カツ、カツ、カツ、カツ、カツ…
長い通路に二人分の足音が反響して響く。
ここは本来、俺が、いや男が踏み入る事はなかった場所。そこを俺は歩いている。
なぜここを歩く事になったのか思い出す。
世間が高校受験シーズンまたっだなかある時、とんでもないニュースが世界を駆け巡った。
世界最強と言われる織斑千冬の弟である織斑一夏がISを動かしたというものだ。これに対し政府は15歳から29歳までの男性に臨時の検査を行った。それによりまた一人だけISを稼働させる事ができる人間が出てきた。それが俺だ。
ただ一介の軍人であるこの俺が動かしてしまった。
お上はすぐに、とある場所へと出向するように、と命令を下してきた。
そして今に至る。出向先に来てみるとそこに居たのは世界最強と呼ばれる織斑千冬がいた。
なんでもこの後試験があると言われその会場まで案内するらしい。
「ここが試験場だ。」
重厚な扉を背にしてそう言われた。
そして織斑千冬が扉の横にある端末を操作して、扉を開けた。
扉の先にあったのはここが地下とは思えにような空間だった。
「こっちだ。」
と、手招きされアリーナの横にある整備室に案内される。
そこにあったのは国産IS「打鉄」とフランスのデュノア社の「ラファール」が懸架されていた。
「好きな方を選べ。機体を装備したならそこからアリーナに出てきてくれ。」
と言って織斑千冬は整備室を出て行った。
ふぅ、と一息ついてから思考を巡らせる。自分が初心者とはいえ相手は本気でヤリに来るだろうし、こちらとしてもあまり長い間出来るとは言えない。
ある程度の被弾覚悟で行くとすれば、装甲に秀でる打鉄だろう。
打鉄の装備を確認していると、壁にある端末から音がなり。
「機体は決めたか?」
「あぁ、打鉄で行かせてもらう」
そう返し打鉄の前に立ち装甲に触れる。
次の瞬間には打鉄を纏っている
通信が開いたがSound Only と表示されただけだった。
「すぐそこにIS用の出入り口があるそこからアリーナに出てこい。」
「了解。」
短く返して言われたとうりの場所からアリーナに出る。するとどういう事か織斑千冬がISを装備した状態で待っていた。
「まさかとは思うが試験官はお前か?」
「そうだ。手の空いているものが私しかいなかったからな。」
「なるほど、かなりきつい冗談だな。」
「ほう、まだ幾分か余裕があるのだな。」
「こっちだって伊達に修羅場をくぐって来たわけじゃないからな。舐められては困る。それで、いつから試験を始めるんだ?」
「もう始まってるぞ。いつでも来い。」
「それじゃ、お言葉に甘えて…」
少し間を置いた後一気にスラスターを吹かし距離を詰める。
「武器なしでくるか…いいだろう。」
相手もこちらに合わせるように素手で構えを取っている
「葵!!」
打鉄に装備されている武器の1つをコールし相手の懐に一気に飛び込んで、左脇腹の部分から斬り上げたが紙一重の差で避けられたが構わない、そのまま振り抜いた勢いをそのままに相手に組み付き押し倒す、左手に葵鞘を呼び出しそのまま織斑千冬の顔面目掛けて振り下ろすが首を捻って避ける。焦ったい事になる前に右手の葵を頭の真横に突き刺す。織斑千冬を再度鞘で殴りつけようとするが、辛うじて動かす事が出来るくらいには押さえておいた腰の部分を捻り此方の拘束から抜け出されたので再び距離を取る。
「ふむ、抜け出されたか。さすがは世界最強だ。」
「戯け。さほど力を込めていなかったではないか、それで何が世界最強だ。」
「ならばで最後だ。全力で行かせてもらう。」
「望むところだ」
少しづつ間合いを測り一気にヤるしかあるまい。そう考えジリジリと距離を詰めスラスターを限界まで吹かした。
先程地面に突き刺した葵を引き抜きつつ勢いを殺さないように姿勢を変更し、袈裟斬りにする体勢になり迷いなく切った筈だった。
バキィン
と金属の折れる音がする。一瞬気を取られたが直ぐさま離脱する。
相手の得物も折れたようで投げ捨てられて柄が落ちていた。
「ふむ、実力は分かった。いいだろう、合格だ。ISを解除したらそのまま待っていろ、まだやる事がある。」
「了解。」
整備室に戻り打鉄をハンガーに戻す。少し待つと扉が開いてISスーツのまま入ってきた。
「あまりそんな姿であるかないで欲しいものだな。目のやり場に困る。」
「別に襲う気がある訳でもあるまい。」
「あんたを襲おうとすれば命掛けになる。好き好んで命を差し出すようなもの好きではない。」
「ふん、ならば別にいいだろう。それよりもさっさと行くぞ。」
「了解」
整備室を出て5分ほど歩くと医務室に案内されバイタルデータやらISとの適合率などを調べられた。医者曰く特に何の問題もなし適合率も平均より少し上といった程度だという。
「よし、以上で試験は終わりだ。後日…と言っても今晩には結果が出る明日には伝えられるだろう。今日はうちの施設で泊まっていけ。」
ふむ、と思考を巡らす。壁に掛かっている時計を見ると20時と少しを過ぎたところだった。部屋を用意してくれるのは有難いがいかんせん、何か仕掛けられていそうな感じもする。
「安心しろ。何も仕掛けたりはしないん」
こいつ、人の考えてる事はお見通しってか。ちと癪だがまぁ、相手方も嘘をついて得することもないしな。泊まっていくか。
地下から出て十数分移動してホテルのような大きな建物に入ってエレベーターにのり、12階まで上がる。
「ここだ。同じ階には私以外誰もいない襲撃などは大丈夫だろう。」
「ふむ、ならドアを開けてくれ」
懐に入れておいた特殊警棒を取り出し展開する。
「分かった。そんな警戒しなくていいと思うがな。」
そう言いつつドアを開ける
すると中になぜか伸びてる水色の髪をした女がいた。