第14話 旅行一日目
キャンプ当日。
エレンとマリーは陽子の家の玄関にいた。
「それじゃあエレン君、マリーちゃん、
陽子を宜しくね。」
「はい、陽子姉の世話は任せてください。」
「陽子のことは暴走しねぇようにしっかり見張っとくんで。」
「お前らは私の精神年齢いくつだと思ってんだ!?」
いつも通りのやり取りをしたあと、3人は玄関を出て待ち合わせ場所に向かう。
「フフフーン♪楽しみだなぁ、キャンプ。」
「陽子姉もうはしゃいでる。」
「キャンプなら今まで何回も行ったろ?」
「楽しいことは何回やっても飽きないんだよ!」
「ガキかよ。」
「なにこの!」
そんなことを言っていたエレンだが、
その顔がニヤっと笑みを浮かべる。
「まぁ、今回は俺も楽しみだけどな。」
「あぁ、雅兄とからすちゃんのこと?」
そう言うと陽子はエレンと一緒にニヤニヤとする。
「あのさぁ、わざわざ家までカチコミかけて色々聞いたんじゃないの?
まだ足りない?」
そう、あのあと陽子を初めとするいつものメンバーは雅人の家に殴り込むと、その場にいた雅人とさくらを小一時間問い詰めた。
「いやぁ、まだまだ。
はぐらかされたこともあったしなぁ。」
「零兄が酒のまして一切合切吐かすっていきり立ってたよ。」
「さすが零士さん、そこに痺れる憧れる。
さぁて、俺達もどうしてやろうかなぁ。」
悪い笑顔を浮かべる陽子とエレンを見て、
マリーはため息を吐いた。
「そっとしといてあげるっていう選択肢はないの?」
「何言ってんだマリー!私達だって付き合い始めた時散々からかわれたんだぞ。」
「陽子の言う通りだ。
やられたらやり返す、倍返しだ!」
「・・・さいですか。」
そんな会話をしながら待ち合わせ場所に着くと、
すでに綾と賢治が先に着いていた。
「綾、ケン、おはよう。」
「おはよう、陽子、エレン、マリーも。」
「おはようっす。」
「おう。」
「ん。」
5人は軽い挨拶を済ませる。
「他のみんなはまだ来てないのか?」
「うん、雅人さんは烏間先生のペットの兎をペットホテルに預けてから2人で来るって。」
「流石にこの暑さっすからねぇ。
連れてくわけには行かないっすよね。」
「なんでがっかりしてるのよ賢治。」
「いやぁ、兎触りたかったなぁって。」
「木組みの家と石畳の町で散々もふったでしょ。」
「まだまだ足りねぇっすよ。」
「もう、今はこれで我慢しなさい。」
綾が自然な流れで賢治の頭を撫で始める。
「綾・・・大胆っすね。」
「え?・・・あ////。」
エレンと陽子が見てるのに気づいて、綾は顔を赤くする。
「なるほど、普段はそんな感じでイチャついてるのかぁ。」
「気にしないで続けてくれ、俺たちここで見てるから。」
「いや・・・その・・・これは違うの!」
「わかるわかる、私らも最初は恥ずかしかったから皆の前では控えようって思ってたんだけど、ついついいつもの調子でイチャついちゃってさ。」
「そのうち抵抗無くなぅて、結果周りからバカップルって言われだすんだよなぁ。」
「本当に違うの!普段からやってるわけじゃないの!」
「そうっすよね、どっちかって言うと甘えてくるのは綾の方っすよね。」
「余計なこと言わないで賢治!」
綾が賢治をポカポカと叩く。
そんな様子を他の三人が笑ってみていると、
「楽しそうやなぁ・・・お前ら・・・。」
明らかに落ち込んだ様子で蓮が合流した。
「ど・・・どうした蓮。
顔から覇気が・・・いや、それどころか生気が感じられないけど。」
蓮は大きくため息を吐いた。
「結局、今日まで1度もしのとデート出来なかったンゴ。」
「Oh・・・」
蓮は落ち込みながらも言葉を続ける。
「誘っても誘っても用事がありますいうて断られ続けたんや。
はぁ、やっぱり俺なんとも思われてへんのやろか。」
「あはは・・・。」
忍の思惑を知っている綾と陽子は苦笑いを浮かべて小声で話す。
(蓮ったら完全にしのの掌の上ね。)
(だな、こりゃ会った時の反応が楽しみだ。)
そんな話をしていると、ちょうど忍、アリス、そして隼人の3人がやってきた。
「おはようございます。」
「おはよう!みんな!」
「おはよう。」
3人に、他のみんなが返事を返す。
「あ!蓮くん!」
忍は蓮に駆け足でよっていくと、申し訳なさそうに言う。
「何度もお誘いをしていただいたのに、
お応えすることが出来ずに申し訳ありません。」
「ええってええって、予定があってんから仕方ないやろ?」
「はい、ですから・・・。」
忍は蓮の手を両手でやさしくにぎり、微笑んで言う。
「このキャンプの間は、いっぱい遊びましょうね。」
蓮の頬が微かに赤く染まる。
「お、おう!思いっきり遊び倒そうやないか。」
「ふふ、はい。」
その様子を、陽子と綾は遠くから見ていた。
「悪女よ、悪女がいるわ。」
「いや、しのもしのだけど蓮も蓮でチョロ過ぎだろ。」
「いや、でもしの的には好感触じゃない?
