バトルスピリッツ・ギガリーグ   作:ブラスト

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・以下注意
誤字、プレイミスありかも。
バトル表記が人によって分かりずらいかも。

それでも大丈夫という方はどうか温かい目で見てもらえると幸いです。発見したミスやバトル表記などのご指摘気軽にお待ちしております。






No10.毒蛇強襲、抗う激流

「行くぜザック! アルティメットサジットアポロドラゴンでアタックだ!」

 

スタジアムでバトルを行っているのはザックとキッドの二人。昨日のバトル以来、将も「兄貴が認めるなら許すッス!」と気兼ねなく使用できるようになり、今日はバトルスタジアムではなく、フリー台で気軽にバトルを行っており、その様子をすぐ隣でハルヤも見守ってる。

 

「二人とも頑張れ!」

 

両者共に応援する中、バトルではキッドの攻撃にザックはライフで受け、残り一つにまで追いつめられていた。

 

「どうだ、俺の攻撃は? パーフェクトだったろ?」

「フン、舐めんな! 勝負はこれからだぜ!」

 

続き返しのターン、追いつめられながらもまだまだザックは強気な様子。

 

「行くぜ、このターンで逆転できるカードを引いてやる! 俺の引き運見せてやるぜ!!」

 

強く意気込むように次に引くカードに強く手を掛ける。

 

「俺のターン! ドr────」

『アローーハーーッ!!!』

 

次にカードを引こうとした瞬間、突然大きく声を張り上げて顔を見せるのは、後ろ向きに被ったキャップの上にゴーグルを付けた少年、紫苑。突拍子なその登場に思わず三人共、「「「わあっ!!」」」と驚いたようにその場から飛び上がってしまう。

 

「ヤッホー! ラリホー!! お久しぶり!! 皆さん、ご機嫌いかがーーッ!」

 

ハイテンションな挨拶。その登場には驚かされ、「し、紫苑さん、普通に来て下さい!」と叱咤するが、「うん無理」と即答する紫苑に思わずズッコケてしまう。

 

「も、物凄いインパクトのある人だな」

「あぁ。ビックリした、ハルヤの知りあいかよ?」

「う、うん。まぁね」

 

ザックの言葉に苦笑いしながら答えるハルヤに、紫苑は「そうそうハルヤとはマブダチなんだぜ!」と相変わらず馴れ馴れしい態度を見せる。

 

「はは、紫苑さん今日は突然来るなんて、どうしたんですか?」

「ちょっと様子見にな、レッドドラゴン辞めたの全然知らなかったから、何時の間にかいなくなってて寂しかったんぜ?」

「すいません、伝える暇がなくて」

 

最近の事情を把握していない様子に紫苑に軽く謝りながらも、紫苑は気にする事無く「いいよいいよ」と軽い調子で続けていく。

 

「そう言えば、エンザさん達はどんな調子でした?」

「ん? 別に変わりねぇぜ。前会った時もバトルの特訓励んでたわ」

「へぇー、そうなんですか」

「まっ、また機会があればよろしく伝えといてやるよ。そっちはそっちでチーム集め順調みたいだな?」

 

ザックとキッドの二人を見ながらそう言い、二人は初対面の紫苑に対し若干気まずそうに軽く「どうも」と会釈をするが、紫苑は初対面でも全く気にする事ないように軽い様子で「ヨロシクー」と挨拶。

 

「まぁちょくちょくここにも遊びに来るから、また会おうぜ」

「ここって僕たちのスタジアムじゃないんですけどね」

「関係ないって、どうせ氷牙の事だ。もう一人ぐらい来たって許してくれんだろ?」

 

「まっ、今日はゆっくりする間がねぇのが残念だけどな」と小さな声で呟く紫苑に、気になる様に「何かあるんですか?」と尋ねると、明るく笑いながら続けて行く。

 

「まぁちょっとな。対した用事じゃねぇけど。つー訳で俺はこの辺で、またな!」

 

まるで嵐のように一方的なペースでその場を後にする紫苑。結局紫苑に一方的に振り回され、キッドとザックは苦笑いしながらその後姿を見送っている。

 

「紫苑って随分賑やかな奴だよな」

「ハルヤのフレンドなんだろ? 面白そうな奴ではあるな」

 

一方でハルヤは紫苑の様子に何か気になったように表情を硬くさせており、それに不思議に思ったのか「ハルヤ?」と名前を呼びかけ、その声に慌てた様に反応する。

 

「ど、どうしたの?」

「どうしたのってこっちの台詞だよ。急に考え込んだりして、どうしたんだよ?」

「あー……うまく言えないんだけど、何だか様子がおかしかった気がして」

「おかしいと思ったのはお前だけじゃないと思うんだけど」

「い、嫌そういう意味じゃなくてさ!! 何か、紫苑さん。さっきはいつもと違ったっていうか。いつも以上にわざとらしく明るくしてたと言うか」

「?」

 

先程の返答の際、少しだけ平静を取り繕うように言葉を返していたことを察したのか、それに不信感を覚えるハルヤだった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

舞台は変わり、海辺沿いに建てらた一つ会場、チーム海皇のチームスタジアム。

 

「野郎共!! 今日も号令の時間だッ!!! 準備はいいかぁッ!!」

『『『アイアイサー!!』』』

「行くぞッ!! まず一つ! 俺達は!」

『『『最強チーム! 無敵の海皇!』』』

「二つ!! バトルはいつもぉ!!」

『『『圧勝! 快勝!! 全勝だ!!!』』』

「ラストッ!! バトルで負けた奴ぁ!!!」

『『『テメェでその身を投げ捨てろ!!!』』』

 

武凱を筆頭にチーム海皇の号令を叫ぶメンバー達。その隣であまりの声量に耳を塞ぎながらバンも聞いている。

 

「ケッ、相変わらず声のでけぇ脳筋馬鹿だ! 合わせる方も気の毒だな」

「んだとこの貧弱もやし野郎! 文句でもあんのか? 筋肉もねぇ単細胞の癖しやがって!!」

「あぁ!? 単細胞は倍速度のブーメランで返してやんよッ!!」

 

相変わらず犬猿の仲の武凱とバン。いつもの事ながら他の海皇メンバーは二人の希薄に圧倒されて止める事が出来ずに見守るしかなかったが。その二人の口論に、奥から顔を出す一人の少年。

 

「止めねぇかテメェ等ぁッ!!!」

「「!!」」

 

会場中に響き渡る怒声、その声に圧倒されるように先程まで口論していた二人はピタリと制止させられる。

 

「「きゃ、キャプテン!!」」

 

チーム海皇リーダー、浪川海斗。彼の声にすぐさま二人は口論を辞め、キャプテンと呼ぶ浪川の方を向く。

 

「ったくいつもいつも騒がしい。テメェ等に愛想つかされるぜ」

「「す、すいません。キャプテン!」」

 

