(ジャスティス)蹂躙鉄拳(ジャスティス)!」

 

「何やってんのぉぉぉぉ――――――ッッ!?!?!?!?」

 

後ろを見たら頭のおかしい二人(カズマとめぐみん)がとんでもない事をやらかしている。そして爆裂魔法に巻き込まれたダクネスはというと―――、

 

 

「ん……ひゃぁぁぁぁ―――――!!!!」

 

 

―――派手に逝った。

 

 

「ダクネスゥゥゥゥ――――――!?!?!?!?ちょっと君たち!?何しているの!?」

 

「ハッハッハ!!●ールブレイカー!」

 

「―――爆裂(エクスプロージョン)爆裂(エクスプロージョン)爆裂(エクスプロージョン)

 

「さらっと愉悦めいた発言しないでくれない!?てか爆裂魔法何発ぶっ放して大丈夫なの!?」

 

「ああ大丈夫だ!マナタイトで魔力絶賛増量中だ!俺のパーティー舐めたらスティールでパンツ剥いでやるぞ!フハハハハ!!」

 

「ちょ―――。この、変態!!」

 

よく分からないが、思考が狂戦士(バーサーカー)と化しているカズマ。これも一大イベントのお蔭でそうなったのだろう。

 

「本当、退屈しないパーティーだね。アハハ……。」

 

アタシは煩い爆裂音を無視しながら採掘を続ける。いや、煩すぎてむしろ集中出来ないだろという意見はあえて無視するよ。採掘を続けて数十分経過し、喧嘩と思わしき二人の声が聞こえる―――。

 

 

「アッハッハ!あんたの物は私の物!私の物は私の物!さあ糞リッチー、全部私に鉱石を寄越しなさい!!」

 

「あ、アアアアクア様!?今宝島ですよ!?人の物奪うのは犯罪ですよ!?」

 

 

―――なんと、女神のジャイアニスト(アクア先輩)がウィズさんを脅迫して奪っていた。

 

「ちょ、ちょっとアクアさん!?流石に人の物を奪うのはめがm…ゲフン、人としてあってはならない行為ですよ!?―――スティールッッ!!」

 

アタシはアクア先輩にスティールをかけ、ウィズさんに鉱石を返した。

 

「はい―――。どうぞ、ウィズさん。」

 

「あ、ありがとうございます!クリスさん!」

 

「ああああ、ちょっとクリス!?何でリッチーなんかに手を貸すのよ!?私お金不足よ!?女神なのよ!?天界の学園唯一のジャイアニストであるこの私に逆らうつもり!?」

 

「学園唯一のジャイアニスト!?そんなの一ミリたりとも知りませんよ!?…早くしないと玄武が逃げていきますよ?」

 

「あ、あぁそうだったわ!!やい糞リッチー!今回は見逃してやるわ!!―――待ちなさい、私のお金ぇぇぇぇ――――――ッッ!!!!」

 

アクア先輩が行動するも遅かった―――、

 

 

 

「―――爆裂(エクスプロージョン)!!!!」

 

「―――十振二十総切(じゅうしんにじゅうそうせつ)!!!!」

 

 

 

―――頭のおかしい二人(カズマとめぐみん)によってコブと共に巻き添えを喰らったのだから。

 

 

 

「アクア先輩――――――ッッッッ!!!!!!!!」

 

 

 

この後、玄武のコブの破壊に成功し、感謝するとばかりに身体にこびり付いた鉱石を振り落とし、冒険者に鉱石を与えて去っていった―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




何でトリスタンが来ないのでしょうか…。ああ、私は悲しい…(ポロロン)

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