あの子潜在的にSなところがあるから。」
「それで気に入られて果たして嬉しいんだろうか。」
「・・・知らぬが仏ね。」
「だな。」
一方、エレンはアリスと隼人の2人と会話していた。
「おはよう!エレン。」
「おはよ、アリス、隼人。
手なんか繋いじまって、すっかりバカップルだな。」
「も・・・もう////別にいいでしょ!
大好きなんだから。
ね、隼人。」
「ああ、そうだな。」
「イチャつくのはいいけど警察には気をつけろよ。
お前らの身長差だと職質されるぞ。」
「大丈夫!そんな時のために最近はデートの時学生手帳持ち歩くようにしてるから!」
「既にされたことはあるんだな。」
「そういえばエレン、カレンはまだ来てないの?」
「そういやぁ、来てねぇなぁ。
普段ならこういう時真っ先に来てそうなものなのに。」
「まぁ、もう少しすれば来るだろう。」
少しすると、エレン達に1台の車が近づいてきた。
「お、零士さんきたぞ。」
零士が運転する車がエレンたちの前に泊まると、助手席の扉が開き、人影が飛び出してきた。
「みんな!おはようごじゃいマース!」
「なんでさも当然かのように零士さんの車から出てくんだよカレン!」
いつも通り元気いっぱいなカレンに陽子がツッコむと、運転席から降りてきた零士がため息を吐いて頭を抱えながら言う。
「準備終わって出ようと思ったら扉の前でスタンバってやがった。」
「サプライズってやつデスよ!」
「サプライズすぎて心臓止まるわ!
家には来るなって言ったろ!」
「えー、だってダーリンやっと受け入れてくれたじゃないデスかー。」
「卒業するまで我慢しろって言ったよな俺!」
「ワタシニホンゴワカラナイ。」
「さっきまでペラペラ喋ってたろうが!!
ったく!雅人の野郎はどこだ!
こうなったらアイツ弄り倒さにゃあ気がすまん!」
そう言って零士が周りを見渡していると、
1台の車が零士の車の後ろに止まる。
運転席から雅人が降りてきて、少し遅れて助手席からさくらが降りてくる。
「おいっす。」
「みなさん、お待たせして申し訳ありません。」
「いやぁ、からすちゃんがなかなかアリスと離れたがらなくってさぁ。」
「も・・・もう!雅人さん!
それは言わないって言ったじゃないですか。」
「あはは、ごめんごめん・・・ってなんでみんなニヤニヤしてんの?」
雅人の質問に、エレンはニヤニヤとしながら言う。
「べっつにー。
いやぁそれにしても今日はいつにも増して暑いなぁ陽子。」
「だなぁ、こりゃあ50度ぐらいあるんじゃないかー。」
「うん、もうそれ日本の気温じゃないよね。
ポストとか溶けて折れ曲がるレベルだよね。」
「いやぁ、朝っぱらからラブラブやなぁお二人さん。
ほんまお似合いやわぁ。」
「あのね、蓮。
怨嗟に満ちた表情で中指を立てながら言われても嫉妬と殺意しか感じないからね。」
「雅人、おめでとう、祝福するぜ。」
「ありがとう、零士。
でも祝福するなら連続でローキックを入れるのやめてくれるかな。
痛いから、ジワジワきてるから。」
「気をつけろよ、烏丸狙ってたやつ結構多いんだからな。」
「あはは、夏休み明け他の先生に嫉妬されちゃうかな。」
「ああ、最悪刺されるかもな。」
「爽やかな笑顔でおっかないことを・・・。」
雅人が零士に弄り倒されている中、さくらは他のみんなに声をかける。
「おはようございます、烏間先生。」
「おはようございます、小路さん。
皆さんも、おはようございます。」
さくらはニコニコと挨拶をした後、申し訳なさそうに言う。
「今日はすいません、急に参加させて頂いて。」
「いやいや、付き合いたてのカップルから彼氏取り上げるなんてできねぇっすよ。」
「エレンの言う通りデス。
遠慮することありませんよ!センセー!」
「ありがとうございます工藤さん、九条さん。」
いい雰囲気になっている横から、陽子が口を挟む。
「それなら雅兄置いていけばよかったんじゃないの?」
「何言ってんだ!そんなことしたら夜に二人を質問攻めに出来ねぇだろ!」
「今回のキャンプのメインイベントじゃないデスか!!」
「それが本音か悪童共!