相変わらず自分達のチームリーダーには頭が上がらない様子。そんな中、突然スタジアム入り口前から聞こえる騒ぎ声。

 

『きゃ、キャプテン!! 大変です』

「?」

 

海皇メンバーの一人が慌てた様子で駆けつけ、慌てたその様子から急用であることを察するとすぐに「どうした?」と尋ねる。

 

「チームへの殴り込みです!! それが物凄い強くて!! とにかく何とかしないと!」

「テメェ等揃いも揃って対処の一つできねぇのかよ?」

「そ、それがすごいバトルの強い奴でして」

 

「とにかく来てください」と言われるがまま、その場に出向く事となり、バンと武凱の二人もその後に続いていき、向かった先には海皇メンバーの一人と、一人の少年がバトルをしていた。

 

『はいアタック。これでお終い』

『ら、ライフで受ける』

 

バトルをしている相手は、浅く被ったフードに灰色の髪の少年。既に何戦も海皇メンバー達と戦い、全て連戦連勝だった。

 

「つまんない。チーム海皇ってこの程度なんだね?」

 

呆れた様子で小馬鹿にしたような発言。それには当然悔しそうに拳を握りしめながらも負けたメンバー達は返す言葉がないようにその言葉を呑み込むしかなかった。

 

「おい、お前……俺達に何の用だ?」

「!」

 

浪川の声に気づくとその少年は振り返る。

 

「あっ、ついに鮫の大将さんの登場だね」

「質問に答えろ、俺達に勝ち込みに来たのか?」

「……勝ち込みって訳じゃないけど、まぁちょっと人探しにね」

「人探し? ここに来た目的がそれならバトルする必要はねぇだろ?」

「あぁこれは人探しのついでだよ」

「ついでだと?」

「チーム海皇の名前は知ってるからね。どんな強さなのか興味があって来たんだよ。けど、正直がっかりしてる。この通りどいつもこいつも弱くてさ、上位チームの割には大したことないんだね」

 

挑発気味なルムの発言に、バンと武凱は侮辱された事に当然黙ってられる訳がなく、その挑発に乗って掛かる様にルムの前へと出る。

 

「テメェ、俺達海皇を舐めんじゃねぇぞ!! 下っ端倒したぐらいでいい気になりやがって! 威勢を張りたいなら俺を倒してからにしやがれ!」

「俺も相手になってやるぞ! 怪獣デッキの餌食にしてやるぜ!」

 

二人共デッキを構えてその少年に挑む様子だが、少年は「どうせなら」と二人から視線を外し、浪川の方を見る。

 

「海皇リーダー、浪川海斗。アンタがやってよ? その方が一番楽しめそう」

 

口角を上げて笑うその少年だったが、浪川はその挑戦に受けて立つつもりはないのか、「断る」と一蹴。

 

「どういう意図が知らないが、お前なんかに時間を割くほど暇じゃねぇんだよ」

「あれ? チームリーダーの癖に挑まれた勝負から尻尾を巻いて逃げる気? なんか拍子抜けだな」

 

「キャプテンの侮辱は許さねぇぞ!!」とバン達は怒りを剥き出しに突っかかるが、「黙れ」と声を低くし、二人を制止させる。

 

「安い挑発に乗る気はねぇ。テメェの本来の要件がないならさっさと帰れ」

 

挑発的なルムの言葉にも少しも動じる事は無く、引き返そうと背を向けて戻ろうとするが。

 

「どうやらエンザに負けてからすっかり、ご自慢の牙を抜かれたみたいだね?」

「!」

 

その言葉にはピタリ、と足を止め、眉間に皺を寄せて振り返る。

 

「テメェ、俺の前でエンザの名前を口にしたんだ。覚悟はできてんのか?」

「安い挑発には乗らないんじゃなかった?」

「テメェが思ってるほど俺は短気だったみたいでな。その名を口にした以上、挑発でもなんでも乗ってやるさ」

「へぇー、なら楽しませてもらうよ?」

「楽しませるだと? 俺に挑む以上、そんな気も起きない程に噛み裂いてやるよ! 俺の牙が抜け落ちてるかどうかその目に見せてやる!」

 

もはや止めに入れる雰囲気ではない、そのままスタジアムへと移動し、ステージの上に立ち、武凱とバンは観客席でその様子を眺める。

 

『また面白そうな事になってますね』

「!!」 

 

そんな二人の後ろにはいつもの如く神子や紅葉達の姿もあり、呆れながらも二人はいつから来たのかについては深く突っ込まなかった。

 

「ったく、お前等のスクープ根性には呆れるの通り越して尊敬するぜ」

「褒め言葉として受け取ります。例の如く今日もこのバトル取らせてもらいますよ?」

「あぁいいよ。その代わり! キャプテンの勇士を盛大にとってくれよ!!」

「まぁ贔屓目で査定する訳には行きませんが、バッチリ放送しますよ。ねっ、お姉ちゃん!」

「えぇ。コン太もしっかり撮影頑張ってくださいね」

 

三人共それぞれこれから始まるバトルの為の実況準備を手早く進めて行く。

 

『さぁ皆さまこんにちは!! BCOのお時間です!! 今回はチーム海皇スタジアムよりバトルをお届け!!  対戦するのは海皇チームリーダーの浪川海斗選手、対戦するのは……お名前を先に伺いましょう!』

「あぁ、そう言えば名乗ってなかったね。蛇目ルム。それが僕の名前だよ?」

『ルム選手ですね。私の知る限り公式記録がありませんが、解説の神子さんはご存知でしょうか?』

『いえ、私も残念ながら初耳です。知る限りのデータにはないですね』

 

情報に長けた神子でさえも知らないルムの記録。だが先程の海皇メンバーを相手に連勝した彼の実力は確かなものである事は浪川には分かり切っていた。

 

「チームシャドウ所属してるんだけど?」

『チームシャドウ? どこかで聞いたような?』

 

心当たりがある様に首に手を置いて考え込む素振りを見せる素振りの紅葉だが、それに対し「関係ねぇ!」とルムの言葉を両断するように叫ぶ。

 

「テメェが誰だろうと俺は噛み裂くだけだ!」

「強気なのは嫌いじゃないけど、それが虚勢でないことを祈るよ?」

「抜かせ、テメェこそ歯応えぐらいあるんだろうな?」

 

互いに一歩も引かずに言い合って見せる両者、試合前からの気迫は見ている紅葉達にも伝わる程だった。

 

『両者準備は良いようですね! それではコールお願いします!!』

「「ゲートオープン! 界放ッ!!」」

 

互いの宣言と共に幕が上がるバトル。試合はルムの先行からのスタートとなる。

 

 

 

 

[01ターン.ルムside]

[スタートステップ]

[ドローステップ][手札]4枚→5枚。

 

