ブルマの日々   作:GGアライグマ

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ドクター・ゲロを討て

 今日はドクター・ゲロの研究所を攻める。正直レッドリボン軍の本部より恐い場所だ。はっちゃんは悟空より強かったが、他にもっと強い人造人間が今の時点でいるかもしれない。自爆装置や毒ガス兵器だってあるかもしれない。気を引き締める必要がある。

 レッドリボン軍残党の動きからドクター・ゲロの研究所の位置は割り出せている。そこから約1キロ離れた位置で待機し、突入の流れを確認する。

 応援にジャコを呼んでおいた。ジャコをアバレ2号、ユーフェミアを3号に乗せ、自身は最新のアバレ4号に乗り込む。

 

「Dr.ゲロは必ず人質を使ってくる。だがやつを取り逃がせばそれ以上の犠牲者が出る。もしもの時は人質もろとも殺すように」

「ふむ。銀河パトロールらしい発想だな。いいだろう」

「私は、最後まで諦めたくありません」

 

 ジャコは頷いたが、ユーフェミアは命令に背きそうだ。

 

「ならばユフィ。お前は外で待機だ。万一ドクター・ゲロが逃げたした場合、外から仕留めよ」

「しかし」

 

 何を言っても不満になりそうなので、話はやめにする。

 

「さあ行くぞ、ジャコ」

「経験豊富なスーパーエリートに素人が命令するな。お前が私についてこい」

「分かった」

 

 まあいいだろう。ジャコはアバレ2号で大岩に突っ込んでいく。その上部に研究所への入り口があった。

 

「シエイ!」

 

 ジャコがアバレ2号の光線銃を一発。分厚い入り口がドロドロと解ける。だが少し足りない。

 

「もう一発」

 

 今度は俺が光線銃を放つ。入り口の壁は真っ赤に光り、ドロリと落ちた。

 ほぼ同時、研究所からサイレンが聞こえた。ドクター・ゲロも襲撃に気付いただろう。ここからはスピード勝負になる。

 

「突っ込めええええ!」

「だらあああ!」

 

 入り口へ突っ込む。通路はロボットの肩幅ギリギリで、たまに肩が当たってバランスが崩れる。

 レッドリボン軍らしき兵士は機関銃で応戦する。しかし特殊合金のアバレには傷1つつかない。

 

「そこだ!」

 

 こちらは生身の体に40mmバルカンを浴びせる。敵の肉はぐちゃぐちゃに引きちぎれた。

 

「ぎゃああああ!」

「人殺しいいい!」

「ドクター・ゲロはどこだ! 言え! さもないと!」

 

 兵士達は不利を悟り、銃を捨てて両手を挙げる。そしておそるおそる両手を挙げた。

 

「お、おくの部屋にいるはずだ。あそこに階段が見えるだろう?」

 

 一人の男が言いながら奥を指差した。確かに地下へ伸びる階段が見える。しかし狭いのでアバレ号は通れない。

 

「ここからが本当の勝負だ」

「死ぬなよ。ブルマ」

 

 アバレ号をホイポイカプセルに戻し、特殊スーツ姿で階段を下りる。と、降りる途中で壁から銃器が現れた。

 

「よっ、ほっ」

 

 大した銃器ではないから壁走りで回避できたが。

 

「遅いぞ。ブルマ」

 

 さすがは銀河パトロールのエリート。俺より遥かに早く、あっという間に階段を降り、続くドアを蹴飛ばした。このドアもなかなか分厚かったがジャコの蹴りには全く耐えられなかった。

 そこは縦横も天井も広い部屋だった。ロボットらしきやつらが10数人いた。

 

「うがあああ!」

 

 そいつらがまずジャコに、続いて俺に襲い掛かる。

 

「ふん! 遅いわ!」

「バーン」

 

 ジャコは肉体で、俺は光線銃で次々とロボットを破壊していく。

 と、不意にプシューっと音が聞こえ、濁った空気が部屋に入ってきた。毒ガスだろう。

 だが、俺の特殊スーツには無意味。ジャコも専用のマスクを取り出していた。

 

 人造人間達を全て破壊し、先へ進む。

 

「どりゃあ!」

 

 ジャコの蹴りで分厚いドアが壊される。

 続く道は左右に別れていた。

 

「どうする?」

「私は右を攻める。ジャコは左へ」

「いいだろう。死ぬなよ」

 

 それだけ言うと、二手に別れて走る。俺は地雷や落とし穴を警戒してできるだけ壁を蹴って走る。

 薄暗い道を進むと、分厚いドアに行き詰った。光線銃を撃つ。

 表面が溶けた。もう一度撃つ。さらに溶けた。もう一度。向こう側が少し見えた。

 

「波!」

 

 弱ったドアを気功波で吹き飛ばす。

 さあ、鬼が出るか蛇が出るか。

 

「暗っ」

 

 暗いが問題ない。特殊スーツが赤外線で視界をくれる。

 しかし、驚いた。一面びっしりと牢屋。中にはやせ細った子どもやうめき声を上げる大人が入っている。数は全部で100人くらいだろうか。狭い研究所だと思っていたが、かなりの規模だな。

 

「し、侵入者か!? かぽっ」

 

 守衛らしき人造人間に光線銃を浴びせる。まずは顔。次は胸。エネルギー炉があったようで、人造人間は爆発した。

 

「い、痛あああああ!」

「ぎゃあああ!」

 