・・・って今回は私も言えた義理じゃないけども!」
「こっちにツッコンだ上でセルフツッコミとか・・・最近さらにツッコミスキル上がってきてねぇか陽子」
零士は全員が揃っているのを確認すると、
雅人に言う。
「雅人、そろそろ。」
「そうだね。
よしみんな、車に乗って、そろそろ出発するよ。」
『おー!』
全員が車に乗りこみ、キャンプ場へと出発した。
#####
2台の車は縦に並んで走っている。
前を雅人の車が走り、その後ろから零士の車が着いてくる。
雅人の車には、助手席にさくら。
前部座席にエレンとマリーが陽子を挟むように座り、後部座席に綾と賢治が座っていた。
「キャンプ♪キャンプ♪」
「テンションたっけぇなぁ陽子。」
「あたりまえだろ、楽しみなんだから。
エレンは楽しみじゃないのか。」
「まぁ、それなりにな。
マリーはどうだ?」
「クソ暑くてだるい。」
「そうか、楽しみか。」
「勝手に訳すな。」
そんな会話をしている3人に、後部座席から綾が話しかける。
「そういえば陽子、妹と弟は上手く宥めたの?」
「ギリギリまで粘られたけどな。」
「とりあえず夏休み中に遊園地連れてくってことで和解した。」
「あはは、お姉ちゃんも大変っすねぇ。」
「俺は写真いっぱい撮ってこいって言われた。」
「で、雅兄。
その汐凪のキャンプ場ってどんな場所なの?。」
陽子の質問に、雅人は正面を向いたまま答える。
「良いところだよ、下見したけどこの時期は夜に星がよく見えるんだよ。
あと、三日目は町に移動してホテルに泊まるつもりだから観光もできるよ。」
「本当に!?」
雅人の言葉に綾が食いついた。
「嬉しそうっすね、綾。」
「それはそうよ!
汐凪って言ったら住みたい街ランキングに毎年ランクインしてるくらいなんだから!」
綾がはしゃいでいる中、エレンが雅人にニッコリと笑顔で聞く。
「ところで雅人さん、そのホテルってもちろんカップル同士で同室ですよね。」
「もち四人部屋で男女別だよ
人数的にツインルーム2つと個室もとってるけど。」
「何故だ!」
「逆に聞くけどそんなことすると思う?
一応先生よ?俺。」
「ぐぬぅ。」
「それにそれやったとしてしのと蓮はどうすんの?
一組成立してないじゃん。」
「よし、分かった。
今日明日の2日間で無理矢理にでもあの二人くっつけるから!
それでどうかなりませんかねぇ!」
「なりません。」
「畜生めぇ!」
エレンは本気で嘆いたあと、
「ん?ツインルーム2つ?」
ある違和感に気づく。
今回のメンバーは、男6人と女7人。
まず四人部屋の1つはエレン達高校生男子四人で使うことになるだろう。
そして女子組は四人部屋を使うと3人余ることになる。
このとき、教師であるさくらは遠慮して四人部屋に入らないだろう。
となるとツインルームということになるが、
ここでもさくらは歳の近いもの同士がいいだろうと残りの2人に譲る。
個室を使うのは性格的に零士だろう。
ということは、残るはツインルーム一室。
「なぁ・・・雅人さん。」
「ん?なんだい、エレン。」
「ひょっとして、ツインルーム烏間先生と使おうとしてる?」
「・・・エレン。」
雅人は、バックミラー越しに微笑むと、
「君のような感のいいガキは嫌いだよ。」
そう言った。
「なんだよそれ!ズルいぞ卑怯者!」
「おうおう、なんとでも言え。
大人はそういうもんなんだよ。
よかったな、またひとつ賢くなったぞ。」
「良かねぇよ!なに1人だけ彼女と夏のアバンチュールを過ごそうとしてんの!?」
「別にいいでしょ、こちとら君らと違って大人なの。」
「そう言えばなんでも許されると思ってんなよ!」
雅人とエレンの会話を聞いて、助手席のさくらがクスクスと笑う。
「お二人はとても仲がいいんですね。
まるで兄弟みたいです。」
「ええ、こんな弟嫌だよ。」
「そんな事言わないでよお兄ちゃん。」
「はっはっはっ。
次俺の事をお兄ちゃんなんて呼んでみろ、
車停めて窓から放り投げるぞ。」
再びくすくす、と笑ってさくらは言う。
「雅人ファミリーって言うのがあるって聞いてましたけど、仲が良くて羨ましいです。」
「何言ってんだよからすちゃん。」
横から、陽子が割って入る。
「からすちゃんだって今日から雅人ファミリーだぞ。」
「そうそう、これから長い付き合いになるっすよ。
あ、これからプライベートではさくらさんって呼んでいいっすか。」
「ちょ・・・ちょっと賢治、さすがに失礼じゃ。」
