気がつくと海の上に私は立っていた。白をベースに青い文字で「PLH33 あさひ」と書かれている艤装を背負っている。腕には放水銃をもっている。
「なにこれ?」
私は海上保安庁の巡視船だったはず。間違っても海の上に立つような人型はしていなかった。
そう考えていると背負っている艤装からひょっと小さな人が出てきた。服装や顔つきはどことなく私に乗船していた海上保安官に似ている。彼はいろいろ教えてくれた。彼曰く、今私がいるのは日本のEZZ(排他的経済水域)にいるそうで、現在、国籍不明の複数の船がここから30分くらい航行した距離の所にいるようだ。
「私は海保の巡視船。不審船があるなら向かわなきゃ。」
私はその方向へ向かった。不思議な事に進もうとすると自然と航行できた。この体?での航行の仕方をしらないはずなのに。まあ今はいいや。その不審船のいる海域へ急ごう。
30分後。私の視界にはレーダーで確認されたと思われる不審船の位置に海上に浮かんでいる女の子と見たことのない化け物がいた。口とおぼしき所から砲撃?を女の子にしているようだ。明らかに女の子は襲われているようだ。助けねば。
私は艤装の小さな保安官にサイレンを鳴らすように指示した。続いて私は音声警告をした。
「こちらは日本の海上保安庁です。ここは日本の排他的経済水域です。直ちに・・・」
ドン!と化け物が砲撃をしてきて私の手前に着弾した。まだ音声警告の最中なのに。落ち着け。次は警告射撃だ。エリコン35㍉連装機銃で化け物の手前に狙いを定め、数発発砲する。
幸いなことに化け物は全速力でどこかへ消えていった。追いかけたいが、私の目の前には、私とおんなじ感じで水上に艤装を背負って立っている少女がいる。だが彼女は服も艤装もボロボロで立っているのもやっとって感じだ。
「こんにちは。私はあさひです。大丈夫ですか?」
化け物に襲われたのだろうか。相当ボロボロな感じだ。
「助けてくれてありがとうございます・・・すみません・・・私、もう燃料がなくて・・・横須賀まで鬼船してくれませんか?」
彼女は駆逐艦の吹雪。数隻で哨戒任務をしていたが戦闘になり、はぐれたらしい。
彼女は私と同じように艦娘という存在らしい。私の場合は船娘というのが正しいかもしれないが。
もっと詳しくいろいろと話を聞きたかったが疲れてしまったのか。彼女は水上で仰向けに倒れてしまった。仕方ない。私はけん引用のロープで彼女と私の体を結び横須賀へ向かおうとする。そうだ。一応、海上保安本部に連絡しよう。艤装にいる小さな保安官に本部へ連絡するように頼んでおいた。が、返事はないようだ。仕方ない。このまま、向かうか。