「メインステップ、蛇僧侶ハリムを召喚するよ」

 

[リザーブ]4個→0個。

[トラッシュ]0個→3個。

[手札]5枚→4枚。

 

【蛇僧侶ハリム】3(1)紫、スピリット、妖蛇。

Lv.1、Lv.2『このスピリットの召喚時』

自分はデッキから1枚ドローする。

Lv.1、Lv.2『相手によるこのスピリットの消滅/破壊時』

相手スピリット/アルティメットを1体を疲労させる。

 

「ハリムの召喚時効果発揮、手札1枚引かせて貰う」

 

[手札]4枚→5枚。

 

召喚時効果を発揮させ手札を増やすルム。ハリムの姿に、ルムが紫使いであることをすぐに理解する。

 

「最後にバーストセット。これでターンエンド」

 

[手札]5枚→4枚。

[フィールド]蛇僧侶ハリムLv.1((S(ソウルコア)1))BP1000。

 

 

 

 

[02ターン.浪川side]

[スタートステップ]

[コアステップ][リザーブ]4個→5個。

[ドローステップ][手札]4枚→5枚。

 

「バーストセット、さらにネコザメキャット、Lv.2で来い!」

 

[リザーブ]5個→0個。

[トラッシュ]0個→1個。

[手札]5枚→3枚。

 

【ネコザメキャット】1(1)青、スピリット、異合。

Lv.1(1)BP3000、Lv.2(4)BP8000。

 

[フィールド]ネコザメキャットLv.2((S1)3)BP8000。

 

「アタックステップだ! ネコザメキャット、行け!」

「ライフで貰う」

 

先手必勝、ネコザメキャットを即座に攻撃させると、身軽な動きでフィールドを駆け抜け、そのまま展開されたバリアに喰らい付き、破壊する。

 

[ルムside]

[ライフ]5→4。

[リザーブ]0個→1個。

 

「ライフ減少時でバースト発動! 妖華吸血爪!!」

 

【妖華吸血爪】5(2)紫、マジック。

【バースト:自分のライフ減少時】

自分はデッキから2枚ドローする。その後コストを支払う事で、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

『フラッシュ効果』自分の手札を好きなだけ破棄する。その破棄したカード1枚につき、相手のスピリット1体のコア1個を相手のトラッシュに置く。

 

「バースト効果により2枚ドローさせてもらうよ?」

 

[バースト]妖華吸血爪。

[手札]4枚→6枚。

 

『ルム選手! さらに手札を増やす!! 次の戦略につなげる気か!?』

「させるか!」

「!」

 

ライフを削られながらも、バーストを発動させるルム。しかしその発動効果を終えた瞬間、それを読んでいたかのように叫ぶと、浪川の伏せたバーストも弾け飛ぶ。

 

「効果による手札増加がコイツのバーストだ! グリードサンダー!!」

「!!」

 

【グリードサンダー】5(3)青、マジック。

【バースト:相手の効果によって相手の手札が増えた後】

相手は手札が5枚以上の時、相手は手札全てを破棄することで相手はデッキから2枚ドローする。

 

「バースト効果だ! その手札全部捨ててもらうぞ! 代わりに2枚のドローはくれてやる!」

 

[バースト]グリードサンダー。

[ルムside][手札]6枚→0枚→2枚。

 

マジックによる放たれる雷がルムの手札へと放たれ、全ての手札が弾け飛び、引き換えに2枚のカードを手札に加えられるが、代償はあまりにも大きかった。

 

『何とルム選手のバーストを発動させた矢先、それを条件として浪川選手もさらにバースト発動だ!!!』

『手札を増やして優位に立とうとしましたが、浪川選手、それを見事に封じましたね』

『浪川選手これは上手い!! やはりチーム海皇リーダーの実力は伊達ではない!!』

「やってくれるね。折角、ネクロリバースやデッドリィバランスも引けたってのにさ」

「紫相手に何も対策してねぇと思ってたのか? やるからには誰だろうと徹底的に噛み砕くだけだ!」

「へぇー、それは楽しみだね」

 

まだ序盤だからか、手札を失いながらもそれほど気には留めていないように平静なルムの態度にどこか不気味さを感じさせられながらも、浪川は「ターンエンド」とコール。

 

 

 

 

[03ターン.ルムside]

[スタートステップ]

[コアステップ]1個→2個。

[ドローステップ]2枚→3枚。

[リフレッシュステップ][トラッシュ]3個→0個。[リザーブ]2個→5個。

 

「メインステップ、蛇僧侶ハリムをLv.2に、そして蛇僧侶ハリムをもう1体、Lv.2で召喚するよ」

 

[リザーブ]5個→0個。

[トラッシュ]0個→2個。

[手札]3枚→2枚。

 

「召喚時効果で1枚ドロー、これでターンエンドするよ」

 

[手札]2枚→3枚。

[フィールド]蛇僧侶ハリムLv.2((S1)1)BP2000、蛇僧侶ハリムLv.2(2)BP2000。

 

『さぁルム選手、流石に先程のバーストで手札を奪われ、攻め手がないのか、もうターンエンドです』

『紫は本質を発揮するにはそれ相応の準備が必要となりますからね。浪川選手にとっては今がチャンスでしょうね』

『成程! 浪川選手、一気に動くか?』

 

 

 

 

[04ターン.浪川side]

[スタートステップ]

[コアステップ][リザーブ]0個→1個。

[ドローステップ][手札]3枚→4枚。

[リフレッシュステップ][トラッシュ]1個→0個。[リザーブ]1個→2個。

 

「メインステップ! 海傭師団シャーガを召喚! 不足コスト確保でネコザメキャットをレベルダウン!」

 

[リザーブ]2個→0個。

[フィールド]ネコザメキャットLv.2((S1)3)BP8000→ネコザメキャットLv.1(1)BP3000。

[トラッシュ]0個→3個。

[手札]4枚→3枚。

 

二本の刀を掲げて水面と化したフィールドから飛び出すシャーガ。刀を打ち鳴らしながら相手を威嚇するように大きく吠える。

 

[フィールド]海傭師団シャーガLv.1((S1))BP5000、ネコザメキャットLv.1(1)BP3000。

 

「アタックステップ! ステップ開始時効果、コスト4以下の相手スピリットを破壊する!! 蛇僧侶ハリム、波に呑まれて消えろッ!」

 

二刀の刀を力一杯海面に叩き付けると、衝撃に津波を引き起こさせ、そのまま波は蛇僧侶ハリムを呑み込み、波に呑まれて消滅する。

 

「蛇僧侶ハリムが相手によって破壊された時スピリット1体疲労させるよ、対象はネコザメキャット」

「それがどうした! シャーガでアタックさせる!」

 

効果に疲労させられたネコザメキャットはその場に座り込むが、それに全く構う事無くシャーガを突っ込ませる。

 

「ライフで貰う」

 