「いいですよ?」
「いいの!?」
「その代わり、私も学校以外では皆さんのことを名前で呼んでもいいですか?」
「全然いいっすよ。
ねぇ皆。」
賢治の言葉に、それぞれが頷く。
「あはは、これからこの集まりも賑やかになるね。」
雅人はどこか嬉しそうに笑った。
「あ、LANEでみんなに知らせとこ。」
陽子は、通信アプリのLANEを使って他のみんなに報告する。
#####
零時の車には、助手席にカレン、
前部座席にしのと蓮、後部座席にアリスと隼人が座っていた。
「あはは、雅人ファミリーに烏間先生加入か。」
LANEを読んだ蓮が楽しそうに笑う。
その隣でしのも嬉しそうに微笑む。
「これでまた賑やかになりますね。」
「せやな、楽しいキャンプになりそうや。
・・・それにしても。」
蓮が後部座席をみる。
そこには隼人に体を寄せて眠っているアリスがいた。
「寝んの早すぎやろ。」
「しょうがないですよ、昨日はとても楽しみにしててなかなか眠れなかったようですから。」
「隼人はええんか、せっかく彼女と初めての旅行やのに。」
「ああ、俺は一緒にいられるだけでもいい。」
「さいで。」
そんな会話をしていると、
「うーん、ハヤト・・・。」
アリスが寝言で隼人の名前を呼んだ。
それを聞いた隼人は、真っ赤になった顔を片手で覆う。
「これ以上は幸せすぎて死んでしまう。」
「ホンマにベタ惚れやな。
ま、仲がええようで何よりやけどな。
なぁ、しの。
・・・しの?」
隣を見るとしのが今にも泣きだしそうな顔をしていた。
「ど・・・どないしたんや!?しの!」
「ごめんなさい、蓮君。
アリスが幸せなのはとても嬉しいんです。
でも・・・でも・・・」
しのは顔をガバッと上げて言う。
「アリスがもう寝言で私の名前を呼んでくれないのかと思うと!寂しくて!」
「まじな顔で何言うてんねん。」
「今なら、巷で噂のヤンデレといわれる人の気持ちが分かる気がします・・・。」
「やめぇ。」
後ろの席で嘆いているしのに、カレンは笑いながら言う。
「それならシノも彼氏作っちゃえばいいんデスよ。」
「彼氏・・・ですか?」
「Yes!
そうですネ・・・蓮なんてどうデスか?
ハンサムですし良いと思いマス!」
「な・・・何を言い出すんやカレン!」
カレンに便乗するように、零士も言う。
「そうだな、最近はなんちゃって女遊びも辞めたみたいだしいいんじゃないか?」
「なんちゃってって言うな!」
「デート中、手は繋ぐけどキスはしない。
挙句の果てには尻尾巻いて逃げ出す事をなんちゃってと言わずなんという。」
「なんで知ってんねん。」
「学校で女子生徒が話してたぞ、チャラいのは見た目だけのヘタレだって。」
「ああああああああ!」
零士の言葉に、蓮は頭を抱えて悲鳴をあげる。
「だいたいお前はチャラ男になりきれてねぇんだよ。
このピアスもノンホールだろ。
ピアス穴開ける覚悟もねぇヘタレが調子こいてんなよ。」
「いじめか!」
零士の口撃に蓮が嘆く。
「やめてあげてください!
蓮くんを酷く言うのは!」
「しの・・・お前・・・。」
「蓮くんは頑張ったんです!
頑張って高校デビューしようとしたんです!
その結果可哀想なことになっただけなんですよ!」
「しのおおおおおおおおお!」
しのからのトドメの一撃に、蓮は悶えた。
#####
「とうちゃーく!」
キャンプ場に着くと、誰よりも先に陽子は車から飛び出した。
陽子の後に続くように他のみんなも外に出る。
「自然が多くていい場所じゃねぇか。」
「なんか私、思いっきり走りたくなってきた!」
「犬じゃねぇんだから落ち着け陽子。」
賢治も綾と共に外に出ると、深呼吸をする。
「空気が美味しいっすねぇ。」
「そうねぇ。
でもやっぱりシーズン中だから人が多いわね。」
「ほんとっすねぇ、親子ずれが多いっす。 」
その横にいた零士がふと思いついて言う。
「周りから見たら俺ら、どういう集まりに見えるんだろうな。」
「分かりませんけど私とダーリンはカップルに見えると思いマス!」
「ははは、こやつめ。」
「ダーリン!?だんだん私の扱い方が雑になってマセんか!?」
そんな会話を聞いていたアリスは恥ずかしそうにしながら隼人に聞く。
「ねぇハヤト、わ・・・私達もカップルに見えるかな?」
「あ・・・あぁ、そうだな。
見えると思うぞ。」
「・・・ハヤトって、嘘、下手だよね。」
「すまんアリス、正直兄妹にしか見えないと思う。 」
「ふ・・・ふん、いいもん!
