ブルマの日々   作:GGアライグマ

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第21回天下一武道会、レッドリボン軍

 ピンクの美少女はユフィと名乗った。ゼロ、というテロリストと和解したと思ったところ、その後の記憶が途切れているらしい。気付いたら血まみれでここにいたようだ。

 まあユーフェミアがルルーシュのアレにかかって殺しまくったってやつだろう。記憶がなくて助かったな。

 

「とりあえずユフィは死にかけのところを俺に救われたわけだ」

「私、死にかけだったのですか? しかし、どこにも痛みは。血はついてるみたいですけど」

「さっきのデカい龍の力で治した。そうでなければ死んでいた」

「そうなのですか? あの、ここは天国ですか?」

「お前はまだ生きている。さっきの龍の力でこの星にテレポートしただけだ」

「テレポート? なら戻れるのですか?」

「再びさっきの龍の力を使えば可能だ。だが、使えるかどうかは俺の気分次第」

 

 我ながら悪役のセリフだな。

 

「私にどうしろと?」

「ふっふっふ。まあ適当に使用人の真似事をしてもらえばいい。家事とか実験の手伝いとかを頼むかもしれない」

「使用人……」

 

 第一印象は決してよくないだろう。だが一応うなずいてもらった。

 

 さて、ドラゴンボール探しに旅は終わった。原作のブルマは街へ帰るが、俺は特に学校に興味がない。それよりは修行したい。ということで、ユーフェミア、悟空と共に亀ハウスへ向かった。

 ユーフェミアの血染めの服はホイポイカプセルにしまい、俺の服を貸した。体格はほぼ同じだった。

 

「むっ、ピチピチギャルが二人じゃと!?」

 

 亀仙人の予想通りの反応を聞き流し、修行のお願いをする。

 

「私と悟空と、こっちのユフィ3人お願いします」

「お願いします」

 

 ユフィも一応修行させる。理由は汗だくの美少女を見ると落ち着くから。

 本人も修行したいようなので問題なかった。

 

「うーむ。ま、ピチピチギャルが二人じゃからな。いいじゃろう。特別に3人とも面倒見ちゃる」

「修行つけてくれんのか!」

 

 ツッコミの亀がいないなあと思いつつ、悟空とハイタッチ。

 

「さて、では引っ越しの準備からじゃ」

 

 修行は孤島ではなく近くの村でやるらしい。引っ越しの準備を手伝っていると、2頭身の嫌らしそうなハゲチビが小舟でやってきた。弟子入り希望のクリリンだ。

 

「ダメじゃ。わしはもう弟子を取っとらん」

「しかし彼等は」

「あいつらは特別じゃ」

「そんなあ」

「いいじゃねえか。じっちゃん」

 

 いろいろあって、ギャルが二人いるからまあいいかという理論で纏まった。

 あれ、ランチさんは?

 

 亀仙流の修行。初めは崖から投げた石を取ってくるというもの。ふふふ。俺の頭脳が活躍する時だ。

 崖の高さはパット見80m。放物線運動、風、空気圧により落下地点予測。誤差範囲指定。よし行ける。

 

 悟空は崖から飛び出したが、クリリンとユフィは躊躇する。俺は特殊スーツに身を包んで飛び出す。これがあれば多少痛いが80m程度なら大丈夫。クリリンが卑怯だなんだ言う。これでもワイヤーショットは使わないつもりなのに。亀仙人は女の子だから見逃してくれる。

 着地前に枝をつかむ。枝は曲がり、やがて折れるが、衝撃は軽減された。こういうことができるのも森で訓練していたからだ。

 

「いたっ」

 

 大の字で着地。やはり多少痛い。まあ問題ないレベルだ。

 悟空は鼻で石を探していた。その近くは俺の計算した範囲と一致する。

 

「おっさき!」

「あっ。くっそー」

 

 ギリギリで先に見つけることができた。悟空は早い者勝ちだと思っており、奪おうとはしなかった。安心した。

 

 その後も数々の修行を行った。体力は悟空、俺、クリリン、ユフィの順だった。

 100m走のタイムは悟空が8秒6、俺が9秒6、クリリンが10秒4、ユフィは13秒9だった。クリリン、ユフィ共にかなり速いが、俺ですらもう少しでボルト超えだ。恐るべしドラゴンワールド。

 