[ルムside]

[ライフ]4→3。

[リザーブ]2個→3個。

 

「……痛いね」

 

衝撃に仰け反りながらも言葉とは裏腹にまるで平静な態度のルム。その一方で浪川のスピリットは全て疲労状態。これ以上の攻撃は不可能だった。

 

「ターンエンド」

 

 

 

 

[05ターン.ルムside]

[スタートステップ]

[ドローステップ][手札]3枚→4枚。

[コアステップ][リザーブ]3個→4個。

[リフレッシュステップ][トラッシュ]2個→0個。[リザーブ]4個→6個。

 

「メインステップ、蛇僧侶ハリムをLv.1にダウン。じゃぁ……そろそろ行こうか!」

「!」

 

何かを狙っているかのような発言、そしてこれから呼び出すであろうそのカードに手を掛け、今までの平静な表情を一変、狂気を思わせるかのように口角を一杯にまで上げた笑みを浮かべる。

 

「牙で噛み裂け、毒で射殺せ! 双頭の龍王バイジャオウを召喚ッ!」

 

[リザーブ]6個→0個。

[トラッシュ]0個→4個。

[手札]4枚→3枚。

 

フィールドに広がる毒沼、まるで渦の様に逆巻く毒沼より顔を見せる二頭の蛇、否二頭一対の蛇、双頭の龍王バイジャオウが毒沼から飛び出しその姿を見せる。

 

『双頭の龍王バイジャオウ!! 不気味に、そして不敵に現れたーーッ!!』

 

二頭の首はそれぞれ浪川に対して大きく吠えながら、その不気味な迫力にはバトルを見ているバンや武凱でさえも威圧感を感じてしまい、浪川はもまた怯みはしないものその姿には警戒をせずにはいられなかった。

 

[フィールド]双頭の龍王バイジャオウLv.2((S1)1)BP4000、蛇僧侶ハリムLv.2(2)BP2000。

 

「そいつがお前のキースピリットか?」

「まぁね、お気に入りだよ? 強者を仕留める為の一体としてね!」

「!」

「行くよ? アタックステップ、蛇僧侶ハリムで海傭師団シャーガを指定アタック!」

「!?」

『ルム選手、ここでハリムでシャーガに指定アタック……ってあれ? ハリムにそんな効果ありましたっけ?』

『いえ、ハリムの自身による効果ではありません』

『?』

 

状況を把握したような神子の言葉、一瞬それには疑問持つが、その言葉の真意は紅葉もすぐに理解できた。理由を示すようにバイジャオウは大きく吠え、その咆哮に反応するかのようにハリムに紫に光が灯る。

 

【双頭の龍王バイジャオウ】5(3)紫、スピリット、妖蛇。

Lv.1(1)BP3000、Lv.2(2)BP4000、Lv.3(4)BP6000。

Lv.1、Lv.2、Lv.3

系統:「妖蛇」を持つ自分のスピリット全てに【呪撃】『このスピリットのアタック時』バトル解決時にブロックしていた相手のスピリット1体をバトル終了時に破壊するを与える。

Lv.1、Lv.2、Lv.3『このスピリットの破壊時』

このスピリットを手札に戻すことが出来る。

Lv.2、Lv.3『自分のアタックステップ』

【呪撃】を持つ自分のスピリット全ては、アタックする時、疲労状態の相手のスピリット1体を指定し、そのスピリットにアタックできる。

 

『効果により、妖蛇を持つハリムとバイジャオウ自身に【呪撃】を与え、そして【呪撃】を得た事で、バイジャオウのLv.2に効果により指定アタック可能となったのです』

『という事は、シャーガを狙い撃ち!? しかしBPは』

『いえ、それも含めてもルムの狙い通りでしょう』

『!』

 

蛇僧侶ハリムは地を這いながらシャーガへと迫り、それを見ながらシャーガは刀を構え、真っ向から受けて立つつもりだった。

 

「シャーガでブロック。迎え撃て!」

 

[Battle]蛇僧侶ハリムLv.2(2)BP2000vs海傭師団シャーガLv.1((S1))BP5000。

 

バトルでは杖を持ち、地を這いながらシャーガへと襲い掛かるが、シャーガは難なく片方の刀でハリムの振るう杖を受け止め、もう片方の刀で一閃。ハリムを切り伏せ、破壊する。しかし、それで終わりではなかった。

 

「バトル終了時、【呪撃】の効果発揮。ブロックした相手スピリットをバトル終了時に破壊する!」

「!」

 

バトルを終え、浪川の元へ戻ろうとするシャーガだったが、背後から感じる殺気。すぐさま後ろに振り返るシャーガだったが、時既に遅く、振り返った瞬間、シャーガの体を杖で貫く影、それは先程破壊された筈のハリムであり、その姿は破壊された恨みを募らせた怨霊、シャーガを道連れにその場から二体とも消滅する。

 

「シャーガ……ッ!!」

「まだだよ、今度はバイジャオウでネコザメキャットに指定アタック!」

「ッ! ネコザメキャットでブロック!」

 

[Battle]双頭の龍王バイジャオウLv.2((S1)1)BP4000vsネコザメキャットLv.1(1)BP3000。

 

疲労状態により地面に凭れ込むネコザメキャットに一気に迫るバイジャオウ。片方の頭がネコザメキャットに突進し、空中に跳ね上げると、もう片方の首が跳ね上げたネコザメキャットに喰らい付き、そのまま噛み裂き破壊する。

 

『ルム選手、一気に浪川選手のスピリットを破壊してしまった!?』

『何か仕掛けるとは思いましたが、まさかこれほどとは……!』

「きゃ、キャプテンのスピリットが全滅だと!?」

「あの野郎……!!」

 

神子達を始め、バン達も動揺を隠せず、バイジャオウは己以外の存在が無くなったフィールドに満足するように吠える。

 

「ターンエンド。どう? 自慢のバイジャオウ攻撃は?」

「……舐めるなよ、この程度で俺が終わる訳ないだろ?」

 

動揺を隠せない周りに対し、唯一人浪川本人は以前強気な態度を崩さず、その反応にルムはまた笑って見せた。

 

「へぇー、ならもっと楽しませてよね?」

「楽しませるだと? そんな気も起きない程にテメェを噛み裂くだけだ!!」

 

 

 

 

[06ターン.浪川side]

[スタートステップ]

[コアステップ][リザーブ]2個→3個。

[ドローステップ][手札]3枚→4枚。

[リフレッシュステップ][トラッシュ]4個→0個。[リザーブ]4個→3個。

 

「メインステップ! 行くぞ!!」

 

果敢に掲げる一枚のカード、浪川もまたその手に握るのはキースピリットたる一枚。

 

「荒ぶる海の獣! 豪快怒涛に攻め上げろッ! ホオジロタイガーを召喚ッ!!」

 