周りからどう思われたって、私とハヤトは恋人同士だもん。」
「あぁ、そうだな。」
そう言ってアリスと隼人はニコニコと微笑み合う。
雅人はエレンたちの後方で、さくらとキャンプ場を眺めていた。
「綺麗な場所ですね、雅人さん。」
「そうでしょ、前から来てみたかったんだよね。
夜は星が綺麗だって言うからさ。」
「それは楽しみですね。」
「うん、だから夜は二人っきりになれるといいね、からすちゃん。」
「は・・・はい、そうですね////」
そんなカップルたちの様子を、蓮は恨めしそうに見ていた。
「クソが・・・あっちこっちでいちゃつきよってからに。」
「羨ましいんですか?蓮君。」
「ああ、ピンポイントに隕石落ちて欲しいくらいにわな。」
「それはそれは・・・あ!じゃあこういうのはどうですか?」
シノは何かを思いつき、楽しそうに話す。
「このキャンプの間は、私達も恋人になるんです。」
「は・・・はぁ!?何言うとんねん。」
「実のところ、私も肩身が狭いんですよ。
だから蓮君さえ良ければでいいんですが・・・ダメでしょうか。」
蓮は少し悩んでから。
「うーん、まぁええか。」
「わーい!」
シノは、蓮の腕に抱きついた。
「ちょ・・・おい、しの!?///」
「今日から4日間、お願いしますね、蓮くん。」
「お・・・おう////」
蓮は顔を赤くして照れる。
そんなみんなの様子を、マリーは1人で遠くから眺めていた。
(やっぱりみんな仲いいなー。)
マリーは、ふと空を見上げる。
(穂乃花さん、何してるかなぁ・・・。)
そんなことを思った時、マリーの携帯が鳴った。
画面には、松原穂乃花と表示されていた。
狙ったかのようなタイミングに、少し吹き出してから、マリーは応答ボタンを押す。
「もしもし。」
「もしもしマリーちゃん?」
「どうしたの、穂乃花さん。」
「えっと、その・・・どうしてるかと思って。」
「うん、こっちは無事ついたよ。」
「そっか。
ごめんね、せっかく誘ってくれたのに・・・。」
「謝らなくていいよ、合宿なら仕方ないよ 。」
「うん・・・そう言ってくれると嬉しいよ。」
「・・・あのさ、穂乃果さん。」
「ん?なに?」
「写真、LANEで送るから。」
「うん、楽しみにしてるね。」
電話越しに会話をしていると、雅人とさくらの声が聞こえる。
「ほら野郎共。
さっさとこっちでテント建てるよー。」
「女の子達も、こっち来てくださーい。」
それを聞いて、少し名残惜しそうに穂乃果に言う。
「ごめん、呼ばれたから行かなきゃ。
夜にまたかけるよ。」
「分かった。
じゃあね、マリーちゃん。」
マリーは電話を切ると、さくら達の方へ向かった。
#####
男性陣と女性陣で分けて使うために、テントは大型のものを2つ建てた。
その後は夕方までのんびりと過したあと、
夕食の時間になり、陽子と綾とさくらは炊事場に集まっていた。
「で、カレーを作っていこうと思うんだけど・・・本当に任せて大丈夫?陽子。」
「大丈夫だって綾、私を信じろ!」
「でも・・・。」
「綾さん。」
心配そうにする綾の側で、さくらは微笑む。
「こんなに自信満々なんですから、信じてあげましょうよ。」
「でもせんせ・・・さくらさん・・・。」
「本当に大丈夫だよ、綾。
今回は本当に自信あるんだ。」
「・・・分かったわ、でも私も手伝うからね。」
「おう!」
「それじゃあ私はご飯炊いてますね。」
そうやってそれぞれが自分の役割のために動きだした。
綾は勿論だが、陽子も慣れた手つきで料理していく。
「本当に料理上手になったわよね、陽子。」
「はは、まあな。
といってもまだまだ修行中だけどなー。」
「昔は出来てなかったんですか?」
「そりゃあもう!
小麦粉床にぶちまけるわ、調味料は配分めちゃくちゃだわ、味付け間違えるわ、挙句の果てにはボヤ騒ぎ!
何が起こったのか教えてちょうだいって感じでしたよ。」
「人をどこぞのコ○ンドーみたいにdisるな!」
「そうですか・・・でも。」
さくらはニッコリと微笑む。
「恋が陽子さんを変えたんですね。」
「・・・////」
「ふふ、陽子ったら顔真っ赤にしちゃって、かわいい♪」
「う・・・うるさいなぁ!