 近くの子どもが爆発に巻き込まれてしまった。まあ不可抗力だろう。

 守衛は牢の鍵の束を落としていた。俺はそれを拾い、手前の牢屋に試してみる。おっと、カギに番号が書いてあるな。牢の番号は、18か。あるな。

 よし。開いた。

 

「あ、ありがとう」

「待てよ。信用できるのか?」

 

 疲れきった子ども達がよろよろと立ち上がる。一部牢から出るが、一部はいぶかしげに俺を見る。

 というか睨んでくる娘、18号そっくりだな。ラズリだろう。12歳くらいでかわいらしい。

 

「まだ逃げるなよ! 出口へ続く部屋は毒ガスが充満しているんだ!」

「ひっ」

「全員牢から出るまで待っていろ! 俺と一緒に走って一気に逃げるんだ! もちろん息は吸わないように気をつけろよ!」

 

 俺が脅すように言うと、子ども達は頷いた。

 しかし一部の人間は発狂し続けており、とても会話できる状態ではなかった。

 

「ひゃはあ! ひゃははあははああああ!」

 

 実験の失敗例だろう。かわいそうに。

 発狂している人間は5人。ぐったりして動けないのが10人。

 俺が運ぶしかない。面倒くさい。

 

 ふと、研究所に爆音が響き、辺りが激しく揺れた。

 

「自爆か?」

 

 天井の石がポロポロ落ちる。ここも危ないかもしれない。

 

「おい! ちんたらしている暇はなくなったぞ! 急いで階段を駆け上がれ!」

「うわああああ!」

 

 子ども達が一斉に部屋を出て行く。おいおい、叫んだら毒ガス飲み込んでしまうぞ。

 俺も子どもと一緒に部屋を出る。だが、階段を駆ける暇もないな。

 

「やっぱり時間切れだ! できるだけ俺に近づけ!」

「えっ」

「うわああ!」

 

 大きな岩がいくつも天井から降り注ぐ。いや、天井そのものが落ちてきている。

 俺はホイポイカプセルでアバレ1号を呼び出しながら全身に気をみなぎらせる。

 

「波あああああーーー!」

 

 そして天井へ向けてかめはめ波。

 アバレ一号は18mある。出現すると同時に天井に頭がぶつかり、壊れながらなおも伸びていく。さらに俺のかめはめ波が天井を打つ。いけるか? いけないと困るのだが。

 

「波ああああーーー!」

 

 かめはめ波を撃っている間は天井は落ちてきていない。だが押し上げられてもいないような気がする。

 やばいなあ。

 

「はあ、はあ、はあ」

 

 体力切れだ。かめはめ波を諦めて光線銃を連射する。連射しながらアラレ4号のホイポイカプセルを投げる。

 

 煙が空間を満たす。俺はいきなりコックピットに入る形になっていた。そういう仕様だからだ。俺だけはきっと助かる。

 だが、若干のタイムラグで天井は俺達に接近していた。大半の子はもう間に合わないだろう。

 それでも俺は、急いでアラレ4号の光線銃を天井に掲げ、撃つ。撃つ。ミサイルも撃っちゃう。

 

「はあ、はあ、はあ」

 

 弾切れだ。精一杯やったと思う。死んでしまった被験者たちには申し訳ない。

 

 

 天井がアバレ4号に降り注いだが、予想通りアバレ4号のコクピットは無事だった。関節は終わっちゃったけどね。

 しばらく待っていると、ジャコから通信が入った。

 

「無事か。ブルマ」

「無事っちゃあ無事だけど」

「そうか。まあお前ならそう簡単に死なないだろうと思ったぞ。ドクター・ゲロは殺しておいた。死に際に研究所の自爆装置を押されてしまったがな」

「やっぱり自爆させてたんだな。俺もそれで岩に挟まっていて動けないんだ。いや、出ようと思えば出れるけど、岩を退かした瞬間に他の岩が崩れて無事な人たちがが潰されちゃうかもしれないからできない」

「なるほど。うーむ。岩がどう崩れるかという計算が必要なわけだな。こういうのは本部に任せよう」

「写真を撮って本部に送るってことか?」

「そうだ。私のアバレ3号にはX線カメラがついてるから内側の岩も撮影できる」

「というかどうやって研究所の外に出たんだ?」

 

 ジャコの身体能力でも、間に合うかどうかは微妙だったはず。

 

「ドクター・ゲロは秘密の抜け道で外へ出ようとしていたんだ。だからやつを殺した時に出口はすぐそこだった」

「ふーん。やっぱり逃げ道あったんだな」

 

 その後、ジャコは崩れた山を綿密に撮影し、その情報を銀河パトロール本部に送った。銀河パトロールの科学班は岩の動きを綿密に計算し、どう除去したら下が崩れないかという方法をジャコに知らせた。

 ジャコはその情報を元に、ユーフェミアと共に岩を除去していった。俺が地中から抜け出せたのは突入から10時間後のことだった。

 

 なお、17号ことラピス、18号ことラズリ、両方とも命は無事だった。ただ、ラピスはラズリを庇って岩の下敷きになったので、下半身不随になってしまっていた。2人は孤児なのでとてもではないが手術費など出せない。金があってもふつうの病院では足を元に戻せない。

 しかし俺は、ドクター・ゲロの研究内容を入手していた。人造人間の技術を生かせばラピスを治療することはできた。しかし、タダでやってあげるのももったいないので、ラズリには俺のメイドになるという契約を結ばせた。

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