夕張さんが誰かを背負って歩いてきた。青い髪にセーラー服。何故だかはよく分からないが、すぐに艦娘であると気付いた。
「その子、どうしたんですか?」
ま、まさかさらってきたなんて事はないでしょう。きっと夕張さんなりの理由があってお持ち帰りしちゃったんだろう。若さ故の過ちというやつだ。しかし、今なら間に合う。過ちは悔いて次の糧にすれば良いだけだ。
「拾いました。」
…
……。
「正直に言ってください。魔が差したんですよね?かわいかったから連れてきちゃったんですよね?」
「ち、違いますよ!この子は俗に言うドロップ艦ってやつで私が無理矢理ここに連れてきた訳じゃないんです!私は無実です!」
犯人は大体そう言うものです。
「…ロリコン。」
「やめて!そんな目で私を見ないで!?」
結局、誤解が解けるのには2時間もかかった。
「建造、やってみちゃいました!」
明石さん…貴女もなの?
目の前にいるのは黒いセーラー服で白髪の女の子。大体、さっきの〝五月雨ちゃん〟と同じくらいの年齢で綺麗な緑色の目をしている。
「どこから拐って来たんですか?別に怒ったりとかはしませんよ?ちょっとメガ粒子砲が火を吹くだけです。」
「ぽい?」
「嫌だなぁ、ガウさんは建造を知らなかったんですか?資材を使って艦娘を作るんですよ。夕立さんは〝ソロモンの悪夢〟とも呼ばれる凄い艦娘なんですよ?」
ソロモンの悪夢…どこかで聞いたような聞かなかったような…。いや、どう考えても違う人だろう。
ただ、1つ言わせてもらいたい。
「何で生まれたばっかりの子の艤装を魔改造してるんですか!?肩にジャイアントバズとか腰にチェーンマインとか明らかに駆逐艦の域を越えているって言うかoverkillですよね!?」
「これでポーイポーイしちゃうっぽい!」
こっち向けないで!洒落にならないから!?それは多分、当たりどころ悪いと木馬でも沈むから!
「大丈夫ですよ、核は作っていませんし作る気もありません。」
そんな物騒な事いわないで!?
「ロマンだよ、我々はそれを求めている。」
「ロマン…宇宙の奇跡。」
「ロマン、それは神秘。」
いつの間にか妖精さんまで浸食されていた。どうしてこうなった…あ、私のせいだわ。まぁ、良い刺激になったのなら良いのか?どちらの妖精さんも打ち解けたようだから、恐らく問題はないだろう。
「工尚の機能は全面回復したということで良いですか?」
「建造、修理、開発…全部OKです!」
工尚の方の問題は一部を除いて解決し、仲間も増えた。こんな嬉しい事はない…。