ほら口より手を動かせ手を!////」
そんな会話をしながら料理していると、カレーが出来上がってくる。
「いいかんじね。」
「そうだな。」
「わー、とても美味しそうですね。」
米を炊いている合間に、様子を見に来たさくらが頬を緩ませる。
「もういいんじゃない?陽子。」
「いや、仕上げがまだだ。」
「仕上げ?」
陽子はにししと笑うと、
「これを使う。」
そういって、デスソースを取り出した。
「ちょ・・・ちょっと陽子、何考えてるのよ!皆も食べるのよ?」
「大丈夫だよ、使うのはこれだけじゃない。
ちゃんと食えるようにするって。」
「そ・・・それならよかったわ。」
綾がほっと肩を撫で下ろすと、
「というわけで、これも使う。 」
陽子は満面の笑みでチョコソースを取り出した。
「何が大丈夫なの!?
悪化するようにしか見えないんだけど!?」
「これで美味しくなるんだって。」
「そんなわk」
「とりゃあ!」
陽子は、綾の静止を無視してデスソースとチョコソースをカレーに入れる。
「あああああああ!
なにやってんのよ陽子!」
「本当に大丈夫だって、私を信じろ綾。」
あやはため息を吐いて。
「どうなっても知らないからね。」
そう言って鍋の中のカレーを混ぜる。
「うー、すごいチョコの匂いするぅ・・・。」
そう言ってよく混ぜた後、ひとくち味見してみると、綾は驚いて目を見開く。
「普通に食べれる!ていうかすごく美味しい!」
「コクが凄いですね。」
2人の反応に、陽子は満足そうに笑う。
「へへっ、だから言ったろ?」
「でも・・・え?なんで?」
首を傾げるあやに陽子は自慢げに答える。
「カレーってのはいろんなペクトルが求められるもんなんだよ。
その中でも大事なのが、甘みと辛さ。
そこに複雑性を持たすのに最適なのが・・・。」
「デスソースとチョコソースってことなんですね。」
さくらが納得したように言う。
「そのとおり。
っていってもネットで見た動画の受け売りだから私も意味わかってないけどな!」
「かっこいいと思ったのに台無しよ、陽子。」
#####
皆は運ばれてきたカレーライスを美味しそうに食べていた。
「おいしい!」
「今まで食べてきたカレーと、コクが段違いです!」
「そうだろそうだろ!
まぁ、殆ど私が作ったんだぞ!」
「え!そんなんデスか!?」
カレンは驚いた表情で目の前のカレーを凝視する。
「なんて言うか・・・インデペンデンスデイ並の歴史的瞬間に立ち会ってる気分デス。」
「人が料理できるのがそこまで不思議か!」
アリスもニコニコとしながら食べる。
「美味しいね!隼人!」
「ああ。
だがアリス、もう少し落ち着いて食べた方がいい。
口にカレーがついているぞ。」
「あ////」
アリスは頬を染めて布巾で口を拭う。
そして蓮はニヤニヤとしながら雅人に言う。
「それにしても、
よかったなぁ雅人さん、やっと烏間先生・・・さくらさんに告白できて。」
「だな、俺は高校の頃から、こいつらいつ付き合うんだとモヤモヤしてたが。」
「いやぁ、悪いねぇ俺がヘタレなせいで。」
あっけらかんと笑う雅人にエレンは訪ねる。
「で、これから2人はどうするんだ?」
「あぁ、うん。
さすがにお互いの親に『いきなり結婚は飛ばし過ぎ』って怒られてさ。
とりあえず同棲から始めようってことになった。」
「当たり前ですよ、もう///。」
となりで恥ずかしそうに頬を膨らますさくらを見て笑ってから、雅人は寂しげに微笑んでスプーンをテーブルの上へ置く。
「雅兄?」
いつもと違う雰囲気の雅人に陽子が首を傾げると、雅人は全員の顔を眺めて言う。
「でさ、これはまださくらにも伝えてないことなんだけど。」
「え?」
不意を付かれたさくらが、雅人の顔を不安そうに見つめると、雅人は言う。
「俺、今年度いっぱいで学校辞めるわ。」
その場を、少し長い沈黙が支配した。
やがて声を上げたのは、陽子だった。
「なんだよ・・・それ、教師辞めるってことかよ・・・。」
「違うよ、教師は別の学校で続ける。」
「なら!別に学校辞める必要なんてっ!」
「落ち着け陽子。」
「でもエレン!」
今にも泣きだしそうな顔で叫ぶ陽子の手を、エレンは優しく握る。
「・・・っ!」
「いいから、落ち着いて雅人さんの話を聞け。」
そう言ってエレンはが雅人の方を向くと、
雅人はつづける。
「ごめんね、皆。
でも、これは俺なりのケジメなんだ。」
「ケジメ?」
雅人の言葉に綾は首を傾げる。
「恋人同士が同じ職場に働いてると、
多かれ少なかれ白い目で見られる。
それで辛い思いをするのは俺じゃない、さくらだ。」
「だが雅人、周りの教師は祝福してくれると思うぞ。」
「確かにね、零士。
でも、来年から入ってくる新人からの風当たりは保証できない。」
「それは・・・確かにそうだが。」
「本当なら旅行の初日に話すようなことじゃないけど。
みんなには、楽しい気持ちのまま帰って欲しいからさ。
だから今話した。」
再び、みんな黙り込んだ。
「・・・雅兄、もう決めたんだよね。」
黙って聞いていたマリーの問いかけに雅人は、
「ああ、決めた。」
しっかりとそう答えた。
「そっか・・・だそうだよ皆」
マリーがそういうと、少し間を開けて陽子が明るい声で言う。
「なんだよ雅兄!