 ランチがいないので、家事も弟子がしなければならなかった。ユフィはいつも家事をする気力が残っていなかったので、俺が代わりにやった。ユフィの牛乳配りが昼までに終わらず、牛乳が腐るので俺と悟空が往復してユフィの分を運ぶこともあった。夜はぐったりしたユフィにオイルマッサージを施すこともあった。これではどちらが使用人なのか。まあ嬉しいからいいのだが。

 

 なんて生活があって、約9ヶ月。亀仙人が天下一武道会に参加してみないかと言った。俺と悟空はうなずいた。ユフィも何気に乗り気でクリリンだけが気まずそうだった。

 

 予選会場は屈強な男達が集まっていた。

 

「おっ、嬢ちゃんも来たのか」

「そっちはお友達か?」

 

 西の都の格闘家達が近づいてきた。

 

「まあそんなもんだ」

「へへっ。昨年は西の都の大会に出てなくて寂しかったぜ。俺らは今度はこっちに出るんじゃないかって期待してたんだぜ。なあ」

「まあな。へへっ。俺達ゃお嬢様のファンだからな」

 

 へらへら笑うおっさん達。下心が見えなければこっちも素直に笑えるんだがな。

 

「クリリン! クリリンじゃないか!」

「なんでお前がこんな綺麗な姉ちゃんに近づいてやがる!」

「せ、先輩」

 

 と、クリリンの先輩らしき柄の悪そうな坊主頭2人が近づいてきた。

 クリリンは萎縮してしまい、愛想笑いでぺこぺこする。

 

「まあ! クリリンさんのお友達ですか!」

「おとも!? ち、違っ」

「はーい。友達でーす」

「えっ」

「おめえは黙ってろ」

「クリリン君とは何年も共に技を鍛えあった仲でして、時には先輩として指導することもありました」

「まあ! じゃあ私にとっては先輩の先輩ですわね!」

 

 クリリンは先輩にお友達なんて失礼だと思ったようだが、その先輩はむしろ知り合いの立場を利用したいらしかった。にやにやと気持ち悪い笑みを浮かべてユーフェミアに話しかける。

 そして世間知らずのユーフェミアは簡単に騙される。

 

「アホ、こいつらどう見てもいじめっこの不良だ」

「えっ」

 

 俺はユーフェミアの腕を引っ張る。

 

「え? 何言っちゃってるんですぅ? そんなことありませんってえ。僕達あなた達と仲良くしたいんですよ」

「そうですよ。僕達平和が大好きなんですよ」

「ブ、ブルマさん。なんてことを言うんですか。謝ってください」

「ブ、ブルマさん」

 

 いじめっ子が見え透いたウソをつく。それに騙され俺を責めるユーフェミア。先輩にビビッて謝るよう促すクリリン。こういうのはあかんなあ。

 

「せい! せい!」

「いたっ」

「ふぎゅうっ」

 

 ユーフェミアは軽く尻を叩き、クリリンには強烈に拳骨しておいた。

 二人とも不満げだ。いや、クリリンは怖気づいたか。

 

「な、何するんですか! いきなり! いたっ。お尻っ。いたたたたっ」

「す、すみませんブルマさん。すみません」

 

 ユーフェミアの尻をバコンボコン叩いた。ようやく大人しくなった。

 

「クリリン。試合後にきちんと説明しておけ。あいつらがいかに情けない小悪党かということを」

「ひいっ」

「かっちーん。さすがにそういう言い方されちゃうと怒っちゃうよ」

「うんうん。あの、大丈夫ですか?」

 

 お尻を押さえるユーフェミア。その彼女に善人ぶって近づこうとしたいじめっ子坊主を蹴飛ばしておいた。

 

「ふんぎゃあああ!」

 

 坊主は壁に叩きつけられ、力なく倒れた。

 

「ひ、ひええっ」

 

 もう一人の坊主頭はようやく怖気づき、化け物を見るような目で去っていった。

 

 なんてことがありつつ、予選が始まった。

 俺、悟空、ジャッキー・チュン、ナム、ギランなどが危なげなく勝利していく。クリリンも先輩を簡単に倒せた。ユーフェミアはバクテリアンに負けた。

 

 結局、決勝に進んだのは俺、ジャッキー・チュン、クリリン、バクテリアン、悟空、ギラン、ランファン、ナムとなった。

 俺はヤムチャの代役のようなポジションだ。一回戦の初っ端でいきなりジャッキー・チュン戦。ついてないな。

 