[リザーブ]7個→0個。

[トラッシュ]0個→6個。

[手札]4枚→3枚。

 

フィールドに突如として水が浸り始め、辺り一面に水が満ち海のように化すと、海面に巻き起こる渦潮。そして渦潮の中に蠢く影が見えたかと思うと、瞬間、海面を突き破って飛び出す獣────ホオジロタイガー。

 

[フィールド]ホオジロタイガーLv.3((S1))BP20000。

 

『ここで浪川選手!! 自慢のキースピリットを呼び出した!! さぁ一気に動くか!?』

 

キースピリットを呼び出し、期待するかのように実況を語る紅葉だったが、その期待とは裏腹に冷静にフィールドを見渡すと、浪川は「ターンエンドだ」と何もせずにターンを終えてしまう。

 

『な、浪川選手動きません!? これはどうした事だ?』

『動かないのでは無く動けないんですよ』

『?』

『さっきのバイジャオウの効果を見たらわかると思いますが、今ホオジロタイガーをアタックさせても形成に変わりはありません。そればかりか、次のターン先程の様にバイジャオウに攻撃されればホオジロタイガーと言えども簡単に倒されて状況は余計不利になります』

『という事は今は完全にルム選手にフィールド支配されてしまったと!?』

 

紅葉の言葉に神子は静かに頷き、それに驚いたような表情を浮かべ、一方のルムは浪川の様子に「つまらないな」と呆れ気味に呟く。

 

「折角の召喚コールが聞いてあきれるね? それでもう終わりなんて」

「ほざけ、挑発にはのらねぇぞ?」

「……ふーん。まっ、何でもいいけどがっかりさせない程度には足掻いてよね?」

「テメェこそ俺を舐めるなよ? 言った筈だ! テメェを噛み裂くと!」

「強気なのはいいけど、生憎牙を持つのは蛇も同じだよ? それも鋭く、毒を持ったね!」

 

 

 

 

[07ターン.ルムside]

[スタートステップ]

[コアステップ][リザーブ]2個→3個。

[ドローステップ][手札]3枚→4枚。

[リフレッシュステップ][トラッシュ]4個→0個。[リザーブ]3個→7個。[フィールド]双頭の龍王バイジャオウ回復。

 

「メインステップ、ライフチャージを使用するよ?」

 

[リザーブ]7個→3個。

[トラッシュ]0個→4個。

[手札]4枚→3枚。

 

【ライフチャージ】4(3)緑、マジック。

『フラッシュ効果』コスト3以上の自分のスピリット1体を破壊する事で、ボイドからコア3個を自分のリザーブに置く。

 

「効果の対象はバイジャオウを指定」

『おっと!? ここでルム選手まさかのキースピリットを自ら破壊させるのか!?』

『それもまた彼の狙った上です』

 

ライフチャージの効果によってバイジャオウは緑の光と共にその場から消滅するが、破壊されてもなおその魂は消得ない事を現すかのように蛇の雄叫びがフィールドに響く。

 

「!」

「バイジャオウの破壊時効果、このスピリットは破壊時に手札に戻せられるのさ!」

 

[リザーブ]5個→8個。

[手札]3枚→4枚。

 

破壊されてもなおバイジャオウの魂が消える事は無い。コアを増やし、再びバイジャオウのカードを手札に呼び戻し、それに対し警戒するように構える。

 

「まだ終わらないよ? クリスタニードルを召喚、さらに戻したバイジャオウを再召喚、どちらもLv.2!」

 

新たに呼び出される怪しげな紫の体色を持つ蛇、クリスタニードル。そして先程破壊したバイジャオウを再びフィールドへと呼び戻し、二体の蛇達は鳴き声を共鳴させる。

 

[リザーブ]8個→0個。

[トラッシュ]4個→8個。

[手札]4枚→2枚。

[フィールド]双頭の龍王バイジャオウLv.2((S1)1)BP4000、クリスタニードルLv.2(2)BP2000。

 

「アタックステップ、クリスタニードルとバイジャオウでそれぞれアタックするよ?」

「どっちもライフで受ける!」

 

バトルに勝利しても道連れにされるのであれば容易に止める手立てはない。バイジャオウとクリスタニードルはそれぞれ展開されたバリアへと飛び掛かり、その牙を突立てライフを破壊する。

 

「ぐッ!!」

 

[浪川side]

[ライフ]5→3。

[リザーブ]0個→2個。

 

「フフッ、これでターンエンド」

『ルム選手、フルアタックで一気に同点に持ち込んだ! バイジャオウによって浪川選手完全にフィールドの支配権を奪われました』

『ブロックしても【呪撃】によって道連れ。破壊してもバイジャオウは何度でも手札に戻れる。浪川選手にとっては相性はよくないですね』

『浪川選手、打つ手はあるのか?』

 

心配そうに神子や海皇メンバー達がバトルの行方を見守る中、続く浪川は自分のターンを迎える。

 

 

 

[08ターン.浪川side]

[スタートステップ]

[コアステップ][リザーブ]2個→3個。

[ドローステップ][手札]3枚→4枚。

[リフレッシュステップ][トラッシュ]6個→0個。[リザーブ]3個→9個。

 

「メインステップ、バーストセット」

 

[手札]4枚→3枚。

[フィールド]ホオジロタイガーLv.3((S1))BP20000。

 

「これでターンエンドだ」

『あぁ!! 浪川選手このターンも打つ手なしか! 何もせずにターンエンド!!』

『やはりフィールドの支配権がルム選手にある以上、この勝負厳しいですね』

 

バイジャオウ一体の為に攻めにも守りにも迂闊にできない状況。ルムは笑いながら「もう終わり?」と挑発気味に尋ねる。

 

「……何度も言わせるな、俺のターンは終わりだ」

「へぇー、なら後悔しないでよ?」

 

 

 

 

[09ターン.ルムside]

[スタートステップ]

[コアステップ][リザーブ]0個→1個。

[ドローステップ][手札]2枚→3枚。

[リフレッシュステップ][トラッシュ]8個→0個。[リザーブ]1個→9個。

 

「メインステップ、バイジャオウとクリスタニードルをレベルダウン」

 

既にリザーブにコアがある状況でまださらにリザーブのコアを増やすルム。何を呼び出すつもりなのか、嵐の前の静けさの様にフィールドを包む静寂。

 

「邪なる冥界の魂喰らいし陰の皇! 蛇皇神帝アスクレピオーズをLv.2で召喚ッ!」

 

[リザーブ]11個→0個。

[トラッシュ]0個→7個。

[手札]3枚→2枚。

 

フィールドを包む瘴気が日の光を隠し、薄暗くなったフィールドを怪しく灯す紫怨の炎、その炎を纏いながら暗い闇の空より舞い降りるスピリット、蛇遣い座に伝えられしアスクレピオーズの姿だった。