それなら私たちに相談してくれればいいじゃん水臭い。」
「そうだぜ、雅人さん何年の付き合いだと思ってんだよ。」
陽子とエレンは笑っていう。
「ごめんね、皆。」
「謝らないでください、雅人さん。」
「綾の言う通りっすよ、なんも間違えたことしてないんすから。
もっと胸はるっすよ。」
綾と賢治に続いて、他の皆も声を上げる。
「雅人さんが決めたことに、俺達は口出しをするつもりは無い。」
「うん!私も応援する!」
「それに!新学期までは私たちの先生なんですから!まだまだいっぱい遊べるデス!
ね、ダーリン!」
「・・・ま、そうだな。」
「・・・みんな。」
皆の反応に、雅人は嬉しそうに微笑む。
「せや、なんやったら今から送別会の計画立てよか!」
「それは楽しそうですね!」
「ちょ、いいよそんなの。」
「それなら胴上げで決まりっすよ!」
「えぇ、やだよ、恥ずかしい。」
「いいな、そしてそのまま橋の上から川に投げ飛ばす。」
「うん、やめようね。
俺普通に死ぬからね?」
そんな風にはしゃぎながら、雅人がさくらの方をむくと。
さくらは少し寂しそうに微笑んだ。
#####
夜になり、空にはたくさんの星々が輝いていた。
まさに、満点の星空と言えるだろう。
皆は、それぞれ各々の時間を過ごしていた。
「・・・」
エレンは静かに夜空を眺めていた。
「エレンみっけ。」
エレンが振り返ると、そこには陽子がいた。
「おう。」
陽子はエレンに駆け寄ると、手を握って隣に立ち、エレンと同じように空を眺める。
「・・・綺麗だな。」
「・・・ああ、そうだな。」
「エレンは星座とかわかる?」
「さあな、オリオン座くらいかな。」
「私もそれくらい。」
そんな会話をした後、自然とお互いしばらく黙ってしまう。
そして、陽子が口を開く。
「雅兄、寂しそうだったな。」
「そりゃそうだろ。
あの人にとってあの場所は母校だ。
俺達とは思い入れが違う。」
エレンはそう言うと、溜息を吐く。
「やっぱすげぇな、あの人は。
惚れた女の為にそこまで思い切れるなんてな。」
「あはは、昔っからエレンは口に出さないけど雅兄のこと尊敬してるよな。」
「そりゃ陽子もだろ。
俺達はあの人の背中みて育ってきてんだからか。」
「確かになぁ。
でもな、エレン。」
陽子はエレンに笑顔を向ける。
「エレンは、エレンでいいんだぞ。」
「え?」
「誰かみたいになりたいとか、
そんなこと考えてても結局はそれ、真似事だろ?