 実力では完全に劣っている。勝つためには、最初の油断しているうちに決めるしかない。

 

「頑張れよー。ブルマー」

「お嬢様ー!」

 

 舞台に上がると、男だけでなく女の声援もけっこうあった。うれしいもんだね。

 

「ブルマ選手は16歳の女の子ですが、西の都の武道大会で優勝した経験を持ちます。対するジャッキー・チュン選手は謎の老人ですが、予選では圧倒的な強さで勝ち上がりました。おもしろい試合が期待できそうです」

 

 俺は油断なく亀仙人を睨む。半身になり、開始と同時に突っ込めるように構える。

 

「試合開始です」

 

 鐘がなった。俺は軽く一礼し、いきなり飛び出す。

 一番初めが肝心だ。俺は突っ込みながら反転し、大きく足をひねって回し蹴りを繰り出す。

 

「おほおおおお!」

「かめはめ」

 

 予想通り、足を大きく開いたことで亀仙人の視線が股に行った。この隙にかめはめ波を溜めておき、振り向きざま。

 

「波あああああああああああ!」

「ぬっ!」

 

 いきなり全力のかめはめ波だ。至近距離であったこと、股を見て興奮していたことから、亀仙人は完全に反応が遅れた。

 

「ぐふっ」

「なっ! これはあああ! ジャッキー・チュン選手、ブルマ選手の謎のビームのようなもので飛ばされてしまいました! 場外です!」

 

 よし。命中。亀仙人は武舞台を越えて吹っ飛んでいく。

 だがここで安心する俺ではない。

 

「しょあっ!」

「おおっとブルマ選手! 何を思ったか走り出し、ジャッキー選手目掛けて飛びました!」

 

 走り幅跳びの要領で亀仙人目掛けてジャンプする。

 

「波! 波! 波!」

 

 斜め上から小刻みな気功波を放つ。亀仙人はかめはめ波を使って武舞台に戻ることができる。ならば俺はそれを妨害する。

 

「ひ、酷い! 老人虐待! なんということでしょう! 試合は決まったにも関わらず、ブルマ選手謎の攻撃を止めません!」

 

 実際亀仙人は連続気功波に打たれて上手く気が練れていない。また、斜め上からの気功波は亀千人の落下速度を増していく。もう少しで場外だ。勝ったな。

 

「ぐっ、くううっ。ぬんっ!」

 

 あっ、マッチョモードになった。亀仙人から気が溢れ、初めのかめはめ波が一瞬で離散する。続く気功波もぱちんぱちんと体を叩くだけだ。

 

「波ああああああ!」

 

 そしてギリギリのところでかめはめ波の逆噴射。亀仙人は武舞台に戻っていく。

 これは俺の負けだな。

 武舞台に戻れないことはないが、もう気はほとんど残っていない。諦めて場外に足をつく。

 

「はあ、はあ、はあ」

 

 疲れた。やっぱ気功波はごっそり体力を奪われるな。

 

「場外! な、なんということでしょう! 試合を優勢に進めていたはずのブルマ選手が場外! ジャッキー選手はブルマ選手と同じような技で武舞台に戻ってきてしまいました! それも肉体が巨大化し、筋肉で服が弾け飛んでおります! なんという試合でしょうか!」

 

 その後、試合結果は完全に原作通りとなった。違いと言えば、悟空がよい子みんみん拳で眠った時に、俺が「ご飯の時間だ」などと協力せず、ジャッキー・チュンがそのまま優勝したことだ。

 優勝後、亀仙人は飯をおごってくれた。その席で亀仙人に「いきなり小細工しおって。正々堂々闘わんかい」と愚痴られた。俺は「いやー、ジャッキーの使ってたよい子みんみん拳って卑怯だけど便利な技だよなー」と返した。亀仙人は「ぐぬぬっ」となっていた。

 

 その後、高校の単位が危ないらしいので、西の都に戻った。クリリンは亀ハウスで修行を続け、悟空は世界へと飛び出す。ユーフェミアは俺と共に高校へ。ユーフェミア本人も庶民の暮らしを味わってみたいらしかった。