 

『こ、ここでルム選手アスクレピオーズ!!? 二体目のXレアを呼び出した!?』

 

邪悪な蛇達の姿は見るもの全てに恐怖を刻みかねない程の迫力。その光景に対し、唯一人ルムだけは笑みを浮かべて眺めており、その笑みもまた邪悪を感じさせるほどの笑みだった。

 

[フィールド]蛇皇神帝アスクレピオーズLv.2((S1)3)BP12000、双頭の龍王バイジャオウLv.1(1)BP3000、クリスタニードルLv.1(1)BP10000。

 

「ハハハ! 覚悟はいいよね? アタックステップ! クリスタニードルでアタック!」

「ライフだ!!」

 

クリスタニードルの牙を剥き出しに再びバリアに喰らい付くとライフを破壊する。

 

「ッ!!」

 

[浪川side]

[ライフ]3→2。

[リザーブ]9個→10個。

 

「アスクレピオーズでさらにアタック!!」

「ライフで受ける!」

 

紫の魔神、アスクレピオーズはつえを天に掲げると、禍いを象徴するかのように黒い雷を放ち、その雷撃がバリアへと撃ち込まれ、ライフを破壊される。

 

「ぐあっ!」

 

[浪川side]

[ライフ]2→1。

[リザーブ]10個→11個。

 

さすがに衝撃が堪えたのか、衝撃に表情を歪め、バンと武凱はすぐさま「キャプテン」と心配する様に叫ぶ。

 

「残りライフは一つ、終わりだね? バイジャオウでアタック!!」

 

最後のライフを目掛けて一気にバイジャオウは進撃。【呪撃】を持つスピリットのアタックだが、それでも残るライフは1つ。結果に対しても、止めるしか打つ手はなかった。

 

「簡単に負ける程、俺は浅くねぇぞ!! ホオジロタイガーでブロック!!」

 

[Battle]双頭の龍王バイジャオウLv.1(1)BP3000vsホオジロタイガーLv.3((S1))BP20000。

 

互いに吠える蛇と鮫。二頭の首がホオジロタイガーへと喰らい付かんと襲い掛かるが、ホオジロタイガーは咄嗟に海面に飛び込み、姿が見えなくなった事にバイジャオウは足を止め、海面の様子を伺うが、次の瞬間、まるでミサイルのような勢いで海面から飛び出すホオジロタイガーの姿。あまりに猛スピードの突進にバイジャオウは宙へと突き上げられ、そのまま真っ逆様に落ちるバイジャオウにホオジロタイガーは大きく飛び上がると、その大きな口を広げ、二頭の首を纏めて喰らい付き、破壊する。

 

『ホオジロタイガーでのブロック、浪川選手何とか凌いだか!?』

「いや、まだだよ?」

「!?」

「言った筈だよ、終わりだってね!!」

 

ルムの言葉と同時に、フィールドに響く蛇の叫び。アスクレピオーズは杖を手に翳した瞬間、フィールドへと現れる紫の霊、それはまさに蛇の姿をした怨霊。無数の怨霊達がフィールドへと集い収束されると一つに集う怨霊達は徐々にその姿を変えて行く。

 

「BPを比べて破壊された時、アスクレピオーズの効果を発揮させる!」

「!」

 

【蛇皇神帝アスクレピオーズ】9(5)紫、スピリット、光導/魔神。

Lv.1(1)BP7000、Lv.2(4)BP12000、Lv.3(9)BP14000。

Lv.1、Lv.2、Lv.3『このスピリットの召喚時』

系統:「星魂」を持つ自分のスピリット1体を破壊する事で、自分はデッキから3枚ドローする。

Lv.2、Lv.3『自分のアタックステップ』

BPを比べ、系統:「光導」/「妖蛇」を持つ自分のスピリットが破壊された時、そのスピリットを回復状態で自分のフィールドに戻す。

Lv.3『このスピリットのブロック時』

このスピリットがブロックした相手のスピリット上のコア全てをボイドに置く。

 

集う怨霊達が黄泉からバイジャオウをフィールドへと呼び戻し、再び姿を現したバイジャオウは唸りを上げる。

 

『バイジャオウまたしても復活!? 破壊しても倒しても蘇り続けるルム選手のスピリット達はまさに恐怖! 私も正直怖くなってきました』

「まだ終わってないよ? さらにバイジャオウ自身の効果により【呪撃】を発揮。バトル終了後にホオジロタイガーを破壊!」

「!」

「自慢のスピリット、毒牙で仕留めてあげるよ!!!」

 

バイジャオウは蘇ると早々にバトルを終え、戻ろうと引き返すホオジロタイガーに再度突っ込み、その殺気にすぐさま振り返り迎撃しようと牙を構えるが、一頭の首が毒を吐き付け、ホオジロタイガーはそれを避けようとするが体勢を崩し、その隙にもう一頭の首が毒牙をホオジロタイガーに突き刺し、破壊してしまう。

 

『頼みの綱のホオジロタイガーも【呪撃】の前に倒れた!! 浪川選手、もはやこれまでか!!』

 

キースピリットを失い、回復状態で復活したバイジャオウはまだ攻撃が可能。もはや誰もがこの勝負の結果を見据えていた。「終わりだね?」と価値を確信するように笑いながら述べるルムだが、それに対し。

 

「……終わりだと、本気で思ってるか?」

「?」

「俺も言った筈だぞ、簡単に負ける程俺は浅くねぇと!!」

 

その目はまだ決して勝負に絶望する表情ではなく、どこまでもルムに牙を突立てんとと敵意を剥き出しに、その闘志は尽きてはいない。

 

「!」

「相手によるスピリットの破壊でバースト発動だ!」

 

勢いよく伏せたバーストが弾け飛び、それを力強く掴み取ると、そのカードを翳す。

 

「バースト効果発揮! 系統「主君」、「獣頭」を持たないスピリットを敵味方諸共全て破壊する!!」

「!?」

 

浪川の言葉とほぼ同時にフィールドに広がった海面は、突如として激流を巻き上げて上昇し、そのまま地上に向けて巨大な津波の如くフィールド全てを激流が呑み込み、激流による余りの水圧にクリスタニードル、バイジャオウ、アスクレピオーズの三体は押し潰されるかのように激流に沈み、バトルによる破壊では無い為アスクレピオーズは自らの効果を使えず、そのまま三体とも激流の中で消滅してしまう。

 

「バイジャオウは破壊時効果で手札に戻す!」

 

[手札]2枚→3枚。

 

「関係ねぇ! この効果発揮後にこいつをバーストを召喚できる! 荒ぶる激流の力で全てを呑み込み破壊し尽せ!! 七海大名シロナガスをバースト召喚!」

 

