「更識か…また面倒くさくなりそうな感じだな。」
「どうした、愚痴なんか言って。」
千冬に話しかけられる。
「千冬か、いやまとめてやらなきゃいけないことが増えたからな。正直、轡木さんは俺に何を期待しているのかはっきりわからなくてな。あの手の人は何を考えているのかわからないから怖くてしょうがない。」
「そう怯えることでもあるまい。それにあの人は味方には優しい人だ。」
「そうかい。それなら安心だが…何とも言えないな。」
「次の授業は山田先生と一緒に私の補佐についてもらう。」
「わかった。」
そう答えて一人思考に耽る。
そもそも轡木さんの言い方からするとこちらは何が目的で何がしたいのかを分かっているような感じではあった。しかしそれならば学園の安全を司る生徒会、それも生徒会長に伝えない?更識は暗部組織でもあるのだからそこを使って安全に切り離すことはできないのか、それ以前に何か不正を働く何者かが個々の重要な部分を担っているのか、それがわからない。また、容疑がかかっている者もどのようにして外部との連絡を取っているのか。通信は必ず記録に残るうえその記録を他の者に見られやすい。なら自らが直接外部へ出向いて話をするのか、それも記録に残る。ならもっと原始的な方法?でもそれも人に見られるというリスクがある。それにここらへんは鳥が寄り付かないからそれも使えない。生徒にも通じている人間がいる?ありえない話ではないが生徒を犯人扱いするとなると保護者が黙っていないだろうし、何より体面がまずくなる。もし穏当に生徒も絡んでいてそれが留学生となると交際問題にもなる、一介の軍人に判断していい案件ではないな。
そこまで考えたところで。突然山田先生に呼ばれる。
「鷹野先生、次授業ですよ。」
「あ、わかりました。次は…ISの実習ですよね?」
「そうですよ。もう行ったほうがいいと思います。男性の更衣室は遠いので。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「いえ、お互い様ですから。」
「それでは。」
そう言って職員室を出てISアリーナへ向かう。
アリーナについて更衣室で着替えていると昼休みが終わる予鈴が鳴り少し立つと、織斑一夏が走りこんできた。
「次の授業って織斑先生が担当じゃないんですか?」
「もちろん担当は織斑先生だが助教で山田先生と私が入る。早く来いよ。私はすでに着替え終わっている。遅れたら出席簿で済めばいいな。」
そう言って更衣室を出て整備室へと向かう。
「あ、鷹野先生。」
「お疲れ様です。山田先生は次の授業でどの機を使うのですか。」
「カスタム機を使います。そっちのほうがやりやすいですからね。」
「確か、私と山田先生で生徒の前でデモンストレーションを行う。出合っていますよね?」
「そうですね。毎年実技の初めての授業では助教が生徒の前でデモンストレーションを行っています。」
「なるほど、今年は私と山田先生で行うと。」
「はい、なので事前の打ち合わせがしたいので少しいいですか?」
「えぇ、かまいませんよ。むしろこちらからお願いします。」
「わかりました。それではまず登場方法なのですが私がアリーナの東側から鷹野先生が西側からお願いします。そのあとは細かく決めると逆に不自然に映るので流れでお願いします。教員によってはそのまま試合みたいになる人もいます。」
「わかりました。西側からの進入ですね。」
「はい、それでは私も準備があるので。」
そういって、山田先生は整備室を出ていく。
さて、こっちも準備するか。山田先生も元代表候補性だったと聞いたからそれなりに強いだろうからなぁ。下手すると一瞬で蜂の巣にされる。この場合は下手に防御力を重視するより機動力でよけたほうが得策かもしれないな。そう考えてラファールを選択し武装を載せていく。すべての作業が一通り終わり五分ほどすると内線がなる。
「はい、鷹野です。」
「山田です。そろそろアリーナ上空で待機したほうがいいので出て来てもらっていいですか。」
「わかりました。」
そう言って電話を切りラファールを纏いピットから外に出て上空200ftほどまで上昇し山田先生に通信を入れる。
「山田先生、こちらは上空待機に入りました。そちらはどうですか。」
「こっちは上昇中です。現在の高度はどれくらいですか。」
「現在200ftです。」
「わかりました」
そうして少しすると緑色のラファールが昇ってくる。
「カスタム機ですか。」
「えぇ、これでも元代表候補生ですから。」
そう言って胸を反り手を腰に当てて(`・∀・´)エッヘン!!という感じにこちらを見る。
「山田先生、その、ただでさえ目のやり場に困るのでその姿勢をやめていただいてもよろしいですか?」
「あっ!」
そういうと真耶は途端に顔を赤くして俯く。男経験少なすぎだろ。まぁこのご時世男は歩いただけで通報されるような世の中だからな。おのずと出会いも少なくなるのだろう。元とはいえ代表候補生ともなれば尚のこと。そんなことを考えていると通信が開く。
「鷹野、真耶、時間だ。生徒は観客席に退避させた。存分にやれ。それでは、そこから一気に降下して生徒にISとはどんなものか教えてやれ。」
それだけ言って千冬は通信を切る。
「さて山田先生、行きますか。」
「は、はい。」
PICを解除して一気に120ftほど高度を落とす。すると真耶も俺の後ろについてグレネードやライフルで攻撃をしてくる。高度が80を割った瞬間にPICを再起動させ制動をかけつつライフルを取り出しバースト射撃を加えるさすがにわかりやすかったのか簡単に回避される。すぐさまライフルを投げ捨てHMGに切り替え弾幕を張りつつ接近する。
「なかなかやりますね。」
「冗談を、まだまだできるでしょう。」
「もちろんです。そろそろいきますよ。」
そう言った瞬間真耶はグレネードをダース単位で落としてくる。
「っ!」
落とし方からインパクト式と思ってよけたら時限式だったか。爆発のあおりを受けて態勢が崩れる。
「もらいました!!」
真耶がライフルを向け射撃を開始する。が、咄嗟に投げたチャフ・フレア混合のスモークグレネードが起動し真耶の視界を物理的にも電子的にも封じる。真耶も慣れているのかすぐさま妨害範囲から抜け出して索敵を行う。
「そこ!」
「ばれたか。」
スモークの範囲内に隠れていたが発見され、すぐさま回避行動に移る真耶がこちらを撃っても撃たれることに慣れてるこちらからしてみればいつものことである。回避しつつハンドガンで牽制して接近、拡張領域(バススロット)からナイフを取り出し切りかかる。真耶も同じように受け止める。
「なかなかやりますね!」
「これくらいどうってことないですよ。」
「鷹野先生は搭乗時間が短いと思っていましたがすごいですね。このレベルなら代表くらいなら余裕なんじゃないんですか?」
「御冗談を。代表候補生だった貴女を倒せないようじゃまだまだですよ。でも、取りあえずは締めにしましょう。生徒も退屈し始める頃合いだ。」
そう言って真耶のナイフを弾き飛ばし蹴りを入れる。真耶はそのまま墜ちていく。
「鷹野、真耶のシールドエネルギーが切れた。降りてこい。」
「了解。」
評価をお願いします。
オリISの名前を募集しますので、何か案があるかたは活動報告にお願いします。