そんなの・・・なんか寂しいじゃん。
だからさ。」
陽子はエレンの正面に立つと、満面の笑みを浮かべる。
「エレンはエレンのやり方で、私を幸せにしてくれよな。」
陽子の言葉にエレンは笑いを吹き出した。
「ああ、そうだな。
お安い御用だ。」
「で、差し当っては。」
陽子はエレンに両手を広げる。
「今なら抱きしめるだけで簡単に私を幸せに出来るぞ。」
「はは、やっすい幸せだなぁ。」
そう言いつつもエレンは、陽子を優しく抱きしめた。
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マリーは、星空を眺めながら電話で穂乃花と話していた。
「そっか・・・桐谷先生、いなくなっちゃうんだ。」
「うん、そうみたい。」
「内緒にしておいた方がいいよね、皆絶対落ち込むよ・・・」
「うん、雅兄も他の生徒には自分の口から言うつもりだから秘密にしておいてって
でも穂乃花さんには話しておきたいって私からお願いした。」
「うん、教えてくれてありがとう。
・・・ねぇマリーちゃん、寂しい?」
「・・・」
心境を言い当てられたマリーは、照れ隠しからつい穂乃花をからかってしまう。
「寂しいって言ったらなにかしてくれんの?」
「え!?えっと・・・。」
電話の向こうの穂乃花は少し戸惑ったあと。
「あ、頭撫でてあげたり・・・とか?」
そう言った。
「・・・フフッ。」
「な・・・なんで笑うの!?」
「ごめんごめん、穂乃花さんが可愛いこと言うから、つい。」
「かわっ・・・もう!」
恥ずかしそうな穂乃花の声に、マリーの頬が緩む。
「ねぇ、穂乃花さん。」
「なに?マリーちゃん。」
「こっちは星が綺麗だよ。
写真撮って送ろうと思ったけど、スマホじゃ映らなくて。」
「大丈夫、星ならこっちでも見えるから。」
「そっか。」
マリーは星を見上げる。
「・・・綺麗だね。」
「うん、すごく。」
2人は同じ夜空を眺めていた。
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「わー!すごく綺麗ですー!」
星空の下で、忍ははしゃいでいた。
「確かに、こんなに星が綺麗に見えるところあんまりないで。」
忍のあとを追うように歩いてきた蓮は楽しそうに星空に向かってカメラを構える。
「カメラで星って撮れるんですか?」
「普通のカメラやったら映らんけど、
親父に頼んでええもん借りてきたからな。
ホレ、見てみ。」
蓮に促されるまま、忍はカメラの後ろの小さなモニターをのぞき込む。
「わー!すごく綺麗に写ってます!」
「せやろ。」
2人で写真を眺めながら、蓮はふと思ったことを口に出す。
「なぁ、しの。」
「なんですか?蓮くん。」
「しのは・・・寂しないんか?
周りのみんながその・・・付き合い出して。」
蓮の問いに忍は少し間を開けて答える。
「たしかに・・・なんだかみんなに置いていかれて寂しい気もします。
でも・・・それ以上に嬉しいんです。」
「嬉しい?」
「はい、だって。」
忍は満面の笑みで、
「みんな、幸せそうに笑ってますから!」
そう言った。
「・・・そうか。」
「はい!
あ!そうだ、蓮くん。
良かったら星空をバックに1枚撮ってくれませんか?」
「ええで、何枚でも取ったる。」
「やったー!」
嬉しそうに走り出した忍に、蓮はカメラを向ける。
そして、忍が両手を広げて、笑顔でこちらを振り向いた時。
パシャ。
蓮は、反射的にシャッターを切った。
「どうですか?蓮くん。
ちゃんと取れました。」
蓮は、写真をしばらく眺めると微笑んで言う。
「ああ、めっちゃ綺麗やで、しの。」
「・・・あっ////」
蓮のことばに、忍の顔が赤く染まる。
「ん?どうした?しの。」
「す、すいません!
えっと・・・その////。」
忍は、恥ずかしそうに言う。
「今の・・・キュンとしました////」
「・・・////」
忍の言葉に、蓮は恥ずかしそうに頭をかいた。
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雅人とさくらは、2人で星空を眺めていた。
「綺麗だね、さくら。」
「そうですね。
いつもの山から見る星もいいですけど、
ここは格別ですね。」
そう言ってさくらは微笑む。
「・・・学校辞めること、ずっと黙っててごめんね。」
「本当ですよ、少しは相談してくれてもいいじゃないですか。」
「うん、ごめん。
でも、これは俺が自分で決めなきゃいけないことだからさ。」
「・・・分かってます。
雅人さんは昔からそういう人ですから。
雅人さんの決めた事なら、私は何も言いません。」
「・・・ありがとう。」
雅人は桜の頭を撫でると、そのまま手を頬に移動させる。
そこまで話すと2人は無言でお互いの腰に腕を回して抱き合い、口付けを交わした。
長いキスが終わると、2人は見つめあって微笑み合う。
「でもさびしいですね、一緒にいれる時間が減るのは。」
「何言ってんの。
あと半年以上は同じ職場だし、
もうすぐ一緒に住むんだから、休日は一日中一緒にいられるよ。」
「ふふ、そうですね。
でも本当にいいんですか?
わざわざ別のマンションに部屋借りなくても今のどっちかの部屋に引っ越せばいい話なのに。」
「たしかに、それも手だけどさ。
新しい始まりは新しい場所から始めないと気分が出ないでしょ。」
「・・・そうかもしれませんね。」
さくらは雅人の手の平に愛おしそおにほっぺたを擦り付け、うっとりとした表情で雅人を見つめる。
「これから、たくさんの初めてを2人で見つけていきましょうね。」
「あぁ、好きなだけ見せてあげるよ。」
2人は見つめ合うと、再びキスをした。
今回の舞台、汐凪ですが、
某ギャルゲーに出てくる架空の場所です。
今回の話を書くのに、ピッタリだと思って使ってみました。