【七海大名シロナガス】12(3)青、スピリット、獣頭。

Lv.1(1)BP11000、Lv.2(3)BP15000、Lv.3(4)BP18000。

S(ソウル)バースト:相手による自分のスピリット消滅/破壊後】

系統:「主君」/「家臣」を持たないスピリット全てを破壊する。この効果発揮後、このスピリットカードをコストを支払わずに召喚する。

Lv.2、Lv.3『このスピリットのアタック時』

自分のライフが3以下の時、このスピリットのコスト以下の相手のスピリット/アルティメット1体を破壊し、このターンの間、この効果で破壊した相手のスピリット/アルティメット1体が持つシンボル1つに付き、このスピリットに青のシンボル一つを追加する。

 

フィールド全てを埋め尽くす激流はさらにその激しさを増すが、海面より蠢く一体の巨大な影。その影は手に持った薙刀を振るい、繰り出す斬撃は海面から空へと向けて撃ち放たれ、海面を真っ二つに裂いて雨の様に降り注ぐ水飛沫を浴びるそのスピリットこそ、七海大名シロナガス。

 

『おぉっと!! 敗北必死の状況下で浪川選手、逆転となる新たなキースピリットを呼び出した!!!』

『七海大名シロナガス、ホオジロタイガー以外にもまだこんな強力なスピリットを隠し持っていたとは』

 

神子達の言葉に「エンザの時には出せなかったがな」と答え、ルムはシロナガスの姿に対し何を思うのか、冷静にその姿を見つめている。

 

「やるね、そうでなくちゃね。僕はこれでターンエンド」

「虚勢のつもりか? 生憎ここからはもう俺の勝利で飾らせてもらう!!」

 

 

 

 

[10ターン.浪川side]

[スタートステップ]

[コアステップ][リザーブ]8個→9個。

[ドローステップ][手札]3枚→4枚。

[リフレッシュステップ]七海大名シロナガスLv.3((S1)3)BP18000。

 

「メインステップ、海王神獣トライポセイドスを召喚だ!!」

 

[リザーブ]9個→3個。

[トラッシュ]0個→5個。

[手札]4枚→3枚。

 

【海王神獣トライポセイドス】6(3)青、スピリット、異合/神星。

Lv.1(1)BP5000、Lv.2(4)BP8000。

Lv.1、Lv.2『自分のアタックステップ』

自分のコスト7以上のスピリット全てを、そのスピリットが持つ最高Lvとして扱う。

Lv.2『自分のアタックステップ』

自分のコスト7以上のスピリット全てをBP+3000する。

 

海面から飛び出すスピリット、だがまだ足りないのか、さらに手札の一枚に手を掛ける。

 

「海の力を得し魔神! 異魔神ブレイヴの一角! 鮫魔神を召喚だッ!!」

 

海面から飛び出す幽体のような半透明な体を持つブレイヴ、鮫魔神。

 

[リザーブ]3個→0個。

[トラッシュ]5個→8個。

[手札]2枚→1枚。

 

「荒ぶる海の獣共!! その底力を見せしめる時だぁッ!! トライポセイドスを鮫魔神に【左合体(レフトブレイヴ)】! シロナガスを鮫魔神と【右合体(ライトブレイヴ)】だッ!!」

 

鮫魔神はトライポセイドスとシロナガスの二体に取り付き、己とリンクさせ、ブレイヴした事で鮫魔神もまた力を開放するかのように先程までの半透明な体を完全に実体化させ、力強く吠える。

 

「アタックステップ!! トライポセイドスの効果発揮!! 俺のコスト7以上のスピリット全てを最高レベルとする! 鮫魔神とブレイヴした事でトライポセイドス自身のコストは11! シロナガスのコストは17!! よってこの二体を最高レベルとして扱い、さらにトライポセイドスのLv.2の効果でブレイヴした2体をさらにBP+3000!!」

『浪川選手!! 圧倒的なパワーを見せてくれます!!』

『現在のトライポセイドスのBPは15000、シロナガスのBPは21000、ホオジロタイガーをも上回る驚異のパワーですね』

 

嬉々として語る実況、だが浪川にとっては実況の言葉も、自分に向けられた声援も聞く耳を持ち合わせてはいない。彼が求めるのは唯一つ、このバトルによる勝利のみ。

 

「行くぞ!! トライポセイドスでアタック!!!」

 

腕の矛を掲げながら一気に進撃するトライポセイドス。激流をその身に纏いながら突っ込み、豪快な一撃をルムへと叩き込むと一気にライフを破壊する。

 

[ルムside]

[ライフ]3→1。

[リザーブ]6個→8個。

 

「これで終わりだ! 鮫は喰らい付けば蛇と違って最後までその牙を離さねえ!! 身をもってそれを知れッ!! シロナガスでアタック!!」

 

鮫魔神は両手の光弾を海面に撃ち込み、衝撃によって再び津波を引き起こすと、シロナガスはその波に乗り上げ、一気にルムへと迫る。

 

「……ここまでだね。ライフで受けるよ」

 

打つ手立てはないのか、諦めたように言葉を吐き捨てると、最後のライフに向けて、津波の勢いを乗せて一気に薙刀での一閃。残るライフを豪快に破壊する。

 

「ッ!!!」

 

[ルムside]

[ライフ]1→0[Lose]

 

 

 

 

***

 

 

 

 

『決まったーーッ!!! 浪川選手、やはり強し! レッドドラゴンと互角にぶつかり合ったその実力は今なお健在だ!!』

『いえ、あの時よりも浪川選手はさらに強くなってます。これは浪川選手にも今後目が離せないですね』

『成程!! では今日の放送はこれまで!! また次回も熱いバトルを!』

 

放送を終えた瞬間、「終わった?」と突然を声を掛ける人物。その声にバン達も気づき、振り返ると、そこには紫苑の姿があった。

 

「よっ、神子ちゃん達に海皇メンバーの皆も御揃いで」

「紫苑さん、本当にあなた神出鬼没ですね」

「あれぇ? 神子ちゃんがそれ言っちゃう? まっ、俺も今さっき来たとこなんだけどさ」

 

軽い調子での会話だが、紫苑の姿に武凱とバンは紫苑を受け入れがたいように表情で示し、「何しに来やがった?」と苛立ち気味に尋ねる。

 

「相変わらずお二人さん怖いね、ちょっとは落ち着いてよ?」

「うるせぇ、解説実況の神子達ならまだしも、テメェみたいな部外者が何しにここに来やがったんだ!!」

「御尤、けど安心してくれよ。用事済ませたらすぐ帰るからよ」

「用事だと?」

 

バン達の言葉に対し、紫苑は「あいつにな」と指刺し、その先にいたのはルムの姿だった。

 

「あいつに!?」

 

不思議に思いながらも紫苑はそれに構う事無くステージと降り、ルムと浪川の間に駆け寄って行き、二人も紫苑の姿に気づく。

 