 原作はこの後レッドリボン軍偏へ突入する。俺は人造人間のデータと則巻せんべえの発明品が欲しい。また、ブルー将軍に殺されないように、金縛り対策でメイドロボットを作っておいた。

 

 ある日、重力室で汗を流していると、悟空がやってきた。ウパの父とやらが死んだのでドラゴンレーダーが欲しいらしい。俺は了承し、ドラゴンレーダーを渡しついでに旅の共になった。

 

 亀ハウス近く、海中のドラゴンボールを手に入れようと潜水艦で海に入る。そこへレッドリボン軍も潜水艦で襲ってきた。俺の潜水艦は魚雷を大量に保有し、能力も段違いなのでふつうに勝てた。

 海中の洞窟を進んだ。海賊の根城だったようで、宝を守るようにロボットやら巨大タコやらが出てきた。

 

「バーン」

「あっ、おいブルマ」

 

 俺の光線銃により、全ての勝負は一瞬でついた。経験値が上がらないが、それよりも命優先だ。

 何千億ゼニーもあるお宝と共にドラゴンボールを手に入れた。ブルー将軍は襲ってこなかった。潜水艦勝負で死んだか? それとも先に亀ハウスに向かった?

 

 俺、悟空、クリリン共に亀ハウスに浮上する。亀仙人もユフィも無事で、ブルー将軍に襲われた気配はなかった。その後もしばらく待ったが、やはりブルー将軍は現れなかった。やはり潜水艦の魚雷で死んでしまったようだ。なんということだ。やつが逃げなければ世界を超えてペンギン村に行くことができない。

 

 しかし、この星のどこかにはペンギン村が来ているかもしれない。俺は一縷の望みをかけて周辺の海を飛び回った。スパイロボットを飛ばしたりもした。しかしペンギン村は見つからなかった。

 

 がっかりしていると、クリリンから電話があった。悟空がレッドリボン軍に攻め込んでいるらしく、今から亀仙人、クリリン、ユーフェミアも救援に向かうらしい。俺も救援に参加して欲しいそうだ。

 悟空一人でレッドリボン軍を滅ぼせることは分かっているが、俺はドクター・ゲロの人造人間のデータに興味があったので、参加することにした。

 

 ジェットフライヤーに4人で乗り込み、いざレッドリボン軍総本山へ。

 

「ブ、ブルマさん。なんでそんなに余裕なんですか?」

 

 クリリンが尋ねてきた。

 

「うちの科学は世界一。俺の光線銃、特殊スーツ、ロボットがレッドリボンに敗れるはずがない」

 

 今の悟空一人で倒せる雑魚組織だからな。銀河パトロールで大活躍している我がロボット、アバレシリーズの敵ではない。

 

「そ、そんなにすごいんですか?」

「潜水艦で戦ってみて確信した。技術力が違いすぎる」

 

 俺の話に3人は安心したようだった。

 本部に乗り込む手前でジェットフライヤーを降り、アバレ4号を出して俺とユーフェミアで乗り込んだ。

 

「あれ? 僕達の分は?」

「ない」

「お、おい! お主達だけズルいぞ!」

 

 しかしこの口論に意味はない。今頃レッドリボン軍は滅んでいるはずだ。

 

 実際、基地はあちこちから煙が上がり、ゴロツキ達は方々へ逃げ出していた。俺は武器を積んで逃げようとする車やヘリを破壊したが、生身の人間はそのまま逃がした。殺しすぎると恨まれて危ないからな。

 基地内が落ち着いた後、基地の捜索に移った。壁を壊し、貴重そうな物や研究資料を探す。いくらかドクター・ゲロの成果報告書が見つかった。しかし、ある意味当然かもしれないが、実験の手順書や設計図は見つからなかった。

 

 とは言え、ドクター・ゲロの隠れ家は分かっている。レッドリボン軍がこんなことになった今、隠れ家の警備はぬるくなっているはずだ。

 俺は今すぐ攻めるか人造人間18号を作るまで待つべきか迷った。18号はクリリンの嫁になり、2人の結婚生活は幸せそうに見えたからだ。

 が、結局今すぐ攻めることにした。この世界の18号は悟空が心臓病で死ぬ時間軸のように冷酷かもしれないし、改造前のラズリが被害に遭うのを見過ごすのは人道に反すると思ったからだ。人造人間17号、18号というのは氷山の一角で、実験の犠牲者は100人くらいいると思うしな。

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