私に乗船している小さな保安官に頼んで海上保安本部に連絡しておいてもらったが、返事は結局なかった。10時間ほどだろうか。横須賀に到着した。海上自衛隊の護衛艦や米軍の軍艦がたくさん停泊していた。
吹雪は港で待機していた救急隊に担架で運ばれた。意識はあるが緊急手術しなければならないらしい。無事だといいが。大丈夫だろうか。
吹雪を救急隊に引き渡したのち、吹雪の上司がお礼を言いたいそうで、私はセーラー服を着た少女に建物内に案内された。彼女は漣。吹雪と同じく駆逐艦娘で普段は事務方らしい。
「こちらです。どうぞ。」
執務室とプレートが貼ってあった部屋に案内されると、白い制服を着た男性が立っていた。さあ、どうぞこちらへとソファへ座るようにと私は促された。
「ようこそ。今回はうちの吹雪を救助して頂き本当にありがとうございます。あ、申し遅れました。私は彼女の上司で第二護衛艦隊司令、飯田少佐です。」
「私は海上保安庁のあさひです。吹雪さんの件は当然の事をしたまでです。あの・・・所で彼女は・・・」
「彼女はすぐに病院へ搬送し、治療をしております。が、幸いにもけがは少なく、あさってには退院できるらしいですよ。」
「そうですか・・・よかった・・・」
「さて。次にあなたの事ですが・・・」
「お茶です。」
「あ。どうもです。」
漣がお茶を淹れてくれた。動きが素早い。そしていつの間にかいなくなっていた。
話を戻して、飯田少佐はいろいろ話してくれた。
まず、私が最初に見た化け物は深海棲艦といって船舶を攻撃したりするものらしい。深海棲艦が世に出てきたのと同じころ、私や吹雪、漣のような艦娘が登場した。艦娘たちは「守りたい」という思いで、深海棲艦からの攻撃から船舶や人々を守ってくれるらしい。
で、私の艤装に乗っていた小さな保安官達は「妖精」という存在らしい。詳細は今後教えてくれるようだ。
今は勿論自衛隊や海上保安庁があるので最初艦娘たちがあらわれた時、海自に所属させようとしたが、彼女達の希望で海軍が復活したそうだ。現在、仕事役割分担としては
深海棲艦からの攻撃から日本を守るのが海軍
普通の軍艦とかから守るのが自衛隊
海上の交通安全、警察業務をするのが海上保安庁
という感じらしい。
「まあ、あれだ。当時政府の世論の苦し紛れの対応なんだろうね。さて・・・君は海保の巡視船なんだよね。今まで巡視船ってのが現れたことがなくてね・・・ちょっと扱いがわからなくてね・・・しばらく、うちに滞在してくれ。漣。」
「はい。ご主人さま。ここに。」
漣が再び現れる。いつの間に。
「彼女を部屋に案内を。あと基地内を軽く案内してあげて。」
「承りました。では、あさひさん。こちらへ。」
私は立ち上がり飯田少佐に敬礼して執務室をあとにし、工廠にやって来た。私の艤装を置くためだ。
「ここが工廠です。えっと・・・明石さーん!」
漣が明石を大声で呼ぶ。
「はいはーい。」
奥からだれか走って来た。
「お待たせしました。あ、漣さん。こんにちは。ん?あれ?そちらの方は?」
「明石さん。こちらは午前中に吹雪ちゃんを助けてくれたあさひさんですよ。」
「ああ!あなたがですか!吹雪ちゃんを助けてくれて本当にありがとうございます!」
この人は明石。旧海軍の工作艦「明石」だ。ここでは艦娘の艤装の修理などを請け負っているそうだ。
「いえ・・・その件につきましては・・・」
「所で変わった艤装していますね!!見せてくだ・・・」
「明石さん。艤装ロッカーの空きってありますか?」
明石が暴走しかけて、漣がすかさず本題を言う。
「・・・空いてますよ・・・あのどうせしまうならちょっと・・・」
「明石さん。彼女の所属はココじゃないんです。だから勝手にいじったらやばいんです。しまったら絶対にいじりまわさないで下さい。」
漣がくぎを刺す。
「わかりました・・・どうぞこちらへ。」
私たちは明石に案内されて工廠内の艤装ロッカーに艤装をしまった。
夕食は基地の食堂で頂いた。この体だから補給をするのは艤装だけではなく体の方もしなければならない。が、多くの人に声を掛けられあんまりゆっくりできなかった。
今日は疲れた。
いや・・・話があんまり進まなくてすみません・・・