「八鳥、紫苑だったな? お前もここに何の用だ?」

「見知っていただき恐縮。用としては、そこにいる内のチームシャドウのメンバーを迎えに来た次第でさぁ」

「チームメンバー! こいつがか!?」

 

紫苑の言葉に驚いたように反応し、ルム本人も特に否定する様子はなく、それに頷いて見せる。

 

「チームシャドウ、てっきり俺は架空のものだと思ってたんだがな」

「あー、どっかの誰かさんにもそれ言われたわ。まぁチームメンバーにも他にいるし、存在してるって事ぐらいは認知してもらえたかな?」

「あぁ覚えてやる。そして此奴が今回俺にバトル挑んできたのもテメェの差し金って事か?」

 

眉間にしわを寄せて声を低くして尋ねる浪川の言葉に、紫苑はわざとおどけた反応を示しながら「違う違う」と否定して見せる。

 

「悪魔でそれは誤解だって。うちらチームシャドウはランキング未登録だからな」

「別にお前等のチームの現状はどうだっていい。テメェのメンバーぐらいテメェでしっかり管理しとけ」

「おや? それに関してはブーメランになるけど?」

 

バンと武凱を一瞥しながら言い、二人は心当たりがあるかのように言葉を詰まらせる。

 

「まあ、確かに今回の事はチームリーダーとして謝罪さしてもらうぜ。ルムによーく俺の方から言っとくし、ルムもバトルできて満足だろ?」

 

紫苑の言葉にルムは静かに頷き、先程のバトルを思い返し満足したような笑みを浮かべる。

 

「うん。負けたけど、楽しかったよ。噂通りの強者だったよ、浪川海斗。できればまたやりたいね。今度こそ勝利を飾るためにさ」

「ふん、テメェが俺に歯向かうならいつでも噛み裂いてやるよ。それはテメェも同じだぞ、紫苑!」

「お、俺は別にそんな気ないって。まぁとにかく迷惑かけたからこの辺で失礼するぜ」

 

おどけた調子で言いながら背を向けてスタジアムを後にしようとする紫苑とルムだったが、「待て!」と声を荒げて呼び止める。

 

「紫苑、テメェいつまで弱者の皮を被ってるつもりだ?」

「? ちょっと何言ってんのか分からねぇな」

「……まぁいい。いずれせよ、俺の前に立つ奴は全員噛み砕く。それを覚えてけ!」

「へぇへぇ、肝に銘じておきますよ!」

 

「じゃぁこの辺で!」と最後まで軽い調子でスタジアムから出て行く二人、その姿を見届けると、バンや武凱も浪川の元へと駆け寄る。

 

「キャプテン、バトル凄かったぜ! やっぱ敵なしだな!」

「そうともよ、この調子でエンザにもリベンジして、他の上位チームも倒してすぐにキャプテンがナンバーワンを証明する日も近いぜ!」

「……正直それで終わりなら楽なんだがな」

「えっ?」

「超えるべき相手が目先だけにいるとは限らねぇって話だ」

 

何かを見据えたかのような浪川の言葉、バンと武凱はその真意を把握できていないように顔を見合わせて首を傾げる。

 

「キャプテン、言ってる意味がよく?」

「八鳥紫苑、あいつもまた俺の超えるべき相手になりかねねぇ事だ」

「紫苑? あんなのエンザとつるんでる唯の腰巾着じゃないですか? チームリーダーっぽいっすけど、バトルも基本しないし、実力も大したことある訳────」

「お前の目は節穴か?」

「!?」

「チームメンバーのルムはそれなりの実力だった。そしてあいつとバトルして確信できた。強者と戦う事を常とする目、そういう目の奴は絶対に自分より弱い相手には従わない。例え演技だと受け入れ難いほどにな」

「?」

「もし仮に奴が本当に実力が取るに足らない相手なら少なくともルムはアイツを自分のリーダーである事を認める事はねぇ。だが認めている以上、アイツの実力はルムより上なのは確かだ」

「う、嘘だろ!?」

 

浪川の言葉には二人とも唯々衝撃的だった。しかし浪川は二人は別に、少しだけを口元を緩ませ、笑って見せた。

 

「まぁどんな奴にしろ、負ける気はないがな」

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「で? お前が来たって事はあいつも来てんのか?」

 

舞台は変わり、スタジアムを後に街外れを歩く紫苑と、その後に続くルム。歩きながら振り返る事無くルムに向けてそう言うと、ルムは足を止めて「いいや」とその言葉に応える。

 

「まだ私用が忙しんだって。でも言伝は預かってるよ」

「ほぉ? で、何だって?」

「『そろそろ本格的に動け』だってさ」

 

意味深な伝言だが、それに対し紫苑は可笑しそうに笑って見せる。

 

「ハハ、だからお前が来たって訳か」

「そうかもね。で? どうするの?」

「フン、アイツが来ねぇうちは何もしねぇ、そんな命令みたいな伝言聞いてられるかよ」

「それ聞いたらアイツなんて言うだろうね」

「知るかよ、リーダーは俺だぜ? それとも文句でもあるか?」

「別に。僕は言伝に預かっただけ。後の事は従うだけだよ」

「なら今まで通り好きにやらせてもらうだけさ。気楽にいこうぜ? お互いにな」

「別に構わないよ、リーダー」

 

言葉の真意は分からないものの会話を話終えると、二人は再び歩き出すのだった。




まず最初に更新遅れてすみません、ちょっと最近小説活動がローペスになってました。今までが早すぎただけで今後からこんなペースになってしまうかもしれませんが、なるべく早めに早めに投稿できるよう頑張ります! 読んでいただいた方には本当にありがとうございます。そしていかがでしたでしょうか! 今回のバトル!!

速いものでもう第10話目の更新となってました。そしてまた新たに新キャラ蛇目ルム! キースピリットであるアスクレピオーズやバイジャオウ等、前の小説で書きたかったのですが、書く場面がなく今回この小説で登場させることが出来てとてもうれしいです!!



ラストはちょっとシリアスっぽいのですが、まぁ今後はどうなるかはこれからもッ見逃さず見てもらえれば(ステマ)
話は変わりまして、アニメでは新たに亥の神皇、カラミティボア出ましたね! デッキ破棄が封じられてても相手スピリットへの連続指定アタックだけでも脅威となるのでかなり強いのではと思います。でも正直カラミティボアより次の弾で出る新規古龍Xと辰の神皇が気になってます(笑)
【呪縛】がどんな効果なのか凄い気になってます!! 指定アタックしたスピリットが動いてバトル終了時に死ぬという効果なのかと予想してますが、まぁ期待して待つ次第です。

小説は第10話まで書けたので、次はその記念として特別篇的なものを書きたいな思ってます。クソ茶番になりそうな予感がしますが、温かい目で見てもらえると助かります(ノД`)・゜・。

これからもこの小説をどうぞよろしくお願いします!
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